[ education ] の記事一覧

2015.10.05

良い季候になりました

10月に入り、素晴らしい季候となりました。猛暑であった夏を忘れさせてくれる清々しい秋の季節です。○○の秋、といわれるように何をするにも快適で、心地よく、実りのある季節です。

大学は本格的に後期の授業が始まりました。後期は、回生ごとに大きなイベント、学修のまとめがあります。
1回生・・・ゼミナール大会
2回生・・・ゼミ選択・コース選択(今日は、オープン・ゼミ・デイ)
3回生・・・いよいよ卒論にむけた研究計画まとめ
4回生・・・卒論の仕上げ
大学院生・・・学会発表、論文仕上げなど
先生方・・・研究費の申請書(特に科研費) 学会発表 論文作成 卒論・修論・博論指導

それぞれに、力をつけるべき課題があります。課題を「こなす」のではなく、本気で向き合い、格闘する中で力がつきます。教育の醍醐味は、厳しい条件での体験・経験を積ませながら、充実と実感と成功体験を与えることと考えています。その意味で、スポーツ健康科学部の先生方は、本気で学生と向き合い、厳しい条件設定を与えながらも、成功体験まで導く指導力・教育力をもっています。安心して課題と格闘して下さい。

受験生の皆さんにとっては、夏に追い込んで勉強したことの整理、総まとめの時期でしょう。体調には十分注意しながら、この良い季節でさらに学力を磨いて下さい。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
JMOOCで、【aknr】先生、【hassy】先生が講義された「ランニングのスポーツ健康科学」を私も高校生の気分で受講しました(既に受講期間は終了しています)。二人の先生ともにそれぞれの特徴を生かした授業で非常におもしろかったです。テストで6割以上の成績を収めると修了証をもらえます。私も無事頂きました。これも小さな成功体験ですが、嬉しいですね。
【忠】


2015.10.02

幻の名著

バイオメカニクスの分野の「幻の名著」を紹介します。Winters と Woo 編著の "Multiple Muscle Systems" です。この本は当初 1990 年に出版されました。執筆陣には当時の第一線の研究者が名を連ねています。ほぼ全員がビッグネーム揃いの蒼々たるメンバーですが、一部の名前を抜き出しても、Alexander、Bobbert、 Crisco、 Ettema、 Feldman、Flash、Hasan、Hatze、Hinrichs、Huijing、van Ingen Schenau、Latash、Levine、Loeb、McMahon、Morgan、Mungiole、Pandy、van Soest、Winter、Yamaguchi、Zahalak、Zajac、といった名前が並びます。それぞれの分野を切り拓いて構築して来られた方々です。そしてその多くが今も現役で精力的に仕事を続けられています。

分野としては筋・腱・骨格系のバイオメカニクス、そしてモーターコントロールに関する書籍です。内容は非常に豊富で、私もこの本から多くを学んで来ました。また論文の中で引用されることも多いので、該当分野の論文の References をよく見ると結構な頻度でこの書籍が挙げられていると思います。正しくこの分野の「名著」だと思います。

では何故「幻」か?というと、この本は一度絶版されたのです。研究者の観点からは非常に非常に貴重な書籍ですが、当初マーケティング的に上手く行かなかったのかもしれません。いずれにしても、私が学生の頃には「非常に有名で良く引用されているけど現物が無い」という状態で、まさしく幻の名著、でした。私はどこかの図書館で借りて、コピーを取った物を大切に(無くさない様に、破らない様に)使っていました。

それが再び販売される様になったのが2011年です。何かの折に気付いて即注文しました。実際に本物を手に取った時は少し感激しました。現在からすると25年前の本ですが、内容は全く色褪せること無く、今現在の研究の為にも非常に有益な情報が山盛りになっています。開くと面白くてついつい読み進めてしまう一冊です。

それぞれの分野にこういう特別な書籍があるでしょう。そういった本は購入してじっくり読むと勉強にもなり、将来は宝物になるかもしれません。


2015.09.28

2015健康フェスタ in OIC

立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)で、「もっと元気に“こころ”と“からだ”2015健康フェスタが、昨日の日曜日に開催されたので行ってきました。主催は、茨木市、茨木市医師会、茨木市歯科医師会、茨木市薬剤師会です。3つの師会が共催でイベントをするのは非常に珍しく、きくところによると十数年一緒にやっておられるようで、普段の事務局の場所も同じで、非常に仲良く協力的であると聞きました。

