[ international ] の記事一覧

2018.12.23

感謝の気持ちをこめて

先々週に紹介したように、12月上旬からGirard先生(マードック大学、オーストラリア)が研究室に滞在されていたのですが、すべての日程を終え昨日帰国されました。この間、研究員や大学院生11名が研究発表(一人あたり30-40分)行い、個別のデータディスカッションは7回(60-120分/回)、その他にも連日、実験に参加をして頂きました。密度の濃い、あっという間の3週間でした。

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国際的に著名な研究者と共に過ごした時間は、特に大学院生にとって大変貴重な経験になりました。また、自分達が日々行っている研究は「世界」と繋がっていること、英語を話すことで世界(自分の可能性)が大きく広がることを実感してもらえたと思います。英語に関しては、本学では大学院の1回生で英語を必修とし、スポーツ健康科学の研究者として求められる英語の運用能力を担当教員が指導されています。また海外への学会参加を積極的に推奨し他大学の大学院生に比べて英語に接する機会が多いこと、数年前から研究室全体で勉強会などを継続してきたことなどの一連の取り組みの成果の一部が発揮されたように感じます。

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招へい期間の最終日には皆で食事を取った後に大学院生が手作りのアルバムをプレゼントしました。今は多くのことがデジタル化し、メッセージや写真のやり取りもウェブ上で行うことがすっかりと主流となりました。最近の若者世代は、年始の挨拶や感謝の気持ちを伝える際にもLINEで済ませることが多いようです。けれでも、感謝の気持ちを伝えるにはやはり最後は「手作り」です。写真(数百枚の写真の中から厳選)をプリントアウトして綺麗に切り貼りをして、個別に感謝のメッセージを書き込んで・・・連日の実験で忙しい中で大学院生が心のこもったアルバムを準備してくれました。Girard先生も大変喜ばれていました(また同時に驚かれていました)。高価なプレゼントよりも価値のある、手作りのアルバムです。最後に日本人としての「おもてなしの心」を感じていただけたのではないかと思います。日々学生と過ごす中では感性の違いやよくわからない略語に遭遇することも多いのですが(笑)、「最近の若者」も「感謝の気持ち」「お客様をもてなす気持ち」など、我々日本人が昔から大切にしてきたことをしっかりと身につけてくれています。最後に嬉しいことがあり、贅沢な3週間の招へい期間を終えました。

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2018.12.09

贅沢な時間

前回のブログで紹介した通り、今週に入りオーストラリア・マードック大学のGirard先生が学内に滞在され、様々な活動をしています。来日後1週間が経過しましたが、ブログで紹介したいことがあまりに多すぎて困っています(笑)。

今回の招聘期間中、研究室でのミーティング(Lab meeting)を6回予定しているのですが、第1回目ではGirard先生とスポ健のMitsuo先生(前日にバイオメカニス関係の施設案内をお願いしました)に講演をして頂きました。当日は、研究室以外の教員や大学院生も参加し、活発な議論となりました。特に、Girard先生が紹介されたフランスの女性ラグビー選手に対する低酸素環境での高強度トレーニングの動画は衝撃的で、最先端の研究結果がトレーニングの現場に活用されていることに感銘を受けました。

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また、一昨日からは今回の招聘の目的の一つでもある大学院生の研究発表が始まっています。一人あたり30-40分程度の持ち時間で、英語でプレゼンテーションと質疑応答を行います。まず最初は博士課程3回生の大学院生が担当したのですが、博士論文の執筆などで忙しく準備期間が十分に取れない中でもしっかりとした発表+質疑応答でした。質疑応答において、Girard先生からの立て続けの質問に返答する様子は博士論文の口頭試問に近いものがありました。明日からはいよいよ博士課程前期課程の大学院生の発表に移行します。新たに、国内外から共同研究者も参加してくれますので、議論がより一層活発になることを期待しています。

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その他にも研究室で実施している実験に参加してもらい詳細を説明したり、予備実験を一緒に行いその方法論からデータまでディスカッションをしたり、研究者としてとても濃密な時間が流れています。大学院生との個別ミーティングはGirard先生、大学院生、私の3名で行うのですが、Girard先生と大学院生が対面で座り、私は側方から支援します。一人あたり1.5時間程度、これまでのデータや今後の研究内容を説明した上でディスカッションを行います。実験データの解釈に加え、本運動前に行うウォーミングアップにおけるプロトコールの根拠も説明も求められ、大学院生にとって最高の経験(トレーニング)になっています(そして同時に私の勉強になっています)。また嬉しいことに、教育的な配慮も随所に感じられ感謝をしています。明日以降もイベントを多数用意していますので、もうしばらくの間、この贅沢な時間を満喫できそうです。

