[ 2013年03月 ] の記事一覧

2013.03.21

運動(身体活動)と健康についてのエビデンス(証拠)の最新版(総括)

Hamaです。

 私の担当するブログも残すところ、今回を含めてあと2回となりました。

 

 20127月に出版された、Lancetに身体不活動が、どのくらい人々の健康を害しているかについて、衝撃的なデータが出ました。

 

 今や、世界的に見て体を動かさないことは、死因の第4番目に挙げられることになりました。

 全世界の31%の人達は、最低限の身体活動量を満たしていないと考えられています。

また、17%の人達は完全な不活動であるとされています。

 

さらに、非感染性疾患(主に癌や心臓病などの生活習慣病)による死亡の6-10%は、身体不活動によるものだとされています。

もちろん、生活習慣病の予防には、体を動かすだけでは十分ではありません。でも、世界的に見てもこれだけの証拠がそろっているのですから、まずはとにかく、体を動かす工夫をして下さい!!暖かくなってきましたし。。。

 

【参考文献】

Kohl HW 3rd, Craig CL, Lambert EV, Inoue S, Alkandari JR, Leetongin G, Kahlmeier S; Lancet Physical Activity Series Working Group.The pandemic of physical inactivity: global action for public health.Lancet 2012; 380: 294-305

Hallal PC, Andersen LB, Bull FC, Guthold R, Haskell W, Ekelund U, for the Lanc
et Physical Activity Series Working Group.Global physical activity levels: surveillance progress, pitfalls, and prospects.Lancet 2012; 380: 247-257

2013.03.20

春分の日に修了式。

こんにちは。今日は春分の日ですね。
(そしてmoza先生のお誕生日ですね。おめでとうございます。
 ちなみに明日は私の誕生日です^^)

春分の日は、天文学上では「昼と夜の長さが同じ」日ということですが、
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という趣旨で国民の祝日として位置づいているそうです。

とりわけ私には、この日は特別な思いがあります。
(春分の日は20、21日あたりで動くので、自分の誕生日が春分の日となることも多いのです.)
3月の下旬、卒業式や新年度に向けて、別れや新たな出会いが沢山ある時期で、
いろいろな思い出が一緒に思い出されます。

みなさんも、年度の締めくくりの時期、
沢山の思い出が思い出されるのではないでしょうか。
あるいはお彼岸の中日ということで、
日本人一般に、春分の日には色々な思いがあるのかと思います。

スポ健でも、今日は大学院の修了式、大きな節目の日となりました。
みなさん、きっと色々な苦労や経験を重ねた大学院生活だったと思います。
でも、振り返ってみれば、充実したとてもよい時間だったのではないでしょうか。

春分の日は、「生物をいつくしむ」ことから発展して、「将来に向けて努力する日」という意味もあるのだそうです。

新たな未来に向けて、力強く旅立つみなさんの姿に刺激されて、
私も新年度に向けてがんばりたいと思います!

ma34.



2013.03.19

先週の金曜日には

大学で草津東高校の体育科の生徒さんによるプレゼンテーションが行われました。
なかなか元気で、表現力も豊かなものでした。
けっこう良い機会になったかなぁ、と見学しながら思いました。

さて、ここのところ、あちこちに出てばかりでしたが、
(しかも滞在時間にゆとりが全くない・・・)
ようやく落ち着きました。
これで研究ができるはず・・・と思ったら、開講まで2週間ぐらい。
余裕のない日々が続いています。

なんとなく、ぶつ切りで話が進みますが、
そろそろ内々定の話もちらほら聞くようになりました。
経団連という企業の集まった団体で、
新卒採用に関わる申し合わせをしていますが、
この団体に加入していないところでは、別スケジュールで動いていたり、
ということもあります。

就職で言うと、最近は手書きの書類が必要なところも増えてきつつあり、
なかなか大変でもあるのかなぁ、と。
昔は、ネットでエントリーではなく、手書き葉書でエントリーでしたので、
そんなことを思い出してみたり。




ふむ、書けるネタがない・・・ならば・・・

先日、ウンベルト・エーコの『完全言語の探求』を読みました。
世界を記述する試みと、現状がどうなっているのかを、
ヨーロッパの思想史を前提として述べられる、
というユニークなものでした。

