2012.10.31
外からの視点
季節はすっかり秋になってきましたね。
金木犀の香りにふと足を止め、あたりを探してしまう時があります。
母校の大学で、教育学部の入り口に金木犀があり、
4回生のこの時期、そろそろ卒論を本格的にやらないとな~、と思って以来、
金木犀の香りをかぐと、毎年のように「ああ、卒論!」と思って、気ばかりが焦ってしまいます。
年末も近くなり、なんだか忙しい時期ですね。
さて、学会シーズンですが、私も先週末の日曜日、
自身の研究領域に関する学会「日本児童英語教育学会」の秋季研究大会に行ってきました。
この学会は、小学校外国語活動やその前身の英語活動が総合の時間に始められるまえから、
全国の児童英語教育に関わる研究者、実践者が集まり研究を進めてきた学会として
この分野では一番の大きな学会となります。
とはいっても、この分野は歴史も浅く、今、さまざまな研究蓄積を積み重ねるべく、
研究者や現場の教師たちが情報の共有をし、議論を重ねています。
そんななかで、課題研究部会の議論を聞いていて思ったこと。
私は教育方法学を専門としているのですが、教育方法学では多くが共有されている事項であっても、
たとえば「教育内容」、「教材」、そして「教具」の違いについて、
英語科教育においては(いや、他教科もそうかもしれませんが)
まだごちゃごちゃになっていたりする、ということです。
(もちろん、「教科書」はどこに位置づくのか、という議論を始めると、
「教材」という位置づけのときもあれば「教具」でもありますが、
「教育内容」「教材」「教具」を整理する概念はたとえば藤岡信勝『授業づくりの発想』(1989年)や
『教材づくりの発想』(1991年)があります。)
英語科教育はとりわけ、欧米の理論を根拠として語られることが多いからか、
日本のこれまでの教育方法学の議論が反映されていないのかもしれません。
そうした区別や言葉の定義がまず土台としてあれば、議論ももっと整理されてくるのに、、、と
思っていました。
(そうした「整理」についても、発信していかねばならないですね。)
「異なる分野から見てみると、意外と大事なことや新たな視点が見えてくる」ということでしょうか。
スポ健には、スポーツ・健康をめぐって、さまざまな分野・領域の先生がたがいらっしゃいます。
私は「体育科」に限定しない、教育学分野の担当として位置づいておりますが、
そこに面白味があるのだと改めて感じた、そんな一日でした。
ma34.