[ research ] の記事一覧

2018.06.30

スポーツインテリジェンス in KOBE

とても暑かった6日26日(火)は講義の後、神戸に向かいまいした。

特定非営利活動法人スポーツ・コミュニティ・アンド・インテリジェンス機構(通称SCIX=シックス)
の総会に参加するためです。
SICXは、神戸製鋼所のラグビー部を母体として、
元ラグビー日本代表監督であった平尾誠二さんが理事長になり2000年に設立されました。
SCIXがこだわってきたのは知=Intelligenceです。
スポーツにおける戦略・戦術や人材の発掘、
育成に関する様々な知(インテリジェンス)の認知とコーチングとは何か?という2つのテーマを中心に
SCIXは様々な活動をおこなわれてきました。

簡単に活動内容をご紹介すると、
毎年夏に数回、スポーツ・インテリジェンス講座として、
知見豊かな代表チームやトップチームの指導者や元アスリートの
指導論やリーダー論から人材育成のポイントを学ぶことを目的とした講座が開催されます。
また、ヴィッセル神戸、神戸製鋼所ラグビー部(コベルコスティーラーズ)、
関西学院大学アメリカンフットボール部と合同の
フットボールコーチングセミナーなども定期的に開催されています。
SICXの歩みを振り返ってみると、
神戸製鋼所、神戸市、大学、神戸製鋼ラグビー部、
SICXといった産官学民の連携もいち早く取り組まれていたように思います。
当然、トップラグビーチームが運営するNPOですので、
コベルコスティーラーズの現役選手とOBが指導するラグビークラブもあり、現在80人ほどが所属されています。
男女の7人制ラグビーがオリンピック種目と採用された2009年ごろからは、
女子選手の活躍の場の提供と普及発掘にも非常に注力しており、
私の修士時代の研究では調査対象組織にもなっていただきました。

SIXCの事務局は、引退した元コベルコスティーラーズの選手たちが代々引き継ぎでいます。
ここ数年は、立命館大学経済学部ご卒業の元トップラグビー選手Kさんが事務局の担当で、
今回の総会でも前に座って資料の説明をされていました。(写真を撮らせてもらえばよかったですね)


2019年、神戸市は第9回ラグビーワールドカップのホストシティでもあります。
今回の総会は、神戸に本社を構える企業のトップチーム、
そしてそれを母体とするNPO団体の役割は大きいという認識の中で進んでいきました。


私自身、ほとんどラグビーやスポーツマネジメントの知識を持ちえない時から、
SCIX設立の構想を関係者から直接伺うことができ、
20年近くその活動を近くで見ることができました。
こういう経験もまた、
スポーツマネジメント領域に対する知的好奇心が高まった理由だと思っています。
20年という時間の中で、会長にお伴していた一人の秘書が大学に務める一人の研究者になりました。
2019年のその先を見据え、
このような場所で私は必要とされる人材になれるのか、一つ宿題を持ち帰ったように思います。

SCIXの詳細はこちらからhttp://www.scix.org/

写真は神戸センター街
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。

#スポーツ×Intelligence
#2019RWC
#Beyond 2019
#ラグビー選手やや多め、エアコン設定温度やや低め


2018.06.27

読んでみてください!!

スポーツ健康科学部では、「スポーツ」をキーワードに
横断的に、自然科学から人文社会科学まで、広い領域を
学ぶことができます。

私たちの学部で学ぶ学生は、一人の例外もなく、
いろんな意味で、「スポーツの好きな学生たち」であると
言っても過言ではないと思います。

それは、私たちの学部の大きな魅力であり、強みです。

では、スポーツとは何でしょう。

広瀬一郎著『「スポーツビジネス論」講義─スポーツは
いかにして市場の商品となったか』創文企画 2012年


この本は、スポーツビジネスをテーマとする私のゼミで
今、テキストとして使用している本です。

この本の著者、広瀬一郎さんは、大変残念なことに、昨年、
急逝されましたが、広瀬さんは、本学スポーツ健康科学部の
創設から5年間、客員教授を務められ、この本はその時の
大学院での講義録をもとにまとめられたものです。