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さて、金曜日にはライスボールセミナーが開催され、大学院博士課程3回生のChihiroさんが発表を行いました。ライスボールセミナーはスポ健以外の他研究科の教員や学部生、職員も参加が自由で、毎回1人が研究内容などを紹介しています。Chihiroさんは「運動と食欲」に関わる大学院で実施をしてきた研究の一部を紹介したのですが、上手なスライドの構成でした。たとえば、彼女の研究では主観的な空腹感や満腹感を視覚的評価スケール(VAS法)を用いて数値化します。この方法では紙に10cmの横線を引き、空腹感については左端が「お腹がまったく減っていない」右端が「お腹が減っている」と定義し、その時点でのお腹の減り具合に応じて縦線を引き、左端からの距離によって空腹感を数値化します。この分野では国際的に使用されるきわめて一般的な方法ですが、他分野の方にとっては「運動前後で主観的な空腹感を評価した」と言われてもよく理解できません。ChihiroさんはVAS法の手順を実際に使用する記録用紙を用いて説明した上で、データの一部を紹介してくれました。聞き手に応じて説明の方法を柔軟に変えるその姿をみて、「力をつけたなぁ」と感じました。

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明日からの1週間も楽しみです。

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2018.12.02

海外からの研究者の訪問

この度、日本学術振興会からの支援を得て、オーストラリアのマードック大学(Murdoch University)から研究者が約3週間滞在されることになりました。本日の便で来日され、明日からインテグレーションコア内での活動を開始します。

スポーツ科学(トレーニング科学)の領域においては、研究成果を英語論文として発表し、学会の場で英語により研究発表をすることが求められます。特に英語によるディスカッションを行う力は国際的な場で研究活動を進める上で重要となりますが、年に1回、国際学会に参加するのみで十分な力を養うことは難しいというのが実情です。また、学会への参加だけでなく、海外の研究者と一緒に実験を行ったり、じっくりと時間をかけデータディスカッションをすることで国際標準での研究力を大きく伸ばすことが可能となります。確かに「海外留学」は良い手ですが、大学院生全員の海外の研究機関への留学を確約することもできません。いろいろと思案した結果、海外から本学に外国人研究者を招聘したいと考え、幸いにも今回の機会に恵まれました。

今回の招聘の最大の目的は、大学院生の研究内容に対してアドバイスやコメントを頂くということです。来日されるGirard先生とも、この点に関して意見が一致しています。私の研究室では毎週金曜日の午後に勉強会(Lab meeting)を行っているのですが、先生の滞在期間中にはこれを週2日に増やし大学院生全員に1人30分程度の研究計画の発表の機会(Progress report)を設けます。当然すべて英語で実施することになり容易ではありませんが、大学院生にとって素晴らしい機会になるだろうと期待をしています。また、共同での実験や大学院生との個別のミーティングなど、滞在期間中の日々のスケジュールが次々と埋まっていきます。私も大学院生の頃にこういった経験をしてみたかった!今の学生を羨ましく思います(笑)。

ここ最近は、受け入れに向けての細かな準備に奔走する日々でした。滞在期間中の住居、オフィスの確保、学内の諸手続きなど事前に準備すべきことが多く、限られた時間ではありましたが博士研究員や大学院生に助けてもらいながら何とか準備をすることができました。また、明日から一時的に使用する6Fのオフィスも綺麗に掃除をし、受け入れの準備が整いました。これから3週間の大学院生の奮闘ぶり(成長)は、別の機会に改めて紹介できればと思います。
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2018.11.23

デリケートな話

こんばんは、いつも遅めの更新、嶋村です。今日は書くことが(いつものように)ないので、留学して良かったことを一つ書きたいと思います。


僕は前にも書いたようにアメリカの大学院に行きました。そこで色々な国の人と出会い、友達もできました。僕と同時にコネチカット大学の言語学科に入ったのは僕を含めて5人で、僕を除く他の人の国籍はアメリカ人、セルビア人、中国人、そして韓国人でした(今日の写真、ピンぼけですが真ん中が僕です。。。)。みんな仲良く一緒に勉強したりご飯に行ったりしました。特に僕は中国人のジャン君と仲が良く短い期間ですがルームメイトにもなってもらいました。一緒にご飯を作って、学科の友達を招いてちょっとしたパーティを開いたりしたこともあります。僕が日本に帰るときには学科の友達がみんなでお別れ会をしてくれてとても楽しかった思い出があります。


