[ research ] の記事一覧

2017.11.19

ユヴァスキュラ大(その1)

先日、フィンランドのユヴァスキュラにあるユヴァスキュラ大学に訪問し、共同研究の打ち合わせをしてきました。
ユヴァスキュラ大学のLaakkonen先生はこれまで学会等で交流をしつつ、メールで共同研究について協議してきましたが、Laakkonen先生が今年度から研究費を獲得したため、具体的な共同研究の内容について情報交換しました。




ユヴァスキュラ大学の研究施設はとても素晴らしく、スポ健の研究施設と同様に、細胞・遺伝子のレベルから臨床までの実験環境が整っています。研究内容も自然科学から社会科学の分野まで幅広い研究が行われています。
大学院生やポスドクなど様々な若手研究者たちが日々議論しながら研究を実施している姿はこちらにもエネルギーを与えてくれるかのような熱気を感じました。興味深かったのは高齢者を対象とした研究で、なんと300人以上もの地域住民を対象とした介入研究(トレーニングや栄養摂取に関する研究)を一気に進行させる大変大規模な実験が進行していました(我々の介入研究と比較してほぼ3倍以上の規模)。

データも膨大なので、様々な専門分野の先生方がそれぞれ分担しながらデータを収集しています。測定にも同時に20〜30人の学生が関わるらしく、その連携も素晴らしいものでした。
Laakkonen先生は特に中高年女性を対象として性ステロイドホルモンと健康に関する研究を行っています。今後は性ステロイドホルモンの代謝の観点からフィンランドと日本の二国間の比較を行うだけでなく、動物モデルも用いて遺伝子レベルでの観点からも探索を行う予定です。



フィンランドを訪問した10月末の時点では既に雪が降っていました。訪問期間の最終日には朝はマイナス3度で、道路はもちろん池の水もうっすらと氷が張っていました。もちろん室内は暖房が効いているのでそこまで寒さは気にならずに済みました。



滞在期間中はフィンランドで人気のあるスポーツであるアイスホッケーの観戦に行くことができました。プロチームの対戦はとても刺激的で、フィンランド訪問の良い思い出になりました。

satoshi

2017.11.09

野球肘検診に行ってきました。

こんにちは、shinoです。

昨日は雨でしたが、最近はいい天気が続いています。

さて、私は先週の11月3日に奈良県野球肘検診に参加してきました。
私が以前勤めていた病院の理学療法士さん達が中心になって、奈良野球少年を守る会というNPO団体が運営している野球肘に特化した検診です。

2012年より開始して今年で第8回目となりました。
私も可能な限りお手伝いをしてまして、ほとんど毎年参加しています。

奈良県は南北に長い県なので、場所的に北部地区が中心となるのですが、
少年野球大会の日に合わせて野球肘検診も開催するようにし、できるだけ多くの野球少年が参加しやすいようにしています。

年々その参加者は多くなっています。
今年は台風の影響で野球大会の日程がずれてしまい、予定人数より少し減ったようですが、それでも500人を超える小学生が参加してくれました。

全身の身体所見から、超音波による検査、フォームのチェックや、栄養相談に至るまで、
いろいろな面からサポートするようにしています。



私はだいたい理学所見や超音波検査の担当をしています。
理学所見では、痛いところは無いか、負荷をかけた時に症状は無いかなどの簡単な診察を行います。

超音波では野球肘に起こる障害部位を入念にチェックします。




今年は超音波ブースに割り当てられ、3~4名でチームを組んで、検査を行いました。
我々のチームでは、幸い、大きな異常所見がある選手はいませんでした。


検診の結果はすぐに選手の保護者の方やチームの監督さんにフィードバックし、
今後どうするべきかについてアドバイスしています。

毎年、数人の野球肘障害がこの検診で見つかり、
大事に至ることなく、検査や治療などのケアを行っています。


全国でもいくつかの県でこの野球肘検診が行われています。

せっかくいい成績が残せても、怪我でスポーツを続けることができなければ、楽しくありません。

小学生だけでなく、中学、高校、大学と、こういった取り組みが行われることで、
アスリートをサポートしていくことが我々の務めだと思っています。

怪我なく、楽しく、末永く、スポーツを続けていって欲しいと思います。

2017.11.02

11月になりました。

こんにちは、shinoです。

11月になりました。
今年も残すところ2か月になりました。

今週はとてもいい天気が続いていましたね。
紅葉もきれいになりました。

私は、スポーツ健康コモンズで、週2回、
本学のアスリート学生を中心にカウンセリングを行っています。

今週、そのカウンセリングに行こうと、キャンパスを歩いていましたら、
コモンズ横の広場に、たくさんの幼稚園児たちがいました。
おそらく、近くの幼稚園からだと思いますが、
先生に引率されて、BKCのキャンパスに遊びに来てくれているようです。

みんな、めちゃくちゃ楽しそうに何かをしています。

何をしているのかと思って、よく見てみると・・・・

『どんぐり』を一生懸命拾っていました。
あの形からなのか、たくさん落ちているからなのか、
子どもって、『どんぐり』大好きですよね。
大事そうに集めていました。





すごく微笑ましい一場面でした。
もっともっとBKCに一般の人たちが気軽に来てもらえるようになればいいなと感じました。
そんなキャンパスになるようにして行きたいと思います。

さて、今、学部4回生は、卒業論文を一生懸命作成しています。
12月半ばには完成させ、提出しないといけません。
必死になって4年間の学びの集大成である卒業論文作成に向けて頑張っています。

