[ 2015年05月 ] の記事一覧

2015.05.01

お薦め書籍

この頃留学について相談を受ける機会が何回かあったので、留学を志す方々にお薦めの書籍を紹介させて頂きます。

「若き数学者のアメリカ」「遙かなるケンブリッジ」いずれも藤原正彦氏の著作です。

著者が研究者として(学生としてでは無く)アメリカ・イギリスの大学で過ごした時の事が活き活きと描かれています。著名な数学者の藤原氏ですが、文章も非常に面白く読みやすいエッセイになっています。初版からはかなりの年数が経っていますが現在読んでも色褪せない内容です。著者の優れた洞察力がアメリカ・イギリスの大学と日本の大学の本質的な違いを看破して、それをユーモラスに伝えてくれているからでしょう。

この中で、非常に考えさせられる場面があります。それは著者が自らのルーツを振り返り、そこに心の拠り所を見いだし、自信の源としていく場面です。海外留学をする方は誰しも同様の経験をする事になると思います。言葉はネイティブでは無い、自分の意図を誤解される事もある、差別的な扱いを受ける事もある、、、そんな時に拠り所を持っている人間は強いと思います。それまで経験してきた事であり、過ごして来た時間であり、達成してきた事であり。藤原氏の場合、海外留学を通して痛感した祖国に対する誇りと愛情が近年の著作にも色濃く表れている様です。
是非書店で手にとってみてください。

関連してもう一件。メディアライブラリーに「教員のお薦め本」のコーナーがあるのをご存じでしょうか?各学部の先生方が推薦する書籍を展示してくださっています。(現在はスポーツ健康科学部からは私の推薦した書籍を展示して頂いています。)まだ見た事が無い、という方は是非一度立ち寄ってみて下さい。
お薦め本を紹介しているwebページもこちらに開設されています。