[ 2012年03月 ] の記事一覧

2012.03.21

縁を訪ねて「打ち合わせ」?!

319日、宮城県女川町に行ってきた。ご存知の通り、「東日本大震災」に際して、最も被害の甚大だった地域の一つだ。昨年6月に訪れた時に、一階天井まで津波に呑まれた高台にある町立病院も目の当たりにしたのだが、ここの標高は16mだという。正式の測定で、最高約35mの津波が押し寄せたというのだから無理も無い話しだ。

前回来た時とは違い、瓦礫の処理は、港周辺を中心にしてすっかり進んでいた。もちろん、昼過ぎだというのに、人の行き来はなく、ひっそりとしたものだ。人の往来を促すような建物や商店、港湾施設の復旧が覚束ない状態なのだから、当然と言えば当然だ。

今回訪問した目的は、東北福祉大学で開催される第9回日本教育保健学会の講演をしていただく、女川町の前教育長との打ち合わせにあった。「東日本大震災がもたらしたものーその教訓と課題ー」と題する講演は学会の1日目、324日だ。演者の持ち時間は1時間。学会当日、「一期一会」的に話しを傾聴するだけでも十分価値はあるのだろうが、「3.11」から1年が経過した中での貴重な話を1時間に凝縮するのは、余りにも勿体無い気がする。座長としての責務は、限られた時間での講演では語り尽くせない「本当の思い」の出来るだけ多くを、学会に参加した方々に伝えること。そのためには、座長である私が、先ずは演者と直接向き合って話を聴き、肌身に沁みた理解をもつことが大切だとの思いを強く持ったのだった。

仮設町役場の一区画にある教育委員会で、用意していただいた資料に基づいて一通りお話を聴いただけでも約2時間を要した。それでも、かなり端折ったもので、地域の教育行政を束ねる立場として体験した過酷なまでの状況とその後一年間に亘る復旧・復興へ向けた取り組みについて語り始めれば、時間はいくらあっても足りないくらいだ。

私との打ち合わせで話されたこと全部を学会参加者にも聴いてほしい。しかし、時間が限られている。「資料の半分程は、当日も資料として添えるだけにして、重点的に語る部分に的を絞って頂きたい」旨の難題を前教育長は、快く受け止めてくれた。

打ち合わせの途中では、3冊の書籍を紹介していただいたが、その内の2冊は、学会の講演に合わせて、是非参加者に読んでほしいものだ。1冊は阿蘇品 蔵『まげねっちゃ<負けないぞ>(青志社、2012/3)、もう1冊は山中 勉『みあげれば がれきの上に こいのぼり』(遊行社、2012/3)だ。この2冊、より「臨場感」も持って講演を稔りあるものとしてくれるはずだ。何とか、出版社に掛け合って、当日販売できるようにしたいものだ。

蛇足ながら、打ち合わせが終了して別れ際、改めて前教育長の略歴を聴いたところ、母校石巻高校の9期先輩だということがわかった。そして、女川の教育長を勤める前職が私の母校である石巻小学校の校長だったという。加えて、教育委員会付きの課長は4期後輩だった。「地元の縁」か、という思いを持ちながら仮設の町役場を後にした。  mm

2012.03.20

遠野のおいしい笑顔。

<RecOだより101 遠野編>
  先週の金曜日から、仙台を経由して、岩手県遠野市に行ってきました。「ジュニアスポーツレベルアップセミナー」として、調理実習と栄養セミナーを行うためです。

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 午前中は調理実習。今回参加してくれたのは、小学生中心の男女のサッカーと陸上のクラブ、中学校野球部、高校陸上部の5つのグループです。

 テーマは「遠野の食材を使ってそれぞれの競技を考えたオリジナルのカレーレシピを作ろう!」というもの。調理実習を取り入れた栄養教育・サポートは、20年近く行ってきましたが、こんなに年齢も性別も競技もバラバラなのは今回が初めて





 どうなることやら、と心配していましたが、遠野市の担当、奥寺さん、岩手県の管理栄養士、臼井さんの綿密な準備のおかげで、予想以上にスムーズに、楽しくわくわくしながら調理を行うことができました。

