私自身が思うのは、ドラッカーは現実に立脚したユートピアを追い求めていたのではないか、
2012.11.20
ブログの続きものを書く回
私自身が思うのは、ドラッカーは現実に立脚したユートピアを追い求めていたのではないか、
[ 2012年11月 ] の記事一覧
2012.11.20
2012.11.19
今回のスポーツ健康科学セミナーは、【mm生】先生と【ab】先生でした。いつもTAをお願いしている【Naka塚】君の学会発表があり、TAともども出張にでかけました。司会は【仁】先生にお願いし、メモは院生の【結】さんにお願いしました。【結】さんのメモをもとに紹介します。
健康教育が専門の【mm生】先生は、「社会化」(人とコトとモノとの関係性)の中で健康を考えることをテーマに捉えられている。そうした中では、個人だけで健康を求めても成り立たない。また、常に健康ブームの状態にもある。これは国民全体の健康意識が高い現れであるが、「日本人は自分たちが健康ではない」と思っている。先進国の中でも唯一健康ではないと答える日本人。社会全体(フレームワーク)は変わっていても、『健康』をどう見るかの視点は変わっていないのではないか?贅沢品としての健康から権利としての健康に、そしてまた贅沢品としての健康へ。いろんな物を手に入れないと健康とは思えなくなって生きている。選択肢が多くなりすぎてかえって難しくなって生きている。震災を経て、「食べられること」という普段は意識しないことが健康なのではないかと思えるようになった。
今年のオリンピックでは、すべての種目に女性選手が参加するようになった。とりわけ日本のなでしこ、バレー、卓球の活躍に感動したとの話題から【ab】先生の話はスタート。最近の懸念は、「女子力」への不安。運動しない女子、痩せ、朝食欠食。このような女性が日本の母になることへの懸念。「オリンピック女性選手の輝きをモデルにしてほしい、それを担うのが皆さんだと思っている」。研究では、食生活のQOLの向上に欠かせない「おいしさ」の追求。おいしさの構成要因は、科学的、物理的、心理的、生理的、食環境、外部環境、後天的、先天的なものからなる。自分にとっておいしいと思う食べ物、そしてそれはどの様な要因によっておいしいと感じているのかについて考察する。食べるということは栄養素の摂取だけではない!いかに自分がおいしいと思えるものを食べられるかということが大事。
「健康」「食」を中心としてお二人の先生に、研究内容と日本の今後を語ってもらいました。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
スポーツ&ヒューマンダイナミクスという学会で、【Naka塚】君が学会デビューを飾りました。大学院の合同ゼミで鍛えられているので、落ち着いて話せ、質疑応答できました、といえるほどしっかりプレゼンできました。同じく院生の【Kadumi】さんも、堂々とした態度で冷静に聴衆へ語りかけるようなプレゼンができていました。【O塚】先生は、工夫を凝らしたPPT資料、ならびに2,3日徹夜続きを全く感じさせない見事なプレゼンでした。学会でお食事したW大学の先生から、「方々の学会で立命館大学目立ってますね!」と嬉しい言葉を頂きました。本学学部・研究科の学生、教員は内容もさらに磨きをかけて、学会、社会へ貢献できる研究成果を引き続き生み出していきますよ!
