[ research ] の記事一覧

2018.09.10

学会続き

この間、台風21号、北海道地震など、生活に大きな影響を与える自然災害が発生しています。心よりお見舞い申し上げます。

皆様、ならびに関係者におかれましては、無事であることを祈念申し上げます。

表題に書きましたように、秋のこの時期は、学術学会が各分野、各地で開催されています。今年は、学会の当たり年で、
9/4-6 日本バイオメカニクス学会 @日本体育大学・世田谷キャンパス
9/7-9 日本体力医学会 @福井駅前の施設
9/10-14 ISBS (International Society of Biomechanics in Sports) @Auckland, New Zealand,

この3つの学会に続けて参加することになっています。もちろん、この間にも、方々からメールによる問い合わせ、大学の会議もありました。ネット会議ができるので、便利なようで、不便なような・・・・。

いずれにしても、秋の学会を楽しんでいます。

昨日までの、バイオメカニクス学会、体力医学会で、本学部ならびに研究科の学生さんの活躍が目立っていて嬉しく見ておりました。詳しくは、昨日のGOTO先生が記載されています。

    

写真は、体力医学会2日目にスポーツ健康科学部関係者(学生、院生、先生、OBOGなど)が圧また、「Next-R」のときの集合写真です。早いもので7回目のようです。いつも幹事をしてくれるMoto先生が、いつもバッチリな店の予約もしてくれています。

この間、35-40名は集まるようになってきています。次代をになう、Next-Rを育てていきましょう。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
 今日からオークランド(ニュージーランド)です。南半球のため最高気温は12-13度です。参加者のみなさん、体調には注意してください。
【忠】

2018.09.09

第73回日本体力医学会

9/7(金)から本日まで福井県において第73回日本体力医学会の学会大会が開催されています。体力医学会はスポーツ医科学関連の国内学会では最大級であり、3日間を通して多数の発表(教育講演、シンポジウム、口頭発表、ポスター発表など)が行われています。



今回もスポ健からは多数の教員、研究員、大学院生と若干名の学部生が参加しています。学会期間中は複数の会場で発表が同時進行するのですが、スポ健勢の発表が同一時間帯で重複することも珍しくない状態です。発表を見落とさないように、プログラムを事前にチェックをしてその日の行動計画を十分に練るようにしています。

参加者には、今回が初めての学会発表となる学生も含まれます。口頭発表の会場において発表を聞いていても会場全体に緊張感が伝わってきます。ただし、登壇できるのは発表者のみ、会場からの質問に対しても自分の力で簡潔に回答しなければなりません。発表開始直前、会場の周辺で資料を見ながら最後の確認する姿や目をつぶって気持ちを落ち着けようとする姿を目にすると、「練習の成果を発揮できますように」「上手くいきますように」と自然に応援したくなります。学生に対しては、「十分に練習をしなさい。納得できる準備をした上でスタートラインに立ちなさい。そうすれば、本番で100%の力を発揮できなくても多くのことを得られる」と普段から指導しています。学会という舞台で発表の経験を繰り返していくことで、研究者として必要な「自分の研究内容や考えを他者に伝える(共有する)力」が養われていくものです。また、この力は必ずしも研究者においてのみ必要となるわけではなく、卒業(修了)後に社会人として活躍していく中でもきわめて重要となります。

それでは大会最終日に参加をしてきます(本日も9時からスポ健勢の口頭発表が予定されています)。






GOTO

2018.09.08

ジェロントロジー×スポーツ

研究の相談があり、恩師を尋ねてきました。
この研究室は、ジェロントロジー(=加齢発達学)に基づき、
成人、中高年を対象としたマスターズスポーツの研究とプロモーションによって
理論と実践を体系化を進めている研究室です。

私が研究生として在籍していた一年間に、
ラグビー元日本代表のK選手がラグビー競技を対象に
マスターズ競技への可能性を研究していました。
彼が日本代表時代、私もラグビー関係の仕事に携わっており、
大学の研究室で再会することにお互い驚きました。
現在K選手は、ある大学で、K先生、そしてK監督になっています。