OICで開催するということもあり、立命館大学が順天堂大学と取り組んでいる革新的イノベーション創出プログラム(COI)についての概要を話させてもらい、そのあと、茨木市の健康福祉部長、3師会の会長、私と大学院生のO部氏によるシンポジウムがありました。座長の先生より、健康寿命、平均寿命ともに日本が世界一の現状から話がスタートし、さらに健康寿命を延伸するには、どのような方向性があるのかを、それぞれの立場から議論しました。柱としては、健康の維持・増進のための運動への取組、コミュニティづくりのための工夫、安全・安心のまちづくり、防災の観点からなど、短時間でしたが盛りだくさんの議論が展開されました。

壇上から眺めていて感心したのは、市民の皆さんは非常に熱心で、寝ている人はゼロ。メモをとりながら集中して聞いてもらっていました。また、シンポジウムの会場の外では、歯科の検診ブース、救急救命の指導、認知症の正しい理解などのブースがあり、どこも大盛況でした。おそらく1500名を超える来場者があったようです。キャンパスにある「防災公園」に遊びに来た市民の参加もあって、今までの中で最高の来場者数と聞きました。日頃から健康への意識が高い人が多く、茨木市民の健康増進に、知識、場所だけでなく、実践でも立命館大学を活用してもらい、さらに健康寿命を延伸して欲しいと考えています。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
OICでの上記イベントのあと、BKCにもどり、スポ健学生が企画した「スポ健LTE」に少し参加しました。秋晴れのもと、クインススタジアムで身体を目一杯使いながら、普段の交流範囲を越えた交流でさらにスポ健ネットワーク、スポ健愛を高めてくれたようです。最後の円になっての「グレーター立命」の大合唱はスポ健ならではです。
【忠】

2015.09.26

ゼミ活動

本日の写真は、珍しく、学生活動。
しかもブログ中身と関係あり・・・

ゼミで先日のシルバーウィークの中の二日を使って、
スムージー販売をしましたので、その写真です。
場所は「道の駅くさつ」。

このために「道の駅くさつ」、道の駅で施設運営をしている「からすま農産」、
野菜の提供で「JA草津市」、施設運営を受託している「草津市コミュニティ事業団」、
の4者に協力していただきました。

草津の野菜を使って健康に、をテーマにしながら、
スムージーを販売していました。
最終の販売数は、まだわかりません・・・
教えてって、ゼミ生に伝えてきましたが、
どうなったことやら・・・もしかして赤字??


ちょっと前提を話すと、私のゼミは、プロジェクト型で活動してもらっていて、
行動をして何か成果を出そう!をテーマにしています。
いい加減なテーマですが(笑
ゼミ内でグループは二つあるのですが、
そのうちのグループの一つが、今回のスムージー販売をしました。

野菜の手配、場所を借りる事の交渉、保健所への届け出など、
普段の活動の中ではやらないようなこと、
やらないような経験ができたかと思っています。

実際の振り返りはまだ聞いていませんので、何とも言えませんが・・・
もう一つのグループも後期にプロジェクトを実施するはず。
そっちもそっちで、面白そうなので期待していますが、どうなることやら。


今回やってみて思ったことは、
協力していただいたみなさんが優しく学生の活動を見守っていただいたなぁ、
という事です。
社会人であればできないようなこと、できないような協力をしていただいて、
これで学生が成長してくれれば言う事なし!という状況です。
やっぱり、何かやって振り返って次につなげていく、
こんなPDCAをし続けることが重要です。

それではそろそろ、長くなってきましたので、この辺で。
ではでは。
裏でいろいろ手をまわしましたが、ポイントをおさえる重要さ、なぜ簡単にできたのかは学生にはわからないと思います。ただ、なんとなく色んなものを繋げられそうで、実際に繋がっていきそうな手ごたえを感じました。

2015.09.25

もうすぐ新学期

もうすぐ新学期ですね。学生の皆さんは夏休みをどの様に過ごされたでしょうか?

