[ 2025年07月 ] の記事一覧

2018.01.26

逆に考えるんだ「緊張しちゃってもいいや」と考えるんだ

金曜日です。Hitomiです。後期の授業が終わったので、曜日感覚がおかしくなってきました(笑)

しかし、寒いですね。今季一番の強い寒気ということで、どこもかしこも気温の話題です。こうも寒いと気になるのは体調ですね。私の授業でも何人かインフルエンザで最終の確認テストを受けれなかった子がいましたので、くれぐれもお体にはお気を付けください。



さぁ、突然ですが、みなさん、マインドフルネスという言葉を耳にしたことはありますか?
マインドフルネスというのは、“今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、 評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること”だと言われています(日本マインドフルネス学会の定義より)。
仏教の座禅や瞑想をもとにした方法で、余分な思考を取り除いて、現実をあるがままに受け入れられるようになることだと思っていただければたぶん大丈夫です。

このマインドフルネスがスポーツ競技者のパフォーマンス低下に対して有効だという内容の面白い論文が心理学研究の最新号に掲載されていました。

雨宮 怜, 坂入 洋右(2017)「スポーツ競技者のパフォーマンス低下を抑制するマインドフルネスの役割」第88巻,p470―477

大学生のスポーツ競技者116名を対象とした調査で、ある時点(Time1)でのマインドフルネス傾向が、4~6カ月後(Time2)のパフォーマンス低下(尺度で測定)を抑制する効果が見られたとのことです。

たしかに「ネガティブなことを考えないように」とすればするほど、かえって考えてしまってどんどん悪い方向に向かっていく…というドツボにはまってしまった経験は、誰しも一度や二度あるんじゃないかと思います。マインドフルネスはこういった不安や緊張の状態にあえて注意を向け、今の状態がいい/悪いという評価をしないようにすることでその状態を受け入れパフォーマンスの低下を防ぐという面白い発想の方法です。

マインドフルネス自体は、当時最新の心理療法のひとつとして院生の時(10年近く前…)に専門の授業で習いましたし、少し前に一般でも流行った概念なので、「あぁ、やっぱりスポーツにも応用されるようになったんだなぁ」という感じです。企業などでも、近年、研修でマインドフルネスを取り入れているところが多いみたいですね。
ただ、流行ったがゆえに、概念のみが一人歩きしている印象もあったので、実証研究がこうしてきちんと積み重ねられてきたのはいいことだと思います。
ぜひトレーニング(介入)の効果を検討した続編が読んでみたいです。誰かうちのゼミでもやらないかなー。

「とはいえ、有効と言われても、私ってマインドフルネス傾向高いんだろうか低いんだろうか…?」という方は、以下の質問にYESかNOで答えてみてください。

1.私は、試合中、簡単に気がそれる(R)
2.私は、練習中に感じたことを、その場でチームメイトや指導者に表現するのは難しい(R)
3.私は、練習中に弱気な考えが浮かんだ時、自分が嫌になる(R)
4.私は、緊張している時でも、身体の感覚に気づきながらプレーする

大学生運動部員版マインドフルネス尺度(雨宮・遊佐・坂入,2015)の一部です。
あえて各因子から1項目ずつ取っているのでばらばらに見えますが、実際は21項目あり、5段階で評価するリッカート尺度ですのでご注意ください。

1~3(Rがついているもの)にYESと答えた人や、4にNOと答えた人はマインドフルネス傾向がもしかしたら低いかもしれません。マインドフルネストレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?

以前、授業中に「来週試合があるので、緊張しない方法を教えてください!」という学生さんのコメントがあったのですが、その時これを教えてあげられたらよかったです。

ちなみに日本のマインドフルネス研究の第一人者である風呂上がりのスヌーピー杉浦義典先生(ホンマでっか!?にたまに出ている)は、私の大学時代の恩師の一人だったりします。苗字は一緒ですが血縁関係は一切ないです(当時の鉄板ネタ)。

Hitomi

P.S. HAD(Excelで動く統計ソフト)ユーザーに朗報です。
超・初心者向け(by著者)の本が本日発売です!
著:小宮 あすか,布井 雅人
講談社サイエンティフィク

心理統計を使いそうな来年度の卒論生は、ぜひお手元に一冊!

