2016.06.14

体育の授業づくりをサポートする

先般、T市の小学校の3・4年生の体育科の研究授業を参観してきました。
このT市の教育委員会の先生方とは、もう4年近く交流があり、授業づくりへの助言をしたり、研究課題への協力などをいただいたりしてきました。今般、大きな研究大会において授業研究の成果を発表されることとなり、そのために今年の3月ごろよりいろいろと意見交換をしながら私も授業作りに協力させていただいて参りました。



この日の授業は「体つくり運動」という運動領域の「力試しの運動」を学習のねらいに置いた授業でした。
授業では、あらゆるボールのなかより、児童にとっては重いメディシンボールを両手で投げる運動が中心に取り扱われ、最大でどれほど遠くに遠投できるかという「力を目一杯入れて行う」運動と、それを踏まえて、最大による到達距離よりも短い場所に設置した的を狙って投げるという「力を上手く調整する」運動の両方が実施されました。児童のみなさんは、グループで互いにコツを伝えあいながら学習に取り組み、特に狙って投げるにおいて、的にメディシンボールが当たるたびに歓声が上がるとともに、そのコツを真剣に共有する姿がみられるなど、勢いと学びが同時に成立するよい授業が展開されていました。




メディシンボールを投げるという単純な運動ではありますが、このような基礎的な運動(Fundamental Movement)を児童期にできるだけたくさん経験し、身に付けることは、将来の高いスポーツパフォーマンスを育成するためにも非常に重要となるとされております。また、「力試し」というと、単純に最大での力発揮のみが連想されがちですが、自分のもつ力を動作課題に応じて適切に調整するという視点を児童に拓くことも本授業でのねらいとされており、いわば「ちから」の認識を拡げ、思考・判断する授業にもなっていたと思います。

とはいえ、まだ改善点もあり、授業後に行われた検討会では、さまざまなご指摘・ご意見が出ました。こうしたご意見を検討し、秋の研究大会本番に向けて、さらに手を加えて、先生方の授業をよりよいものへサポートしたいと思います。





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