【忠】
2012.11.18
先日、2回生のMさんが研究室に訪ねてきました。小・中学校の教科書のことが質問・相談の中心でしたが、10年間以上テニス競技を行っていると彼女が教えてくれたので、練習の仕方やモチベーションを維持すること等々、逆に私の方が聞き手にまわりました。
どのような競技においてもそうですが、一定レベルに達すると、そこから先、さらに上昇カーブに乗ることは相当骨の折れることがらです。中高のジュニア、シニアのステージでかなりの練習量を積み上げてきた人たちにとっては、尚更のことです。
練習やトレーニングは真面目に、相当量を維持して行っているのにもう一つ伸びきれない、あるいは「マンネリ化を打ち破りたい」、「練習環境を変えたい」、と考えている「学生アスリート」がかなり多くいる、と現在の自分と少々重ね合わせて彼女は感想を述べていました。
「練習環境を変える」ための手っ取り早い方法は、「場所と相手(仲間)」を変えることです。プロの世界では、所属チームの変更やポジション・コンバートなどがしばしば話題に上ります。けれども中高生時代がそうだったように、大学生もクラブ・サークル組織の構成員としてその競技者活動を行っています。だから自分だけが場所と相手を勝手に変えて練習する訳にはいきません。案外このことに関連して、運動クラブ員の悩み・気がかりの第1番手が「人間関係」だ、ということになっているのかもしれません。
練習や訓練という語は、○○に関する「新奇の事態に対処する力量」を準備する過程を指示します。したがって、○○の事態に備え、どのような「課題や狙い」を持つかということが本質的となります。練習の環境を構成している要因は、場所と相手(仲間)だけではありません。早い話が、練習計画を私たちが立てる際に、①何が操作可能か、②それによって、何が変わるのか、③変化の量と方向の予想や予測は?等々、順次に書き出していけば、案外「てこずる問題」です。
①の操作可能なものに関しても、次のことがらが考えられます。
1)練習の量と質
量:回数、頻度
質:課題 →何をするか?(身体的負荷、精神的負荷)(強度、複雑さ)
何を覚えるか?(記憶、保持、転移)
何を考えるのか?(思考、判断)
2)練習のスケジュール
課題(練習項目・内容)とそれらのバリュエーション
負荷と休息の量的組み合わせ
集中・分散の度合い、セッションのスパンと反復回数
「文脈干渉の効果」 一定練習と多様練習
相手、場所を変えれば、この中のいくつかの要因が関連して変化します。逆に同じ場所、相手であっても、練習プログラムの構成要因を操作することによって、新たな練習環境づくりやその更新に意図的に取り組むことが可能です。
先の文脈干渉の効果に関して、技術要素やその変形(例えば、フォアやバックのストローク、ボレー、オーバーヘッド等)の同じものをブロック化して反復練習する(一定練習と呼ばれる)よりも、それらの異なった要素がランダムに出現する反復練習(多様練習と呼ばれる)の方が「新奇の事態に対処する力量」をより一層向上させる、ということが確かめられています。私たちはどうやら運動に慣れてくると、何を考えるのかについて一番意欲と喜びを感じ、学習効果を高める傾向をもつ、と考えられています。
上記のことを仮説としてもち、「1週間の第○日目、同じ場所、同じ打突スキルで、同じ相手コート・エアリアに、同じ回転・ループのボールは打ない」という、練習目標と計画を立てることは可能なのか、と私はその時彼女に質問しました。結論を私がもっているわけではないので、先々に何がしかの答えを出す活動を私もしたいと思います。
授業実践者である教科担当の先生が、実験授業という方法を通じて、同時に学習環境の他の構成要因の働きを検証し、次回の授業プログラムの一部改変を継続的に試みることが行われています。これに倣えば、「練習を変えたい」と積極的に取り組むアスリートは、日々、「実験的実践」を行っていると言えるでしょう。
【善】
2012.11.17
2012.11.16
カレンダーも後1枚を残す時期になるといつも、あの時やっておけば良かったと、思い切って今一歩を踏み出さなかったことを悔やみ、また、"明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかも"を戒めの歌としながらも、つい"明日があるさ"の誘惑に負け、日常に流されて来たことを反省しつつ職業人として三十数年、つくづく進歩の無さを嘆きながらも新たな挑戦を忘れないようにしなければとの思いを奮い立たせています。
なにやら、湿った反省のようになってしまいましたが、先回の講義で"Who am I ?" 検査をやってみて、大変に明るい気分になり、また、学生の自己を見つめる真剣さを感じることができました。この検査は、"私は( )である。" と文章を完成してもらうのですが、書くことで自分を知るというか、自分の気持ちを整理し、考えをまとめることにより、それまで気づかなかった問題点とか葛藤の原因となるもの探り解明することにもつながります。「私は立命館大学のスポーツ健康科学部の学生である」といった帰属意識を反映する表現はほとんどの学生に見られましたが、このような外形的な面での規定表現と共に、将来の目標や意思(○○を志す。競技や学業成績などの達成目標)を表現した努力を前提とした内面的な記述が多く、自律的・自立的で、建設的な思考が伺えました。学生諸君の将来が楽しみです。(老ブロガー・ハル)
2012.11.15
Hamaです。
読書の秋の続きです!