それを見つつ、やはり宗教が大きな影響を与えていて、
その宗教的な背景がヨーロッパにおける科学も含んだ思想の大前提なんだなぁ、
と改めて考えさせられました。

神をあらわす「YHWH」、元は母音を抜いて記述されるヘブライ語でこのように表されるのですが、
この四文字が完全な存在である神を表します。
この言葉そのものが完全なものの一部として扱われて、
それと共に考え方の発展があったんだなぁ、と。

そうそう、現在の科学体系の元となった錬金術も、
元々は完全なるものを追求するものですし。
完全な金属としてのオリハルコンとか・・・

と、色々と思いつつ、疲れたのでこれぐらいで。

ではでは、また来週。

PS:指導していた院生が修了したり、やめたり、在学を延長したり、色々です。
みんな頑張って欲しいなぁ、と思いつつ、なかなかうまくいかない人も多いなぁ、と。
ちょっとしたぼやき、でした。。。

2013.03.18

BeActive研究会in東京

先週の金曜日に標記の研究会が、東京キャンパスで行われました。この研究会は、総合科学技術研究機構の中にある『スポーツ健康科学研究センター』を母体としており、この研究センターの研究員であるスポーツ健康科学部、理工学部、情報理工学部、生命科学部、薬学部の教員と大学院生そして、この分野に興味・関心の企業、団体、個人の方々が参加しています。今回は、BeActive研究会のプロモーションも兼ねて、一般にオープンして行いました。健康博覧会が同時期に開催中でしたが、20名ほどの参加がありました。今回の講師には、立命館大学大学院MOTmanagement of technology)を立ち上げられた阿部 惇先生に、「健康産業においてイノベーション(技術の融合・共創)により新事業・新商品・新サービスを創出するために!―産業界が果たすべき役割と教育界が果たすべき役割を視野に―」というテーマで2時間の講演をお願いしました。タイトルに示されているように、非常に幅広いテーマですが、阿部先生のこれまでの実績、経験、教育、研究の成果がふんだんに盛り込まれ、あっという間の2時間でした。この紙面では語り尽くせないので、『イノベーション』の考え方についてのみ核と、「イノベーションとは社会貢献することである」と結論を述べられ、①「こんなものが欲しかった」、②社会の課題(問題)を解決するもの、である。前者は、iPadのような製品であり、後者は環境改善の技術などが当てはまります。いずれにしても、産業界、教育界、そして地域、官が共同・共創して、新しいイノベーションを創出していくことが未来につながる、ことを改めて問いかけられた講演でした。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

いよいよ暖かい春になりそうです。梅も咲き、入学式の頃には桜も咲き始めるでしょう。自然とうきうきしてきます。授業も始まるので、こちらは春を待つように「ぼーっと」とはいかず、しっかり点検しながら準備を進めます。

【忠】

 

 

2013.03.17

追いコンと紙鉄砲

先週、体育会自転車競技部の追い出しコンパに出席しました。部長を引き受けてからもうかれこれ1415年が経ち、毎年同じような儀式の繰り返しのように思われます。けれども4回生にとってはもうこの先が無いところ、1年ごとに当たり前のように回生を積み重ねている下回生にとっても、これは単なるコンパとは異なる雰囲気を感じさせるものです。

 

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 今次の卒業生は4名です。個々の競技歴や競技成績は様々ですが、それぞれ4年間競技と勉強を共に行い、就活を通じて就職先を決定したり、大学院にパスしたりするのは、やはり骨の折れることがらでした。4年間の振り返りと後輩たちに残す言葉を語る際に、「やり切った」という自信と安堵、それに様ざまに感じる「仕残し感」とを、彼らは率直に表わしていました。

 

毎年新鮮な気持ちになり、褒めたり、逆に苦言を呈したりするなど決して思わず、私はむしろ通り過ぎる風のすがすがしさのみを感じます。この追いコンの時期にはいつも「紙鉄砲」を思い浮かべ、私は卒業生や現役学生にそのことを時々話します。

私たちの年代は、子どもの頃によく紙鉄砲を作ったものです。20cm余りの細い篠竹の片側穴先に湿った紙玉を詰めておき、他方の穴からもう一つの湿った紙玉を詰め、それを先端にパッキンのように布をしっかり巻きつけた棒で突いてやると、篠竹内部の空気が圧縮されて先端の紙玉が勢いよく「ポン!!」と音を発して飛び出す仕掛けです。

 