2018.01.25

超音波勉強会

こんにちは、shinoです。

今週は寒かったですね。
東日本では大雪だったので、こちらでも大雪になるかと覚悟していたのですが、
幸い大雪にはならず良かったです。

大学は今週、テスト期間となっています。
雪でうまく進行するかどうか心配していたのですが、本日までは順調に進んでいるようです。


さて、2週間ほど前になるのですが、1月中旬に勉強会に参加しました。

立命館のアスレチックトレーナーさん達が、行っているSPECという勉強会です。

本学のアスレチックトレーナーの方々を中心に、学生トレーナー、
近隣の他大学で活動しているトレーナーの方が集まり、年1~2回開催しています。

2年ほど前に私もこの勉強会でレクチャーをさせてもらったのですが、
今回は超音波のワークショップを企画させてもらいました。

最近、整形外科の分野では運動器に対する超音波の利用が注目されています。
超音波はレントゲンみたいに放射線を使うこともないですし、
MRIのような限られた施設でのみ使用することができないということもありません。
もちろん、高価な機器が必要なのですが、患者さんに対して侵襲もなく、
簡単に行うことができるので、整形外科の分野では必須のツールとなってきています。
医師だけでなく、理学療法士さんなどのコメディカルの方々にも当然のように使用するべき機器に超音波はなってきつつあります。

スポ健でも研究の評価として使用しているのですが、
私は、スポーツの現場で実際にフィールドワークをしているアスレチックトレーナーの方々にも、運動器の評価に是非とも超音波を使用してもらいたいと思っています。

ということで、
企業さんから機器をお借りし、超音波に慣れてもらおうとワークショップを企画しました。

今回の勉強会では、
まずPNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)施術に対する講義とワークショップを行ったのち、

超音波の基礎という題で私が講義を行い、少しデモンストレーションし、
参加者の皆さんが被験者と検者を交代しながら、超音波を触ってもらいました。




少ない時間だったので、一部分しかできませんでしたが、
みんなでワイワイ言いながら、楽しく行うことができました。

私も皆さんといろいろ話をしながら、一緒に勉強することができました。

アスレチックトレーナーの方々にも、超音波を使いこなせるようになってもらって、
実際のスポーツ現場に役立ててもらいたいと思います。

第2回もまた企画します。

2018.01.24

西の健康

1月も後半。今は試験期間中とあって、食事のときにも「明日の試験はどう?」「あぁ~、ストレス!」というやり取りが増えています。

今日のブログは、長いクリスマス休暇が明けた後の新聞にみるスペイン(西班牙)/バレンシアの健康の話。

大学に行くとき、金曜日の朝は「さぁ、あと1日だよ!行っておいで」と送り出され、午後になると、周囲は「もう週末の半分が過ぎていくよ」とそわそわし始めます。そして、月曜日になると「昨日の夜はちょっと憂鬱だった…(でも、月曜になってしまえば大丈夫だけどね)」と、冗談とも本気ともとれる会話は、バレンシアでも時々話されることです。

クリスマス・イベントを終えたときの新聞[2018.01.09]。
写真の上部(どうしても縦置きにならないので…左とも言いますね)に、クリスマスのときの食卓の写真。


この記事の見出しには、『バレンシアの人は、コレステロールが低いのに、クリスマスキャンディ(大~きなパンケーキ?! をみんなで食べましたが、それをキャンディと呼んでいたような…)や脂肪の多い食事はコレステロールを上昇させてしまったかもしれませんよ』と。楽しかった時間から、はっと目が覚めさせるような内容です。果物や野菜をしっかり摂って、できるだけ早く健康的な習慣を取り戻しましょうというアドバイス付き。


