[ 2012年08月 ] の記事一覧

2012.08.01

更新。

こんにちは。ma34です。

大学では前期が終わり、いよいよ夏休みが始まりました。
小・中・高等学校でも、子どもたちは夏休みですね。
しかし、現場の先生方は研究会や研修など色々とあるようです。
私も先日、滋賀県内のとある市にて小学校外国語活動の研修の講師をしてきました。


その準備のなかで、20083月告示の新学習指導要領(小学校では20114月、中学校では20124月より施行)に即して改訂された、新しい教科書(英語科)を分析していました。

とくに英語科では、小学校で外国語活動が5.6年生に導入されたことを受けて、4月入学当初の「入門期」の指導をどのように行うかが重要な課題となっています。

音声中心で、コミュニケーション活動を楽しむことに重点を置いた小学校での活動から、いかにスムーズに中学校の英語科につなげるのかが重要な視点であり、難しいところなのです。

 

写真:小学校外国語活動の教材「Hi, friends! 2」(6年生)(下)、
 旧課程の中1教科書(「New Horizon 1」(上左)、新課程の中1教科書(「New Horizon 1」(上右)

textbook phonics.jpg



旧課程と新課程の大きく異なるところは、新課程には「warm-up」という項目が新たに加えられ、この項目のなかで「あいさつ」「教室英語」「アルファベット」「数字」「週」「月日」「色」「名前」など、今までは中学で1から学習した内容が「小学校で親しんだ内容」として位置づけられています(New Horizon)。

 

とくに私が注目しているのは、読み書きの指導についてです。新課程では、アルファベット、そしてつづりの決まり(phonics)についての簡単なルールについては丁寧に指導されることが期待されています(写真はその頁)。

実は、私の世代の教科書では、単語のつづりにどんなルールがあるかなんて、どこにも書いていないことでした。なぜ「cake」という綴りが「ケイク」という発音になり、「cat」の「a」の部分と違う発音になるのかなんて、教えてもらった覚えはありません。


学生のみなさんの中には、英語の時間に発音指導と絡めて、こうした音声と綴りの関係についての指導(phonics指導)を受けてきた方もいらっしゃるかもしれません。けれども、みなさんが中学生だった時代でも、それは、各学校や各先生方が「英語科の学力として学習し、習得すべきこと」を吟味したうえでの独自の取り組みだったわけです。

 

時代が変わるにつれ、その教科で何をどこまで扱うのか、どう指導すればよいのかは変わってきます。教科書はそうした時代での違いが如実に表れるので、分析していくととても面白い発見があります。

 

もちろん英語だけではなく、歴史や数学など他の教科でもこれまでに色々な変化・改訂があります。

(たとえば歴史でも、私が習ったのは「踏み絵」ですが今は「絵踏み」、「聖徳太子」は「厩皇子(聖徳太子)」といったように、色々と変わっていますね。算数でも、リットルは小文字の筆記体のLでしたが、今は大文字楷書のLなのです。)

 

では、体育ではどうでしょう。ぜひ調べてみてほしいと思います。

 

教育も、研究も、つねに新しい知見によって更新されていきます。

そのような新たな知見や更新を見逃さないように、「置いてけぼり」をくらわないようにさまざまなアンテナを張り巡らせないと!と改めて感じています。

 

Ma34.