大学の教員は夏の間何をしているのか?と良く聞かれます。個人差はありますが我々には特に「夏休み」はありません。では何をしていたのか?ざっと説明してみます。

まず7月末、授業が終わってすぐ試験期間でした。学生さんは試験が終わったらひとまずほっと一息(単位が取れているかどうかは別として)という所ですが、教員には試験の採点・成績評価という大仕事が残っています。受講者が200名を超える様な授業も多く、公平・公正な採点のために多くの時間とエネルギーを使います。

また7月末から8月初旬に掛けて、サマースクールやオープンキャンパス、講習会といったイベントがありました。こういったイベントは参加者の方々に1日・2日といった短い期間で「来て良かった!」という印象を持って頂く必要がありますので、普段の授業とは別の形で気を遣います。

今年は8月中旬のお盆の時期は特に用事が無かったため何日か休みました。(去年は海外で学会があったため殆ど全く休み無しだったと思います。この時期に国際会議が開催されることは少なくありません。)

8月末は体育学会に参加のため東京・世田谷の国士舘大学にお邪魔しました。今回は私の発表は無かったのですが、重要な会議等があるため3日間毎日会場に足を運びました。聴講した発表も面白いものが多く、大変勉強になりました。

9月に入ってからは比較的時間の自由がきいたので、自分自身が取り組んでいる実験や、学生さんのテーマについて研究活動を進める事が出来ました。1年のうちで一番研究に取り組みやすいのが9月の時期という気がします。今年は新しいトピックについて予備実験と解析をする事が出来、まずまずの成果を出せたと思います。

という訳でもうすぐ新学期です。学期が始まると色々と忙しくはなりますが、学生さん達からエネルギーを貰えるというのもまた事実。有意義な一学期にしましょう!

写真は子供を連れて虫捕りに行った時のものです。流石に自然の豊富な滋賀県、短時間でセミ・セミの幼虫・カマキリ・トンボ・チョウを捕まえることが出来、大漁でした。(その後は全て無傷で放しました。)

2015.09.16

「エネルギーを考える」夏期集中講座のその後。

<RecOだより128>
 先週もご紹介した、大学コンソーシアム京都で開催の夏期集中講座「運動と栄養と暮らしからエネルギーを考える」。

 2日目は滋賀県南部に暴風警報発令のため、急遽プログラムを変更、次の日に「運動と栄養」両面から「エネルギー」を考える講座となりました(真田先生、急な変更にご対応いただき、ありがとうございました(写真右上)。

 そして、最終日は京セラドーム横に完成した、大阪ガスハグミュージアムでの体験講座。
 最大100名が同時に調理ができる、広いきれいな調理実習室で、エコクッキングを体験。

 エコクッキングについての講座の後、各班に分かれて調理台の使い方の説明、そして点火(みんな少し腰が引けています/写真左下)。

 各班、エコロジーを考えながら、今日のメニュー(鍋で炊くご飯、味噌汁、野菜炒め、焼き春巻き、浅漬け、出し殻で作る佃煮)を作りました(写真右下)。
 火加減、鍋の選び方、ガスグリルの賢い使い方から、食器を洗うときの洗剤の使い方に至るまで、ちょっとした工夫がエコロジーにつながる事を体験。

「一人暮らしにもとても役立つ情報がいっぱい」
「ガスコンロで浅漬けを作るとは!」
「もう、スポンジに直接洗剤をつけるのはやめます」
「え?しいたけのここの部分(軸)って、食べられるんですか?!」
「就職活動中で、料理作ったのは多分一年以上ぶり」等等。
 出汁と鍋から炊きあがるお米の「幸せな香り」に包まれながら、受講生の楽しげな感想がたくさん聞こえてきました。

 実はこの調理実習室、各実習台で実習中に使ったエネルギー量、水の量を全て測定しています。
 ゴミの量(写真右上)も測定して、どの班が一番「エコロジー」か、を判定。
 各班多いに盛り上がり、多いに反省。
 その後、ハグミュージアムを見学後、今日の振り返り、レポートの作成で、最終日も無事終了。