この研究室は、マスターズ甲子園の大会事務局でもあります。
金足農業高校の活躍に沸いた全国高等学校野球選手権大会(甲子園大会)は
今夏、100回大会を迎えました。
2007年に出版された「ジェロントロジースポーツ」によると、
全国には約200万人の元高校球児がいて、
毎年約5万人が甲子園の土を踏むことが無いそうです。
仮に、甲子園に出場しても、ベンチ入りできる人数は限られていますから、
甲子園大会でプレイできるの高校生は、毎年わずかな人数ということになるでしょう。
高校時代に追いかけた憧れを手にするための舞台を創り出し、
人、地域、社会、未来を育て発展させるのが、マスターズ甲子園です。





私も何回かマスターズ甲子園の大会中に足を運んでいますが、
最初は驚きの連続でした。
試合に加え、開会式、プラカード、吹奏楽と甲子園大会の再現率は高く、
元高校球児が、家族という大切な人とグラウンドで
キャッチボールができるプログラムも用意されています。




甲子園の舞台で、マスターズの世代を輝かせるのは、現役学生の力です。
マスターズ甲子園は、数多くの学生ボランティアの力で運営されています。
興味のある方は、マスターズ甲子園のホームページをご覧ください。
マスターズ甲子園ホームページ http://www.masterskoshien.com/





写真はマスターズ甲子園のパンフレットとポスター、そして大学からの景色
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。

#今年のマスターズ甲子園は11月10日、11日
#学生ボランティアの延べ人数は1万人
#最近は元プロ野球選手も参加し始めています。

2018.09.05

スポーツビジネス新規事業創造ハッカソン!!

こんにちは。


先週、大阪・梅田のグランフロントで、スポーツビジネスジャパン2018が開催され、
その企画の一つとして開催された「スポーツビジネス新規事業創造ハッカソン」。


オリックスバッファローズとコラボして、大阪を元気にする!!


木金、二日間に及ぶイベントで、一日め、最初に兵庫県立大学の川上昌直教授のマーケティングに
ついての、様々なタイプごとの実例を交えた、とてもわかりやすい講義の後、二日め、15時からの
チームごとのプレゼンテーションまで、チームでディスカッション、資料・情報取集、作業。


一日めの夜は、オリックスバッファローズの京セラドーム大阪でのゲームを直に観戦し、オリックス
バッファローズのゲームデーという商品を消費し、その魅力を体感しました。


関西を中心にいろんな大学から多くの大学生が参加し、ゼミ単位で参加しているチームもあります。


立命館大学スポーツ健康科学部からも我がゼミ生、草野正輝君と新進気鋭の1回生、「種子田塾」の
塾生、沼田舞樹君、ヤル気の2名が参加!!



沼田君の1班が敢闘賞。
そして、草野君の2班が最優秀賞を獲得しました!!


ハズレなしではありません。
全部で13班あるんですよ。
よく頑張りました!!





ビジネスプランを描く時、いつも彼らに話しているのは、決して思い付きのアイデアで終わらせないこと。
マーケティングをはじめ、経営学の知識を踏まえて、まず、主体を取り巻く環境を知る。主体の持つ
強みを知る。先行事例に学ぶ。そして、何ができるかを考える。
常に実現することを前提に考えること。


最優秀賞を獲得した草野君の2班は、11日、スポーツで大阪を元気にすることを目指した大阪商工会議所の
ビジネスマッチング事業、「スポーツハブKANSAI」で参加企業に対して、プランの実現のためのプレゼン
テーションを行います。
これは凄いことですよ!!
関心を持つ企業が実現のパートナーとして手を挙げてくださることを期待しています。


スポーツ健康科学部の学生たちは、日ごろの学びの成果をこのような形で生かし、また他大学の学生たち
とも交流しています。


私は会場で、日本独立リーグ機構事務局長の坂口さん、滋賀レイクスターズの西村さん、パシフィックリーグ
マーケティングの森田さん、そして、このハッカソンを事務局として支えてくださったSESの鈴木さんにも
お会いできて、とても有意義な時間を過ごせました。


