[ 2009年08月 ] の記事一覧

2009.08.31

人類の限界

 世界陸上のベルリン大会で、ウサイン・ボルト選手が記録した驚異的な世界記録に人類が驚かされた。まさに驚異的な100mの記録更新である。記録更新(パフォーマンス向上)の背景には、トレーニング、栄養、研究成果、指導方法、用具・道具、環境(競技トラック、風)などがあげられる。

 自らの限界、ならびに人類の限界を超える記録の樹立には、従来にはないトレーニング、チャレンジ、工夫が凝らされていたことであろう。

 いずれにしても、人類の限界という壁を押し広げた、ボルト選手の快挙に世界中の人々が歓喜し快哉をあげたことは間違いない。まさに、スポーツの魅力、スポーツの持つ力を示した瞬間でもある。

 

1.JPG 走るだけなら馬の方が早い。しかしながら、上の図にあるように、100年間馬の記録(ケンタッキーダービー)と人の記録(1マイル走)をみてみると、興味深いことに馬の方はここ50年間伸び悩んでいる。人は未だに記録を更新している。

 これはなぜであろうか?馬のトレーニングも進化し、走路、蹄鉄の改良も行われている。大きな違いは、馬は一緒に走っている周りの馬との競走はできるが、自己記録も世界記録もない。言い換えると馬は目標を持たない。一方、人は自己と他者の記録を知り、人は自らの目標を設定して、その実現のためのトレーニングと工夫とチャレンジを積み上げることができる。それゆえに、自己の記録を更新するチャレンジャーに敬意をはらい、その達成をともに喜べるのであろう。スポーツ科学は、そのスポーツ目標の実現に大いにサポートし、貢献できる科学である。まさに「誰かに尻を叩かれるのではなく、自ら尻を叩き目標に邁進する選手」に活用される客観的道具である。

 新しい学部・研究科では、実践としてスポーツ科学を利用する、選手のパフォーマンス向上へ適応するために研究する、新しいスポーツ科学を切り開くことを願っている。そして、学生の、日本の、そして人類の限界を押し広げることに貢献したい

 

                              忠

 

 

 

 

2009.08.30

スポーツ健康科学部のウリ!その4


立命館大学スポーツ健康科学部のコンセプトの1つとして
「総合性・学際性」というものがあります。

つまり、スポーツ健康という分野が経済・経営・体育・教育・
理学・工学・医学・保健衛生といった
様々な学問分野で出来上がっているということです。

そこで、その総合性・学際性をしっかりと学んでもらうために、
ほかの学部と比較をしても、全体の科目数が少なくなっています。

http://www.ritsumei.jp/spas/spas02_j.html

科目数を多く設定すると、自分の得意な科目ばかりを
選択履修する傾向にあるので、科目数を少なくして、
上記の幅広い学問分野の基礎をしっかりと学んでもらおうと思っています。

そのようにしてスポーツ健康分野の知識を基礎とし、
グローバルな視野を持ったリーダーシップを
発揮できる人材を育成していきたいと思っています。

2009.08.29

PLAY&STAY

今年は原稿の編集作業というものに初めて携わる機会があり、かなり苦労しましたが、今週やっとその作業が一段落つきました。

 

国際テニス連盟が推進する"PLAY&STAY"プログラムというものがあります。

 

初めてテニスをする子供や大人のために、コートやラケットの大きさ、テニスボールの種類などを変えることで、初心者でも初日から試合を楽しむことができる、という画期的なプログラムです。

 

大きなテニスコートで、大きくバウンドするテニスボールを扱うのは難しいものです。でもコートサイズやボールを変えるだけで、初心者の方にテニスをより楽しんでもらう。

まさにPLAY&STAY(プレーを続けてもらう)が可能なのです。

 

日本テニス協会もこのプログラムを本格的に普及することになっていて、今回このプログラム教本を日本語訳することとなりました。

 

で、僕の役割は、12人の翻訳チームの原稿をまとめる監訳です。

 

いや、かなり甘く考えてました、編集作業を、、。自分の担当箇所を訳すのよりもず〜っと大変でした。。

 

でも、この訳本をきっかけに、一人でも多くの方がテニスというスポーツを楽しんだり、スポーツをとおして健康になっていただけるかも、と想像するだけで楽しくなります。

 

 

 IMG_0109.JPG


写真は今月テキサス大学に行った際に、友達の家で撮った写真です。


彼の庭にはテニスコートが2面もあり、そのうち1面はなんと本物の芝でできたグラスコートなんです。


それも驚きですが、このコート、あのハリケーンで完璧に水没したのに、無事だったそうです。。生命の力はすごいですね。






2009.08.28

夏休みはどうでした?

そろそろ、夏休みの終わった学校、もう少しで終わる学校、

みんなの夏休みは充実していたでしょうか??

