[ 2013年09月 ] の記事一覧

2013.09.10

来年は30周年の学会

 この時期は、学会シーズンです。日本体育学会に続いて、先週末は産業・組織心理学会が京都で行われました。

 今回、私は、職場の人間関係、上司と部下の信頼関係(崩壊と再構築の条件)についての研究報告をしました。このセッション、他の発表の先生方のご発表も興味深く、フロアの多くの先生方と一緒に活発な議論が展開しました。上司と部下の関係のなかで、"ほめ"や"叱り"といった、フィードバックのあり方というのは、実務家にとっても研究者にとっても、いま(改めて)ホットになっているテーマの一つのようです。

 ゼミ学生も学会参加をして、自分の卒論に関連する情報やきっかけが得られたようです。現場と研究の間を行ったり来たりしながら、目の前のことを観て、考えて、自分の糧にしてくれれば、と願っています。 

 その学会が、来年は30周年を迎えます(札幌開催!)。この時間をともにされた先生方は「まだ30年、もう30年」といろいろな思いが交錯されるのではないかと思います。私たちは、その先輩方の歴史を知って、学んで、引き継いでいかなければならないなぁと、30年間という時間の重みを感じています。 
 【ippo】


2013.09.09

ガスビル食堂(大阪ガス本社8F)

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大阪の淀屋橋駅から御堂筋を少し下がったところに、大阪ガス本社ビル(ガスビルとの愛称)があります。

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1933年に開業され、戦災からも免れ、80年間も維持されている。その8Fにあるガスビル食堂も、創業当時から同じ場所で営業されています。もちろん、今も営業中です。ここだけの話ですが、超オススメです。

今回は、Team Reco のメンバー(大阪ガスさんとスポーツ健康科学部共同のチーム)の大阪ガスさんのメンバー交代があり、新旧メンバーをいれた懇談会に呼んでいただきました。本当に、落ち着いた良い雰囲気で、お料理もお酒もそして何よりもおもてなしの心が素晴らしい会食でした。

大阪ガスの皆さんありがとうございました。

そのときの参加メンバーには、【林君】もいました。彼のお礼状がその感動と喜びを伝えてくれていますので紹介します。

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昨日は文化的な建物の中で舌鼓を打ちながら、ワインや食に造詣の深いみなさまに囲まれて、楽しくも貴重な時間を過ごすことができました。心より感謝申し上げます。

ガスビル食堂に再度足を運べたこと、何よりもうれしく、人と場と食がこれからの未来を創っていくのだと再認識することができました。

発砲ワインのスプマンテから始まり、クメウリヴァーのシャルドネ、シャンボール・ミュジニーなど素晴らしい飲み物に囲まれてセロリとキノコ・オニオン・トマトをペースト状にした前菜、リードボー、そして伊坂先生が唸ったビシソワーズとジュレとメイン、そして極めつけのムーサカとカレーが!!

これらの食材とワインが織りなす口内の幸せな時間が継続しっぱなしでした。ほんとにありがとうございました。

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もちろん、今後も大阪ガス様とスポ健との連携により、より意義のあるものを創造し、世の中に残すべきものを残していくことができれば幸いです。よきパートナーとして今後ともお付き合いいただければ、本当にうれしいです。

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素晴らしい出会いと交流が人生を豊かにしてくれます。このことを実感させていただきました。

 

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<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

その1 先週の木曜日に、教授会FDセミナーを行い、スポーツ健康科学部・同研究科の未来構想、学部、研究科の教育研究について、丸一日かけて議論しました。この成果は、これからの教学・研究に必ず反映します。



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その2 2020年の夏季オリンピック、パラリンピックの開催地が東京に決まりました!

その招致決定を祝して、1964年東京オリンピックを開催した国立競技場の聖火台に、約50年ぶりに聖火がともりました!

【忠】











2013.09.08

「健康づくり」も「識字」から!!

98日。「今日は何の日」流に言えば、何と言っても思い起こされるのが、その後の「世界秩序」を作る上で決定的な役割をもつことになった、「日本との平和条約(サンフランシスコ平和条約)」と「日米安全保障条約」が調印されたことだろう。1951年の「この日」だった。

しかし、ここで注目したいのは、1965年の「この日」のことだ。イランのテヘランで開かれた「世界文相会議」において、イランのパーレビ国王が軍事費の一部を識字教育に回すことを記念してユネスコが制定した「国際識字デー」だ。