「化石の分子生物学」から。。。
皆さん、縄文顔と弥生顔の分類をご存知ですか?
聞いたことがない方のために、簡単に説明します。
縄文と弥生は、もちろん縄文時代と弥生時代のことです。
縄文顔とは、太い眉、二重まぶた、立体的な顔を特徴としたいわゆる南方アジア系の顔です。
弥生顔とは、細い眉、一重まぶた、平坦な顔を特徴とした、モンゴルの人の様な北方ア
ジア系の顔です。
「ソース顔」と「しょうゆ顔」とも言われることがありますね。
二つの顔の特徴が何となくイメージできたでしょうか?
それを検証するためには、まず縄文時代の人の特徴を調べる必要があります。
これに関して、国立遺伝学研究所の宝来氏らが、当時としては難しいとされていた硬い組織、つまり骨の化石から抽出したミトコンドリアDNAを分析することに挑戦したのでした。
様々な地域の縄文人の骨を分析した結果、そのDNAは北東アジア系の人たちに近いものだと分かりました。決して、東南アジアの人たちの影響を強く受けている結果ではありませんでした。
また、弥生人のミトコンドリアDNAの分析からは、そのDNAは、本土の縄文人のものとは異なる結果でした。弥生時代には、大陸から何度も日本列島にやって来て、混血が繰り返されたようです。弥生人も決して、モンゴルの人たちだけの特徴を有しているわけではないようです。
ということで、いわゆる縄文顔や弥生顔は、遺伝子の分析から見れば、それらの時代の人の顔の特徴というわけではないようです。
遺伝子を分析すると、通説の検証もできるのですね、すごい!!
【Hama】
2012.11.14
2012.11.13
2012.11.12
今回のスポーツ健康科学セミナーは次の3名の先生方に、ご自身の研究とキャリアについて話してもらいました。
O】先生。こどもの頃から体育の先生を目指していた。自ら選手として科学的サポートにより記録を伸ばすとともに、選手育成でもスポーツ科学の知識を利用して競技力を伸ばした経験から、研究への興味が深まり研究者の道へ。体育授業のハードル走についての指導法について、従来の発想を転換することでこどもたちが恐怖心なく、記録を向上させる方法を提案。また、パフォーマンスに関連するバイオメカニクス研究として、スタートダッシュ、シャトルスプリント走など、短距離走を中心に数多く実行中。学生へは、「身近な疑問を大切にしてください」とメッセージしてもらい、フレッシュな風のように爽やかに駆け抜けるようなお話しでした。
2人目は【moza】先生で、"マーケティング思考"と題した内容で研究紹介。ビニール傘で8400円もする傘がなぜ作られ、売られていくのか?やすくしなくても売れる理由を考えるのがマーケティング。値段の高い・安いって? 高いから売れないのではなく、価値がないから売れない。「マーケティングでは、価値を見いだし、創造し、販売していく」そんな活動の全て。価値を見いだす力をつけるためには?と質問したところ、いろんな知識をしっかり集積し、異分野の人とも積極的交流することで、その能力は培われるでしょう!スライドの最後は、印象な言葉で締めてもらいました。
Impossible = I 'm possible (オードリー・ヘップバーン)
3人目は【shine】先生。立命館大学体育会の発展も交えながら、自らの指導経験(本学スポーツの高度化段階の苦労話)から話を始めました。失敗事例として、①マネジメント(裏方の養成)を急ぎすぎた、②ライフマネジメント(就労学生への配慮)の発想がなかった、③頑張っている選手にもっと頑張れ(これ以上無理です)、④選手の訴えが理解できない(選手の表情を読み取る力がなかった)。これらから、選手間同志で質問させあう(フィードバックさせる)こと、表情分析(耳を傾ける)をすすめることにつながる。普段とプレー中の表情は違う。表情の読み取りでも指導者は失敗することがある。一方で、マック、ディズニーランド、生保では顔を読み取るマニュアルがあるらしい。心理学では、「表情分析入門」という本がある。表情をみなさんと科学する情報交換をしましょう、と今後のこの分野の可能性を示してもらいました。