                        
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とはいえ、ボロボロ泣きながらタマネギと格闘する小学サッカー女子選手や、










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缶切りが中々うまく行かなくて、ちょっと困った様子の小学生陸上選手、
 など、各班、色々な苦労があったようです。










 また、実習中には震度4の地震がありました。
 でも、どの班も冷静に、まず火を消し、静粛に様子を見ながら、安全確認後、再開することができました。

 そして、どの班も予定通り、しっかり自分たちのメニューを作りあげることができました。各班できあがったレシピは、1食分を提出し、指導者、関係者で構成された「審査員」に、メニューの説明を行い、その後、私から、そでぞれのメニューの栄養的な意味を確認しました。
 

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 どの班のカレーメニューも個性的で素敵なものでしたが、審査の結果、ダントツ一位となったのは、小学生女子チームの「なでしこカレー」!

 半球形のごはんに海苔を貼ったサッカーボールが、格子状のかにかまで作ったゴールネットに飛び込んでいく様を表現。お皿の周りには、かにかまで「シュート」の文字が添えてあります(ちょっとわかりにくいかな?)。
 カレーの上のブロッコリーは芝を表しているそうです。

 


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 作成者は、彼女たちです。
 サッカーが大好きという想いが伝わる、見事なメニューになりました。
 最初、とても小学生が考えたとは思えない、と思いましたが、逆に、サッカーが大好きな小学生だからこそ、の豊かな発想、と思い直しました。
 味もおいしく、みんな大満足。
 本当に楽しい調理実習になりました。




 この実習が実現できたのは、朝、自ら鍵を開けて下さった、遠野中学校の校長先生と、実習中、常に気を配っておつきあい下さった、家庭科の先生の暖かいご支援があってのことです。本当にありがとうございました。
 
 次はどんなテーマでどんな食事を作ろうか?
 今回の実習が、次のおいしい笑顔を考えてもらえるきっかけになればうれしいです。【abc.】 



2012.03.19

YMFSスポーツチャレンジャーズミーティング

20120319.JPG早咲きの山桜、河津桜の咲くヤマハリゾートつま恋で、YMFSスポーツ・チャレンジャーズ・ミーティング(YSCM)が3/16-18に開催されました。これはヤマハ発動機スポーツ振興財団が、日本、世界の舞台で努力を続けてきたアスリート、指導者、研究者などを支援する『チャレンジャー助成』を受けたチャレンジャーを集めて、1年を振り返り、互いに語り合い、刺激する会として開催されました。チャレンジャー同志の報告、交流だけで なく、基調講演、スポーツ討論会、スポーツチャレンジ賞の報告もありました。

本学部からは、5期チャレンジャーとして、【moto】先生、【ippo】先生20120319-2.jpgの素晴らしい発表は、他のチャレンジャーの刺激となっていました。次年度からのチャレンジャーの【香】先生、【幸治】先生が選ばれています。写真は、右から【ippo】先生、【香】先生、体験チャレンジャーであった本学OGの小島智子さん、そして学部2回生の徳田君(昨年YMFSでインターンシップ生)です。

「スポーツチャレンジ」は、選手、指導者、研究者、メディア、観客をふくめて多方面に及びます。社会全体が、スポーツチャレンジへの理解と関心が高まることを願っています。チャレンジャーズミーティングについては、下記を参照ください。

 

 

http://www.ymfs.jp/project/assist/scmeeting/05/

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

いよいよ今週の3/21は、初めての修士修了生を送り出す学位授与式と修了記念パーティが行われます。修士一期生の修了生として今後の大いなる活躍を期待しています。

【忠】

 

 

2012.03.18

新入生の入学に向けて、オリター団にインタビューしました

いよいよ春の訪れを感じるこの頃ですが、
みなさん、いかがお過ごしですか。

スポーツ健康科学部では、後期型入試も終了し、
新入生を迎える準備が着々と進みつつあります。

今回は、新入生をサポートしてくれる
スポ健の「オリター」さん達に話を聞きました。

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後列左より、Sei くん、Syouhei くん、Tomotaka くん
前列左より、Miwaka さん、Akiko さん
(Miwaka さんのみ、1回生です。他の学生は、2回生で、
スポ健のオリター執行部の面々です。)






