[ 2018年06月 ] の記事一覧

2018.06.10

就職活動も終盤です

就職活動のスケジュールは人により異なりますが、多くの学生は企業の説明会やエントリーシートの提出が解禁になった3月から本格的に活動を開始しています。また、経団連加盟の企業が6月から選考(面接などの採用選考)を開始していることもあり、4回生にとっては6月は勝負の時期でもあります。就職活動の状況は随時報告を受けていますが、企業から内々定をもらう学生も増えてきています。

またこの時期になると複数の企業から内々定を頂き、「どの企業を選ぶか」という新たな悩みを抱える学生も出てきます。内々定を待ち望んだ4月頃の状況から比べると贅沢な悩みかもしれませんが、実際にその企業で仕事をした経験のない学生にとって「最適な企業」を選ぶことは必ずしも容易ではありません。

学生からも相談を受けることも多いですが、その際には「仕事をする上で大切にしたいこと」や「仕事を通して実現したいこと」を本人に考えさせるようにします。また、自分を支える周りの人々から十分に意見を聞いた上で、「最終的には自分で決める」ことも重要です。

3月から就職活動を本格始動した学生にとっては4ヶ月目に突入し長期戦となっていますが、長かった就職活動もようやく終盤です。納得のできる形で就職活動を終えることができるよう応援しています。


さて、4回生は悩みが多い時期ですが、3回生は非常に元気です(悩みがないわけではないでしょうが)。

これまでブログでも紹介していますが、ゼミでの活動内容は多岐にわたり、大教室での授業とは大きく異なります。現在、私のゼミでは実験の手法を学ぶトレーニング(実験実習)の一つとして、全員が参加するプロジェクトの準備を進めています。私や大学院生が十分にサポートをするのですが、ゼミ生自身が研究計画の詳細を自分達で議論し、必要な情報(論文など)で調べることが求められます。写真はそれぞれのグループで考えた実験内容のプレゼンテーションの様子です。実験を行う際には「何を測定するか?」のみに目を向けがちですが、「測定前日や当日の食事内容をどのように規定するのか?」「当日、何時何分から何をするのか?(タイムテーブル)」など決めなければならないことは非常に多く、その中で研究実施の手順を学んでいきます。

また、グループでの活動となりますので、他者との協調性も養われていきます。さらに、グループ内の議論の経過(議事録)、資料や情報などはクラウドサービスを使って保管・共有していきますので、「情報を管理し、いつでもアクセスできるようにする」ための手順を身につけることにもなります。


3回生はあと2年弱で社会に出て仕事をするわけですが、一つ一つの活動が社会人として仕事をして仕事をする上での基礎力となります。このようなゼミ生の活動を見ていると、「私も学生の頃にこういった経験をしたかったなぁ」と羨ましくなってしまいます。3回生が初めて本格的に取り組む研究の様子、ブログ内でも良いタイミングで紹介できればと考えています。 

2018.06.09

しっかり食べて、しっかり学ぼう

今週の基礎演習は、
0時限の活動(一限の前)から始まりました。
パフォーマンス評定評価室で運動プログラム、
その後に米国公認アスレティックトレーナー(アメリカの国家資格)を持つ
Dr. Oから、教育現場で起こる傷害に対する
リスクマネジメントの重要性をお話し頂きました。
スポーツ活動中の怪我は起こらないことが望ましいですが、
起こることも事実です。

私自身も、現場で起こった重傷事故に、
様々な対応をした経験があります。
そのとき全く知識のない私は、
なんと無力なのだろうと感じまた。
そして、スポーツ現場に携わる限り、
プレイヤーたちの安全を意識しない
スポーツマネジメントはないと強く思いました。
そんな思いもまた、私を学術的な世界へと導いたのでしょう。


