今回は、先週紹介した ニューヨーク大学 (NYU)で
言語学の博士課程に在籍している Yohei さんに
お聞きしたアメリカ生活について紹介したいと思います。
彼は、日本の国立大学での学部・修士課程を経て、
現在、NYU の博士課程の2年生で、MorphLab に所属しています。
(画像は、MorphLab の HP より引用; http://www.psych.nyu.edu/morphlab/)彼とは、5月の初めにメリーランド州立大学で開かれた学会でお会いし、
今回、留学生活について色々と話を聞くことをが出来ました。
耳の痛い話も多いのですが、実際に留学生活をしている学生目線の話ですので、
このブログを読んで頂いている受験生や大学生の皆さんにとって、
大変参考になると思います。
・なぜ留学しようと考えたのか
「留学しようと決めたには様々な理由がありました。
まず、自分の修士時代のアドバイザーがアメリカで博士号を取得していて、
アメリカのプログラムは本当に忙しいが、一流の言語学者を育成するために
できていることを聞きました。加えて、同じ分野の研究をしている大学院生がおらず、
仲間との会話は非常に重要な学びの機会ですので、仲間を求めてアメリカに来たのもあります。
また現行の日本の大学の雰囲気が嫌いでした。
日本の大学では勉強に力を注いでいると珍しがられますが、アメリカではそれが普通です。
そして何より、一流の研究者に指導して貰いたかったからです。」
・英語の勉強方法
「僕はテキストや参考書で自学自習するということが全く出来ないタイプでした(オススメはしません)。「読む・書く」は、自分の研究をしている内に自然と鍛えられました。
論文は英語で書いていましたし、参考文献も全て英語です。
「話す・聞く」は、勉強していません。
全て英語で行われている授業を取っている程度でしたし、
後はとにかくアメリカに来て、英語を話さなければいけない環境に身を置いて、
追い込まれた状況で修行しようと考えました。」
・どのような経緯で NYU に入学したか
「どの大学にも交換留学という制度があると思います。NYU に入学する前に、
僕はその制度を援用して大学院生として visiting student をしました。
ただ、TOEFLのスコアがそれなりに必要ですので、必要なスコアが取れない人も多く、
競争倍率がかなり低かったです。visiting student では、
授業は全て現地の学生と同じものを受けていました。
僕の場合、それと同時に研究をしてNYUに出願しました。」
・日本と海外の大学の違い
「経験から言うと、日本の大学の授業はゆるいです。
アメリカでは、同じ授業で週に最低2回授業があります。
それぞれの授業でものすごい量の課題が出ます。
そこらへんの研究者が読む論文を普通に読まされます。
これは課題とは別にです。学期末には論文を書かなければいけないので、
学期中に教員と何回かアポイントメントを取ります。例えば、
火曜と木曜に授業がある場合、火曜に出た課題と宿題をこなすのには水曜しかありません。
こちらの図書館は基本的に24時間空いているので、みな遅くまで勉強しています。
代返だとか、授業中の居眠りだとかありえません。
ただメリハリははっきりしていて、週末にはパーティーをしたりしています。
平日の真っ只中にダラダラと飲み会をしたりはしません。」
・NYU や NY での暮らし
「僕は言語の脳科学の研究室に所属していますので、
基本的に平日は毎日大学にいって研究します。
授業が無ければカフェに行って研究をしたりします。
住んでいる場所はマンハッタンではなく、クイーンズというベッドタウン(?)です。
通学は約1時間くらいでしょうか。ニューヨークの治安を気にする人がよくいますが、
僕は何も危険な目にあったことはありません。息抜きに色々と行く場所もあります。」
・高校生に対するメッセージ
「バイト・恋愛・サークル目的ではなく、
本気で勉強するために大学に行く人は留学することをぜひお勧めします。
今どうやら日本は「グローバル」な人材を求めて動いているようですが、
名前だけが一人歩きして具体的な政策が何も打ち出されていないのが現状です。
留学すれば、英語はもちろん徐々に板についてきますし、
少なくとも日本の大学で4年間ぼーっと過ごしたというレッテルも貼られません。
そして、日本が欧米の教育システムを本気で取り入れたいのであれば、
それを実際に経験して輸入する人材が必要です。」
立命館でも、交換留学制度がありますが、なかなかTOEFL iBT で
必要なスコアが取れず、留学できないという人が多いのが現状です。
TOEFL で高得点を取るためには、きちんと高校で英語を勉強することが必要ですので、
日々の勉強を頑張ってくださいね。
それでは、また。失礼いたします。
良い休日を
敦
<<街でよく見かける英語表現#39>>
上で述べたように、Yohei さんとは、メリーランド大学で開催された
Morphest という学会で初めてお会いしたのですが、
その登録 (registration) のページの最後に
"Do you need crash space?" という Yes / No question の項目がありました。
"crash space" とは聞き慣れない英語表現なので、
周りの院生に聞くと、「大体35歳以下の人が使うくだけた表現で、
"泊まる場所"との事」。いい大人 (笑) が使うときには、
"space to stay" を使う方が良いとのことでした。
英語って本当に面白いですね。