<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
先週の金曜日にBeActive研究会による実習会が開催されました。いろんな分野の企業、個人の方が参加してもらい、スポーツ健康科学分野での測定を体験してもらいました。
BeActive研究会については下記を参照ください。
https://www.ritsumei.ac.jp/research/collaboration/activity/consortium/beactive.html/
【忠】
2012.11.11
10月28日~11月25日まで、草津市チャレンジスポーツデーが開催されています。「市内の小学校や体育・スポーツ施設を開放し、誰でも気軽にいろいろなスポーツを体験できるイベント」として、第10回目となります。主催・事務局は草津市教育委員会スポーツ保健課が引き受けていますが、実行委員会には、市体育協会に加盟の競技団体や体育振興会がプログラムやボランティア人材を出し合って、全体が構成されています。
RU・BKCも草津市に立地し共催という形で協力、この3ヶ年はスポーツ健康科学部が参加要請に応えています。クインススタジアムをはじめとする立派なスポーツ施設を利用した、市民が、子どもが大学を訪れ気軽にスポーツに親しめるような企画を実行委員会から求められています。本日は、「チャレンジ!SPORTS!@BKC」が行われました。今回、内容として取り上げたのは、①ダブルダッチと②フットサル・ドッチビーでした。指導に当たってくれたのは、ダブルダッチ・サークル(Fusion of Gambit、 ニシカワ会長、他10名)、それにスポーツ健康科学部2回生(マエハタ、タナカ、ミヤケの3君)でした。
クインスのタータンとグリーンの上で行う予定でしたが、本日はあいにくの雨と風。だから急遽、ダブルダッチはインテグレーションコア前に、フットサルはBKCジムへと場所を変えました。そのため参加者が非常に少ないと心配しました。けれどもダブルダッチでは35名位の小学生と20名強の父母の方々が参加、基本技に挑戦して成功の拍手を受けたり、縄に足を引っ掛けて悔しそうな顔を見せたりしていました。また、専門的に取り組む大学生サークルのデモ技に感嘆の声と拍手を親
子で送ってくれていました。フットサル・ドッチビーには20名強の子どもと10名位の父母が参加、広いジムフロアーのせいもあって、元気にはしゃぎまわる子どもの姿が印象的でした(写真は、ダブルダッチとドッジビーの様子です)。
早期にある種目に限定して取り組んでいる子どももいますが、それぞれのスポーツ・運動種目には、独特の面白さや知覚・運動的特性があり、意図的な働きかけや勧めがあって初めて出会えるものも少なくありません。また、その面白さは老若男女、共通項です。いくら大人になってからでも遅いということはありません。このようなイベントが、さらに実現すべき課題は多くあると言えます。
今回ボランティアとして指導に当たってくれたダブルダッチ・サークルの人たち、それにスポ健2回生の3名諸君、子どもたちに働きかけ、やる気を引き出す活動は、いずれも見事なものでした。スポーツへの新たな出会いと初心段階での手ほどきは、多くのスポーツマン(ウーマン)が良く覚えていることがらです。これからみずからもスポーツをエンジョイするとともに、人びととスポーツとの出会いの最前線で活躍してください。本日は大変お疲れ様でした。
【善】