------ 「オリターは、具体的には、どういった仕事を行うのですか?」
Syouhei くん: 「我々の仕事は、新入生のサポートを行うことです。
具体的には、オリエンテーションの懇談会企画、スポ健についての情報冊子の作成、
基礎演習のサポート、FLC (Freshman Leader's Camp) の実施などです。」

------ なぜオリターになろうと思ったのですか?
Miwaka さん: 「私のクラスのオリターさんに、学校の事でも、
それ以外のことでも色々と相談できて、本当に良かったので、
私も、新入生をサポートしたいと思って。」

------ 二回生の皆さんは、なぜオリターを継続しようと思ったのですか?
Akiko さん: 「昨年度、オリターをやってみて、その伝統を後輩に受け継ぎたいです。
スポ健をよりよい学部にしたくて、来期も、オリターをやってみようと思いました。」

Syouhei くん: 「スポ健は新しい学部なので、オリターも一から作っていく必要があります。
そのため、組織の運営・育成を学ぶ良い経験だと思ったので、オリターを継続しました。」

------ 新入生へのメッセージをお願いします。
Syouhei くん: 「入学したら、色々な事にチャレンジして下さい。
       我々オリターが全力でサポートします。勉強がんばって下さい」
Tomotaka くん: 「スポーツ健康科学部はとても楽しい学部なので、頑張って下さい」
Sei くん: 「やらなければならないこと、やるべきこと、やりたいこと、
     この三つを、こなすのが大学です。」
Akiko さん: 「スポーツ健康科学部は、みんな仲が良いので、
      先輩や職員さんに、いつでも何でも聞いて下さい。」

オリター団の話を聞いていて、いよいよ新学期が始まるとの感じが強まりました。
新入生、先輩、教職員が、一丸となって、スポ健の作り上げていきましょう。

それでは、また。失礼致します。
             敦


追伸:
私は、今週、CUNY で開催されていた 
25th Annual CUNY Conference on Human Sentence Processing
に参加してきました。その模様は、また報告したいと思います。



2012.03.17

大学院での学び 感謝の2年間

あと数日で、卒業式。スポーツ健康科学部は、学部生の卒業式はまだ行いませんが、大学院修士課程の仲間たちを送り出します。今回はその一人、田中潤(修士課程2年生)を紹介します。

 

IMG_1086.JPG田中君は、本学経済学部の出身。学部時代は、トライアスロン部で世界学生選手権(ユニバーシアード)に出場など活躍し、卒業後プロ選手として活動していました。U23世界デュアスロン選手権で上位に入り、次期日本代表選手としてオリンピック出場を目標にトレーニングしていましたが、オーバートレーニングにより心臓血管系の故障から、オリンピックを断念しました。

 

しかし、スポーツに関わる仕事をしたいという夢を捨てきられず、本学の大学院で学ぶことを決めました。正直、自分がこんなに必死で勉強するとは・・・と振り返ります。途中で、何度も何度も道が見えなくなり悩んだそうです。でもそんな自分を支えてくれたのが、大学院の仲間たち。みんなそれぞれの悩みや不安を持ち勉強していることが理解でき、スポーツを行なって時と違うチームワークを感じ感謝したといいます。一生忘れられない2年間だったそうです。

 

田中君は、卒業後関西テレビに就職します。関西ばかりでなく全国に配信する番組も制作しています。田中君は、社会のために働きたいと考え関西テレビの就職を考えたそうです(必死にしがみついたと言う方が・・近いかな)。4月からは、人々を笑顔にしたり、熱くさせたり、日本の将来を考えさせれるような番組を制作したいそうです。
私たちも、スポーツ健康科学部大学院1期生である田中君にスポーツ番組制作といった仕事に関わってほしいと願っています。

 

また、田中君は後輩たちに「失敗を恐れず、自分たちの成長のために沢山の汗と涙を流してほしい。」と話してくれました。田中君を凄いなと思うところは、仲間を沢山褒めるところです。とにかく、仲間と大切にするいい奴でした。

【shine】

 

 

 

 

 

 

 


 

