2019.06.15

「LITTLE MISS SUMO」

昨年度の卒業式の日の出来事です。
南草津行きの満員バスに立って乗っていると、私の授業を受けていてくれた当時の1回生のMさん(女子相撲部)が
「座りませんか?」と声をかけてくれました。そこには一人分座れるスペースがありました。
相撲部の皆さんばかり集まっいたので、私には座れるのですが、相撲部の男の子では座れないスペースだったため、
私を見つけたMさんが気を利かせてくださったわけです。
素直に、ありがとうと座らせていただいたところ、お隣には、女子相撲部の今(こん)さんがいらっしゃいました。
今さんはスポーツ健康科学部の所属ではないので、
何の授業を担当しているんですか?なんとたわいもない会話から始まったのですが、バスを降りる頃には、
相撲の歴史や女性とスポーツ、といった真剣な会話へと移っていました。

それから数か月、2回生になったMさんより、大変嬉しいお誘いがありました。
バスの中でお話しした相撲部の、今さんが主演を務める映画の上映会へのご招待でした。
あまりにも壮大なお話で最初はついていけなかったのですが、
・イギリス人監督のMatt Kay氏が、立命館大学の女子相撲部の今日和さんを主演として、ショートフィルム「LITTLE MISS SUMO」を制作した。
・そしてその映画が世界中で上映されている。
・関西では上映機会がないので今回立命館大学内で内輪の上映会を開催するということでした。
そして光栄にも私はその上映会に御招きいただいたというわけです。

(ゆ)2019061601

上映会当日は、相撲部部長のApollo先生にご紹介を賜り、Matt監督ともお話の機会に恵まれました。
また、映画が終わった後には、今さんのスピーチも拝聴しました。
映画の効果も伴い、心が震えるような素晴らしいスピーチでした。

(ゆ)2019061602

私は、立命館大学に着任して初めて女性の「相撲人」達に出会いました。
彼女たちをとても尊敬しています。
お話しするまで、彼女がたちが相撲部打に所属していること、それ以上に世界チャンピオンレベルであることに気づきませんでした。
それほど彼女たちは、一人の学生として、女性として自然に大学や社会に溶け込んでいます。
女性スポーツの活性化や発展の必要性は長きに渡り議論されていますが
現実は人々の「意識」や「しきたり」という言葉で簡単に片づけられてしまう目には言えない障壁があります。
その中で、先駆的者的な女性アスリートたちが抱える葛藤も多様で複雑です。
男女に限らず、世界レベルで活躍する者だけが背負う重圧使命もあります。
そして、女性として相撲に挑み続ける彼女たちは日本の国技の継承者でもあり、革新者でもあります。
立命館大学の女子相撲部のメンバーは、そのようなものをすべて肌で感じながら、
静かにそして悩みながらも前に進もうとしており、その姿はとても美しく私の目には映ります。

スポーツの在り方はその時代に生きる者たちが、
将来のあるべき姿を探し、求めながら形作っていくものとするならば、
女子相撲は今後どの様に発展させていくべきなのか、はとても難しい問いです。
しかしながらそのど真ん中を静かにそして逞しく歩む女性たちに出会い、
必要とされることがあるならば、語り合っていきたいと思います。

LITTLE MISS SUMOはこちらから
https://vimeo.com/318425599

写真は主演女優さんとご挨拶をされるMatt監督
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。


#LITTLE MISS SUMO
#どうやら長編映画も制作されているようです。
#立命館大学に現役の「女優さん」たちが増えるかも
#相撲部関係者の皆様に感謝申し上げます。