[ 2014年12月 ] の記事一覧

2014.12.01

火事場の馬鹿力

今日から師走(しわす)となりました。普段はゆったりと過ごしている先生もバタバタする月、という意味で師走というようですが、いつも走り回ってアクティティの高い、スポ健の先生方にとって、12月は走るというよりも跳び回っているような月かもしれません。

 

先日、滋賀の公立高校の生徒さんから電話があり、「火事場の馬鹿力」について調べているのだけれども、より深く知りたいので当方を訪ねたいとのこと。意欲あふれる生徒さんとの出会いを楽しみに、当日までに送ってくれたFAXによる質問状をみながら、どのように説明すれば理解してもらえるかをあれこれ考えながら当日を迎えました。

待ち合わせ時間前に会議があり、そこから研究室に戻ってくる時に、それらしい生徒さんたちが「あいコア(インテグレーションコア)」前にいたので、声をかけると、訪ねてきてくれた生徒さんたちでした。20分以上も前に、集合してくれていましたので、少し施設を案内しながら研究室へ。

質問状の内容に答えながら、火事場の馬鹿力について科学的に検証されていることを一通り説明しました。ご存じのように、「火事場の馬鹿力」は、普段は全力で力を発揮したつもりでも、大脳の抑制によりすべての筋線維を使うことができない(筋の心理学的限界)。ただ、「火事」のような危急存亡状態ではその抑制が取っ払われて、普段ではでない力がでることを意味します。もちろん、アスリートは、普段から全力発揮をすることで、筋自体が持っている限界(筋の生理的限界)近くまで力を発揮できます。一方で、普段大きな力を使わない高齢者は、普段はあまり力が出ず、「火事場」での力発揮とのギャップが大きいので、よく話題にのぼるようになります。いずれにせよ、潜在的に持っている力以上はでません。

 上記のようなことを生徒さんたち答えながら、かつ追加質問に受け答えする中で、生徒さんたちが

スポーツ健康科学に関する理解と知識を深めたいというモチベーションの高さを感じました。かえってこちらが元気をもらいました。このようなスポーツ健康科学に興味ある生徒さんが増えて、この分野が盛んになることを願っています。

 

 卒論提出までのこり2週間あまりとなりました。そろそろ、尻に火がついて、「火事場の馬鹿力」発揮が必要なゼミ生たちもいるのでは?冷静沈着にまとめきって欲しいと願っています。提出も火急にならず、早め早めに。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

11/22-23 東京お台場の産総研で日本トレーニング科学会がありました。本研究室からも5題発表しました。初めて学会を経験する学部4回生から、大学院院生、ポスドク、先生がたなど。

 そのうち、「身体重心の挙動からみた三段跳の跳躍タイプに対応する踏切技術」のタイトルで発表したF林先生の研究が、学会大会奨励賞を受賞しました。このデータは、修士1期生で、おそらく世界で初めて、実際の三段跳の動作解析を行ったK泉君のデータを再解析したものです。パフォーマンス向上につながる研究成果です。

https://www.ritsumei.ac.jp/shs/news/article.html/?id=107

【忠】