2012.03.16

日々の積み重ね

Hassyです。

大学では春休みまっただ中ですが、実験、論文執筆、論文査読など、研究活動に忙しい日々が続いております。

次年度から私のゼミ配属となる現2回生も、この休み期間を利用して実験に参加し、手を動かしてデータを出してくれています。

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実験の合間にそうした2回生の4コカワ君と3カキバラ君を見てみると、何やら読み物を読んでいます。

彼らが実験で席をたった際にふとその読み物に目をやると、、、両者ともCellなどの英文雑誌を辞書と単語ノート片手に読んでいます。
んー、感心感心。

そんな彼らの日々の積み重ねが、非常に嬉しいニュースを運んできました。

立命館大学では父母教育後援会という、約3万人の会員から構成される組織があります。https://www.ritsumei.ac.jp/mng/fubo/fubo/fubo01.html
その後援会では、毎年各学部の学生対象に、表彰制度が設けられています。https://www.ritsumei.ac.jp/mng/fubo/images/deta/hyosyo2010.pdf

本年度は、彼らが提出した個人論文が見事表彰(授賞式は来週)されることが決まり、今週その発表があったようです。
4コカワ君については昨年に引き続きの受賞、3カキバラ君は昨年、いわゆる「30秒の悲劇」として鮮明に記憶に残っていますが、提出期限に30秒遅れて涙をのんだ失敗を、今年は見事リベンジしてくれました。
本当におめでとう!

上記のような日々の様子をみていると、彼らの受賞も納得です。
これを励みに、どんどん実験していって欲しいと思います。
また、他のゼミ生や院生も、彼らに刺激を受けていい方向にラボが向かうことを期待しています。

2012.03.15

全てをプラスに。

震災から1年。驚異的な復興を遂げる日を信じ、少しでも協力出来る事をやっていこうと思いつつ生活しています。

昨年3月11日。ちょうど、上原記念生命科学財団から頂いた研究奨励金の授賞式でした。授賞式に向かう途中、南草津駅まで歩いていると、大学に向かうMoto先生とすれ違いました。本当に何気ない平和な日常。「いってらっしゃい!懇親会の料理、めっちゃおいしいから、いっぱい食べておいでや〜。」と言って見送っていただきました。東京に到着し、方向音痴の私は街中をウロウロ。。。ようやく会場までたどりつきました。

なぜか急に東北大でお世話になった秘書さんに、報告メールをお送りしたくなり、自分を育てていただいた永富先生のことが頭にうかび...「きっと永富先生はお忙しいと思いますので、また私からも改めて連絡いたしますが、よろしくお伝えください。」とお送りしました。(後々、秘書さんからメールのお返事が来た時刻を見ると、地震の2分前。これも何か感じるものがあったのでしょうか。)

 

会場では偶然にも、お隣の席に、国際シンポジウムでお世話になった信州大学の増木静江先生で「その節はお世話になりました...云々」などと盛り上がっていた最中、まさかとは思ったのですが、突然、会場が大揺れしはじめました。その瞬間から仙台の知人とは全く音信不通になってしまいました。10分遅れで授賞式は開始しましたが、会場は終始ゆれっぱなしで、時々、叫び声が聞こえたり、外に避難しようとされている方もいらっしゃったり、そんな状況下で式が終りました。Izumi先生が心配してくださり、報告を受けた事務のChiharuさんから電話をいただいたことを思い出します。体は無事でしたが、仙台の知人、恩師のことが心配で、心が無事ではなかった気がします。

一応、懇親会もありましたが、携帯電話を片手にウロウロされている先生方ばかりで、Moto先生からうかがっていた料理や会話を楽しんでいる気持ちの余裕はありませんでした。

その日は帰ることができず、ホテルに宿泊することになりましたが、帰宅できない方が路上にあふれ返り、道路も大渋滞。電車も異常なポジションで停止していました。

しかし、そんな状況下でも素晴らしい出会いがあり、大分大学、長崎大学の先生だったでしょうか、懇親会で知り合った海外留学助成金を頂いた先生方2人と、夜な夜なお話することができました。一人は医師、一人は理学療法士さんで、医局で臨床にかかわりつつ研究を進められているお話をうかがいました。3人とも携わる現場は違っても、現場で役立つ研究をしたいという気持ちの強さが一致していて、とても有意義な時間となりました。衝撃的な出会いとなったのですが、最後は握手を交わし、「きっと、この震災の被害は拡大していくでしょうけれど、お互い、がんばりましょうね」と言って部屋に戻りました。もうそろそろ帰国かな、と時々思い出したりします。