生き生き伸び伸びした発想に溢れる学生たちのプレゼンテーションを聴くことができて、とても楽しい
一日でした。


Apollo

2018.09.03

JISS訪問2

今回ご紹介するのは、
パラ水泳のレジェンド、河合純一さんです。
JISSのとなりにある、ナショナルトレーニングセンター(NTC)のオフィースにおられました。

HPなどでみると、日本人唯一のパラリンピックの殿堂入りをされた方です。
現在は、日本パラリンピアンズ協会会長です。

        
   
河合さんは、全盲のスイマーとして、1992年のバルセロナ・パラリンピックから、2012年のロンドン・パラリンピックまで、6大会に出場、金メダル5個を含めて21個のメダルを獲得されています。

選手としての活躍も素晴らしいのですが、いくつもの連盟、協会の長としても活躍されています。

今回お会いして感じたのは、非常に明るく、快活で、寛容に受け入れるという懐の深さです。

素敵な人に会えると元気になります。今回も元気の源を頂きました。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
 明日から、日本バイオメカニクス学会が、日本体育大学で開催されます。プログラムをみると、大学別の発表件数の一位は、立命館大学となっていました。件数だけでなく、質の高さも本大会で示してくれるでしょう。
【忠】

2018.09.02

学会に向けての準備

授業のない夏休み期間に入り約1ヶ月が経ちました。「夏休み期間、教員は何をしているのか?」と質問されることもあるのですが、毎日普通に仕事をしています(笑)。ただし、8, 9月は学会に参加をしたり研究に費やす時間を増やしたり、授業期間中とは若干異なる時間の使い方をしています。

さて、学会といえば、8/24〜26にかけて第69回日本体育学会が開催されました(台風の影響が懸念されましたが、予定通り開催されました)。また、9/7〜9にかけては第73回日本体力医学会大会が開催されます。体力医学会はスポーツ医科学分野の学会として国内最大規模であり、今回私の研究室からは博士研究員1名、大学院生9名が発表をします。学会での発表に向けてはまずスライドやポスターを作成し、その後は発表(規定の時間でのプレゼンテーション)や質疑応答の練習を繰り返します。学会という大舞台で日頃の鍛錬の成果を存分に発揮して自信をもって欲しい・・・そのために細部まで気を配りながら準備を行っています。ただし、大学院生であっても博士課程後期課程ともなると国内外での学会発表の経験も豊富です。大崩れする心配もなく、安心して見ていられます(上手いなぁと感心しながら発表練習を聞いています)。



さて、夏休み中のブログのトピックは大学院生が多いのですが、卒論に取り組む4回生にもスイッチが入り(待っていました!)、連日実験を行っています。写真はクロスカントリースキー選手用のエルゴメータを用いたスプリント運動(1セット20秒間の全力運動を短時間の休息挟んで複数回繰り返すきついトレーニング)の様子です。一般に、トレーニング科学分野の研究では自転車ペダリングやトレッドミルでのランニングなど下肢筋群を用いることが多いのですが、4回生のUくんの研究ではスキーエルゴを用いた上肢のスプリント運動を取り入れています。ちなみにこの日、被験者役を引き受けてくれたのはボート部のTくん、早朝からのボート部の練習を済ませた上で今回の実験にも協力をしてくれました。研究結果を楽しみにしています。


次回のブログ担当は学会期間中ですので、学会の様子を現地からレポートできればと考えています。

GOTO

2018.09.01

GAICS基調講演

前回のブログでご紹介したように、
先週は、国際学会GlobalAcademic-Industrial Cooperation Society(GAICS)が
東京で開催されていました。
GAICSは、教育系、ビジネス系、エンジニア系、
フィットネス・エクササイズ系の国際学会のほかに
私が国際委員を務める
International Conference on Hospitality,Tourism,and Sports Management(HTSM)が名を連ね、
これら5つの学会が一度に開催される学会大会です。
そのため参加者はアジア諸国を中心に300人近くになります。
今回の学会大会は、準備期間から、
GAICSの理事会の複数のご依頼に適宜対応させていただいたことで、
学会大会のパンフレットをはじめ会場のあちらこちらに
立命館大学のロゴを掲載してくださいました。



私へのご依頼の一つは、基調講演の登壇者のご相談でした。
GAICSは前述したように複数の領域をカバーする学会です。
ですので、各領域の研究者が興味がある必要があり、
さらに、今回、GAICSの理事会は、
AI、ビッグデータなど、複数のキーワードに対応できる
日本のトップ企業の方を招きたいいうご意向をお持ちでした。

