毎週金曜3時限目は「学校保健」の授業。先日、「受講者名簿」が出来上がってきた。157人の受講だ。受講者数が不明の1回目の授業には、昨年度の予測から130部の資料を準備して行ったのだがぎりぎり間に合ったのも頷ける。そして、「基礎調査」に回答を寄せたのが122人だった。参考までに、調査項目を紹介しておきたい。
1. 現代日本において、一番の「健康問題」は何だと考えますか?
2. 現代日本の子どもたちにとって、一番の「健康問題」は何だと考えますか?
3. 貴方自身が一番関心をもっている「健康問題」は何ですか?
4. 3.に関して、その問題を解決しようとした時に、どのような事が必要だと考えますか?
5. 貴方は、なぜ、この講義を受講するのですか。
以上の項目に、限られた時間内ではあったが、出来るだけ詳細に記述してもらった。夫々の「回答」の中身に関してここでは省略させていただくが、5.については、「教職」のために受講していると応えた学生が48人、それ以外の学生が74人だった。
48人の学生にとっては「必修」の科目である。「学校保健」は、確立された制度の下で、「保健管理」と「保健教育」を二本柱として、学校教育の場での健康づくりを担っているもので、その主たる対象は子どもたちだ。そして、教師として勤務するのであれば、必然的に「学校保健の担い手」として期待される。とくに、「保健体育免許」を持った教師であれば、その中心的な役割が期待される。それだけに「教職」志望の学生には、そうした自覚を持って学習を深めて欲しいと思っている。
もちろん、学校教育の場での健康づくりとは言っても、決して学校に留まる問題ではない。健康の問題は、その「主人公」たる1人ひとりの「心と体」の問題であり、それは、子どもたちにとっても同様のことだ。学校生活を行う子どもたちには家庭での生活そして地域社会での生活がある。だからこそ、「人とコトとモノとの関係性」の言葉が示すように、社会に拡がりを持ち、社会との結びつきの中でこそ健康づくりは達成されることになる。それが「健康の社会化」を強調する理由だ。
この「健康の社会化」と関わって、もう1つ学生たちには考えてもらっている言葉がある。「時間的・空間的視野の拡大」(最初の授業で大きく板書した2つ目の「キーワード」)だ。「過去・現在・未来」の時間の流れの中で物事を考えて欲しいものだし、「身近で足元」の問題から「地球規模」の問題まで、「空間」についても伸縮自在に考えて欲しいものだ。
こうしてみると、「教職」志望の学生にとっては当然だが、それ以外の学生にとっても十分学習してみる「価値」のある「学校保健」ではある。「選択」理由は色々だが夫々に積極的な理由を記述していて、授業担当者としては励まされるものがあったが、それだけに「内容吟味」が大変重要だ。2回目の授業で語った「風が吹けば桶屋が儲かる」(ある1つの変化・刺激が連鎖的に波及性をもって種々の変化・影響をもたらす)式の隠喩がほとんど通用しない程に生活感覚も違う学生としっかりと向き合って行きたい。 mm生