さて、先日フランスで第一次世界大戦の終戦後 100 年を記念した式典がありました。そこでフランスのマクロン大統領は、近年世界中で見られるナショナリズム・国家主義の台頭に警鐘を鳴らしました。「自国の利益を優先してばかりいると、その国で最も大切な倫理的価値観が損なわれる」というのです。彼は「古い悪魔が目覚めつつある」とし、世界に多国間主義に立ち返ることを訴えたのです。日本ではどうでしょうか。日本でもいわゆるヘイトスピーチがあるということがニュースなどでしばしば報告されています。うちの大学でも結構好きな人がいる韓国の某歌手グループのメンバーが日本の歴史上重要な出来事を揶揄するような T シャツを着たというニュースがあり、波紋を広げているようです。現在の日本も第2次安倍政権になって以来、憲法の改正の議論を含めナショナリズムの色彩が強くなってきている気がします。


僕はこういう流れを評価する立場にないので、ナショナリズムの台頭がどういったことになるかはよくわかりませんが、自分の生活レベルに落として考えてみると京都という土地柄、外国からの観光客は多いし、まあマナーの悪い人もいますが、外国人に対して排他的な気分にはならないし、韓国人や中国人を含め色々な国の友達がいて今でもたまに会ったりするので、いわゆる「ネット右翼」的な思想には絶対になりません。もちろん領土や歴史の解釈に関する問題があるのは知っていますが、友達に会えばそんなこと気にならないし、先述のジャン君はあえてネタにしてブラックジョークにしていました。もちろんそれは人によるし、彼はアメリカに来る前はイギリスにいたので、国際感覚が優れているのかも知れません。


ただ言えるのは、外国に住んだ経験があったからあるいは外国の人と交流する機会に恵まれていたからこそこういう思想になったのかなとも思います。どうして今日はこんな話を書いているかというと、先日一人で居酒屋さんに行きました。そこにたまたまタイ人と台湾人の方がいて、ちょっとお話しすることになりました。二人とも日本語を学びに来ているということでしたが、英語が流暢だったので英語で話しました。それで、台湾の方とちょっと日本と台湾の歴史の話なって、僕が台湾に行った時の経験談をしたわけです。まあ、すごく狭い店だったんですが、店主がなんとなく僕らの話していることがわかったらしく「何も知らないのにそんなこと話すべきではない」と僕に言いました。「え~」って僕はなったわけですが、まあそこは「あはは」と適当なことを言ってやり過ごしたんですが、アメリカ時代はこういう話も友達と普通にしてたので、ちょっとびっくりしました。まあ居酒屋の店主の前提として僕が知らないままに適当なことを話しているみたいなことがあったみたいですが、まあ僕もこれまで生きてきてなんとなく知っているしアメリカに住んでいた時に色々聞いたし、思うところもあるわけですが、ここは日本だし京都だし(笑)波風立てないように帰ってきました。ただ単に狭い店で英語を話すなということかも知れません(笑)。でも、そういうことに関して議論するのっていい経験になるし、実際外国から来た人がどう思っているのかを知るのは大事だと思うんですよね。それで勉強にもなるし。。。「そういうことを話すには、きっちり勉強してから」とかいう感覚が大事なことを見えなくしているのではないかと思ってしまいました。もちろん専門家として話すには勉強しないとダメですけどね。けど、コミュニーケーションをとって分かり合えるように模索するとい行為は大事だし、お互い教え合いながら交流が広がっていけば、極端なナショナリズムやグローバリズムに対してもうちょっと冷静でいられるんじゃないですかね。まあ僕は日本も好きですけど、外国のことがどうでもいいなんて思いません。要は中庸を見いだすことが大事で、今の世界は(トランプ政権とか)色々極端に見えます。


という割とデリケートな話でした。ではでは。

2018.10.13

スポーツツーリズム×Vissel神戸

Vissel神戸の試合観戦に行ってきました。


ご一緒したのは、ケルン体育大学のDr.Uと
彼の研究室に在籍する博士課程のAくんとです。
彼らはこの一か月間、ケルン体育大学の提携先である日本の大学に滞在され、
Dr.Uは院生に対するスポンサーシップの授業を行い、
院生のA君は、研究を行っています。