人と人との出会いはとても不思議です。もしかしたら、いつかどこかで共同研究なんてことにも繋がるかも?と思ったり、特に震災後は、落ち着かない1年を過ごしましたが、人とのつながりを大切に、どんな時も全てをプラスに変えて生きようと思うようになりました。

来月、新1年生の入学です。嬉しい出会いの1つです。それとともに、1期生、2期生のみなさんが成長していく姿も、とても楽しみにしています!香





2012.03.14

何とか50回の「節目」です?!

フェイ・E・ダッデン/山本俊一訳『女たちの演劇 ―女優と観客 1790-1870―』(論創社、2012)が手元にある。18世紀から19世紀にかけて、女性たちの身体はいかに見られ、社会の中で組織されたのか。演劇を通じて、女優と観客の視点から文化論的に語られる書だ。

訳者の山本先生は、立命館大学理工学部を今年度末で退職される。先日、久しぶりに理工学部の「生物・地学研究室」にお邪魔した時、たまたま遣って来た彼の先生が、退職に当たって、理工学部の先生方に「出来たて」の訳本を進呈したいとして持ち込んできたものだ。

彼の先生とは、何度かこの研究室でお会いしたことがあった。地学・生物分野の10人ほどの教員の「共同研究室」になっている。その作業場と同居して休憩用のテーブルが置いてあり、皆さんが食事を摂ったり「息抜き」をする場となっている。生物・地学分野の教員だけでなく、いろいろな分野の教員の「素敵なたまり場」となっているところでもある。英語それも演劇論を専攻されていた山本先生もそんな1人だ。私も、「BKC教育研究入門」のコーディネイターの一人として、もう1人の中心的に担ってきた吉田真先生との打ち合わせなどで、時々お邪魔していたところ。昼食を摂りながら、時にはお茶や茶菓子をいただきながらの「打ち合わせ」は楽しいものでもあったが、その科目は、2011年度をもって閉講していて、その分、足も遠のいていたところだった。

特段、演劇に造詣が深いわけでもないのだが、広い意味で「健康文化論」的な関心をもっている私の目には、書の「帯」にあった「女性の身体はいかに見られ、・・・そして組織されたのか・・文化論的に・・・」の文字が飛び込んできて、一冊購入するつもりで手に取った。そして、ふと思い出されたのが、シシアン・エンロー/上野千鶴子監訳・佐藤文香訳『策略 女性を軍事化する国際政治』(岩波書店、2006)だ。この書では、「女性の軍事化」とは軍隊や戦争にのみ関わるものではないとして、女性兵士から男性兵士の妻や母、レイプ犠牲者、基地周辺の風俗関係者まで、幅広い事例から、軍事とジェンダーの深い関係について語ったてくれていた。そして、訳者が語るように、『あなたもカーキ色になる?―女性の生活の軍事化』や『バナナ、ビーチ、基地―国際政治をフェミニズムの視点で読む』と一連の書であって、「政府が資本や武器に依存しているだけでなく、シンボルとして、消費者として、労働者として、感情の癒し手としての女性の管理に依拠している様子を描き出していくという手法」が踏襲されているものだという。

支払いをしようと思っている時に、たまたま「韓流」の映画やドラマの話になって、その造詣が深い彼の先生の熱弁が始まった。私も「チャングム」や「トンイ」「イサン」など「王宮物」が好きで観ているのだが、すっかり話が弾んでしまった。そんな中で、「お金は取れません。進呈しますよ。」との大変有り難い言葉。喜んで頂戴した次第だ。