 台風の影響で、集中講座がさらに密度を増して、受講生のみなさんも大変だったと思いますが、様々な角度から「エネルギー」を学体感してもらえたものと思います。
 みなさんお疲れさまでした!
 一緒に講座をお作りいただいた、大阪ガスの皆様、ありがとうございました。
 ab  

2015.09.11

深夜特急3

沢木耕太郎さんの「深夜特急3」を読みました。この巻の舞台はインドとネパールです。中でもカルカッタ(インド)、カトマンズ(ネパール)、ベナレス(インド)での出来事が描かれています。地図で見ると非常に広い範囲で、これを路線バスだけで移動したのか、と驚きました。ちなみにこの巻の最後のところで旅のそもそものスタート地点デリーに到着します。

私はインド・ネパールには行ったことがありませんが、この本を読みながら以前見た映画を思い出しました。

スラムドッグ$ミリオネア
2008年の映画です。第81回アカデミー賞で8部門で受賞をし、日本でも大きな話題になりました。インドのスラムで逞しく生きる少年の成長を描いた作品です。少年の生い立ちの描写と、1問正解する毎に賞金が増えていくクイズ番組の展開が絶妙にリンクされており、テンポ良く進んでいく映画でした。その中でスラムでの生活が描かれていましたが、深夜特急の中の描写はかなりそれと整合するものでした。

プライド~運命の瞬間~
東京裁判を描いた作品です。アメリカに留学していた際にレンタルビデオ店で借りて見ました。当時のフェニックスにはアジアの映画やテレビ番組をレンタルしている店がありました。現在とはインターネット環境も全く違いますので、今は違った形態になっているのではないかと思います。映画の中、被告全員の無罪を主張したのがインドのパール判事でした。そのシーンが非常に印象的で、今回インドの話を読んでいる時にも思い出しました。

セブン・イヤーズ・イン・チベット
ブラッド・ピット扮する登山家がチベットで過ごした7年間を描いた作品です。登山家はダライ・ラマの家庭教師を務め、その間に人間的に大きく成長していきます。この作品ですが撮影には多々の困難があり、多くの場面はアルゼンチンで、一部の場面はネパールで収録したそうです。私は大学院生の頃に観に行きました。学生さんにも是非お勧めしたい作品です。

インド・ネパールにもいつか行ってみたいと思っています。商社やメーカーに勤めている友人はインドに駐在するケースもちらほら見られ、学会等で訪れる機会も遠くはないのでは、と思います。

2015.09.09

「エネルギーを考える」夏期集中講座。

<RecOだより127>
今週はRecOを飛び出し、大学コンソーシアム京都に来ています。
今年から、RecOでの研究活動を広くご紹介する、夏期集中講座「運動と栄養と暮らしからエネルギーを考える」を開催することになりました(写真下右)。

人が生きていくためにはエネルギーが必要です。
脳や身体を動かすためにはエネルギーを消費し、その分のエネルギーを私たちは食べることで摂取しています。 また、生きるための暮らしの中でも、色々なエネルギーが必要であり、そのためのエネルギーを生産しています。
この講座では、これら人が生きていくために必要なエネルギーを、運動と栄養と暮らしという3つの視点から考えます。

立命館大学各学部と他大学から30名受講。
に、対して教室も30席、というパンパンの状態(写真上右)。
初日(8日)は大阪ガスさんによる「エネルギーについて考える」の3講座。
液体窒素の実験から始まり(写真下左)、カードゲームを使って暮らしのエコロジーを考えるグループワーク(写真上左)等、盛りだくさんの内容です。

本日9日はスポ健sana先生による「運動のエネルギーを考える」を一日びっしり4講座。
<↑の、予定でしたが、台風の影響が・・・受講生の皆さん、コンソのHPの確認を!>
明日10日は私から栄養の視点からの4講座の予定。
<↑も、場合によっては、一部内容を変更するかもしれません。詳しくはmanaba+Rで確認を>

さて、京都コンソの時間割には昼休みがなく、休み時間は一律20分。
受講者の皆さんは、期間中、限られた時間の中での「エネルギー補給の工夫」の実践にもなりそうです(笑)。

