[ 2013年09月 ] の記事一覧

2013.09.30

icSPORTS 2013

標記の学会へ参加してきました。この学会の正式名称は、The International Congress on Sports Science Research and Technology Support です。第1回目のため、運営面で少し今後工夫が必要なところはありましたが、工学系、生理系、心理系からマネジメント系まで、「スポーツ科学」に関する幅広い関係者が集いました。

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この学会では、フルペーパー、ショートペーパー、エクステンデッドアブストラクト、アブストラクトのうち、いずれかを選んで演題を申し込みます。そして、審査委員の審査(レビュー)を受けます。伊坂研究室の院生Cかづみさんは、エクステンデッドアブストラクトで申し込みましたが、審査結果表をみてびっくり、6名も審査委員がコメントと採点をつけていました。

学会では、フルぺーバーで採択された演題は30分、ショートペーパーとエクステンデッドアブストラクトは、15分。アブストラクトのみはポスター、というようにスクリーニングの上、発表時間に差がつけてありました。また、フルペーパーとショートペーパーのみがプロシーディングス(講演論文集)に採録されます。さらには、フルペーパーの中からベストペーパーが表彰されます。

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 学会発表の質を担保するための一つのシステムと感心しました。日本からも大学院生2名が、30分の講演を行っていました。世界の舞台で、研究成果を30分発表させてもらえることは滅多にありません。そういう意味でも力をつけられる学会といえます。

 


来年は、101618日の間、イタリアのローマで開催されます。英語で研究成果を発信し、力試しをしてみませんか?


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 <今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

ポルトガルのヴィラモーラのビーチも素敵でした。会場(写真のホテル)まで宿泊先のホテルから歩いて30分(Cかづみさんの高速歩行に引きずられて)。その間、ずっと青空と青い海を眺めながら。広々とした海と青空をみると不思議と気持ちがゆったりします。そのせいか、色んなアイデアが湧いてきます。発想する意味でもときにはゆったりする時間が必要ですね。




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【忠】

 













 

2013.09.29

新しい「出会い」と「学び」を活かしたい

後期開始直前の917日・18日と、宮城県石巻市そして福島県郡山市に足を運んだ。今回は、台風の影響で夜行バスが3時間も遅れてしまい、目的地・石巻着が午後3時少し前という状況だった。1日目の行動はごく限られたものになってしまったが、新しい「出会い」があったし、2日目には、新しい「学び」があった。

石巻市渡波にある万石浦(まんごくうら)小学校の代替養護教諭のA先生と、ごく短時間ではあったが、お会いしてお話を伺うことが出来た。A先生は近隣の荻の浜から通っているのだが、津波被害に遭って、現在はご両親と「仮設住宅」住まいだと言う。但し、荻の浜地区では、「人的被害」は無かったという。そんな話を聴きながら、ふと、牡鹿半島を挟んで北側にある谷川(やがわ)浜のことが頭を過ぎった。

そこでは、集落は壊滅して多くの人が亡くなっている。私の父方の親戚夫婦もそうだ。「人的被害」の有無の「差」がどのようにして生まれたのか。

例えば、谷川小学校も校舎は完全に津波に呑み込まれ、浜側に近い体育館は跡形も無く押し流されてしまっているが、子どもたちは全員無事だった。一方で、大川小学校のような悲惨な状況が生まれている。このような「差」がどのようにして生まれるのか。そんなことにも思いを巡らしていた。

石巻から女川に向かう国道沿いに建つ万石浦中学校に隣接していて、それぞれの学校は津波被害も然程ではなかったようだが、小学校と中学校の間には「仮設住宅」が建ち並んでいて、はっきりと「被災の爪痕」を感じさせてくれる。

もし正式に採用されると、宮城県では最初の男性養護教諭となるA先生。子どもたちの健康の問題はもちろん、命や安全の問題について真正面から取り組む、学校保健の中心的な担い手として成長していただきたいものだ。