その次の次の日[2018.01.11]。
このクリスマスの時期を終えて、ストレスに関連したGoogle検索をした件数が、スペインでは52万になったという記事。この件数は、オーストラリアの2倍、香港の4倍、イギリスの6倍にあたるとのこと。


この傾向は、ここ数年間、毎年平均して約35%ずつ増加しているそうです。仕事のストレスとその対処法に関すること、仕事と家庭のバランスをとる方法に関することがその中心で、これらの問題に対応できるシステム構築の必要性をこの記事は伝えていました。

それとともに、”食” による(身体的な)健康の回復方法が新たな道だろうという内容も。そこには、スペインで急成長中の「デリバル―」という会社を例にして、スペインの人たちの傾向を紹介(ちなみに、この会社は、レストランの料理をあたたかいまま家庭や会社に配達しています)。その注文内容の傾向をみると、それぞれが健康食品だと思えるもの ー肉食主義、ヴィーガン(厳格な菜食)主義、タンパク質摂取やオーガニック食品ー に関心が高まっているようです。


その次の……日[2018.01.12]
さて、運動については?座りがちな生活をしているスペイン人が、18歳から65歳の57.5%(1,700万人超)を占めていると、この記事は伝えています。


歩こうと思ってはいても何もしないなぁという人は23%…。どっかでも似たような話があったような。

長期の休みが明けたときの健康回復は結構深刻な問題のようで、「食~運動~心理」の関連で健康の回復・維持・向上の啓発をしているようにみえます。が、実情は「頭でわかっちゃいるけど、体がついてこない…」といったところでしょうか。「楽しく食べて」「楽しく動き」「楽しく感じられる心」の三拍子を整えたいものです。

ippo



2018.01.23

教職自主ゼミの活動2

 滋賀県草津市では、昨日夕刻から結構多くの降雪がありましたが、夜半から雨に変わったために積もった雪はほとんど解けました。天候も回復して明るい日差しはありますが、北風が冷たく吹いています。夜間に路面凍結なども考えられますのでご注意を。
 定期テストが始まりまり、南草津駅からのバスに乗りますと、学生さんがノート片手に勉強している姿を見かけます。頑張ってくださいね。

 多くの先生のブログで紹介されてましたが、先週水曜日(1月17日)金森先生の最終講義があり、私も受講させて頂きました。自分が大学生の時の公衆衛生学の授業を思い出しながら先生の話を聞かせて頂きましたが、40年近く経過していますので、対応もずいぶんと進歩しており改めて大変勉強になりました。
 金森先生、有難うございました。
 そのような中、ふとインフルエンザの状況が気になり、国立感染症研究所のホームページを見てみました。2018年1月17日現在、前週と比較して流行が拡大傾向にあるとの事、特に西日本で流行している様ですね。滋賀県では、年末から「注意報」がだされ、年明けからは「警報」が出されています。注意をして下さい。

 本日の自主ゼミは、定期試験の影響でしょうか参加者が少なく、また試験の影響で教室が確保できないという状況もあり、個別面接の練習と振り返りを行いました。各自、教員への志望動機や受審する府県の教育課題について、また一般的に言われている教育課題に対して答える内容を準備しているので、面接試験形式で内容確認を行い、振り返りで回答を修正したり、別の視点を入れて考え直す作業を行いました。

 教育課題への共通した対応として、一人の先生として物事に対応するのではなく、管理職を含め教職員全体(チーム学校・組織全体)で課題に対応するという視点を持つ事、また地域や関係機関と連携協力することが大切だということを共有しました。
 
【司】

2018.01.22

成長を実感

 先週のブログにもたくさん取り上げられていますが、
 先週の火曜日と木曜日に、卒業論文の口頭試問がありました。

 まとめた卒業論文の内容を、5分のプレゼンテーションで、伝え、理解してもらい、かつその内容について、質問を受け、それに対して検証できた結果ならびに、自らの見解も含めて的確に答えることを求められます。

 発表、質疑応答から、ゼミ生が卒業論文をまとめ上げる過程の中で、しっかりと力をつけ、成長の証を示してくれました。教員として、その実感を得られたことは本当に嬉しい限りです。

