2017.08.12

研修会に参加して

 過去4年間の“ツケ”がまわって、5年間の研修単位数をこの1年間で取得しないと資格が失効するといった非常事態のため、土曜/日曜は研修会に出席することが多くなってきました。参加する度に思うことではありますが、集中講義は行う方よりも、聴く(聞くではなく)方が我慢を強いられ、苦痛?だと、学生の気持ちに思いを馳せる機会になったりしています。



  もう40年以上も前になりますが、院生時代に幼稚園の“体操のお兄さん”をやっておった時に出会った園児の発達の遅れ、偏り、歪みといった発達課題を抱えた子ども(クラスの一人くらいはいました)が、練習を繰り返しているうちに何かの拍子に克服し、うれしさのあまり跳びついてきた場面が忘れられず、“運動がすべて”といった考えを持つようになり、その後、関連する運動プログラムに関する本を2冊ほど記しました(共著ですが)。

今回の研修会のテーマは「発達障害児の不器用さを考える~発達性協調運動障害について~」でした。発達性協調運動障害Developmental Coordination Disorder; DCDは年齢相応の協調運動(粗大運動や微細運動)ができないことではありますが、単に苦手意識があるだけではなく、年齢があがると対人関係やコミュニケーションにも大きく影響し、自己評価が低くなることにもつながります。DCDはまた単独の特徴というよりも、案外多いのが自閉症スペクトラムAutism Spectrum Disorder; ASDが合併している場合です。ASDの特徴としては、視覚優位(見えないものがわかりにくく、話し言葉が苦手)、2つ以上の情報処理が苦手(○○しながら△△する)、情報の重要性を整理できない、記憶が良い等々があげられています。

発達課題を抱えた子ども達が、それを乗り越えて行くためには、構造化された発達運動トレーニングとそれを支える人が必要なことは言うまでもありません。その為の具体的な方法・内容についてはふれませんでしたが、またの機会にしたいと思います。(老ブロガー・ハル)