そこで、楽天株式会社の執行役員で
グロールバデータ統括部のディレクターである
北川拓也博士(Dr.Kitagawa)にご登壇をいただくことになりました。

Dr.Kitagawaは灘高校から、現役でハーバード大学に進学、
同大学院で理論物理学の博士号を取得されました。
その後、27歳で楽天株式会社の最年少の執行役員に就任され、
複数のメディアにも取り上げられていらっしゃいます。
そして国際誌にアクセプトされた論文は20本近くと
顕著な実績を持つ研究者でもいらっしゃいます。
Dr.Kitagawaのアカデミックキャリはもちろんのこと、
非常にわかりやすく、また親しみやすい発表スタイルに
聴講者の皆さんは魅了されていました。
紹介者として私までが数多くのお褒めの言葉を頂戴した次第です。





もともとDr.Kitagawaと面識があったのではなく、
ご紹介くださったのは、楽天野球団のKさんと、
楽天株式会社から楽天野球団とVissel神戸に出向されているSさん、
現場で輝く二人の女性です。
HTSMの学会長からGAICSの基調講演の相談を受けた時には、
正直困った、と思いました。
そこで、いつも親しくしていただいている楽天野球団のKさんにご相談し、
Sさんとともに私を助けてくださいました。

スポーツの現場は、勝敗、天候など、
予期できない様々な要因に左右されますので、
日々の業務は不規則な上に、スピードや判断力が求められます。
そのような中でも、お二人はいつもいつも迅速なだけでははなく、
直接的にも間接的にもとても心のこもった対応をしてくださいます。
今回もまったく通常の業務に関係ないにもかかわらず、
あっという間に素晴らしい状況を作ってくださいました。

国際学会を無事に終え、
現場で輝く二人の女性とDr.Kitagawa、
そして楽天野球団さんとお仕事ができた経験などなど
「スポーツ」が私の人生を豊かにしてくれていることに
改めて感謝の気持ちでいっぱいになる一週間でした。


写真は学会場とDr.Kitagawaの基調講演の様子
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。

#学会参加者に"Ritsumeikan"の発音を何度も聞かれました
#口頭発表の他、座長も務めて参りました
#次の発表は11月
#仙台に行きくなってきた
#Vissel神戸の応援にも

2018.08.30

今更ですが・・・


こんにちはshinoです。

今週末から9月になるというのに、まだかなり暑いですね。
まだしばらく暑い日が続くようなので、体調管理に気をつけて下さい。




本日は熱中症について少し話をしようと思います。

もう9月になるので今更という気もしますが、
総務省の報告によると、6月から9月に多く、9月でもそれなりに発生しています。

当たり前ですが、外気温が31度を超えると発生率はかなり上がります。
が、発生する場所は、室内が意外と多いです。
高齢の方や、子どもに多いのは、皆さんご存じだとは思いますが、
皆さんの年齢でも室内での作業や運動中に発生しています。

私は週1回病院で勤務していますが、いまだに毎週、熱中症の患者さんが病院に搬送されてきています。
搬送される方は高齢の人が多いですが、外来には若い方も熱中症のために受診に来ています。

一般的に、熱中症の症状は、

 めまい、立ちくらみ、顔のほてり
 筋肉痛や筋肉のけいれん、足がつるなど
 体がだるい(体がぐったりし、力が入りにくい状態)
 吐き気、頭が重い、頭痛
 異常に汗をかく、あるいは、暑いのに汗が出ない
 体温が高く、体が赤い
 意識がボーッとしている
 フラフラしてまっすぐ歩けない
 自分で動けない、水分補給ができない

