2019.06.20

テニスのセルフジャッジ



今回は、立命館大学体育会硬式庭球部女子部主将の古賀千遥さん(スポ-ツ健康科学部4回生)にお話を伺いました。

現在、硬式庭球部女子部は関西の2部リ-グに位置し1部昇格を目指し、チ-ム一丸となって日々の練習に取り組んでいます。

練習を見学に行った時、タバタトレ-ニングを行っており、選手らがコートに倒れこんでいる姿が印象的でした。

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古賀さん個人は関西ベスト16で、もっと上位を目指したいと頑張っています。

ところで、古賀さんに教えてもらったことは、テニスの試合の運営方法です。

例えばアメリカンフットボ-ルやラグビ-といった球技では、審判法を学んだ専門家(審判資格保有者)に笛を吹いてもらうことが一般的です。

しかしテニスは異なり、関西ベスト8までの試合は、セルフジャッジを基本としています。ベスト8以上の試合でも、各チ-ムから選出された選手が審判を行うことになっています。セルフジャッジとは、プレ-している選手が審判を兼ねて試合を運営する仕組みなのです。球技を経験されている方から見れば、大丈夫?と言いたくなりますが、テニスの場合、問題なく試合が運営されています。


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テニスに詳しくない私から見れば、ボ-ルを追いかけて走っており、アウトかインを正確に判断できるのか?と心配します。

また、少しでも自分に有利な判定をしないのかという疑問があります。

古賀さんは、テニス選手は子どもの時からセルフジャッジを経験しているので、ほぼ正確に判定できると言います。

しかし、時には私の打った球は本当にアウト?と疑う時はあるそうです。

ところが、そういった誤審に憤慨していると、自分のリズムが崩れ相手のペ-スで試合が展開するため、気にせず確実にインだと判定できるコースに打ち分けて戦うよう心がけているそうです。

相手の誤審(卑怯な判定を含む)を怒らないのも実力だと言います。


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少し笑ってしまうのが、古賀さんは自分に不利になる誤審をよくするそうです。

相手の打った球がアウトなのに、インだと思ってプレ-を続けてしまうことが多いそうです。結果として相手に得点を与えてしまうそうです。

個人戦はいいとしても、団体戦ではチーム順位に影響するので、チームの仲間からよく「アウトなのに、なぜプレ-を続けるの?もったいない!!」と指摘されるそうです。

 

そんな善人の古賀さんに、真夏に敵選手が熱中症で脚を痙攣したらどうする?のかを聞きました。

相手には申し訳ないけど、痙攣を起こすという事は、熱中症への対策不足であり、熱い中での練習不足なので、丁寧にボ-ルを敵コ-トに打ち、相手を走らせるよう自分に言い聞かせているとのことです。

 

テニスはメンタルの種目と言われます。

お話を聞いて「自分との闘いスポ-ツ」という印象を持ちました。

古賀さんは、個人の戦績はまだまだだけど、「苦しさから逃げない自分」をテニスで学んでいるそうです。