彼らが来日した理由は、大学のカリキュラムのためですが、
先週末神戸にやってきた理由は、Vissel神戸の試合観戦です。
ケルン体育大学は、ブンデスリーガのサッカークラブ、
あの「ハンパない」選手も在籍していた
FCケルンのホームスタジアムに隣接しています。
Dr.UとA君はFCケルンで活躍していた
ポドルスキ選手を目当てに神戸にやってきました。
彼らが来日する前からメールで、日程を調整し、
今回もまたVissel神戸の方々に大変お世話になりました。

19時キックオフの試合に対し、彼らは朝早くから神戸に入り
中華街や布引ハーブ園にも足を運びました。
しかしながら、彼らが神戸を訪れたのは「スポーツ観戦」のためです。
このようなスポーツ観戦を主たるの目的とした旅行は
「スポーツツーリズム」と呼ばれ、
旅人である彼らは「スポーツツーリスト」と呼ばれます。

今回の事例がぴったり当てはまるように、神戸市にとっては、
サッカーがきっかけで「観光客」が増えているわけです。
ですので、スポーツツーリズムは、「スポーツによって人が動く」、
「スポーツによる地域振興」といった点で
スポーツマーケティング領域において最も関心の高い分野の一つです。

スポーツ観戦だけではありません。
ホノルルマラソンに参加すること、
オリンピック・パラリンピックのボランティアとして東京に行くこと、
ラグビーチームが合宿のために、菅平にいくこと、
沖縄でプロ野球のキャンプをすること、
これらはすべて、「スポーツによって人が動くこと」であり、
「スポーツによる地域振興」への貢献が期待できます。
このような事象を捉え人々の心や行動、社会や経済に及ぼす影響の検討は
スポーツツーリズムの研究として捉えることができます。


来年よりメガスポーツイベントを控え、国内でのスポーツツーリズムに関する研究は
「旬」となっており、院生の学位論文のテーマとしても増えてきました。
日本で開催されるスポーツイベントに関わるスポーツツーリズムの研究は
ここ数年で多く発表されることでしょう。


最後に、話題になっているあの人の選手の写真も貼っておきます。


写真は
撮影:ゆ&ケルン体育大学のA君

写真の無断転載はご遠慮ください。


#Vissel神戸
#ホームチームを初観戦
#サポーターが予想以上に熱かった

2018.09.23

海外で活躍するスポ健1期生

今日のブログはスポ健1期生(2013年度卒業)のTomokoさんに関わるトピックです。彼女はスポ健在籍時は仁先生のゼミに所属し、スポーツマネジメントを専攻していました。卒業後に就職をしたのですが、昨年からは青年海外協力隊(JICA)のメンバーとして中南米のコスタリカに滞在しています(在職での参加で任期は2年間です)。現地では、特に高齢者に対する運動や食事指導を中心に活動をしています。

コスタリカでの活躍ぶりはブログやスポ健の授業の中でも紹介されていますが、今回、現地でスペイン語を勉強し試験にも合格したという嬉しい報告です(Webでもその頑張りが紹介されています)。

http://www.spani-simo.com/blog/archives/4375
http://www.spani-simo.com/blog/archives/4387

スポーツ健康科学部では、「スポーツ健康科学の教育研究を通じて、グローバルな視野とリーダーシップを備え、スポーツ健康科学分野への理解を持ちつつ、社会の発展に貢献する人間を育成する」という人材育成目的に沿ってカリキュラムを構成しています。入学から卒業まで正課や課外の活動を通して、学生は着実に実力をつけていきます。在学中には、学びの成果を定期試験やスポーツ健康科学検定、卒業論文などを通して確認していきます。一方で、学部4年間の教育の真の成果は、卒業後に明確となります。社会人として次のステージに進んだ後に、卒業生が自らの未来を切り拓き輝いてくれることによって学部で行った人材育成の効果が証明されます。

Tomokoさんのように、学部での学びを土台として海外でたくましく活躍している様子を聞くと本当に嬉しくなります(他にも多数の卒業生が海外で奮闘しています)。Tomokoさんのように、未来を切り拓く強い志と行動力、そしてその裏付けとなる確かな知識と専門性をもった学生を育てたいと改めて感じました。

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2018.09.17

ISBS2018@Auckland

先週、紹介しましたように、学会続きの最後の学会が、
Internal Society of Biomechanics in Sports (ISBS) でした。

ニュージーランドの北島にあるオークランドで、9/11-15の期間、開催されました。

    