などがあります。

万が一、上記のような症状が起こった場合、
水分、塩分補給を行い、
風通しの良い、涼しい場所でしばらくやすんでいると、
ほとんどが回復してきますが、

一番怖いのは、重症になると、
改善に努めても回復しないどころか、
進行してしまうということです。

なので、少し休んでも回復して来ないような場合は、
早めに医療機関(救急病院など)を受診するようにして下さい。

特に、意識がもうろうとする
   汗が出ない
   異常に体温が高い
   水分、塩分を自分で摂取できない

などは要注意です。

これからも暑い日が続くと思いますが、
無理せず、熱中症に気をつけて、乗り切って下さい。

2018.08.27

JISS訪問1

みなさん台風は如何だったでしょうか?
被害に遭われていないことを願っています。

この間、国立スポーツ科学センターに訪問することが多くなっています。
研究の打ち合わせが主な用務です。その打ち合わせも多岐にわたってきています。

今回は、トップアスリートと指導スタッフにインタビューをさせてもらいました。

写真は、アテネから3回連続パラリンピック(水泳)に出場している、江島大祐選手です。

  

江島選手は、立命館大学産業社会学部出身で、学生時代に2004年アテネパラリンピックに出場して、銀メダル獲得しています。私の後輩でもあり、校友でもあり、ついつい嬉しくなり写真を撮らせてもらいました。

HPなどでも江島選手のことは、多く掲載されていますので、是非ご覧下さい。

プロフィールを少し紹介すると、京都出身で、12歳のときに脳梗塞で倒れ、左半身に麻痺が残りましたが、もともと行っていた水泳に再度取り組み、アテネパラリンピックに出場して、銀メダルを獲得。2006年にはワールドカップ50メートル背泳ぎで世界記録を樹立。2008年北京パラリンピック、、2012年ロンドンパラリンピックでも連続入賞。若手育成・強化のための合同合宿「エジパラ」を開催し、後進の育成にも力を入れている。株式会社シグマクシス所属。
となっています。

練習も拝見しましたが、水中トレーニングの内容は、健常者のものと変わりません。インタビュー記事で述べておられますが、「世界をみてきた者として、徹底したトレーニングでなければ通用しない」とストイックにトレーニングに取り組んでました。そして、自分だけでなく、後進の強化のためにエジパラを開催しているところも素晴らしいところです。少しお話しさせてもらいましたが、アスリートとしてだけでなく、社会人、ビジネスマンとしても素晴らしい人物でした。
 コーチとのやり取りの中で、「立命館大学は良い大学ですよ!」とさりげなく語られたところは、嬉しい限りです。
 東京パラリンピックの活躍に、我々のプロジェクトが少しでも貢献できるように、とより強く感じました。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
   
 JISS訪問の折の富士山です。スッキリはれた見事な富士山をみられました。
【忠】

2018.08.21

ことばの難しさ

「障がい」「多様性」「個性」を「理解する」「認める」という
施策の文言やスローガンを見聞きすることがさらに増えています。
最近では大学の理念にも、これらが掲げられるようになりました。
見聞きする機会が増えれば増えるほど、妙な違和感ばかりを覚える
ようになっています。

そこで、「障がい」「多様性」「個性」を「理解する」「認める」
とはどういうことか、その先に「共生」「共生社会」があるのか、
それは、どういう形で感じられ、どうなれば達成とされるのか、
という問いを立て、人びとの誤解や勘違い、消費されていくことば
と内実の異なりについて論を進めています。

が、入り口で、迷路に入ってしまい、グルグルと同じところを巡って
いるようで、なかなか抜け出られません。

「知る」には、「理解する」が含まれる。
「認める」には、「知覚する」が含まれる。
「わかる」にも、「認識する」にも、「理解する」が含まれる。
「認知」には、「認める」が含まれる。

ことばは、互いが互いを補完し合い、同じ意味にもとれる場合もある。
しかし、異なる意味をもつから、異なることばとして存在している。
今のようにことばが整理され、辞書が作られる以前は、地方により、
身分階級により、おなじことを意味する異なることばが使われていたが、
整理され続けてきた現代のことばには、まったく同じ意味やニュアンス
であることはない。そうすると、上述したことばも、特有の意味をもつ。
また、同じことばでも使われる文脈により、とらえ方が変わる。
さらにやっかいなことに、私たちが日常使用することばが、辞書の定義
には当てはまらない、別の意味として表出されていることも多々ある。

これら、一つひとつのことばについて、何冊もの辞書と格闘しながら、
整理を進めてすでに5日が経っています。早く抜け出たいものです。