6月9日(日)、双子の孫たち共々、沖縄復帰40年企画作品映画「ひまわり~沖縄は忘れないあの日の空を~」を観た。1959年6月30日、米軍のジェット戦闘機が墜落、炎上しながら宮森小学校へ激突し、学童11人、近隣住民6人の命が奪われ重軽傷者210人という大惨事になった。「石川・宮森ジェット機墜落事件」だ。さらに2004年8月13日、米軍大型輸送ヘリが沖縄国際大学に墜落、幸い民間人に負傷者は出なかったが、あわや大惨事となるところだった。「沖国大米軍ヘリ墜落事件」として記憶に新しい。
映画「ひまわり」は、実際に起きた2つの米軍機墜落事件をモチーフに、「オスプレイ」配備に揺れる現在の沖縄・日本に、平和とは何かを問いかける問題作だ。5年生の双子の兄弟は、この映画をどのように観てくれたのだろうか。それはともかく、妻と双子の兄弟の母親である長女は、すっかり泣き腫らした目をしていた。私も同様だったと思うが、それ以上に、上映中は「嗚咽」を抑えるのに懸命だった。
但し、申し訳ないことに、「石川・宮森ジェット機墜落事件」の方は、記憶にとどまることすら全く無かったものだ。この映画を観て初めて、その「実相」に少しばかり迫ることになった。
沖縄県は6月28日、名護市辺野古への米軍新基地建設のための埋め立て申請書の告示・縦覧を開始した。期間は7月18日までとなっている。工期は5年、新基地建設費用は埋め立てだけで2300億円。施設設備費などを含めれば数千億円に達すると言われ、すべて国民の税金が充てられる。すでに名護市は5月15日に護岸の使用などを拒否する見解を示しているが、政府は普天間基地の「県内移設」に反対する沖縄県民の強い意志の中で3月には申請を実行していた経緯もある。縦覧期間中、沖縄県は利害関係者からの意見書を受け付け、知事の判断に反映させる。8000ページに及ぶ申請書は、「環境保全」の保証の問題や「埋め立て申請」そのものの問題などが指摘されている。そして、安全対策・騒音規制など重大な論議のもとになっているオスプレイの問題も抱えている。
突然ではあるが、大澤真幸氏の『夢よりも深い覚醒へ』(岩波新書)は、いわゆる3.11の出来事が私たちの日常の現実を切り裂く(悪)夢のように体験されたことに対して、「その夢から現実へと覚醒するのではなく、夢により深く内在するようにして覚醒しなければならない」という趣旨から命名されたという。
映画「ひまわり」は、昨今の「沖縄問題」とも重なって、子どもの命や健康の問題が、「学校保健安全法」の制度枠や意味内容に引きつけながら考えられるに留まらない、途轍もなく大きな「歯車」の中でこそ決定付けられているのだと言うことを気付かせてくれる。健康づくりの分野でも「夢よりも深い覚醒へ」が求められているかも知れない。 mm生