2020.01.14

自己調整学習

01/14



こんにちは、かわいです。

学習科学論の授業で自己調整学習について紹介しました。

学習についての科学の中では新しい潮流で研究もたくさん産み出されている領域です。

自分も読んでいてとても勉強になりました。


自己調整学習ができる学習者とそうでない学習者の対比が突き刺さります。

 (kawai)20200114

自己調整がうまくできない学習者は次のように記述されていました。

遠く漠然とした目標は持っているものの、目の前のしなくてはならない作業を

しっかりやり遂げる自己効力感は低く、興味も持てない。その結果、計画も貧弱、

うまくいかなくてもしっかり取り組まなかったからだと言い訳を用意し、

結果だけを見て単位さえ取れればそれで良しというスタンスになる。

結果、単位が取れようが取れまいが、知識も必要な能力も身に付かず、

成長のない悪循環を繰り返してしまう。


自己調整ができる学習者は、

遠い目標だけでなく目の前の課題に焦点を合わせた目標を持ち、

自分のできるところは着実に、できるかどうか背伸びする領域にも挑戦し、

うまくいかなくても、そのプロセスから学んでできるように試行錯誤し、

自分でフィードバックしたり、または他人からフィードバックをもらい、

結果についてはおまけ(付随的なもの)と捉える成熟した姿勢を示します。

結果、自身の興味関心や視野の地平を広げ、行動と経験を豊かに広げ、

能力も拡張していき、自分のできることとしたいことを豊かにしていきます。

(アイデンティティ研究の用語を使うなら、アイデンティティ地平を広げる

 と言いたいところです)


問題は、どうすれば、自己調整学習ができるようになるのかということです。

・一つは学習の型にはめてできるようになるまでパターン学習する

・他人の学習プロセスから学ぶ(モデリング)

・自分の学習プロセスをモニタリングしてコントロールする


いずれにせよ、かなりターゲットを絞って細部に分け入った作業を

「できるように」支援することが重要になりそうです。

難しいのは、自己調整学習が弱い学習者の方が、

そのようなことを「できるつもり」になってしまうという点です。

はっきりと「できていない」という結果に直面し、フィードバックを

受けることが出発点でしょうか。あるいは、「できる」まで進めない

経験も重要かもしれません。


大学では自由に学べるはずですが、日々の多様かつ多量の経験に圧倒

されてしまうこともあるかもしれません。ぜひ、2020は、自分の

テーマを自分で追求していくということを大事にしてほしいと思います。


もちろん、自分ごとから始めねば、ですね。


かわい