2015.07.31
夏の思い出
20代の半ば頃、私は博士号を取るためにアメリカに留学する事を決意しました。当時はインターネットを通して情報を得ることも出来ず、何もかも手探り状態で進めて行きました。幸いにして出願する大学については、先週のブログでも触れた国際学会(International Society of Biomechanics)を東京で開催した際に色々な先生方に相談に乗って頂く事ができました。その結果幾つかの候補を絞ることが出来ました。
修士2年目の7月~11月に掛けてTOEFLやGREといった試験を受け、書類を用意し、お世話になった先生方に推薦状を書いて頂き、、、といった手続きを経て出願をしました。12月にはやるべき事は済んでいて、後は次の連絡が来るのを待つばかりとなりました。その間修士論文を作成したり公聴会があったりし、連絡を受けたのは3月頃だったと思います。メールで「電話で面接をするので○日の○時に取ってくれ」と言った内容で、ついに来たか、と思いました。
当時私は留学どころか海外に行ったことも無い(パスポートすら持っていませんでした)状態で、リスニングのテストの練習はしていましたが「ネイティブの方と電話で会話」というのは初体験だったと思います。通常の対面の会話では想像以上にボディーランゲージに助けられています。ここが勝負時と前日は一睡もせず朝の電話を待ちました。面接は上手く行き、財政支援(3年間TAをやりました)の話もまとまり、第一志望だったアリゾナ州立大学へ行くことになりました。
アリゾナ州立大学の新学期は8月から始まります。1年以上全力で準備をし、待ちに待った大学院での生活を始めた時の事を、毎年夏の暑さと共に思い出します。とは言えアリゾナの暑さは日本のそれとは異質でした。西部劇の舞台になった砂漠の大地、強烈な日差し、サボテンだらけの乾いた土地、という所なので日本の基準で想像するのは難しいです。サングラスなどは日本から持って行った物では用を為さず早速買い換える事になりました。着いて1~2週間で大分日焼けしました。
今までの人生の中で、アリゾナ州立大学での出会い、学んだことはかけがえの無い物となっています。日々の生活も勉強も研究も、何もかもが大変でしたが全身全霊で取り組みました。本当に素晴らしい時間を過ごすことが出来、大学や先生方は勿論の事、友人、一緒に格闘技をした仲間、大学のある街、そしてアリゾナ州に今でも感謝しています。またいつの日か、必ず訪れようと思っています。関連分野の学会等見つけられた方は是非教えてください!