2016.02.29
特許
スポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックでは、アスリートが最高の舞台で最高のパフォーマンスを発揮するために、最善の準備をします。その準備には、最新のスポーツ科学が導入されているのはご存じの通りです。最新の研究成果に基づいたトレーニング、コンディショニング、栄養などとともに、サポートするテクノロジーも急速に発達します。特に、最近の生体センシング、ICTの技術は目覚ましく、スポーツ分野でも大いに活用されています。
このようなテクノロジーの開発には、多くの知的財産が含まれており、代表的なものが「特許」です。ご存じのように、「発明」という人類の叡智への貢献に対して敬意を払い、一定期間その権利を行使できるものです。もちろん、一定の年数が経過すると特許で示された叡智は、人類共有の財産となります。
では、特許として認められるにはどうすればよいか?大学で働いている人は特許を出せるのか?
もちろん、大学の研究者も特許は出せます。論文と同様、特許も研究業績です。それだけでなく、世の中に実装されて活用される可能性が高くなります。
立命館大学では、職務発明として特許を申請する場合、「リサーチオフィース」が窓口になってくれます。まず、このようなアイデアで、このような内容で、このようなことができる、というレベルから相談に乗ってくれます。基本的に、特許申請するためには、学会発表、論文発表したものは出せません。なぜなら、学会発表、論文発表は公に内容を周知するものであり、周知された段階で、人類共有財産となります。もちろん、これも素晴らしい社会貢献です。ただ、自らの叡智を広める手だてとして、特許を取得するためには、「公知の事実」となる前に、申請をする必要があります。つまり、出願を行います。そして次の段階で公開されて、類似特許、既に先行事例があるかどうかなどが審査され、その上で審査が通れば、特許として許諾されます。ですので、出願してから最終の許諾までには、通常1年から数年かかります。
今回、特許の話しをしたのは、この間にポスドク、助教という若手の先生がたと研究を進めていて、あまり特許について、具体的なことを知らないということに気づきました。この間、何人かの先生には積極的に出願するようにそそのかしています。このような経験を積んでもらうことも、若手研究者にとって大きな力になると考えているからです。
特許として出願された研究が、数年後に大きく世の中に貢献してくれることを心から期待しています。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
直接会って話すことが大事なことだ、と改めて感じる機会が先々週のハワイ、先週の会議などで強く感じました。そのため、30分しか会えなくても人は遠くまででかけていくこともあります。TV会議は発達して、同一時間帯に議論はできるようになりました。でも、やはり直接対話ができるというのは違いますね。
【忠】