 それと、自分の発表だけでなく、全ての発表を、集中して聴いていました。その集中と同級生のプレゼンを見守る眼差しと暖かさに、卒業間近の学生が、人間的にも成長しているのを感じさせてくれました。

    

 卒業論文は学部の学びの集大成です。卒業論文作成を通じて得たものをしっかりと持って、これからの未来を拓いて下さい。

    

   (こちらの写真は、3回生前期、ゼミが始まった頃のものです)

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
 今日は、修士論文の提出締め切り日です。来週は、修士の口頭試問です。しっかり準備して、「修士号」に相応しい質疑応答を楽しみにしています。
【忠】

2018.01.21

森の幼稚園(その2)

前回から引き続き、息子が通っていたデンマークの幼稚園についてご紹介したいと思います。デンマークの郊外にある森の幼稚園(Institutionen Stockholmsgave Centrum)は朝コペンハーゲン市内で園児をバスで迎えた後、9時から15時ぐらいまでが保育時間になります。
幼稚園はその名の通り大自然の中に施設があります。教室棟の中にも一定の遊具や教材は置いてありますが、子供たちは多くの時間を外で自然と共に学びます。園内には動物が飼育されていたり、様々な農作物が育てられておりそれらを栽培し収穫・食することもカリキュラムの1つとなっています。

午前と午後にスナックが提供され、昼にはランチも出ます。お昼ご飯はオープンサンドイッチやスープなどでシンプルです。
スナックは基本的にリンゴ、にんじん、きゅうり、オレンジや、バター塗ったライ麦パンなど提供されていました。

クラス構成としては縦割り保育で3〜6歳までが、一クラス20人がまとまって教育されています。1クラスにに対して先生が3人配置されているのもその特徴です。




日本の幼稚園のように、制服等は一切ありませんが、唯一用意しなくてはいけないのが雨ガッパと長靴です(雨の日でも外で遊べるように)。基本的には屋外で遊ぶ時間がとても長いのが特徴ですが、集団で学ばせることもあれば、個人が好きなことを自由に取り組む教育方法もコンセプトのようです。木を切って工作したり、動物達と触れ合ったり、昆虫を発見したりと様々なことができます。

個人的に面白いと思ったのはこの幼稚園には男性の保育士が大勢いたことです。息子のクラスの3人の担任のうち2人が男性でした。

またこの幼稚園では、スマホのアプリをつうじて幼稚園での活動・学びを画像とテキストで見ることができます。日報のような形で園児の活動を垣間見ることができるシステムです。もちろん、個別にIDとパスワードが配布されているので、園児の保護者しか閲覧することができません。

この幼稚園には安心して子どもを預けることができる、という評価にも頷ける気がしました。

satoshi

2018.01.20

それぞれの挑戦

 寒に入り、寒い日が続き、立春が待ち遠しく感じられる昨今、とかく部屋に閉じこもりがちな毎日ですが、週末にはこの時期を象徴するかのようなイベントがありました。受験生にとってはこれからの人生を左右するかもしれないセンター入試、地元の期待と栄誉を担って覇を競った全国都道府県対抗女子駅伝2018、いずれも一朝にして目標が達成されるものでないことは言うまでもありません。偉業を達成する、人より一歩先を進むためには、時には修行僧のようなストイックな日々の取り組みが求められるということを、月曜日、うっすらと一面に雪の積もった早朝のグランドに残された足跡を見て感じました。努力に即効性はなく、今日も明日も続けることの大切さは今も昔も変わらないと。

 そして、今日は卒業論文の口頭試問がありました。4年間の学びの集大成と力作を誇らしげに発表する学生。もっと頑張っておけば良かったと反省の思いが滲んだ内容の学生。それぞれの思いは異なっても、限られた時間の中でまとめ上げた集中力と気力でもって取り組んだ過程で得たものの大きさは、これからの人生に大いに役立つものと思います。ゼミ生の多くは日頃のクラブ経験で感じた身近な心理的な問題意識を基に取り組みました。以下はO君の感想です。