Dr.Oからは、学生が体験できる形で「テーピング」を
実演して頂きました。

スポーツ健康科学部には、少なからず怪我と戦いながら
スポーツを続けてきた学生も居ます。
アスレチックトレーナーの必要性や
学術的にスポーツを学ぶことで、
より高いフェーズでスポーツが実践できることを
体で感じ取ってくれればと思います。
それにしてもDr.Oから直接テーピングして頂けるとは、
恵まれていますね。

その後は、まちにまった朝ご飯です。
朝食実習にはEbi先生の他、
学部長の忠先生も参加してくださいます。
先週の基礎演習のクラスで、インテグレーションコアの6階に上がり、
外からですが、先生方の研究室を見学しました。
1回生からは、それぞれにお話したことのある先生方のお名前が
次々に上りました。
どうやら、先生方とお話した経験は、1回生の学生たちにとって、
ちょっとした「自慢」のようです。
既に、Ebi先生や忠先生の研究に興味がある学生もいますので、
今回の朝食実習は、直接お話ができる良い機会にもなったようです。

朝食実習では、単に朝食を皆でいただくだけではなく、
どのような食事をするべきかを学ぶために、
自分で選んだメニューのカロリー計算と点数の測定が体験をぶことができます。
一人暮らしのYu君も挑戦し、満点を得たお昼ごはんは以下の通りです。

意外とたくさんの量と種類を食べる必要があるので、
皆で驚いていました。


今回Dクラス内での事前の確認や連絡がうまくできず、
Ebi先生に大変ご迷惑をかけることになりました。
来週は合同クラスで平和ミュージアムの訪問があります。
朝食実習の後、クラスに戻り反省会を開き、
今一度クラス内で注意点を確認しあいました。

全15回で構成される授業が
そろそろ後半に差し掛かってきています。
入学したての緊張もほぐれ、
リズムがつかめてきた頃なのでしょうか、
少し体調を崩したり、
学業と部活の両立に不安がよぎっている様子も見受けられます。
「がんばれ、がんばれ」だけでは前に進めないこともあるでしょう。
自分自身の心と体のマネジメント何よりも大切です。

しっかり食べて、しっかり学ぶ。
時間がかかってでも自分自身に笑顔がもたらされるよう、
そんなセルフマネジメントができるようになってほしいと思います。



写真はテーピングの様子と朝食実習、そして0時限後の記念撮影
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。

#ごちそうまでした
#お味噌汁にはお野菜と思いやりががたっぷり
#休息・睡眠も大切
#でも、授業中は起きててね

2018.06.08

質問に答えます

どうも、金曜日の嶋村です。ネタに相変わらず困っていますが、先週 ES をやってくれている学生さんがいろいろ質問してくれて、それをブログで答えて欲しいとのことでした。具体的には、「学生時代にやっててよかったこと・やっておけばよかったこと」、「どんな音楽が好きか」、「子育てに関して」などでした。まあ僕の音楽の趣味を知って誰が喜ぶのかわかりませんので、最初の質問の「学生時代にやっててよかったこと」に答えたいと思います。「やっておけばよかったこと」はまた別に機会に。。。


「学生時代にやっててよかったこと」

・英語の勉強

僕は何も考えずに適当に受験をして経済学部に入ってしまいました。そこで全然馴染めず大学から足が遠のき、気づけば典型的なダメ学生になっていました。その中でも語学の勉強だけはやっていたと思います。洋楽が好きだったのもあるのですが、英語だけはそれなりに勉強していました。後々専攻を言語学にしてアメリカの大学院に行ったり論文で英語で書いたりすることになったので、まあ最初は現実逃避っぽくやっていた英語ですが、それはそれでよかったのかなと思います。


・一人でぶらぶらすること

どうも大学の雰囲気が苦手だったので、経済学部時代は一人で行動することが多かったし、その方が性に合っていました。そのおかげで、一人で美術館に行ったり本読んだりしていろいろ内省することが多かったように思います。まあこれは向き不向きもあるし、学生生活を充実させる要因が人それぞれ違うので、誰にでも勧めるわけではありませんが、僕はこういう時間が今の自分にとってよかったと思っています。(ま、それなりに人付き合いはしていましたが。。。)