「識字」とは、「文字の読み書きが出来ること」で、それこそ教育水準が問われる問題だ。世界には、戦争や貧困等によって読み書きの出来ない人が10億人以上いると言われている。例えば、『貧困からの自由 世界最大のNGO-BRACとアベッド総裁の軌跡(イアン・スマイリー/笠原清志監訳、明石書店)では、バングラデシュで打ち出されてきた農村開発プログラムの業績に意味を持たせる上で決定的に重要だったとして、北東部の町・シレットのスラ地域における「非識字成人」すべて(84,000)を対象とする計画が立てられ、さらに5歳から11歳の子ども全員を小学校に入れる運動が企画されたことが語られている。1972年のことだったというが、その当時としても、凡そ日本では考えられない「成人人口の80%が文字を読めない」教育問題が大きく横たわり、国の諸開発の「足枷」になっていたのだ。

こうした状況に関連しながら、私の「識字」への関心は、専ら「健康づくり」との関連においてである。健康づくりには、「所得と社会的地位」・「社会支援ネットワーク」・「雇用/労働環境」・「社会環境」・「物理的環境(空気、水、食品等々)」・「医療」等々、多くの「健康の決定要因」がある。その中で忘れてならないものに「教育と識字能力」がある。極端な例ではあるが、処方されてきた数種類の薬品について、それを間違えずに、当たり前のように処方出来るのは「識字能力」があってこそだ。様々に有用な「健康情報」の入手のためにも必要だ。  

「平均寿命」が女性86歳、男性79歳を超え、「乳児死亡率」が10002.6、そして「百寿者」が4万人を超える、いわゆる「健康大国」であればこその、「健康の決定要因」の整備が、世界的には決して「常識」ではない。そのことの端的な表れが「識字」問題だ。

国の開発・発展のための基礎に据わる「生命・健康」の問題。「国際識字デー」に当たって、改めて、その保証と充実に思いを巡らせたい。  mm

2013.09.07

トレーニング効果の個人差

この春から実施している筋トレ実験の中間測定が無事に終了しました。
6週間の上肢の筋トレの後、今月から下肢筋のトレーニングを12週間継続します。

この実験のデータの一部は卒業研究となりますが、研究の目的は「筋トレによる筋肥大の個人差」を解明することです。トレーニングのタイプに関わらず、身体トレーニングに対する応答性の高い人と応答性の低い人が存在します。現在のところ、トレーニングを実施する前にその効果を予測することはできません。

将来的にはこの研究成果に基づいて、個々の応答性に合わせた形で効果的な運動処方が実施できると良いなと思います。
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satoshi

2013.09.06

ゼビオ5daysインターンシップ最終日

こんにちは。
今日はゼビオ東京本社で5日間のインターンシップの最終日、グループごとのインターンシップ期間を通じた課題に対するプレゼンテーションと参加者の振り返りが行われました。

このインターンシップでは、同社の役員、担当者からの基幹事業、新規事業についてのレクチャー、ビジネスを理解するグループワーク、店舗視察、体験型の新しいコンセプトの店舗─Xspotの見学、日本有数の本格的多目的アリーナ─ゼビオアリーナ仙台の見学などを通じ、仕上げとして「ゼビオの新規事業を創造せよ」との課題の下、各グループが同社役員、スポーツ健康科学部教員に対し、プレゼンテーションを行いました。

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インターンシップには、オープンエントリーで応募、参加した、他大学の学生たちや産業社会学部の学生も合流、大学、学部の壁を越えた交流も深まりました。

非常に中身の濃い5日間で、プレゼンテーションでは若い学生の視点からの感性が伺えるビジネスアイデアが披露されました。

一方、振り返りでは、すべての参加者が「自分の不十分さ、未熟さを実感した」と。

そうなんです。
誰もが不十分で未熟なのだけれど、社会人として、一人の企業人として、社会に貢献するということはとても大変なことなのです。
その気づきがこれからの彼ら、彼女たちの成長に繋がるはずです。
彼ら、彼女たちには無限の可能性があります。