 

 私は,「試合展開における選手の競技不安が競技成績に与える影響-ソフトテニスプレーヤーの心拍数と競技不安尺度:STAIを用いて-」をテーマとして研究を行いました。競技不安は全てのスポーツ選手の抱える問題であり、“あがり”と共に古くて新しい問題でもあります。

 勝敗とファーストサーブの成功確率を競技成績と設定し,リードしている時、されている時、同点の時などの状況別に、サービス動作開始時間と競技不安,生理的反応の3つの要因との関係について調べました。その結果,競技不安を感じている方が高いパフォーマンスを発揮できることを見いだしました。このことは防衛的悲観主義にも関わることであり,現場に活かすには,「男子のソフトテニスのダブルスの試合に限り,最悪の場合を想定し,試合に臨むまたは進めることで良い競技成績に繋がる」ということを定量的(客観的)に示すことができました。最後に,卒業論文作成にあたり,実験参加者、貴重なアドバイスをしてくれたゼミの仲間に感謝します。


 

卒論作成といった土壇場でのゼミ生のつながりは貴重な財産になると思います。(老ブロガー・ハル)

2018.01.19

SOTSURON WARSー最後のカダイー

Hitomiです。
4回生の皆さん、口頭試問お疲れさまでした!
私も指導する側として明日は我が身の立場なので、火曜日にippo先生(tknk先生)&みち先生、木曜日にJJコンビの研究室の口頭試問を見学させてもらいました。(木曜日はうちのゼミ生もお邪魔しました)


(↑きっと来年度の今頃バイブルになっている)

両方、とても面白かったです!
5分という限られた時間の中でまとめないといけないので、本当に大変だったと思いますが、「(5分じゃ)終わらないよ~」と苦しんだりしていた人ほど、ちゃんとやってきた証拠だと思います。
もちろん、難しい内容を短く、分かりやすくまとめるのも大事な能力ですから、時間オーバーや早口は厳禁ですけどね。

先生方も、審査お疲れ様でした。私も早く1期生を送り出して、どんな気持ちになるのかを体験してみたいです。


また、昨日のshinoの記事と重複してしまい恐縮ですが、私からもmasao先生にお祝い申し上げます。

研究生活40年ということで、40年やり遂げた後でどんな境地に至るのか、私では想像もつきません。
「最後にもう1本論文を書こう」と立命館に来たというその向上心の高さ、本当に頭が下がる思いです。

好きな言葉としてExperience without learning is better than learning without experience.を挙げておられましたが、本当に経験というのは何にも勝る宝物なのだということが伝わってきました。
私も先生の姿勢を見習って、様々な経験を積んで見識を広めていこうと思いました。

長い間、お疲れ様でした。今後も益々ご活躍されることをお祈り申し上げます。



Hitomi

2018.01.18

お疲れ様でした

こんにちは、shinoです。

先週末は雪が積もりましたね。
日曜日にラグビートップリーグのドクターで名古屋に行ったのですが、
新幹線が雪のため速度制限していました。
休み明けの月曜日もキャンパス内にはまだ雪が残っていました。

今週はいろいろありました。

水曜日に金森先生の退官記念講義が行われ、私も出席しましたが、たくさんの人が受講に来ていました。
本学の学生や職員だけでなく、
以前に勤めていた大学病院の方などが遠路遥々来られており、
金森先生のお人柄が改めて良く分かりました。

講義も金森先生の専門である衛生・公衆衛生学に関する内容で、
非常に面白かったです。
私も学生の頃に大学で公衆衛生の授業を受けていました。
その時は理解できず、あまり興味を持つことは無かったですが、
今回の授業を聞くと分かりやすく、興味深かったので、学生の頃に金森先生から教わりたかったなと思って聞いてました。