この学会の特長は、「スポーツ」に特化したバイオメカニクスにあります。ですので、演題のほとんどが、スポーツに関わる研究内容でした。そのため、パフォーマンス向上に関わるものが多く見られました。

    

同時にバイオメカニクス研究に必要な機器開発、システムについても紹介、展示されていて、これからのアプローチを考える上でも多くの情報を得ることができました。

今回の参加者の中で、日本からの参加者がかなり多くありました。その中でも立命館大学の院生、先生方を含めた発表は、立命チームの存在感を大いに示すものでした。

    

学会発表、シンポ、キーノート以外にも、ミレニアムスポーツセンター(日本のJISSのような施設)の見学とそこでの研究内容のワークショップがあったり、マオリ文化を学ぶセッション(NZ代表が試合前に踊る“ハカ”や歌、伝統料理)もあり、盛りだくさんの内容でした。

この学会は、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアの3大陸を順繰りに、開催地を回っています。来年は、アメリカのオハイオ州での開催です。

*写真は、小生のFBにあげたものです。FBには他の写真もありますので良かったらみてください。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
少し秋めいて来たようですね。寝やすくなり、夏の疲れを癒す時期にもなります。体調にはくれぐれもご注意下さい。【忠】

2018.09.16

大学院生の世界大会への出場

前回のブログは学会期間中の更新となり、福井県で開催された学会大会(日本体力医学会)に関して紹介をしました。ちなみに、この学会では研究室の大学院生は1名(Yくん)を除き全員が発表を行いました。さて、Yくんは何をしていたか・・・と言いますと、学会期間中にポルトガルで開催されたカヌーマラソン世界選手権(2018 ICF canoe marathon world championships)に日本代表として出場していました。

Yくんは現在、大学院の博士課程前期課程の1回生です。学部在籍時から本学体育会カヌー部に所属し、大学院に進学後も競技を続けています。今回、国内大会での戦績が評価され、日本代表としての選出に至りました。

大学院生の生活はイメージすることが難しいかもしれませんが、授業や日々の研究活動があり実は(?)非常に忙しいのです。Yくんについても自身の研究(低酸素環境でのスプリントトレーニングの効果に関する研究)に加え、研究室内で行われる他の研究にも積極的に参加しています。授業のない期間であっても午前中は連日実験があり、午後はデータの解析、投稿論文の執筆や勉強会、学会での発表準備も行います。指導教員の立場からすると、「いつ練習をしているのだろう?」と不思議に感じることもあります。実際には早朝や午後の隙間時間を使って「川(瀬田川)に行ってきます!」と言い残し、短時間で集中して練習を行っています。1日24時間を上手にタイムマネジメントする能力に優れており、学部在籍時にも成績優秀者が対象となる「西園寺記念奨学金」を授与されています。

競技と研究活動との両立は容易ではありませんが、彼ならば実現できるのではないかと思いその奮闘ぶりを見守っています。そして今度は研究活動の方での「日本代表」クラスの活躍を楽しみにしています!

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2018.09.12

ボート競技、第45回インカレ!!

こんにちは。


すっかり秋らしくなり、蜻蛉が空を気持ちよさそうに舞う姿を
見かけるようになりました。
しかし、秋学期が開講するまでにしなければならない仕事が
残っており、ちょっと焦りを感じています。


さて、先週、ボート競技の第45回全国大学選手権大会(インカレ)
が埼玉県の戸田オリンピックボートコースで行われました。


現在、ボート競技の全国規模の大会は、1964年の東京オリンピックで
使用された、このボートコースで行われます。


立命館大学ボート部からはこの大会に男女5クルーがエントリーし、
そのうち4クルーが最終日、9日の決勝に駒を進めました。


なかでも、女子の活躍は目覚ましく、女子ペアが準優勝、女子
舵手付きフォアが優勝を飾りました。





この女子舵手付きフォアは、16年ぶりにインカレに復活採用された
種目で、どの大学も力を入れてきた種目です。


女子ペアは先頭を走るクルーによく喰らいつき、女子舵手付きフォアは
序盤からのリードを最後まで守り抜きました。
本当によく頑張りました。





この準優勝、優勝メンバーに、スポーツ健康科学部の学生たちが
います。


女子ペアの福原ほのいさんは1回生。
大学生になって初めての成績発表の結果も順調で、積極的に今後、
深く学ぶ方向性を模索中です。


女子舵手付きフォアには、スポーツ健康科学部の学生が3人。
舵手の佐藤みずきさんは4回生、山浦ゼミで組織心理学を学んでいます。
舵手として、クルーをまとめ、勝利に導く重要な役割を果たすうえで
ゼミで学んだことが大きく生きています。