最終日(11日)は大阪ガスさんの施設、ハグミュージアムで、エネルギーの見える化の実習。料理の実習もあります。

エネルギーを色々な視点からじっくり考える4日間。
詳しくは講座終了後にまたご紹介します。
ab

2015.09.07

『百歳の力』

表題の本は、現役の美術家 篠田桃紅さんが書かれた本です。墨で抽象画をかかれています。

表紙の帯にあるように、我慢しない、期待しない、逆らわない、年を考えない、予定を立てない、と柳のような柔軟な受け流し。なかなか、そこまでは達観できません。長年の来し方の中で身につけられたのでしょう。

この本の中で、印象に残ったところを2つほど紹介します。
絵心はありませんが、具象画、抽象画ぐらいの見分けはつきます。そのことを書いていました。
「具象というのは、かたちが決まっているから、見ても想像力をかきたてらえるということは少ない。具象は見てわかる、理解するものだからです。抽象というのは理解するものではなくて、感じるもの。だから、千人いれば千人感じるものがちがう。感じる範囲が非常に広いから、ある人には発明のヒントにもなりうるのでしょう。」
 やはり抽象画をみるには感性がいるのですね。かたちが決まっていないので自由度が高く、想像につながる。先日、東京理科大のある研究センターの建物のロビーには、抽象画が飾っていました。やはり、発想をかき立てるためでしょうか。ちなみに、インテグレーションコアのエレベータホール前には、素晴らしい日本画(具象)があります。皆さんを、ホッとさせてくれます。こちらもご覧ください。

もう一つは仕事についてです。
「生身の人間ですから、おのずと良い日もあればそうでない日もありますよ。だけどいちいちそれをあげつらって、今日はどうの、明日になれば、というのは仕事じゃない。」 「仕事というにはそんな甘いことではない。それをもって社会に立っている以上は、気分がすぐれるとかすぐれないとか、気分で生きちゃいけないんですよ。一切を超えているんですよ。」
背筋が伸びる言葉です。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
京都に104歳のマスターズ選手(100m)がいます。世界記録保持者です。凄い人はいます。スタートラインに立つだけでも凄いです。
【忠】

2015.09.04

衝突現象

この頃ボクシングの研究をしているので、衝突現象についてポイントをまとめようと思い調べ物をしました。手元に何冊か力学の本を持っているのでまずはそれらを読み直し、数式を抜き出してみました。

力学を良く勉強すると、基本的に全ての法則が Newton の運動方程式から導けることが解ります。
F=ma (力=質量×加速度)
を時間で積分すると、力積と運動量の関係が導けます。
更に二つの物体の間に働く力について、作用と反作用は大きさが等しくて向きが逆という関係を用いると運動量保存の法則が導けます。
また、
F=ma
の両辺に物体の速度 v を掛けて時間積分するとエネルギーの保存則が導けます。
衝突現象についても同様な式展開を経て、幾つかのポイントとなる方程式が導かれています。運動量・エネルギーの保存則、重心運動、相対運動、反発係数等が注目するべきポイントです。

他にどんな事に気を付けておけば良いのかな?と思い、衝突現象を専門に扱った書籍が無いか調べて見ましたが、ごく限られた数しか出版されていない様です。写真の書籍はその中の一冊です。中学生~高校生向けのものですが、目を通しておこうと思い購入しました。読んでみると衝突現象を考える時のキーポイントが解りやすい言葉でまとめられており、期待していた以上にためになりました。とはいえ研究に活用するためには全ての記載内容を数式で表現できていなくてはなりませんので、言葉で説明されている事柄を全て数式に書き換える、という作業を2~3日掛けて行いました。結果として衝突現象について原理・原則を整理することが出来、良い勉強になりました。

専門書もあまり出ていない「衝突現象」ですが、実はスポーツ動作においては非常に重要な要素です。ボクシングの他にもサッカー、野球、ランニング、タックルのある競技、、、と挙げて行けばきりの無い程、大多数のスポーツの中で競技パフォーマンスや怪我の発生に直接的な影響を及ぼしていると思います。現在我々の研究室で進行中の実験も幾つかあるので、この分野の今後の発展が楽しみです。