・いろいろ音楽を聞いたり本を読んだりしたこと

多分ある年齢で聞かなければいけない音楽とか読まなければならない本ってあるんだと思います。そういうものに共感したり何かを感じ取ったりすることができる年齢には「臨界期」的なものがあるのではないかと勝手に思っています。例えば、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を 30 代や 40 代で初めて読んだって、若い頃にそれを読んだ人が感じたものを得られるかどうかわかりません。。。音楽は僕の場合特殊で、たまたま Radiohead と Rage against the Machine (イギリスやアメリカのロックバンド)を聞いていたから、僕が今専門として研究している言語学(生成文法)を知ることになりました。まあ詳細は割愛します。。。ちなみにこれらのバンドは最近それほど聞きません。歳を取ったのだと思います。


まとめると、英語をやっていたから後々の研究生活で英語でそんなに困らなかったし、一人であれこれ考えたりするのが好きだから研究生活が自分に合っているし、洋楽を含めマニアックな音楽を聞いてたから言語学をすることになった。というわけで、それぞれは全く関係ないのですが、今から振り返ってみると点と点がつながっていることがわかります。Steve Jobs がスタンフォード大学の卒業式のスピーチでも言っていましたが、自分が今やっていることが将来何の役に立つかなんて言うのはなかなかわからないものです。将来役立てるつもりである学部に入ったのに全然関係ない仕事に就いたというのは結構あるのではないでしょうか。だけど、そこで学んだことは何かしらの形で将来役立つのかも知れません。大学の勉強もその他の経験も、とりあえず頑張ってやってみることをお勧めします。点と点がつながる時が来るかも知れませんよ。


最後に「子育てに関して」ですが、今娘は 3 歳 3 ヶ月になりました。今はこんな感じです。最近、お絵かきや紙を切って何かを作ったりと創作活動が止まりません(アーティストっぽいサングラス)。家がもれなく散らかります。。。



2018.06.07

梅雨に入りました。


こんにちはshinoです。

とうとう梅雨入りしましたね。
気温の変化も大きく、体調管理が大変だとは思います。
皆さん体調を崩さないように気をつけて下さい。

さて、先日、私はまた女子サッカーなでしこリーグのマッチドクターをしてきました。
今はシーズン真っ只中です。リーグ戦とカップ戦の両方が同時に開催されていますので、
毎週、試合が行われています。




選手はコンディショニングを整えるのが大変です。

女子サッカー選手は、完全なプロ契約をしている選手がほとんどいません。
私がサポートさせてもらっているチームも、全員が企業に社員として勤務しています。

平日は午前中、会社で働いて、午後から練習というスケジュールです。
週末になると、ほぼ毎週、試合に出場します。
会場も半数はホームですが、残りの半数は相手チームのホームで試合を行いますので、その時は長距離を遠征しています。

どのアスリートもそうですが、競技に集中できない様々な状況の中、
パフォーマンスを発揮するためにコンディショニングを整えるのが大変だと思います。

毎年メディカルチェックを行っているのですが、
結果を見ると、ほとんど異常な検査データはありません。
女性アスリートによく認める貧血や骨の異常につながるような所見も認められません。

昔と比べて選手自身にもアスリートや女性特有の疾患やコンディショニングに対する意識が付いてきているのだと思います。
まだまだアスリートに対するサポートが不十分な中では、自己管理をきっちりしないとコンディショニングは整いません。
素晴らしいと思います。

本当は、どの競技も、どのアスリートにも、様々なサポートを十分できるような体制が整えば良いのですが、
現状ではなかなか難しいです。

試合はというと、
今回も大きな怪我人は出ませんでした。良かったです。



今後も私ができる範囲で、できる限り、アスリートのサポートを行っていきたいと思います。


最後に、私事ながら今週、誕生日だったのですが、
昨日の基礎演習終了後にクラスのみんなが誕生日のお祝いをサプライズでしてくれました。
オリター、AAが中心になって、ケーキまで準備してくれ、久しぶりにケーキのろうそくを吹き消しました。
嬉しかったです。