追いコンはまさにこの状況にそっくりだと私は感じます。4月からは、「勉強せよ」「練習せよ」とはだれも言ってはくれません。また大げさに感心したり褒めたりは、誰もしてくれません。そのことは、巣立っていく卒業生には、「言われなくてもわかっている」ことです。でも、2月、3月期は、色々なことを考え出来る、短いけれども素晴らしい時期です。頭の中の巡りと立ち居振る舞いはもう社会人ですが、気分感情はまだまだ学生の巣に籠っていたいという状態かも知れません。

それを、紙鉄砲よろしくお尻からポンと突いてやるのが追いコンだと、私はこれまで何回も感じてきました。これから大学主催で行われる卒業式、修了式などのセレモニーは全て、きっとそのような機能を果たしているのでしょう。でも、学生の部活・サークルでのそれは、3回生にとっても「良い巣立ち方」や「紙鉄砲の紙玉の突かれ方」を意識する、またとない機会だ、と私は思います。

 

【善】

 

 

2013.03.16

特別講義

私は普段、教員として授業を行う立場にありますので、「授業を受ける機会」は滅多にありません。

昨日は、大学院およびポスドクだった頃の指導教員であった高松先生にお越しいただきました。現在でも共同研究を行っており、その打ち合わせが主要な目的だったのですが、絶好の機会ですので研究室の大学院生や学部生に対して、「体力トレーニング論」に関する特別講義をお願いしました。そして私も、生徒として久々に先生の授業に参加させていただきました。

限られた時間ではありましたが、事前にご準備いただた配布資料をもとに、体力トレーニングの考え方や対象者・目的に応じたトレーニング計画の立案に関して丁寧にご説明いただきした。全51ページにまとめられた資料は、先生の長年の研究成果やハンドボール、バスケットボールなどのトトップレベルのレーニング現場に直接関わっていらっしゃったご経験が結集された内容でした。大学院在籍時にも同様の内容を聞いていたのですが、10年以上の時が流れ、私自身が教員となった今、当日とはまた違った感覚で勉強することができました。また、いつか将来、自分が指導をしている大学院生が大学教員になり、そこで声をかけていただき私自身が話をする機会も出てくると嬉しいな・・・などとも思いながら家路につきました。

GOTO

2013.03.15

千日の稽古を鍛とし

「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、まだまだ寒い日もありますが、一日一日と暖かさを増し、やがてやって来るうららかな春のよい季節となり、"万物が新しい生長にいろいろな準備をしている時"がそこまでやってきていることを実感します。そして・・・・、またジョギングを再開しました。

 キャンパスでは、各運動部が合宿やら本格的な練習を始め、少しずつ活気を呈してきました。上手くなるには二つの要件があると思います。一つは今流でいうメタ認知でしょうか。来る日も来る日も単調とも言える練習を続けることの意義を考える中で、「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」(宮本武蔵の兵法書"五輪書")のように、高度なレベルまでにある技術を習得するということは、長くかつ苦しい道のりであることを考えさせられました。

 二つ目は指導者です。上達するには有能な指導者の存在がいかに大切かを教えるものに、「伯楽ありて然る後に千里の馬あり」があります。これは、"千里を走るような名馬はいつでもいるが、多くの馬の中からその馬を見出し、選び出す伯楽(指導者)は、いつの世にもいるとは限らない。目の効く伯楽がいない限り、いかに千里の馬といえども、一生見出されることなく、駄馬並の扱いで酷使されたあげく、汚い馬小屋の中で、駄馬と首を並べて死んでしまうのが落ちである。千里の馬を飼うと一石の粟を食うかも知れないが、飼い主は知らずにそれ相応の扱いをしなければ、せっかく、千里の才を持っている馬も、十分その能力を発揮できないどころか、並以下の働きしかできないものとなってしまう(「中国・名言の知恵」から)"。個性(適性)を見抜き、その個性を活かすことは、教師の仕事にも通じるものがあるかと思います。(老ブロガー・ハル)

2013.03.14

運動と健康についてのエビデンス(証拠)その10

 Hamaです。

 本日は、日本人を対象とした身体活動度と卵巣癌予防との関係についてのデータを紹介します。
これまで紹介した身体活動と癌予防との関連は、外国人のデータが中心でした。

 ここでも、外国のデータが中心ですが、身体活動度が高いと卵巣癌のリスクが約20%低下すると考えられています。

 一方、日本人のデータはと言いますと、40-69才の45,748名の日本人女性を対象とした研究により、86例の上皮性卵巣癌患者(平均年齢59才)が見つかりました。

 この研究では、身体活動量と上皮性卵巣癌との関係は見られませんでした。つまり、活動度が高くても、この癌の危険性が低くなることはないようです。でも、まだデータが少ないので、今後の日本人を対象としたデータに注目ですね。