郡山では、助産師のMさんたちが取り組んでいる「子育てチャット」を覗かせていただいた。この活動は、平成17年から継続しているもの。そして、「東日本大震災」にともなう原発事故後には、このような「子育てサークル」は行政レベルでも数多く取り組まれてきているという。

若いお母さんたちが小さい子どもたちを連れて参加し、子育ての様々な不安や悩みを出し合い、みんなで解決を図って行こうとする、ごくありふれたささやかな活動だという。しかし、参加しているお母さんたちの中には、「原発事故後」に結婚して郡山に住み着いた方もいたりして、大変「重い課題」にも向き合っている活動だということが理解出来る。

例えば、矢部史郎『放射能を食えというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言』新評論、など徹底した排除の論理の一方で、一ノ瀬正樹『放射能問題に立ち向かう哲学』筑摩書房、など混沌とした放射線被爆の健康影響に対して明るみをもたらそうとする論理とがぶつかり合っているのだから。

こうした「出会い」や「学び」については、学生諸君にも伝えて行きたいものだ。先ずは、後期の授業にどのように活かしていけるのか?  それが問題だ。  mm

2013.09.28

セミナー開催しました

  昨日はスポース生化学の授業の一環として、順天堂大学大学院 スポートロジーセンターから田村好史先生をお招きして、『生活習慣病における脂肪筋・脂肪肝、インスリン抵抗性の意義と食事・運動の役割』と題して講演していただきました。

  MRSを用いた筋細胞内の脂肪と糖尿病のリスクであるインスリン抵抗性との関係性を肝臓と骨格筋での糖質・脂質代謝の観点から分かりやすく講義頂きました。昨日は院生だけでなく、学部生も多くセミナーに参加してくれたのが嬉しかったです。

  スポーツ健康科学部で日頃から学習している、健康増進に向けた食事と運動の重要性を、最新の糖尿病の研究の観点からも重要な因子であることが確認できたのは、学生にとって大きな成果だったのではないかと思います。
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satoshi


2013.09.27

今年度のUSF特別協力講座・NFL協定科目が始まりました!!

こんにちは。

朝夕、ようやく涼しくなりましたね。

 

さて、立命館大学では2001年度からアメリカ、プロフットボールのNFL(National Football League)と協定に基づき、優れたスポーツビジネスを学ぶ協定科目を開設しています。

そして、昨年度からは、有為な若者の成長をサポートしたいとUSF(United Sports Foundation)の特別協力をいただいています。

 

今年度のテーマは、社会や人の変化を知り、その中での新しいスポーツとスポーツビジネスの可能性を考えることです。

 

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第一回はこの講義のねらい。

諸橋寛子USF代表理事

町田光NFL日本代表

そして、ぼくの3人でディスカッションしました。

 

教室は400名を超える学生たちの熱気に溢れました!!

 

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2013.09.26

滋賀県立草津東高校-体力測定第2段

からっとしたすごしやすい天候が続いています。これからは、秋本番。スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、スポ健としても活動が高まるシーズンではないでしょうか。

先日、草津東高校の2回目の体力測定を実施しました。超音波を使った部分的な筋量評価で痩せと健康について解説しました。今回は、アスレチッククラスの1年生約40名を対象としました。測定個所は、大腿前部、腹部、上腕前部です。少なかった箇所の筋トレ方法を解説し、最後に、超音波法による筋組織厚から腹筋王子、腹筋クイーン、を選出しました。体格からは想像がつかないような生徒が選出されて、大いに盛り上がりました。草津東高校の皆さん、是非、スポ健を目指して、今後も勉強とスポーツがんばってくだい!sana

 

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2013.09.25

自然のなかでどう遊ぶのか

こんにちは。ma34です。

この前の土曜日、私の出身ゼミの先輩でもある荒木先生(文学部)の研究室発のプロジェクト「En.Lab」主催、「もくもく大作戦」に長男を連れて参加してきました。

京都市北部の雲ヶ畑というところの、今は廃校となった小学校がメイン会場です。
まわりには自然があふれ、川遊びや山遊びのできる、とても素敵なところでした。
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このプロジェクトでは、荒木研究室のメンバーを中心として、大学生がすべて企画・準備をしています。
今回の内容では、自分だけの雲ヶ「旗」を作ろうというプログラム、そして地図や指令書をもとにオリエンテーリングをする「ミッション」がありました。