Hクラスのみんな、ありがとう。


2018.06.06

「スポーツビジネス論」特別講義

こんにちは。

先週金曜日の「スポーツビジネス論」は、もう長年の友人、
NYで日本のクライアントを対象にスポーツに関する様々な
ビジネスを展開するトランス・インサイトを経営する
鈴木友也さんの特別講義でした。



鈴木友也さんには著書もたくさんあり、日経ビジネスオンラインを
はじめ、様々な媒体で友也さんの文章を読むことができます。
私も友也さんから、アメリカを中心に、最新のスポーツ
ビジネスの情報をいただいています。
ゼミでも友也さんの著書を使っています。

さて、今日の講義…
「米国スポーツの4つの”超える”」
①スポーツは「競技」を超える
②スポーツは「言葉」を超える
③スポーツは「個人」を超える
④スポーツは「スポーツ」を超える

アメリカにおけるスポーツと社会、生活、文化、民主主義、平和…

まさにスポーツが人々を団結させ、励まし、社会に貢献し円滑に
機能させていくという重要な役割が語られました。

私たちがそこから学ぶものはたくさんあります。

今日講義を聴いた学生たちは、無限の可能性を持った、これからの
日本のスポーツの担い手です。

彼らが社会におけるスポーツの使命を深く考える契機になってくれる
ことを望みます。



スポーツ健康科学部では、ビジネスの第一線で活躍するビジネスパーソン
からの講義を聴く機会もあります。
ぜひ、スポーツ健康科学部で一緒にスポーツビジネスを学びませんか。


Apollo

2018.06.05

うれしい光景

少し前の週末、ごった返す駅構内でのできごとです。

私の前を歩く人たちにどことなく不思議な感じがしたので、
しばらくその後ろを歩いていました。

ご高齢のご婦人の周囲をなんとなく囲むように歩く、数名の高校生らしき男の子たち。
ほんの一瞬、「もしや、よからぬことをするのでは!」との思いが頭をよぎったのですが、
そういう雰囲気では一切なく、ごく自然に、楽し気に、会話をしながら歩いています。
でも、その歩調はとてもゆっくりと、そのご婦人のスピードにまるで合わせるかのようです。

その光景に惹きつけられ、そのまま彼らと同じ方向に歩きました。
ご婦人が改札を出て、待ち合わせの方と合流すると、高校生らしき男の子たちは、
別の方向へ歩き出しました。

そのとき、ピンときました!
彼らは、杖をついて歩くご婦人をそれとなくガードしながら歩いていたのです。

杖をついた小柄なご婦人は、誰かの体が少しでも当たれば、転倒してしまいます。
スマートフォンを見ながら歩いている人、イヤホンをつけて歩いている人が多く、
小柄な・杖をついて歩くご婦人に注意が向く人は多くありません。


これまで、サポートが必要な方をサポートする光景は何度も見てきましたが、
このような光景に出くわしたことがなく、気持ちが昂りました。

この機会を逃すまいと、彼らの後を追って、突撃インタビューをしました。
さっき私が見た光景について、ご婦人をガードしていたのではないか訊ねました。
私の突然の出現と質問にぎょっとした様子でしたが、答えてくれました。

彼らの通う高等学校のある先生が、次第に筋力が低下していく難病になったそうです。
2年間でみるみる筋力が低下し、歩くことも次第に難しくなっているそうです。
先生の歩行が難しくなるに伴い、先生の周囲には、先生を転倒から守る生徒の
クッションの壁ができ始めたそうです。「人間の肉壁」とも言っていました。