そんな感じで盛況のうちに講義は終了しました。

金森先生、お疲れ様でした。




さらに、本日午前中には、4回生の卒論口頭試問が行われました。
先日、無事に提出した卒論に関するプレゼンを行い、
2つのゼミが合同で行い、指導教官である私と金森先生から質疑応答を行いました。

以前にこのブログに書いた中間発表会とは違って、
卒論を書き上げるために、さらに理解を深めたことがはっきり分かり、
より充実した発表を全ての学生が行ってくれました。




我々教員からの質問にも、全員、適切に受け答えできており、
2年前のゼミに入ってきた時から考えると、
しっかり成長してくれたんだなと実感しました。嬉しかったです。




来年度から無事社会人として頑張ってくれそうです。

いつもゼミの授業内で学生に話をしていることなのですが、
せっかく時間をかけて苦労して研究を行い、論文を書き上げたのだから、
この知識が社会、日常生活に使えるように、
しっかり還元することが、重要なのだと思います。
卒論が卒論のままで終わらないようにして欲しいです。

豆知識的な、些細な事で構いません。
今回勉強したことを1つでも実際の現場に役立てるように、
知識を頭に残し、忘れないように活用して下さい。

4回生もお疲れ様でした。

2018.01.17

小さな賢人

月日は流れますね。ゼミっ子たちのことを考えていると、今頃〇〇の時期だなぁと数珠つなぎに想い出されていきます…。

さて、もう既に、少し前の話になってしまいました。ですが、書いておきたくなりました。1月6日は、Dia de los Reyes Magos(主顕節)、バレンシア/スペインのクリスマスでした。子どもたちは、三賢人のだれかにプレゼントをお願いをしておいて、6日を迎えた日の朝に届く、という子どもたちにとって大切な日でした。いま所属しているところの先生方も、お子さんたちに、サンタや三賢人を信じさせてプレゼントを渡すことには、いろいろと智慧を働かせ工夫している様子でした。どこの国でも同じですね。

その前日(5日)の夜から、街中は三賢人のパレードで大盛り上がりで、沿道にいる子どもたちにキャンディが配られ/投げられていきました。いい子にしていればキャンディがもらえる、という言い伝えによるものです(悪い子には炭!)。投げる側にも子どもが多くいて…。ということは容赦なく(!?)「どうだ!」と言わんばかりに、キャンディが顔面に直球で飛んでくるということもあるわけです…。でも、沿道の人たちは笑って、「いいぞ、いいぞ!」と盛り上がっていきます。

(沿道はヒト・ひと・人で埋まり、建物の2階にも!)

スペインのサッカー・クラブチームもパレードに参加していて、タオルや柔らかいボールなどが投げられると、歓声というより悲鳴のような声に変わっていくほどの騒ぎ…サッカー人気の凄さを感じました。
(Valencia CFのメインスポンサーBLU Products社も参加)

キャンディ争奪戦の凄まじさの中でも、なんやらほっこりする、微笑ましい光景も。
私の近くにいた3歳と5歳(くらい)の兄弟もがんばって、キャンディを集めていました。が、最初はなかなかうまく取れずにいて、私がたまたま拾ったキャンディを渡していました(私はキャンディより、いざというときのためのブログ用の写真!…!?)。パレードも終わりに近づいたころ、別の家族のお母さんが、自分の拾ったキャンディ袋からガバっ!とひと掴み。その子たちの手に握らせたのです。自分の子どもたちもいるのに、です。

そのキャンディを渡された兄弟は、戸惑いながらキャンディを受け取り…。
そのあと、弟くんが、私に「どうぞ」とキャンディを1個くれたのです。今度は私が戸惑いながら(この子は間違って手を伸ばしただけ?私の勘違い?この手は私のもっと先にいる人に向いている?など、一瞬にしていろいろと駆け巡りつつ)、ありがとうと言うと、「どういたしまして」の言葉付き。私にとって、6日のクリスマス賢人は、この男の子でした。幸せの連鎖とは、このことですね。

地域の人たちとの関わりの中で、互恵的な関係づくりを身体で覚えていくのだろうなと感じた出来事でした。

ippo