周りに豊かな自然環境が無いなか育つ子どもたちも多いですが、私が当日感じたのは、「自然があったとしても遊び方をしらない子ども、そして大人」が多いということです。かくいう私もその一人。現在の自宅の裏手は大自然あふれる山々ですが、子どもを連れて遊びにいくこともほとんどないし、遊び方がよくわかりません。

そういう子どもたちにこそ、(そして保護者も含めて)、こういう自然体験をしつつ、自然の遊び方を知り、その気持ちよさを感じることのできるプログラムは、必要だなあと強く感じました。

運動嫌いの子どもが増えているとよく言われますが、自然のなかでは子どもたちは知らず知らずのうちに走り回り、川に入り、体をよく動かしています。
そんなプログラムを、私も創ってみたいと夢が広がりました。

何より、学生が綿密に計画し、相当時間をかけて準備し、ミッションの言葉づかいにいたるまで、練りに練ったことが感じられて、感激でした。
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昨日のippo先生のエントリーでもありましたように、スポ健でもさまざまな活動がありますが、きっとこんな風にみんな輝いていて、ぐっと成長するのだろうなあと思います。是非うちのゼミでも何かしたいと思いました★

ma34.

2013.09.24

大学生と小学生が宮津でご対面

 日曜日、京都きっず(京の子どもダイヤモンドプロジェクト:ジュニア選手の育成)のトレーニングキャンプ宮津で行われました。知的プログラムをJin先生がご担当、ご尽力されていて、私のゼミ学生2名と一緒に手伝いに出かけてきました。

 今回は、スポーツとの関わりについて考えてもらい、ゼミ学生にも、同じお題で話をしてもらいました。子ども好きな2人だったので、子どもたちもすぐに懐いてくれてくれ、しかもとても上手に関わってくれました。ゼミ学生同士でも、子どもとの接し方などをお互いに刺激し合ってくれていました。こういう機会を用意し、それに自ら関わってくれることが一番の成長につながるようです。


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 子どもたちは少しずつ、身体も表現力も成長しているのが、あちらこちらに垣間見えています。競技を通じてうれしい経験、そしてつらい経 験をし、今一生懸命に踏ん張っているという話をしてくれる子どもたちもいました。そういう子どもたちに、最後、私からは鈴をプレゼントし、「楽(しい)」 という小噺をさせてもらいました。何か、子どもたちのどこかで鈴が鳴り続けてくれたらいいな、と願っています。

 ※「楽」:上部の白の横にあるのは、鈴をもじったものだそうです。その昔、シャーマンは鈴を鳴らして神様を呼び、楽しませ、そして病を治したとか。「楽」しく過ごすことは、自分自身はもちろん、周りの人を幸せにすることにつながりそうです。


【ippo】





2013.09.23

ライフエンジニアリングとスポーツ科学の融合

「計測自動制御学会」という名前だけ見るとガチガチの工学系の学会を親として、その関連部門学会として、『ライフエンジニアリング部門シンポジウム』という学会大会があります。カタカナのせいか、すこしガチガチが、カチカチぐらいの印象にはなりますが、ベースは工学系の研究者の集まりです。ただ、守備範囲はひろく生物工学、福祉工学の分野の研究者も関わっており、生体に関わる研究も多く見られます。 

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【成弘】先生は、この部門の設立から関わっていて、今回、表題のテーマでオーガナイズドセッションを組まれました。「ライフエンジニアリングは、工学を中心としているけれども、他の分野との融合・連携によりより研究が広まる。今回は、スポーツ科学、健康科学に関連したテーマでの発表を行ってもらい、ライフエンジニアリングとの融合を探りたい。」と冒頭のセッション説明がありました。

