アメリカでは、プロスポーツと同様に大学スポーツが盛んであるというイメージがあります。
スポーツマネジメント領域の論文も、観戦者からデータを収集している研究の多くがCollegiate Sports と呼ばれる大学スポーツの観戦者です。
そのため、地域の人々や大学にとってのスポーツチームのあり方を、ボストンの人々と直接話すことによって知るというのも今回の滞在目的の一つとして挙げています。
チームカラーは大学と同じ赤です。
マスコットキャラクターは犬のデリアで、愛称は「Terriers(テリアズ)」です。
アンダーアーマーからスポンサードを受けています。
ではなぜ、大学スポーツが盛んではないのか、という疑問が沸くわけですが、その答えはわからないという回答でした。
ボストンでは、プロスポーツチームが盛んだから大学スポーツの人気はないのではないか?とも思ったのですが、それは他の地域も同じ条件だから、プロスポーツチームの影響は関係ないのではないかとの意見もいただきました。
とはいえ、つい最近男子のアイスホッケーの試合をご覧になったらしく、大敗したんだよと何度も悔しそうにおしゃっていました。
どれぐらいの観戦者がいるのかという問いには、ライバル校同士では数千人入ることもあるが、大体は数百人の観客であろうということです。
せっかく大学のIDカードも持っているので、BUを代表する競技である男子アイスホッケーの試合を観戦することにしました。
試合会場であるAgganis Arenaもその並びにあり、2005年に設立された収容人数は7,200人のアリーナです。
観戦に訪れて、まずは驚きました。
VIP席もあり、またデジタルを用いた演出を前提としたアリーナでした。
プロスポーツの観戦時と同様、荷物の持ち込みは禁止で、スタジアム内で調達する必要があります。
観戦者数はおそらく1,500人程度だろうと思うのですが、すべての売店が営業していました。
日本ではプロスポーツであっても試合や組み合わせによって売店が少なく、簡易的な売店も多いのでこの点でも大きな違いを感じました。
試合中は何度も過去の選手たちを称えるともに、15周年を強調した動画が流れていました。
私が観戦した試合は、BUが勝利しました。
スポーツマーケティング領域には、BIRGing(basking in reflected glory)という成功している他者との関係を強める傾向とCORFing(cutting off reflected failure)という失敗している他者から離れようとする傾向があるという有名な消費者心理を説明する理論があります。
この理論を提示したCialdini et al.(1976)は大学スポーツを用いてこの論を証明しています。
顕著な消費者行動として、大学が勝利した場合には、"We won the game"言い、私ごとになります。
チケットの買い方など丁寧に教えて下さった職員の方に試合結果はどうだった?聞かれると
私はおそらくWe won the gameと言い、もし負けていなばらThey lost the gameと報告するだろうなと感じました。
アメリカで大学スポーツを観戦することによって、BIRGingとCORFingの理論が腑に落ちました。
ゆ
写真はAgganis Arena
撮影:ゆ
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#演出は日本のプロスポーツチーム並み
#子ども連れが多く驚きました