この本では、スポーツの成り立ちからその意義を紐解き、
今日の社会において、スポーツに期待される使命、課題までが
述べられています。

スポーツマンシップ─高校野球の選手宣誓の際に必ず使われる
言葉ですが、高校球児はスポーツマンシップの意味を理解
しているでしょうか。
高校球児だけではなく、私たちはみな、スポーツマンシップの
意味を理解しているでしょうか。

それは甚だ疑問だと言わざるを得ません。

スポーツはそもそも、19世紀におけるイングランドのパブリック
スクールでのエリート教育の教材として完成されました。
オックスフォード大辞典によれば、スポーツマンとは、
「Good Fellow」であると定義されています。

すなわち、スポーツとは、人を「良き仲間」、「良き社会人」
として育てるものなのです。
そして、スポーツマンシップの基本にあるものは、「尊重」の
精神です。

お互いを尊重しあう。
対戦相手を尊重し、ルールを尊重し、審判の判断を尊重する。
それは、お互いが相互に認め合い、理解し合い、高め合うことを
意味します。

ですから、スポーツマンとは、こういうことを理解し、体現している
人たちであると言えるでしょう。
したがって、より良い社会の実現の中心的存在であってしかるべきです。
何という誇らしいことでしょう。

スポーツは深い。
その意味を知った時、その素晴らしさに目の前が大きく拓けるに
違いありません。

健康問題など肉体的な意味だけではなく、そういう社会的な意味でも、
スポーツは今日の社会で必要とされているのです。

みなさんもぜひ、この本、読んでみてください。
少し難解ですが、挑戦のし甲斐がありますよ。
素晴らしい本です。
お薦めします。


Apollo

2018.06.24

若手研究者海外挑戦プログラム

これまで何度か紹介した通り、スポーツ健康科学研究科では、多くの大学院生が国際学会での研究発表に積極的に取り組んでいます。また、英語での論文投稿にも比較的早い時期からチャレンジをします。研究の世界に国境はありませんので、グローバルな視点から研究活動を推進して欲しいと教職員も様々な面からその活動を支援しています。

 

これに関連して、若手研究者の海外での研究活動(留学)を支援する制度も増えています。例えば、優れた若手研究者が採用される「日本学術振興会・特別研究員制度」においては、採用期間中の海外留学が可能です。さらに最近では、「若手研究者海外挑戦プログラム」という制度が新たに開始されました。この制度は、「大学院博士課程後期課程に在籍する大学院生が3ヶ月〜1年程度海外の研究者と共同して研究に従事する機会を提供する」ことを目的としています。留学に際しては、往復航空費、滞在費および研究活動費が支給されます。今回、この制度を活用して、私の研究室のSahiroさんがイギリスに3ヶ月間留学することになりました。


 



 

彼女はスポーツ健康科学部の1期生(20104月入学)で、学部在籍時は体育会ボート部に所属し活躍してきました。また、3回生からは私のゼミに所属し、その後、大学院に進学をしました。誰もが認める努力家で、日本学術振興会・特別研究員(DC2)への採用に加えて、国際誌にも多数の論文を発表しています。その他、今年度は民間の助成団体から2つの研究が研究助成を受けています(大学院生としては珍しいケースです)。博士課程後期課程での海外留学はかなり以前から計画し、そのための準備を続けてきました。今回状況が整い、留学が実現することになりました。

 

海外での研究活動には大きなチャレンジを伴います。研究活動だけでなく、日々の生活も勝手が日本とは異なります。ただしその中で逞しく研究活動に取り組むことで、国内での研究活動だけでは得られない貴重な経験をすることが可能です。また、「国際的に優れた研究成果がどのようにして創出されるのか?」このことを直接自分の目で確認することができる、これも大きなポイントです。

 

写真は、研究室でのミーティングにおいてSahiroさんが留学に向けた意気込みを語っている風景です(写真が暗くて申し訳ありません。。。)。隣でその姿をじっと見つめる博士課程前期課程1回生の後輩二人も印象的です。身近な先輩が海外で挑戦する姿を見ることで、数年後この二人が海外での研究活動に挑戦する瞬間が来るかもしれません。

 

Sahiroさん、海外での研究活動を存分に楽しんで来て下さいね。行ってらっしゃい!

