2020.01.23

「寅さん」が帰ってきた


昨年末から、「男はつらいよ 50 お帰り寅さん」が上映されています。

私は、教職を志す学生に「男はつらいよ 寅次郎」(映画)を観なさいと指導してきました。

ほとんどの学生は、「あんな娯楽映画をなぜ薦めたのか。教職の勉強に関係ない。時間の無駄だった!」と不満を述べます。

この映画を娯楽映画として観るのか、教育映画として観るのかは人によって異なるところです。


 

不満を述べる学生に、落ちこぼれ、定職についていない、けして男前ではない(渥美清さんゴメンなさい)寅さんが、なぜ皆から愛されるのか?、マドンナから頼られるのか?を考えなさいとアドバイスしてきました。

父親から「お前は勉強ができない」「顔がみっともない」「お前はバカだ」と言われ育ったのに、人に対し「優しくできる」「思いやりがある」という寅さんの人間力を考えることが我々に求められているかと思います。

 


スポーツ健康科学部1期生のN君は現在、京都府の中学校で教員をしています。

彼も、寅さんは娯楽映画だと憤慨した一人です。

しかし、いつの間にか「寅さん」ばかりでなく山田洋次監督の「学校」などの映画も観て、考えたことを常に話してくれました。

映画を観て「テストの点がいいから優秀な生徒」という評価はいいのかと悩み続けていました。

教員になって、今でも寅さんを観ていると言います。

そして「テストの点が悪くても、クラブ活動で後片付けをしている生徒の方が人間的に優秀だと言えるのにな~でも入試ではその点を評価してくれない。」と熱く語ってくれます。

 


 

昨年末に、教職を志すゼミ生が、なぜ寅さんは腰を低くして片腕を正面に出して「私は、生まれも育ちも葛飾柴又です。・・・」と言うのかと質問してきました。

寅さんの真似をして、「私は、生まれは〇〇県〇〇市、第二の故郷はご存知、東海道と中山道が出会う草津市です。・・・」と言ってみたらとアドバイスしました。

寅さんは、自分を見守る仲間がいつも葛飾柴又に居ると思っているのでしょうか?

スポーツ健康科学部で学ぶ皆さん方が、草津での学びに誇りを感じ、いつでも帰ってきてもらえるよう頑張りたいですね~

 

寅さんは、言います。

「困ったことがあったら、風に向かって俺の名前を呼べ」と。

写真は、私が大学時代から何度も読み直しているブックレットです。

 

nao