発表者は写真の先生方で、

ポスドクの本城さんは、現在開発中の脚伸展トレーニング装置

特任助教の大塚さんは、小中学生のハードル走のバイオメカニクス

助教の栗原さんは、可変負荷装置を利用したトレーニング効果の検証

東京工科大学の酒井さんは、仮想空間を用いた認知症の評価システム

神戸大学の長野さんは、マーカーレスのモーションキャプチャーシステムの構築

それぞれがユニークであり、かつこれかのスポーツ科学、健康科学の中で、実践され臨床に使われることを意識した研究テーマでした。『工学はより豊かな現実のためのものづくり』と考えれば、これらの研究成果もより近い未来に、我々を取り巻く現実をよりよくしてくれると感じました。

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<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

このブログがアップされ日はまだ、ポルトガルにいます。ブラジルから大西洋を西の方から眺めましたが、今回は東の方から眺めています。

【忠】

 











2013.09.22

「制度」保障は、「何のため」「誰のため」??

 914-15日と、和歌山市で開催された近畿地区養護教諭の学習交流集会に参加してきた。毎年、ほぼこの時期に行われているもので、私は共同研究者の立場ではあるが、養護教諭の方々の「実践報告」に基づく討論の中で、むしろ毎回大きな「学び」をさせてもらっている。その中でも、今回は、「子どもの貧困・虐待は、社会の貧困から」と題する「記念講演」にすっかり感じ入ってしまった。

 現職の養護教諭の方の講演は、勤務する小学校の保健室を中心とした、日常的で地道な取り組みの中から見えてくる子どもたちの姿に寄り添うものだった。そして、講演の中で語られる1つひとつの「エピソード」からは、私たちが研究・教育のフィールドとしている「学校保健」「教育保健」領域に山積している問題を深く考えさせられてしまった。

 保健室での取り組みを中心とした非常に中身の濃い、「教育的な営み」と言った点で非常に「豊かな」話しが2時間弱続いたが、その時間を感じさせない程、充実した刺激的な中身で終始した。

 例えば、「健康チェック表」で見えてくる子どもの「心と体のアンバランス」な状態。「頑張ろうとしているが、心がついて行かない」子どもは、「朝食の欠食」、「夕食の欠食も」そして「夜更かし」な状態が恒常的になっている。これなど、従来からの問題で、決して目新しいものではない。しかし、逆に、「最低限の生活保障」のない子どもたちの存在をまざまざと示している。日本国憲法第25条で謳われる「全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ことの保障すらも困難な現実が横たわっている。

 また、全国平均16%の「就学援助」者が40%に上るこの学校では、治療を要するような怪我があっても病院にも行けない経済状態がある。こうした時こそ「就学援助」が適用されるべきもの。ところが、その援助対象となる「学校病」に問題がある。1958年の「学校保健法」(現在の「学校保健安全法」)での制度確立以来、対象とすべき「学校病」に変化が無いため、怪我や現代的な疾病の中でも、適用対象外が多々生じてくると言う。

 「エピソード」は、これらに留まるものではなかったが、兎に角、総じて言える事は、私たちが日頃拠り所としている「学校保健安全法」を含めて、子どもたちの命と健康を守り育てるはずの「制度」保障が、「何のための」「誰のための」ものなのかについて、真剣に問い直さなければならない状況にあるということ。

 もうすぐ後期の授業が始まる。「現代人とヘルスケア」や「学校保健」の科目の中で、学生たちと共に考えて行きたい課題が一杯だ。   mm

2013.09.21

日本体力医学会大会

今日から東京で第68回日本体力医学会大会が始まりました。
国内での学会発表では最も質の高いディスカッションができる学会の一つです。

今日は早速博士課程のM谷君と修士課程のA藤君の発表でした。
昼にカフェで事前打ち合わせ&口頭発表の練習もし、本番もしっかり発表と質疑応答を終えてくれました(不思議と学生の発表を聴いている自分が緊張しました)

明日僕はランチョンセミナーでの講演があり、夕方にポスドクのO笠原君の発表と続きます。

明日も一日頑張ります。

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satoshi