クルーの佐野ゆりなさんは海老ゼミでスポーツ栄養学を学ぶ4回生。
セミで学ぶ栄養の知識は、アスリートとしてのコンディション作りに
大いに役立っています。


そして、高野晃帆さんは3回生。
先のアジア大会の日本代表で、女子ペアで4位入賞を果たしました。
彼女は、学部でのスポーツ科学の学びを日々の活動に生かしています。
また、世界の舞台で学んださまざまなことを部に還元してみんなを
引っ張っています。


このように、スポーツ健康科学部での学びは、単なる机上の学び
ではなく、課外活動をはじめ、学生生活のさまざまなシーンで
生きています。


また、スポーツ健康科学部での学生生活は、大学を出た社会とも
つながりを持っています。


みなさんも、彼女たちのように、スポーツ健康科学部でのスケールの
大きな学びを通じた有意義な学生生活を送りませんか。


Apollo

2018.09.01

GAICS基調講演

前回のブログでご紹介したように、
先週は、国際学会GlobalAcademic-Industrial Cooperation Society(GAICS)が
東京で開催されていました。
GAICSは、教育系、ビジネス系、エンジニア系、
フィットネス・エクササイズ系の国際学会のほかに
私が国際委員を務める
International Conference on Hospitality,Tourism,and Sports Management(HTSM)が名を連ね、
これら5つの学会が一度に開催される学会大会です。
そのため参加者はアジア諸国を中心に300人近くになります。
今回の学会大会は、準備期間から、
GAICSの理事会の複数のご依頼に適宜対応させていただいたことで、
学会大会のパンフレットをはじめ会場のあちらこちらに
立命館大学のロゴを掲載してくださいました。



私へのご依頼の一つは、基調講演の登壇者のご相談でした。
GAICSは前述したように複数の領域をカバーする学会です。
ですので、各領域の研究者が興味がある必要があり、
さらに、今回、GAICSの理事会は、
AI、ビッグデータなど、複数のキーワードに対応できる
日本のトップ企業の方を招きたいいうご意向をお持ちでした。

そこで、楽天株式会社の執行役員で
グロールバデータ統括部のディレクターである
北川拓也博士(Dr.Kitagawa)にご登壇をいただくことになりました。

Dr.Kitagawaは灘高校から、現役でハーバード大学に進学、
同大学院で理論物理学の博士号を取得されました。
その後、27歳で楽天株式会社の最年少の執行役員に就任され、
複数のメディアにも取り上げられていらっしゃいます。
そして国際誌にアクセプトされた論文は20本近くと
顕著な実績を持つ研究者でもいらっしゃいます。
Dr.Kitagawaのアカデミックキャリはもちろんのこと、
非常にわかりやすく、また親しみやすい発表スタイルに
聴講者の皆さんは魅了されていました。
紹介者として私までが数多くのお褒めの言葉を頂戴した次第です。





もともとDr.Kitagawaと面識があったのではなく、
ご紹介くださったのは、楽天野球団のKさんと、
楽天株式会社から楽天野球団とVissel神戸に出向されているSさん、
現場で輝く二人の女性です。
HTSMの学会長からGAICSの基調講演の相談を受けた時には、
正直困った、と思いました。
そこで、いつも親しくしていただいている楽天野球団のKさんにご相談し、
Sさんとともに私を助けてくださいました。

スポーツの現場は、勝敗、天候など、
予期できない様々な要因に左右されますので、
日々の業務は不規則な上に、スピードや判断力が求められます。
そのような中でも、お二人はいつもいつも迅速なだけでははなく、
直接的にも間接的にもとても心のこもった対応をしてくださいます。
今回もまったく通常の業務に関係ないにもかかわらず、
あっという間に素晴らしい状況を作ってくださいました。

国際学会を無事に終え、
現場で輝く二人の女性とDr.Kitagawa、
そして楽天野球団さんとお仕事ができた経験などなど
「スポーツ」が私の人生を豊かにしてくれていることに
改めて感謝の気持ちでいっぱいになる一週間でした。


写真は学会場とDr.Kitagawaの基調講演の様子
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。

#学会参加者に"Ritsumeikan"の発音を何度も聞かれました
#口頭発表の他、座長も務めて参りました
#次の発表は11月
#仙台に行きくなってきた
#Vissel神戸の応援にも