「『歩けるうちは自分の足で歩きたい』と言った先生のことばが頭に残っている」
と、彼らの一人が話してくれました。
また、別の子は、「先生は自分の足で歩きたいから、先回りした手伝いはしない」
と、話してくれました。

このような環境の中、駅構内で目の前にいたご婦人に対し、彼らは、自然に
自らがクッションのような壁となる歩行をしたようです。

「あんまり意識してないけど、まあそんな感じに勝手になるかなあ」
「別に急いでないし、ちょっとゆっくり歩くだけだから」

とても穏やかな気持ちになりました。
私は、障がいや特性、障がいや特性のあるひと、に関する講義を担当していますが、
その伝え方にいつも苦戦しています。講義だけでは、イメージに留まり、現実的な
こととして実感されにくく、とても行動変容にまでは届きません。

彼らとの出会いにより、「生の体験」や「接すること」には敵わないとの思いが
強くなり、私自身の無力さを禁じえませんが、同時に、さらなる工夫をしなければ
と、改めて気持ちが引き締まりました。



2018.06.04

産業技術総合研究所関西センター

 先週の火曜日に、BKCにある理工系4研究科(理工、情理、生命、薬)の先生方、事務職員の方とともに、産業技術総合研究所関西センターを訪問して参りました。

 産業技術総合研究所(産総研)は、全国に研究所がありますが、この関西センターは創設100周年を迎えるほどの長い歴史があります。ここで発明された技術が、世の中に実装されている製品もたくさんあります。

  

 上の写真にありますのは、日本で初めての燃料電池による自動車です。この研究センターで技術開発され、いまの燃料電池車の基礎をなしています。
 下記のミッションにあるように、「技術によって世の中を幸福に」というのが産総研の中心的な考えで、多くの研究者が新しい技術を開発に取り組んでいます。

  

 産総研と本学とは研究交流協定を既に結んでおり、その交流をより加速させようということで今回の訪問となりました。次回は、産総研の方からBKCを訪問していただき、大学院生も含めた交流を行う予定です。

 技術が急速に進歩する時代にあっては、連携による研究進展が必要になってきています。その意味でも双方の連携が深まり、より多くの成果が出て、世の中に貢献できるようになることが求められています。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
昨日、一昨日は、東京・中野で研究会に参加していました。

  

その中で、日本スピードスケート代表のストレングスコーチ・リートヴェルトさんのセミナーがありました。「アートとサイエンスの両方をもちバランス良く進める必要性」「データの実用的関連性の重要さ」の話に興味を持ちました。
【忠】

2018.06.03

ACSMが終了しました

本日はアメリカからのブログ更新です。5/29(火)からアメリカ・ミネアポリスにて開催されていたアメリカスポーツ医学会(ACSM)の学会大会が昨日終了しました。スポーツ健康科学部・研究科からも多数の教員・研究員、大学院生が参加をしました。また、研究発表数も多く、口頭発表やポスター発表の会場において「R」のマークが目立っていました。



ACSMのような大規模な学会になると、連日、数百の発表が行われ、その日の発表内容をチェックするだけでも一苦労です。以前は分厚い冊子でのプログラムが渡され、それを見ながら自分の聞きたい発表や会場を前日にチェックする・・・ということが通常の光景でした。一方で現在では、学会が配布するアプリをスマートフォンやタブレットに各自でダウンロードをした上で、アプリを用いて発表内容を確認するようになっています。この方法は数年前から導入されていたのですが、特に、今年度はアプリの使い勝手が大幅に改善されており、学会期間中は手放せない存在となりました。アプリではその日のセッションやセッションにおける発表者が表示されることに加えて、自分がチェックをいれた発表が「My Schedule」としてカレンダーに表示されます。そのため、その日の自分のスケジュール(何時何分からどの発表をどの会場で聴くのか?掲示されているポスターの番号など)を一目で把握することが可能です。また、発表内容に加えて会場の地図などもクリック一つで表示されますので、なかなかお目当ての教室を見つけられない私のような方向音痴にも優しいアプリです(笑)。国内学会では依然として冊子でのプログラムが一般的ですが、今後はACSMのようにプログラムの電子化が進むのではないかと予想しています。