 


 

2018.06.21

皆さん大丈夫でしたか?


こんにちはshinoです。

今週は大変な1週間でしたね。
地震の被害は大丈夫でしたか?
雨も降り続いていいます。土砂災害などにも気を付けるようにして下さい。


さて、私は先週土曜日に
神戸で開催されたラグビー日本代表とイタリア代表の試合にメディカルとして出務してきました。

前週、同じ対戦カードで日本代表はイタリア代表に対し素晴らしい試合を行い、見事に勝利しました。
その影響と、神戸での代表戦は珍しいこともあり、たくさんの観客が来てくれていました。
私は試合開始2時間ほど前にスタジアムに入りましたが、
途中の電車から、たくさんのサポーターが日本代表のジャージを着て乗っていました。
スタジアムの前にも試合前から結構盛り上がっていました。




来年のワールドカップを見据えたトレーニングを我々メディカルも兼ねており、
本番と同じ体制で臨みました。
私は、今回、Immediate Care Lead Doctor(ICL)という立場で、
いつもの脳震盪の判定をするマッチドクターではなく、
マッチドクターやチームドクターのサポートを行う役目でした。

つまり、グランド内で、チームドクターがサポートを要請した場合、
最初にグランドに入っていく予定でした。

スタジアムに入ると、設備の確認、搬送のトレーニングなどを入念に行います。
さらに、レフリーやチームドクター達とブリーフィングを行い、様々な対応を確認します。
2時間以上前には会場に入りますが、試合前にしなければいけないことが結構あるため、
なかなか忙しいです。

試合中は、メインスタンドの最前列に座り、
何かあったらすぐにグランドに出ることができるように待機しています。





試合結果は、皆さんご存じだとは思いますが、日本代表は惜敗してしまいました。残念でした。

また、今回は大きな怪我人が出ることは無く、我々の出番はほとんどありませんでした。

試合終了後も結構バタバタします。
試合後に体調が悪くなったり、怪我が判明したりすることもありますので、
しばらくは医務室で待機しています。

観客がスタジアムを無事に出て、選手が何も問題ないことを確認したら、
我々の仕事は終了となります。

結局、試合後に少し仕事がありましたが、大きな問題は無く、全て無事に終了いたしました。

来年のラグビーワールドカップが無事に終了するように、
トレーニングを積んで、レベルアップしていきたいと思います。

2018.06.17

スポーツ健康科学セミナー

6/14(木)に「スポーツ健康科学セミナーⅠ(スポ健1回生が受講)」に参加してきました。この授業はIppo先生がご担当されており、毎回、3名の教員が自身の研究内容や所属コース(スポ健生は3回生から4つのコースの中のいずれかに所属します)の特徴などについて話をします。今回は、Sana先生、敦先生、そして私の3名が登壇しました。ちなみに、Sana先生は運動処方、敦先生は言語学、私はトレーニング科学と専門分野が異なります。


Sana先生からはサルコペニアの簡易評価法に関わる研究成果やハワイ大学で取り組まれたサルコペニア肥満別の生存曲線に関する貴重なデータが紹介されました。また、健康運動指導士の役割や資格を保有することでの強みに関しても、Sanaゼミの卒業生を例にあげて紹介されました。スポーツ健康科学部の進路と聞くと、一般には「スポーツメーカー」「体育の教員」をイメージされる方が多いかもしれませんが、健康運動指導士の資格を取得し病院で患者さんへの運動処方に活躍することも可能です。また、学部1期生で青年海外協力隊の活動としてコスタリカでの支援活動を行ったTomokoさんの活躍の様子も紹介されました。スポ健で学んだ学生が、卒業後に病院、スポーツクラブ、海外など多様な場所でその専門性を十分に活かしていることを改めて認識することができました。1回生の心にもこれらのメッセージが刻まれたものと思います。