 でもですよ、実は日常の睡眠時間が7時間より長い人達は、6時間未満の人達よりも卵巣癌の危険性が6割程度低くなるようです。

 もちろん、これまでの研究においては、他の要因(初潮、第一子出産年齢、肥満度など)が卵巣癌の予防に関連するとの報告もあります。

【参考文献】
Risk factors for epithelial ovarian cancer in Japan - results from the Japan Public Health Center-based Prospective Study cohort.
Weiderpass E, Sandin S, Inoue M, Shimazu T, Iwasaki M, Sasazuki S, Sawada N, Yamaji T, Tsugane S. Int J Oncol. 2012 Jan;40(1):21-30.

Physical activity and gynecologic cancer prevention.
Cust AE. Recent Results Cancer Res. 2011;186:159-85.


【Hama】


2013.03.13

新任教員研修、(やっと)修了しました。

こんにちは。ma34です。

今日は、2010年度着任時より受講してきた「新任教員研修FDプログラム」の修了式に参加しました。
順調に行けば2年間の研修期間ですが(最大4年間)、昨年度後期の産休をはさみ、
やっとのことで今年修了となりました。
fdprogram.jpg


新任教員を対象としたFDプログラムは、立命館大学を初め、私立大学・国公立大学にも徐々に広まりつつあるものですが、立命館はそのなかでも先進的な、そしてとても充実したプログラムを展開している大学だそうです。

基本的に毎月、オンラインで講義を受講し、レポートを書くという課題があり、加えて授業づくりや学生とのコミュニケーションの力量アップを目指したワークショップを受講しなければなりません。

 そして2年間の最後には、自分の教育の理念を整理し、振り返り、実際の授業でそれが反映されたかどうかの証拠(シラバスや学生の成果物など)を蓄積した「ティーチング・ポートフォリオ」を作成することが義務付けられています。

 正直にいうと、日々の授業や研究に追われ、なかなかスケジュールどおりに進められなかった3年間でした。
 先月の2月、締切間際になって「エイヤーっ!」と仕上げたというのが実のところです。

 ただ、こうした研修のなかで、自分自身がいつも授業を作り、学生と関わっているなかで大切にしていることはなんだろう? 授業をより良くしていくには、どこを改善したらよいのだろう?という問いを持ち、少しずつ改善できたことは大きな成果だと思います。

 何より、着任当時は、学生の前に立つだけで緊張し、何をしゃべっているのかがわからなくなるほどだったころから比べれば、自分の授業を少しは客観的に見られるほどになり、少し自信もついてきたことは、大きな成果です。

 今後も、このプログラムを修了したことを一つの土台・力として、より精進していきたいと思っています。

 ma34.

2013.03.12

Kindle

アマゾンのKindleを出た瞬間に買って、
あまり使われないまま来ていましたが、
ふと思い立って、出張時に使ってみました。

けっこう読みやすく、本を読むよりも楽かもしれません。

ということで、出張のともになることが決定しました。

ただ、研究用の本を買っても、処理がめんどうなのが、
なんだかなぁ、というところです。

でも、Kindleのお陰で、アメリカ・アマゾンのタイトルが手に入りやすくなりました。

実は、日本語のページとアメリカのページでは、データベースが違っていて、
日本版で検索しても出てこないようなタイトルでも、
アメリカサイトでは出てきます。
Kindleは統一のデータベースを使っているので、すっきり手に入ります。




出張中は、地域の在り方や元気さ、について、
色々とヒアリングして来ました。

その中で、鹿児島在住のOBとも会ってきました。
何年ぶりかわからないぐらい久しぶりでしたが、
とても元気にしていました。

今は、マチトビラ(http://www.machitobira.org/)というところの代表をしています。
昔から思い起こせば、とても元気な奴だったなぁ、と。

今も元気に楽しく活動をしているようで、
しかも人を育てて地域を元気にしよう、
としているようです。

色んな試みをしていて、それが楽しそう、と思いました。

やっぱり、楽しくやりがいのある事を続けなきゃね。

というあたりで。。。

PS:3月末で退職される人が何人かいて、少しさびしい感じもします。
スポ健の設立時からいた方たちですので。
どうなることやら・・・