当然のことながら、学会での発表言語は英語です。ネイティブスピーカーの英語は早く、瞬時に質問内容を理解して答えることは日本人にとって容易ではありません。その中でも、相手と向き合い自分の研究内容を頑張って伝えようとするスポ健の大学院生の姿を何度も目にすることができました。私自身が初めてACSMに参加をしたのは大学院博士課程後期課程1年次でした。それに対して、スポ健では博士課程前期課程であっても立派に発表する大学院生は決して珍しくありません。これには、各指導教員からの日々の研究指導や国際学会への参加の働きかけ、学部・大学院における英語授業の充実(大学院においても英語の授業は必修となります)、また、海外での学会参加に対する渡航費の補助など、国際的な研究活動に対する支援が充実していることが影響しているのでしょう。



さて、今回の学会で私が最も心配をしていたYくん(5/20、5/27のブログでも紹介)ですが、大会最終日の6/2(土)の「Thematic Poster Session: Altitude/Hypoxia:Training and Performane」で発表を行いました。緊張している様子が伝わってきましたが、最初の5分間のプレゼンでは研究内容や結果を上手に説明していました。その後の10分間の質疑応答は完璧!!とはいきませんでしたが、練習の成果は十分に発揮されていました。初めての国際学会ということを考えると、文句なしの合格点です。少なくても、私が彼と同じ年齢の頃にはこのレベルでの発表や質疑応答をすることは不可能でした(笑)。発表終了後に話をしたところ、「発表は終わりましたが、英語でのディスカッションの練習は今後も継続したいです。よろしくお願いします。」という嬉しい、力強い答えが返ってきました。



さて、次回のACSMは5/28-6/1(2019年)にかけてフロリダ州のオーランドでの開催です。学会大会は1年先ですが、発表に必要な演題登録の締切は11月上旬となる見通しです。帰国後は次回のACSMに向けての準備が始まります。





GOTO





2018.06.02

温泉入浴効果×スポーツ

2019年からいよいよ、日本で
大規模な国際的スポーツイベントが続きます。
その最初のイベントとして、アジア初の
ラグビーワールドカップ(2019RWC)が開催されます。
オリンピック・パラリンピック大会は
東京都を中心に試合が開催されますが、
2019RWCは、北海道から九州まで
日本全国12会場で試合が開催されます。

先日、2019RWCの関連調査として、
別府市観光戦略部をご訪問してきました。

別府市といえば、何よりも温泉、
そして、立命館アジア太平洋大学を思い浮かべるでしょうか。

今回ご訪問した主たる目的は、
スポーツキャンプ地としての
別府市の取り組みをお伺いすることです。

別府市は、2019RWCの公認キャンプ地に認定されており、
今年2月には、スーパーラグビーの日本チーム
「サンウルブズ」が合宿を行っています。

2018年3月22日付の読売新聞夕刊に
サンウルブズのリーチマイケル選手が気持ちよさそうに
別府温泉のお湯につかっている写真が掲載されました。

私の研究目的とは少し離れますが、
別府市では、温泉の入浴効果が
アスリートのパフォーマンス向上やリカバリーにも有効である
という研究を進めていらっしゃるようです。
実際、選手たちからの温泉に対する評価も高いようです。


残念ながら今回は短い滞在で、
温泉に入る機会には恵まれなかったのですが、
別府市観光戦略部にお伺いし、
心温まる時間を過ごすことができました。
別府市観光局戦略部文化国際化の皆様、ありがとうございました。
2019年の先を描きながら、
研究活動にも力を注ぎたいと思います。


