こんにちは。かわいです。
先週のブログで記した大学教育学会では、10年近く前から交流のある先生方とラウンドテーブルを持ちました。
ラウンドテーブルは、「経験学習型教育実践で学生にどのように働きかけるのか〜学生への働きかけをめぐる実践知についての省察〜」
というタイトルです。
おもしろかったことは、登壇者の三人ともにかなり学生に寄りそって、問いかけていたということです。
例えば、私の場合、学生さんがいろいろ粘り強く挑戦していると口にしたら「どんなことを粘り強く取り組んだのですか」
続けて、「ロボコンの大会です」と答えたら、「そこでどんなことに粘り強く答えたのですか」と繰り返し、問いかける
ことを3名とも実践していました。
別の先生は、「なぜ〜をするのか」「何のために〜をするのか」「そもそも、なぜ〜するのか」と「なぜ」という
問いを繰り返し学生に渡していると実践の様子を報告してくださいました。また別の先生は、学生さん自身が感じたことを
一通り語ってもらった後、別の立場の人がどう感じていたか、その人からはどう見えていたかと複数の立場・視点を変え、
て言語化できるように働きかけていました。
言語化すること(あるいは現実それ自体)のもつ重層性を問いかけることでときほぐしていくような実践の様子が見えて
とても興味深かったです。
最後に、フロアの参加者の方々も含めて頭を悩ませたのは、
・「このような問いかけは重要だし有効だと思うが、過剰・過保護なのではないか」
・「学生が、自分たち自身でそれをできるようになるにはどうすればいいのか」
・「私たち(教職員)が与える側になることで、学生を受け取る側(受動的な立場)に固定しているのではないか」
という問題でした。研究としてはとても大切な問題を再確認できて有意義な時間でした。
実践としては、この問題を視界に収めて、日々の実践の中で悩んでいくしかなく、悩ましい限りです。
かわい