今週も、介護予防と運動についてのお話をしたいと思います。
タイム誌で興味深い記事が紹介されています。
http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1956619,00.html
高齢者の健康を維持するために、日ごろの運動習慣が重要であると指摘する研究は沢山ありますが、そのほとんどが有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど、長時間継続して続ける運動形態)の効果を検証したものばかりでした。
有酸素運動は、運動中の心拍数増加に伴い全身への血流量が増え、同時に脳への血流量も増加する結果として認知機能が改善すると考えられています。
しかし、つい最近、Archives of Internal Medicineという医学雑誌に掲載された研究によると、週1~2回のレジスタンス運動(一般的に知られている筋トレ)を1年間継続した結果、認知機能に有意な改善が認められました。
有酸素運動と比較すると、運動中の脳への血流量増加が期待できない筋トレで、なぜ認知機能が改善されたのか?
これは、筋トレをするために使うダンベルやウエイトマシンの利用方法を理解したり、自分のトレーニングの強度を設定したり、筋トレをするのに多くの学習が必要であり(事実この研究では高齢者がトレーニング方法を学習するのに2ヶ月ほど要したとか)、その結果認知機能が改善したのでは?と研究者は推測しています。
高齢者における筋トレは、特に転倒予防に必須となる足腰の筋力を維持する上でも重要ですが、脳機能にも改善の効果があるとすれば、筋トレの重要性はさらに高まるでしょう。
敦さんが専門とする脳科学ではそういった認知能力をスポーツ健康科学部に設置されるMRIを用いて測定することが可能だそうです。
今後の高齢者の運動教室が、さらに活気を増しそうです(^^)
聡