敦先生からはご自身の専門分野である言語学(応用言語学)の研究内容や研究を開始したきっかけが紹介されました。特に、高校生の時に突然、英語が理解出来るようになった瞬間の経験談は面白く、1回生も前のめりになって話を聞いていました。また、スポ健での英語学習に関わりどの程度の学習時間が必要なのかを、学習時間と英語の成績との関係をグラフで示しながら説明されました。切れ味鋭いそのトークは受講生にも大好評で、ここでは書けないような内容も盛り込まれ「さすが敦先生」という内容でした(私にはマネはできません(笑))。


私は最初に登壇したのですが、現在進めている研究(低酸素トレーニングに関する研究など)や企業との共同研究(連携)などを紹介しました。


今回、3名の教員ともに自身の研究内容に加えて、学部での学びを活かして活躍をしている卒業生数名を紹介しました。現学部生にとっては「学部での学びを通して自分がどの程度成長できるのか?」「自分の未来は明るいのか?」これは常に気になっていることでしょう。その点で、身近な先輩の活躍や奮闘ぶりは自らの将来(キャリア)を考える上で貴重な情報です。敦先生が紹介されたTatsukiくん(2018年3月卒業)はオランダに留学し、サッカーの現場で活躍できる理学療法士(physiotherapist)になるためのトレーニングを積んでいます。彼は私のゼミに所属していたのですが、ゼミに入る前から「卒業後、僕はオランダに行きます(「行きたい」ではなくて「行きます」と明言していた点がポイント)」と力強くその夢を語っていました。実際にそのための準備(オランダ語の勉強、奨学金の申請など)を行い、宣言通り現在、オランダで頑張っています。彼には「一人前になったら、エクササイズプログラミング論(私が担当する授業)の授業でゲストスピーカーとして話をしてね」とお願いしていますが、その瞬間がやってくることを楽しみにしています。


Tatsukiくんに代表されるように、「夢を夢で終わらせない」「夢を実現するためアクションを起こすことのできる学生」がスポ健にはたくさんいます。Tatsukiくんのような学生を少しでも増やすことができるように、今後も様々な方法で学生をサポートしていければと考えています。


GOTO

2018.06.15

基礎と応用

こんにちは、嶋村です。毎週ネタを用意するのに苦労しております。。。


この前も本を読みに鴨川に行ってきました。なんか最近人が多くて鴨川も僕が学生だった頃に比べたら汚くなった気がします。。。



閑話休題、今回は少し研究のことを書きます。


学生さんはご存知かどうかわかりませんが、研究には大きく分けて「基礎研究」と「応用研究」があります。


僕の専門は生成文法(Generative Grammar)と呼ばれる言語学の一分野です。言語学には、様々な種類の言語学があります。例えば、人と社会の関係を研究する言語学(例:地域や年齢や階級の違いと言語の多様性)や言語教育やバイリンガリズムなどを研究する言語学といった言語そのもののメカニズム探るのではない言語学もあります。このような言語学は、まあいろいろ名前はついていますが、言語学の応用分野ということでまとめて応用言語学と言ってしまっても良いのではないかと思います。それに対して僕の研究は人間言語そのものの仕組みを考えています。なので研究区分で言えば基礎研究になるのではないでしょうか。さてさて、ここでよくされる質問なんですが、「それって何の役に立つんですか」ってやつです。。。