ガンバレ、大学生!!
ぼくも一緒に頑張ります。

BULLCO










2013.09.05

幼少期・児童期における運動・健康の在り方を考える

体育学会も足早に過ぎ去り、気がつけば朝の気温が20℃と、いよいよ秋の気配が漂ってきました。今回は、BKCキャンパスで行われた第64回体育学会最終日のシンポジウムを紹介させていただきます。本シンポジウムは、滋賀県教育委員会・滋賀県体育協会後援で行われ、タイトルは表題のとおり「幼少期・児童期における運動・健康の在り方を考える」です。学会員だけでなく滋賀地域の保育士、小学校教諭など約250名が参加しました。司会は東京大学名誉教授の小林寛道先生で、シンポジストは、山梨大学の中村和彦先生、国立栄養研究所の田中茂穂先生、京都サンガホームタウンアカデミーの池上正先生の3名でした。中村先生は、以前ケイン・コスギが出演していたNHKの「からだであそぼ」の監修をされたことで有名で、こどもの体の動きを中心とした研究をされています。今の日本の児童の身体活動量はオーストラリアやドイツの4分の1で、1日の歩数は1970年代が20,000~27,000歩であったのに対して現代はその半分の、10,000~13,000歩であるといいます。これは、活発に体を動かすことの遊びが減っていること、体の操作が未熟な幼児が増えていること、自発的な運動の機会が減っていることなどを理由に挙げています。田中先生は、幼児期運動指針の策定に携われ、今回は幼児期の運動の在り方について解説されました。結論として、「幼稚園・保育所などに限らず、家庭や地域での活動も含めた1日の生活全体の身体活動量を合わせて、幼児が様々な遊びを中心に、毎日合計60分以上、楽しく体を動かすことが望ましい」ということです。京都サンガの池上先生は、これからの体育授業として教師がすべてを教える授業ではなく、自身でルールやマナー、協調性を考えさせるスタイルに変えていく必要があると提言されました。様々なスポーツや遊びを体験し、自らの意思で行動することの大切さを説かれていました。運動不足は日本人の死亡原因の第3位とも言われています。このままでは子供の将来がとても不安ですね。わが国では、子供の身体活動量の確保に関して教育現場や家庭での意識改革が必要な時期に来ているようです。sana

 

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2013.09.04

研究する心

こんにちは。ma34です。

長男(小3)はもうすでに2学期が始まっていますが、
毎年2学期が始まる前には、親子で大変な時間を過ごします。
なぜか・・・それは「自由研究」という宿題。

毎年色々と揉めるのですが、今年、長男が選んだのは「潜望鏡」。
潜水艦などについているあれです。
長男は、二枚の鏡と工作用紙(厚紙)を使って、
潜望鏡を手造りしました。
それだけですますのも・・・と思い、それを使った実験をしなさい、と親としてミッションを与えました。

結果、長男は、(1)肉眼と潜望鏡の見え方の違いはあるのか?
(2)その違いはどこからくるのか?
という2点の実験をして、模造紙にまとめました。

(1)は、5センチ角、4センチ角、・・・・1センチ角の文字を張り出し、
肉眼と潜望鏡で、どれくらい離れて見えるかの比較実験
(2)は、くらい部屋で潜望鏡の一方から光を照らし、出口からどれくらいの光が見えるのかという実験でした。

まだ小3ですので、「仮説」や「結果」「考察」という言葉をしっかりは理解できていませんが、それでも、「こうなるんちゃうかな?」「きっとこういう仕組みなんちゃう?」と疑問を持ち、それを実験してみて考える、というプロセスを楽しめていて、感心してみていました。

もちろん、親の口出しはたくさんあったのですが、
こういう、疑問に思ったことを素朴なものでもよいので実験してみる、そしてまた考える、といったプロセスを楽しむことこそ、「研究する心」の素地として大切だなあと思います。

一つ不満だったのは、長男のこの研究まとめについて、「発表」する機会がなかったということ。
学年での展示会で、ポスターを張り出し、潜望鏡が飾られていたようですが、
「発表」「質疑応答」をする機会がなかったのだそう。

きっとそれらがあれば、周りの子たちとの相互交流・学び合いも増えて、長男にとっても、周りの子にとっても、良い刺激が増えたのになあと、残念でした。

なぜ?と思うこと、そしてちょっと実験してみよう、調べてみよう、と思う心を私も忘れないようにしたいものです。
そしてそれを他者と交流するなかで深めることも進んでやっていきたいと、改めて私も思いました。

ma34.

2013.09.03

9月に入りました

 学会も無事盛会の内に幕を閉じ、9月に入りました。それぞれが、それぞれにホッとしていることと思います。
 ランチョンセミナーと、シンポジウム(体育心理学専門領域)に関わらせて頂けたことは、私自身、初参加の体育学会でとても実りある思い出になりました。
 その後頂くメールの中で、学会を手伝ってくれた学生たちに対してお褒めの言葉を頂き、この学会の成功をもたらしてくれた立役者だったことを実感しています。

 学会が終わった翌日は、出身研究室・恩師が異動されるというので、所縁のあるメンバーが集まる会に出かけてきました。大雨がやってきそうな日でしたが、かなりの人数が集まりました。
 恩師のあいさつの中で、