当時の女優たちの「身体を張った」演劇を通して私たちはどのようなことを教えてもらえるのか。まだ完読していないが、手にした「曰く」も含めて楽しみな書だ。  mm

2012.03.13

100のたより。

<RecOだより 100>

RecOだより、今回で100回です。 

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スポーツ健康科学部ができる時
「健康づくりの基地は家庭。家庭の茶の間を大きくしたようなスペースと、こんなところで料理したい!と誰もが思うような素敵なキッチンを学内に作りたい」
 という願いを、大学が大阪ガスさんのご協力をいただき、竹中工務店さん、パナソニックさん達と形にしていただいたのが、栄養調理実習室「RecO studio」です。

 
 2010年4月、ブログを担当することになり、【忠】先生から「【ab】さんのは100回続けてほしい」と言われた時には、気が遠くなりそうになりましたが、実際は、本当に100回書いたかな、不安になるほど、あっと言う間。
 私にとってとても楽しい時間になりました。貴重な機会、ありがとうございました。
 
 
100のたよりを読み返してみると、大阪ガスの皆さん、先生方、職員の皆さん、学生の皆さん、そして地域の皆様等々、本当にいろんな方々とRecOで出会い、そして一緒にRecOを育てていただきました。
 
  改めまして、ありがとうございます。


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 RecOと言えば、ちゃぶ台。床暖房。
そしてRecOエプロン。
上の写真にもあるロゴも二代目になりました。













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 そして、沢山の方々といろんな料理を作ってきた調理台。
みんなにしっかり手入れしてもらっているので、おかげさまで、まだピカピカです。














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さらに、この度、RecOに座椅子を入れました!
これで、正座が苦手な人、膝や腰がちょっと痛い、という人にもより快適に、ゆっくりRecOを味わっていただけるようになると思います。











 RecOだよりはもうすぐ終了になりますが、RecOの活動はこれからもすっと続きます。
 ぜひ、これからも、インテグレーションコア、1Fのエレベーターホールを通られましたら、遠慮なく(笑)、ガラスの向こうを覗いてみてくださいね【abc.】



<今週の別腹>
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3月10日、春恒例のびわ湖開きの日の夜、大津港では、東日本大震災の犠牲者への鎮魂と被災地復興の祈りを込め、1000本のろうそくを点灯する「一希一灯会(いっきいっとうえ)」催されました。
「光で結ぼう!びわ湖と東北」というメッセージがろうそくの灯りで湖岸に描き出されていました。

震災から一年。
今週末、父の故郷でもある岩手県遠野市に行って来ます。
被災地への支援、まだまだこれからです。





2012.03.12

3人寄れば

先週は、打ち合わせ・会議の多い1週間でした。大学院の修士2年生の3名とはそれぞれ個別に、投稿論文へ向けた研究打ち合わせを行いました。投稿論文のまとめ方、論理の展開について、助教の【伸輔】先生、助手の【栗】先生、【O塚】先生から適切なアドバイスをもらいながら、修士論文のデータを再度見直し、図表の再構成、論文の下書きを進めています。もうすぐ修了式ですが、ぎりぎりまで研究を続けて研究成果として、「世の中の知恵」として活用できる形にまとめてくれるでしょう。

研究打ち合わせ以外に、京都府のジュニア選手育成に関わる会議がありました。各地でスポーツタレント発掘の取り組みがされていますが、「京都らしい」かたちで次世代のトップアスリート養成のみならず、社会のリーダー養成も目指す取り組みです。このプロジェクトには、【仁】先生、【Moto】先生も参画してもらっています。

先週の締めは、トレーニングカンファレンス」でした。スポーツ健康科学部の佐久間先生、海老先生に話題提供をしてもらいました。

http://trainings.jp/conference_detail.cgi?kid=1012 

打ち合わせ、会議などはたいてい3人以上集まって行われます。3人寄れば文殊の知恵、ではありませんが、研究打ち合わせにおいて高い専門性を持つチームで良い意見が交わされると研究内容がより深められます。高いディスカッションレベルは、論文をまとめるときに大きな力となっています。初の修士修了生がでる今年の3月を期に、多くの研究成果が出てくるでしょう。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

【敦】先生のブログにもありましたように、海外インターンシップから戻ってきた何名かの学生と会いました。目をキラキラ輝かせて、大きな刺激を受けたこと、これからの目標をしっかり語ってくれました。「かわいい子には旅をさせよ」を感じました。

 

【忠】