役に立つ学問ってなんでしょう。研究において「役立つ」というのはなかなか難しい言葉だと思います。一般の人々にとって、「役立つ」とは自分の生活に直接活かすことができるかどうかによって定義されるんだと思います(商業的価値も含めて)。そういう観点からすれば、社会に貢献する言語教育なんかの方が評価されるのかも知れませんし、実際のところ僕の個人的な意見ですが、(少なくとも日本の)言語学の世界ではそうなってきているように思います。こういう「役立つ・役立たない」の議論は誤解を生み、例えば、数年前からしばしばニュースなどで取り上げられたりしていますが、文科省による国立大学を中心とした文系軽視の大学改革案に繋がったのだと思います。


さてここで誤解とは何でしょうか?僕が思うに、世間の「役立つ」と研究者の「役立つ」のズレだと思います。我々にとってある研究が役立つ場合は、それは自らの学問的興味のある分野に新たな知見を与えてくれるものを指します。それに対して、世間の役立つは上述の通りです。しかしいかなる研究も基礎なくしては成り立ちません。それに、将来なんの役に立つかはわからないまま始めた基礎的な研究の成果が我々の生活を豊かにしてくれることもあると思います。


僕が良くないと思うのは、専門家である研究者が自分が研究者であるという矜持を捨てて、世間の「役立つ」に靡くことです。日本が目指そうとしている大学のあり方は、このような流れを強制するものであって欲しくないです。すご~く個人的な意見ですが、応用の名の下に、世間を喜ばせるために似たような事ばっかりやって、それらの背後に潜むメカニズムを全く理解しようとしない輩は研究者としてどうかと思います。。。(苦笑)


我々の本分は、世の中にある様々な現象の真理を理解しようとする努力にあると思うので、基礎研究は大切だし、また日本(政治も含めて)も文化的にそのような基礎研究に対して寛容であって欲しいと思います。


ですので、高校生のみなさんには「役立つ・役立たない」で大学の学部を選ぶのではなく、自分の本当にしたいことを見極めて大学を選んで欲しいなぁと思っています。またどんな分野でも一生懸命勉強すれば、自分の将来に何らかの形で必ず生きてくると思いますよ。


という言語学の理論研究・基礎研究しかしない嶋村の言い訳でした。ではまた来週。

2018.06.14

本格的に梅雨ですね。


こんにちはshinoです。

梅雨空が続いています。
雨が降ったり、蒸し暑かったり、うっとうしいですね。
皆さん、体調管理はどうしていますか?
私は寝不足で体調を崩すことが多いので、とにかく睡眠をとるようにしています。


昨日、1回生の基礎演習では、MRI講習としてガイダンスと実習を行いました。

スポ健には研究用にMRIがあります。

MRIは病院にある病気を見つけるためのものだと、皆さんはイメージしていると思いますが、
レントゲンやCTと比べて、放射線を扱うことがないので、
十分な講習を受ければ、医療関係者でなくても撮像を行うことができます。
ちなみに、レントゲンやVTのような放射線を使用した撮像は、
資格を持った放射線技師(病院でレントゲンを撮影してくれる人です)や、医師でないとできません。
というと、、レントゲンやCTと比べるとMRIは使いやすいのでは(?)と考えるかもしれませんが、
なんせ、高価な計測機器ですので、簡単にどこの大学や研究機関に設置しているというものではありません。設置していない病院もたくさんあります。


そんな計測機器がスポ健には研究用として設置されています。
それも、すごい上位ランクの機種が今春に設置されました。

学部生も院生も教員スタッフもこのMRIを使って研究をすることができます。

でも、何に気を付ける必要があり、どのように撮像され、何が分かるのか、
など、仕組みが分からないと、上手く利用することができません。
何よりも安全に利用することができません。