 「この19年間、本当に幸せな時間を過ごすことができました。この先も、きっと幸せな時間になるだろうと確信しています」というフレーズがとても印象的でした。

 そう言えるような人生を創ってこられたことに改めて尊敬もし、恩師の強さも感じさせてくれる言葉をもらいました。天候の悪さに関係なく、集まりたくなる恩師がいてくださること、こんなに嬉しいものなのだと実感した一日でした。スポ健の学生たちにも、これまでに関わってくださった方にも、戻ってこられる場所を創りたいなぁと思いながら戻ってきました・・・。

【ippo】

2013.09.02

これでいいのか大学スポーツ:大学スポーツへの期待と要望

これまでのブログにもありますように、日本体育学会は大盛況・大成功のうちに締めくくれました。関係者としてほっとしています。 

これもひとえに、参加者の皆さん、ご協力いただいた企業さん、団体の皆さん、スタッフとして奮闘してくれた若い先生、院生、学生スタッフ、関係者の皆さんのおかげです。さらには天候も味方になってくれて、暑い夏の中では比較的マシな感じでした。皆さん、ありがとうございました。

学会は運営側でほとんど聞くことはできませんでしたが、次のシンポジウムは準備の時から関わっており参加させてもらいました。今回は、学会本部企画で、「体罰」に関わるシンポが2件あり、スポーツ指導に関わる話題が多くありました。スポーツ指導に携わる人は、ほとんどが大学スポーツに関わっていた人であり、その意味でも大学スポーツのあり方について取り上げたことはインパクトがあったようで、最終日の午後にもかかわらず約140名の参加がありました。 

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この企画は、関西五私立大学(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学、龍谷大学)が中心となってこの間勉強会を進めてきており、その一つの到達点として、大学スポーツを送り手側の高校の立場(荒瀬さん・京都市教育委員会)、受け入れ側の企業の立場(夏凪さん・株式会社マイナビ)、そして第三者としての社会・メディア(中小路さん・朝日新聞)からどのようにみているのか、みられているのかを中心にシンポジウムを行いました。

多くのことを書きたいのですが印象に残った話を少しだけ。

 荒瀬さんのお話の中で、「我々が生徒・学生を、生涯そばにいて教育することはできません。生徒が卒業して離れていってもその先で自立的に学び自らを切り開いていく力をつけさせる。それが教育です。」また、「能力を持った人間はその能力に相応しいだけ立派でなければならない」という持論をお話しいただき、スポーツ能力に長けた選手も本来ならその能力に相応しく立派でなければならない。もし、そうでないとするなら、どこかの段階で教育が欠落したと考えられます。」

 教員としてそのスタンスを再度見つめ直す言葉を頂きました。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

事務局で学生スタッフを束ねていたO塚先生、若手優秀賞の受賞おめでとうございます。大会期間中は運営に携わっていたので、自分の研究発表は徹夜して準備していましたね。運営と発表の両立、見事でした。

【忠】

 

 


 

2013.09.01

ひと夏に、大きな「財産」を残して!!

連日の猛暑から比べれば大分過ごしやすくなってはいたが、やはり厳しい暑さの中、8月27日に始まった日本体育学会第64回大会が8月30日に終了した。組織委員会の立ち上げから実行委員会の運営、大会期間の業務の統括・管理まで、中核となって奮闘された事務局の先生方、そして、総務・企画の各部署で準備・実行に当たった先生方には、本当に頭の下がる思いだ。

私の仕事は大会期間中の保健専門領域の担当者だったが、こちらの方は、院生・学生スタッフのしっかりとした積極的な仕事振りのお陰で、何らの問題も無く終了することが出来た。彼らの仕事振りは、保健専門領域の企画に参加されたされた方々から大好評のようだったし、一般研究(口頭・ポスター)企画の各座長の先生方との連携振りは称賛ものだった。

ところで、専門領域での担当をしていて、今回の体育学会は、院生・学生にとっては、大変大きな「学び」の機会だったのだろうと、改めて感じている。大会企画実行の現場での仕事の傍ら、研究発表の内容・発表後の演者と参加者の研究交流に目を開き・耳を欹てている姿に接することが出来た。学問・研究上の大きな「刺激」を受けたことだろう。

私と院生・学生スタッフは、プリズムハウス一角のP111P105教室周辺での仕事に終始したが、そこでの繋がりは、束の間ではあったが「同志」と言えるものかも知れない。そして、そんな状況は大会全体のものであったことだろう。学部として大学として、また一つ大きな「財産」を築いたことになる。

2年間に亘る学会大会の準備を経て大成功裡に終了したこと、本当に御苦労様でした。ひと夏の「一大行事」の終了した感もある。「粉骨砕身」、学会大会を中核として担ってこられた先生方にはとくに、お身体ご自愛いただきたいと思う。  mm生ひと夏の