ちなみに立命館大学の夏休みは、

7月末~8月頭にかけての試験が終わったら始まり、

9月の末まで続きます。

 

教員は夏休みは、前にも書いたようにほとんど関係ないのですが(・.・;)

 

さてさて、今日は。。。スポーツ健康科学部の紹介をしたいと思います。

よく考えると、私だけ、紹介をしていない気がする。。。




スポーツ健康科学部では、二つのキーワードを身につけた学生を育てたい、

と考えています。

 

一つは。。。

「リーダーシップ」

で、もう一つは。。。

「コーチング力」

 

この二つの力は、社会に出ても絶対に必要な力となります。

 

リーダーシップ」はどんなものか想像がつくと思いますが、

「人を導いてチームをまとめる力」

になります。

このリーダーシップに関しては、いろんな人が色んな事を言っていますが、

実践も含めてやってみることで、どんな人でも必ず身につけられるものです。

そのため、身につけて欲しいですし、身につけてもらいます。

 

コーチング」の方は、人によって、考え方がばらばらのところもあります。

体育学部では、「具体的な競技の指導力」のことを指します。

そのため、モチベーション(やる気)の向上と具体的なトレーニングや戦術について学びます。

一方で経営では、「人の成長を援助する力」のことを指します。

どのように人を褒め、育てていくのか、といったことが中心となります。

どちらにしても、

「人が成長するのを助ける」

というのは共通する部分で、実践も含めて、どうやったら人の能力を伸ばすことができるのか、

を学び、それを様々な場面で実践して欲しいと思っていますし、実践していってもらいます。

 

と、二つのキーワードについて、ちょっと長く書きすぎましたが、

こんな力を積極的に伸ばしたい人に入学して欲しいなぁ、とみんなで思っています。

 

立命館大学の一般入試までは、あと5ヶ月。

みんながんばってください。

2009.08.27

ただ今、研修中です

朝晩、急に涼しくなってきましたが、
皆さん、いかがお過ごしですか?

私は、今、愛知県岡崎市にある「生理学研究所」
夏季トレーニングコースに参加しています。
生理学研究所は、埼玉にある理化学研究所と並んで、
日本が世界に誇る脳科学研究の拠点です。

ここで、月曜から金曜まで、午前9時から午後5時まで
講義と実習が組み合わさった研修を受けています。
周りは、優秀な理系の方ばかりで、
文学部出身というような人間は私しかいないかも・・・(^ ^;;)

正直、周りについていくだけでも、大変なのですが、
それでも、今まで知らない事を学んでいくのは楽しいですね ( ^ ^ )

新学部では、皆さんにも、新しい知識を貪欲に吸収し、
学ぶ事の喜びを味わってもらえたらと考えています。
皆さんも、勉強頑張って下さいね。

それでは、また。失礼致します。
                  
                    敦

2009.08.26

熱血!地域の体育指導員

先日、滋賀県体育協会から依頼を受けて体育指導委員研修会の講演を行いました。内容は「健康づくり・体力づくりのための運動プログラム」でした。体育指導委員とは、地域の生涯スポーツの支援者で、市区町村教育委員会が委嘱する非常勤の地方公務員の方々です。この日は滋賀県の指導委員の方々が300名以上集まりました。皆さんがスポーツや健康に関心のある方ばかりで、非常に熱心でとても盛り上がりました。

 

大都市では民間のスポーツクラブがたくさんあり、住民の方々の運動環境は非常に整備されていますが、それ以外では民間のこういった施設がほとんどなく、体育館など地域の公的なスポーツ施設に限られています。当然、体育指導員も不足していますので、一般の人が地域から認定を受けてスポーツの実技指導をしています。体育指導委員は、平成12年から制度化された総合型地域スポーツクラブの創設の中心的な役割を果たすなど、スポーツ振興の推進役として期待されています。

 

これらの指導委員の方々を束ねているのは、各市町村の教育委員会に所属している地域体育協会の教職員の方々です。中学や高校の保健体育の先生の方も多く、現場の指導も行っているのでしょうか、皆さん真っ黒に日焼けされていました。体育の先生は、生徒の教育だけではなく、地域高齢者のスポーツ振興にも一役買っているのですね。

 

このような地域公務員は、スポーツ健康科学部卒業後の進路の一つです。地域スポーツイベントの企画や運営、指導員の育成や教育など幅広く活躍されています。健康で元気な町づくりに興味がある方は、ぜひ目指してください。地域社会に貢献できる立派な仕事に1つです。

 

 

 

2009.08.25

びわこ・くさつキャンパス

こんにちは。
ご存知の方も多いと思いますが、
スポーツ健康科学部は滋賀県の草津市にある

「びわこ・くさつキャンパス(BKC)」
できる予定です。

BKCは1994年にできたキャンパスで
できて15年経ちますが、新学部の教育・研究棟のように
後から建った新しい建物が多く、きれいなキャンパスで雰囲気も抜群です。
大学は普段でも入ることができるので、
実際に来てみてBKCの雰囲気を楽しんでみるのもいいかもしれません。



オープンキャンパスに来てくれた方はご存知かと思いますが、
最寄駅はJR南草津駅で、そこからバスで10分ぐらいです。
その他にも、JR大津駅や京阪中書島からも直行バスがあり便利です。
より詳細な内容が知りたい方は下記をクリックしてみてください。
交通アクセス(びわこ・くさつキャンパス)