そこで、スポ健では、毎年、1回生の授業でMRIの簡単な講習を行っています。



まず、MRIの安全講習会を行っていただきました。
MRIとはどういうものなのか、どのような仕組みなのか、
何に一番気を付けなければならないのか・・・・などなど。

安全講習の後は、2組に分かれて、実際の撮像体験(実習)と、
MRIで何が分かるのか、どのような研究が行われているのか、
などの解説を行っていただきました。




学生たちも熱心に聞き、興味深く、撮像を見ていました。
MRIとはこんなものなんだと、少しは理解できたと思います。




私も学生時代に講義を受けて、仕事でもずっと使用していますが、
本日の講習を受け、基礎的知識を再確認することができ、大変勉強になりました。


せっかく、素晴らしい機器があるので、
たくさんアイデアを出して、良い研究をしていって欲しいと思います。

学部生からでも研究はできますので、興味のある人はいつでも声をかけて来て下さい。
積極的にどんどん参加してもらえればうれしいです。待っています。


2018.06.07

梅雨に入りました。


こんにちはshinoです。

とうとう梅雨入りしましたね。
気温の変化も大きく、体調管理が大変だとは思います。
皆さん体調を崩さないように気をつけて下さい。

さて、先日、私はまた女子サッカーなでしこリーグのマッチドクターをしてきました。
今はシーズン真っ只中です。リーグ戦とカップ戦の両方が同時に開催されていますので、
毎週、試合が行われています。




選手はコンディショニングを整えるのが大変です。

女子サッカー選手は、完全なプロ契約をしている選手がほとんどいません。
私がサポートさせてもらっているチームも、全員が企業に社員として勤務しています。

平日は午前中、会社で働いて、午後から練習というスケジュールです。
週末になると、ほぼ毎週、試合に出場します。
会場も半数はホームですが、残りの半数は相手チームのホームで試合を行いますので、その時は長距離を遠征しています。

どのアスリートもそうですが、競技に集中できない様々な状況の中、
パフォーマンスを発揮するためにコンディショニングを整えるのが大変だと思います。

毎年メディカルチェックを行っているのですが、
結果を見ると、ほとんど異常な検査データはありません。
女性アスリートによく認める貧血や骨の異常につながるような所見も認められません。

昔と比べて選手自身にもアスリートや女性特有の疾患やコンディショニングに対する意識が付いてきているのだと思います。
まだまだアスリートに対するサポートが不十分な中では、自己管理をきっちりしないとコンディショニングは整いません。
素晴らしいと思います。

本当は、どの競技も、どのアスリートにも、様々なサポートを十分できるような体制が整えば良いのですが、
現状ではなかなか難しいです。

試合はというと、
今回も大きな怪我人は出ませんでした。良かったです。



今後も私ができる範囲で、できる限り、アスリートのサポートを行っていきたいと思います。


最後に、私事ながら今週、誕生日だったのですが、
昨日の基礎演習終了後にクラスのみんなが誕生日のお祝いをサプライズでしてくれました。
オリター、AAが中心になって、ケーキまで準備してくれ、久しぶりにケーキのろうそくを吹き消しました。
嬉しかったです。



Hクラスのみんな、ありがとう。


2018.06.04

産業技術総合研究所関西センター

 先週の火曜日に、BKCにある理工系4研究科(理工、情理、生命、薬)の先生方、事務職員の方とともに、産業技術総合研究所関西センターを訪問して参りました。

 産業技術総合研究所(産総研)は、全国に研究所がありますが、この関西センターは創設100周年を迎えるほどの長い歴史があります。ここで発明された技術が、世の中に実装されている製品もたくさんあります。

  

 上の写真にありますのは、日本で初めての燃料電池による自動車です。この研究センターで技術開発され、いまの燃料電池車の基礎をなしています。
 下記のミッションにあるように、「技術によって世の中を幸福に」というのが産総研の中心的な考えで、多くの研究者が新しい技術を開発に取り組んでいます。

  

 産総研と本学とは研究交流協定を既に結んでおり、その交流をより加速させようということで今回の訪問となりました。次回は、産総研の方からBKCを訪問していただき、大学院生も含めた交流を行う予定です。