写真は別府駅周辺と別府市役所の方々など
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。



#2019RWC
#Beyond 2019
#ナンバー8≒別府八湯
#素晴らしい街と人との出会いに感謝
#次回は必ず温泉も


2018.06.01

中間発表が終わりました

更新が遅くなりました。すみません。嶋村です。

最近自分の研究・論文が忙しくて、完全にブログの更新を忘れていました。。。


さて今日は中間発表のこととそれに関して思ったことを書きたいと思います。2週間に渡って発表が行われましたが無事に終わりました。うまく発表できていたことろもあれば、そうでないところもありました。


失敗した人・グループは、やはり論理的・客観的な議論がきちんとできていませんでした(英語はさておき)。もちろん、こういった能力を伸ばすように指導するのが我々教員の仕事ですが、なかなかこれは大学に入ってすぐできるようになれるものではありません。僕の担当の学年は2回生なので、1回生の時からある程度は指導されてきていると思うのですが、やはり、大学以前に、どのような勉強・体験をしてきたかが、基礎的学力・論理的思考力の基盤として重要なのだと思います。


さて論文ってなんでしょう?友達からいろいろいい本を教えてもらったのですが、NHK出版の戸田山和久さんが書いた「論文の教室 レポートから卒論まで」というのがどうやら良さそうです。まだ読んでないので、僕もざっと読んでから紹介したいと思います。


ただ、中間発表を終えて僕が思ったところを書いておきたいと思います。今回はディベートでしたので、ある事柄に関して賛成派と反対派で議論することができるかが大事でした。まあなかなか難しいようですね。今日は2つの失敗例を挙げたいと思います(他にもありますが)。


失敗例1:土俵が同じでない

あることに関して、全く関係ない立場から賛成・反対するもの。

例えば、あることに対して経済の観点から賛成することもできるが、倫理的な観点から賛成できないというもの。これは論点が違うので、どうしようもありません。そういう別々の観点から議論してもいいですが、少なくともなぜ経済的に賛成する人は、倫理的に反対している人の指摘している問題点がどのように解決できるか(など)を示す必要があります。同様に、倫理的に反対する人は、経済的に賛成する人の議論を考慮しても看過することができない倫理的問題を指摘するなどして、自分たちの議論をサポートする必要があります。


失敗例2:結局同じこと。。。

お互いが極端な事例にしか言及せず、中庸が見出せていない。

例えば、ある所与の行動 x を行うと健康になれるとします。しかし、それをやりすぎると逆に不健康になる。しかし、x を行わないとそれはそれで不健康になる。どうやらこの x には「運動」という値が良さそうですね。さて、この場合、どちらも「過ぎる」は良くありません。しかし「しなさ過ぎる」あるいは「し過ぎる」例を提示してお互いを批判しても意味がありません。結局、どちらの意見も「ほどほどにしましょう」となります。では、反対する人は「ほどほど」を達成するのが難しく、どうしても「し過ぎてしまう」ということを客観的に示さないと反対は出来ません。同様に賛成する人は「どうすればほどほどにできるのか?」に答えなければ、自分たちの議論をサポートできません。


まあ、どうやら自分のことに必死になり過ぎて(ここでは、自分の P の発表)、大きな視点が持てていないことにそもそもの問題があります。もう少し、余裕を持って準備をし、議論がフェアかどうかを確認する必要があります。究極的にはそういうフェアな議論ができるかどうかは、人として大切です。物事をきっちり考えられない人が思考停止し、くだらないあるいは理不尽な慣例に従い、大きな間違いに陥ることもあります。「勉強ができるからどうなんだ?」という議論もあるかも知れませんが、大学生の皆さんにはフェアな考え方・思考力を身につけて、自分できっちり判断できるようになって欲しいと最近特に思っています。それは英語ができるより大切だと思います。そうすれば、これから若い人が社会を担っていった時、もう少しマシになるのではないのかなと思います。なんちゃって。。。


さて、あんまり暗い話をしてもアレなんで、発表の写真を載せておきますね。写真を載せてもいいと言ってくれた学生さん、ありがとう。



では、また来週。