私は大阪市内から通っていますので
よくJR大津駅からの直行バスを利用します。

ちなみに本日の新学部の教育・研究棟は

↓こんな感じです。
090825_2.jpg






骨組みが3階部分ぐらいまで
出来上がっている感じでしょうか?
少し見ない間にずいぶんと工事も進んでいるようです。
                                                                             成弘

2009.08.24

夏祭り

 夏休みも終わりに近づいた8月22日、23日に近畿地方出では地蔵盆あるいは夏祭りが地元の町内会で開催されることが多い。地蔵盆は近畿地方を中心に特に盛んに行われており、子どもの健やかな成長を願う催しである。町内の地蔵さんをお祈りするとともに、子どもの安全と成長を願う場となっている。近年では、子どものための祭ともいえ、地蔵に詣った子ども達は地蔵の前に集まった席で供養の菓子などをが振るまわれたり、また地域の子ども達が一堂に会して子ども達に向けたイベントが行われたりする。

 いずれにしても町内会あげての「夏のイベント」となっている。私の住んでいる町内にもこの夏祭りがあり、今年はその最後のフィナーレにバンド演奏が催された。大人のバンドとともに、子ども中心のバンド(Happy Road)も編成され私の娘(小学3年生)もそのメンバーとして参加した(写真参照)。


kodomoband.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼間は夏空を示していたのが、バンド演奏が始まる直前に曇り空となり、演奏が始まる頃からポツポツと降り始め、1曲目が終わった頃には本降りとなってしまった。家内からは、雨男の私が来たからとせめられたが、15分の中断の後、大人バンドのメンバーが、手で支えながら"ブルーシートの特製屋根"を差し掛けてくれて残り2曲も無事発表することができた。

 このシーンを見ていて、地元(地域)で支えられて子どもたちが成長する場面が確保され、また地域の協同によって、お互いの顔が見える環境の中で地域の活性化が担保されている様子が理解できた。

 教育には、家庭教育、学校教育、社会教育の3つのカテゴリーがある。大事なことは、境界分けすることではなくこれらのカテゴリーが有機的に連動しながら、次世代を担う若者を育てかつ「地域力」を高めることにある。

 安心・安全な地域と学校に、より良質な教育環境と子ども育成環境が備わる。

 『サービスラーニング』という新たな概念の教学プログラムをスポーツ健康科学部では立てている。インターンシップを超えて、地域に根付き、参画しそしてそこでの気づきと振り返りで、学生が大きく成長する教育プログラムである。

 地域が育ち、人が育つ! そのような素敵な循環が成り立つ学部・研究科にしたいと、夏祭りをみて感じている。

                            忠

 

 

2009.08.23

スポーツ健康科学部のウリ!その3

立命館大学スポーツ健康科学部のウリ!その3ですが、
小集団演習が4年間を通して行われることにあります。

小集団演習とはスポーツ健康科学分野の基礎から専門的力量を
身につけるためにクラス単位の少人数制で指導していくものです。
 
 
enshuu.jpg
低回生では専門の基礎知識に加えて資料収集法や レポートの書き方など「大学での学び方」も学びます。 3回生からは多様な研究テーマを持っている先生のもとで、 卒業論文作成に向けた指導を受けます。 そこでのウリですが、 1回生の「基礎演習」では1クラス25名程度、 2回生の「研究入門」では1クラス15名程度、 3・4回生の「専門演習(ゼミナール)」では11名程度で 運営していくことを現在予定しています。 これは国公立大学と同等のクラス規模であり、 丁寧できめ細かな、教育を受けることができます。 また、学費も文系学費ですから、経済的にもやさしいです。                       龍
 
 

2009.08.22

テキサス大学での研究(その1)

今日もBKCでオープンキャンパスが行われました。

暑い中、沢山の方にご参加いただきました。

ありがとうございます。

 

さて今回は先週から出張で行っていたテキサス大学医学部(UTMB)での研究について お話します。


UTMBの研究グループは主に骨格筋の代謝に関連した研究を行っています。

特にユニークなのは、ヒトの骨格筋のタンパク代謝を直接測定できることです。


つまり、レジスタンス運動を行ったり、栄養摂取した後にどれくらいのスピードで筋肉が作られているかを測定できるのです。

この測定を人体で行っている研究室は世界でも数カ所のみです。

 IMG_0118.JPG

写真はガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)というもので、この分析計を使骨格筋の合成スピードを計算します。(UTMBにはこのGCMSがなんと3台も並んでます)

 

この測定を行うにはアミノ酸の安定同位体トレーサーを体内に注入したり、筋バイオプシーで筋肉のサンプルを摂取することが必要ですので、全ての実験は実験病棟で行います。

 

立命館大学スポーツ健康科学部もこのGCMSを購入予定です。


この装置でタンパク代謝だけでなく、糖代謝や脂質代謝の測定も可能なんです。


来年が待ち遠しい〜。