 技術が急速に進歩する時代にあっては、連携による研究進展が必要になってきています。その意味でも双方の連携が深まり、より多くの成果が出て、世の中に貢献できるようになることが求められています。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
昨日、一昨日は、東京・中野で研究会に参加していました。

  

その中で、日本スピードスケート代表のストレングスコーチ・リートヴェルトさんのセミナーがありました。「アートとサイエンスの両方をもちバランス良く進める必要性」「データの実用的関連性の重要さ」の話に興味を持ちました。
【忠】

2018.06.03

ACSMが終了しました

本日はアメリカからのブログ更新です。5/29(火)からアメリカ・ミネアポリスにて開催されていたアメリカスポーツ医学会(ACSM)の学会大会が昨日終了しました。スポーツ健康科学部・研究科からも多数の教員・研究員、大学院生が参加をしました。また、研究発表数も多く、口頭発表やポスター発表の会場において「R」のマークが目立っていました。



ACSMのような大規模な学会になると、連日、数百の発表が行われ、その日の発表内容をチェックするだけでも一苦労です。以前は分厚い冊子でのプログラムが渡され、それを見ながら自分の聞きたい発表や会場を前日にチェックする・・・ということが通常の光景でした。一方で現在では、学会が配布するアプリをスマートフォンやタブレットに各自でダウンロードをした上で、アプリを用いて発表内容を確認するようになっています。この方法は数年前から導入されていたのですが、特に、今年度はアプリの使い勝手が大幅に改善されており、学会期間中は手放せない存在となりました。アプリではその日のセッションやセッションにおける発表者が表示されることに加えて、自分がチェックをいれた発表が「My Schedule」としてカレンダーに表示されます。そのため、その日の自分のスケジュール(何時何分からどの発表をどの会場で聴くのか?掲示されているポスターの番号など)を一目で把握することが可能です。また、発表内容に加えて会場の地図などもクリック一つで表示されますので、なかなかお目当ての教室を見つけられない私のような方向音痴にも優しいアプリです(笑)。国内学会では依然として冊子でのプログラムが一般的ですが、今後はACSMのようにプログラムの電子化が進むのではないかと予想しています。



当然のことながら、学会での発表言語は英語です。ネイティブスピーカーの英語は早く、瞬時に質問内容を理解して答えることは日本人にとって容易ではありません。その中でも、相手と向き合い自分の研究内容を頑張って伝えようとするスポ健の大学院生の姿を何度も目にすることができました。私自身が初めてACSMに参加をしたのは大学院博士課程後期課程1年次でした。それに対して、スポ健では博士課程前期課程であっても立派に発表する大学院生は決して珍しくありません。これには、各指導教員からの日々の研究指導や国際学会への参加の働きかけ、学部・大学院における英語授業の充実(大学院においても英語の授業は必修となります)、また、海外での学会参加に対する渡航費の補助など、国際的な研究活動に対する支援が充実していることが影響しているのでしょう。



さて、今回の学会で私が最も心配をしていたYくん(5/20、5/27のブログでも紹介)ですが、大会最終日の6/2(土)の「Thematic Poster Session: Altitude/Hypoxia:Training and Performane」で発表を行いました。緊張している様子が伝わってきましたが、最初の5分間のプレゼンでは研究内容や結果を上手に説明していました。その後の10分間の質疑応答は完璧!!とはいきませんでしたが、練習の成果は十分に発揮されていました。初めての国際学会ということを考えると、文句なしの合格点です。少なくても、私が彼と同じ年齢の頃にはこのレベルでの発表や質疑応答をすることは不可能でした(笑)。発表終了後に話をしたところ、「発表は終わりましたが、英語でのディスカッションの練習は今後も継続したいです。よろしくお願いします。」という嬉しい、力強い答えが返ってきました。



さて、次回のACSMは5/28-6/1(2019年)にかけてフロリダ州のオーランドでの開催です。学会大会は1年先ですが、発表に必要な演題登録の締切は11月上旬となる見通しです。帰国後は次回のACSMに向けての準備が始まります。





GOTO