そんな中、3回生のゼミでは、
来年の卒論のテーマを決める参考になるよう、
実技、フィールドワークなど、いろいろなことを行ってもらっています。

私のゼミの大きなテーマは『スポーツ傷害』です。
スポーツ傷害を考える上で、まず必要なのは、
どのような傷害が、どの程度起こっているか、現状を知ることです。

ということで、毎年、私のゼミでは、いろいろなクラブやサークルに行き、
『傷害調査』をしてもらっています。
それも、ただ傷害頻度を調べてくるのではなくて、
何かテーマを持って、そのテーマに沿った傷害調査をしてもらっています。

もちろん、4回生も以前に行っています。
卒論にも傷害調査が盛り込まれている内容が多いので、
今の3回生も、これから研究を行うために、必要な考え方と方法になります。

夏休みの間に、3回生たちは各クラブ、サークルで傷害調査を行い、
それをまとめて、考察し、後期のゼミで発表してもらっています。



どのグループも興味深い内容、考察をしています。
着眼点がなかなか面白く、感心させられます。

これをきっかけにどんどん興味を持ってもらえればうれしいです。


2017.10.26

先週の台風の中

こんにちは、shinoです。

先週末の台風はすごかったですね。
今週も初めからスッキリしない天気が続いています。
やっと今日は良くなった感じですが・・・

気温もグッと低くなったような気がします。
みなさん、風邪などはひかれてませんでしょうか?


そんな先週末の台風がまさに近づいている真っ最中、
私はまたまたラグビートップリーグのマッチドクターに行ってまいりました。

今回は万博記念競技場です。
トップリーグの前に、トップウエストリーグの試合がありました。
ラグビーのプロ・社会人リーグでは、トップリーグ、トップチャレンジリーグと順にありまして、
その下のカテゴリーで社会人リーグのトップウエストリーグがあります。
名前の通り、西日本の社会人チームがリーグ戦を行っています。

今回は、その試合のマッチドクターも含めて、2試合に出務してきました。


毎試合前に行う担架搬送のトレーニングです。

マッチドクター、チームドクターは、試合中は基本的にピッチサイドに居て、試合が終わるまでチェックしています。
怪我している選手を見かけたら、すぐにグランドに入って行けるように待機しているわけです。


第1試合のキックオフは11:30でしたが、その時点で結構雨が降っていました。



ラグビーは、サッカーなどと同じように、基本的には全天候型スポーツなので、雨でも試合は全く関係ありません。

なので、私も試合中はピッチサイドにいて、待機していました。
傘も差せないので、ウインドブレーカーの上に薄い雨合羽を着て、試合を観ていました。

第1試合は特に大きなけが人もできることなく、無事に終了しました。
それは非常に喜ばしいことなんですが、怪我や脳震盪で倒れる選手がいない場合、
私たちはグランドに入ることもありません。
したがって、ずっとピッチサイドに居て、試合を観ているだけになります。

先週はその時点でかなり雨も強くなってまして、非常に寒かったです。

第2試合は14:00キックオフでした。
第1試合と同じく、ピッチサイドに立って試合をチェックしていました。
出場している選手も、サブで待機している選手もコンディションを整えるのが大変だったと思います。
よって大きい怪我が出るんじゃないかと思って、
かなり心配していましたが・・・・



なんと、この試合も大きな怪我人は出ませんでした。

したがって、私たちはずっとピッチサイドに立って試合を観ているだけになりました。
雨は止むどころか、ますます酷くなる一方でしたので、
当然、ずぶ濡れで、身体の芯から冷え切りました。

選手と同じく、メディカル、レフリー、運営スタッフも、
なかなかコンディションを保つのが大変な試合でした。

風邪ひかなくてよかった。

何より選手に大きな怪我がなくてよかったと思います。

2017.10.23

『ACTIVE5』

今月の体育の日の週に、
BKCリサーチオフィースを朝から訪ねました。

毎朝、9時の始業とともに朝礼があり、そのあと部署に分かれた1分間スピーチをされているの聞いていました。今回は、その1分間スピーチの後に、

3分エクササイズ
『ACTIVE5』
を取り入れてもらえるということで、そのお礼と激励に伺いました。

  
  
  
  

みなさん、きびきび動いていただきました。

『ACTIVE5』のコンセプトは、
いつまでも自らの身体を使ってアクティブに動きたい!
これは多くの人の願いです。同時にアクティブであることはポジティブに考え、行動することにもつながります。この実現のために、「健康寿命」を伸ばし、QOLを高め、
3世代が同一空間で、同じ曲で、
世代ごとの振り付けで、かつ同期する(シンクロする)ことも楽しめるエクササイズです。

特徴は3つ。
その1: 生涯元気になれる5つの運動
その2: 3世代が一緒にシンクロできる楽しさ
その3: 簡単でないからステップアップと達成感

世代ごとの動画があります。是非、毎日3分エクササイズを取り入れてください。
【働き世代】
https://www.youtube.com/watch?v=e1JnFVO-NxA

【シニア世代】
https://www.youtube.com/watch?v=-xWMOxW804k&t=10s

【キッズ世代】
https://www.youtube.com/watch?v=6DL_MDbe_VU

【世代シンクロバージョン】
https://www.youtube.com/watch?v=hF7pEKDu36o

BKCリサーチオフィースでは、毎日、毎朝、この『ACTIVE5』を取り入れていただけるようです。
学園の中で、一番元気なオフィースになると確信しています。このエクササイズをマスターしてもらい、家族、地域に広めていって欲しいと願っています。

是非、学園内のリサーチ以外の所でも取り入れて欲しいと願っています。
また、学園外にも広めたいので、ご要望を頂ければ、指導に伺います。


<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
先週もご案内しましたが、今週となりましたので再度の案内です。

10月26日木曜日、13:30-16:45 
立命館大学びわこくさつキャンパス
エポック立命21にて

立命館大学「卓越大学院プログラム構想博士人材育成シンポジウム
『アクティブライフデザインをリードする
  超創人材育成プログラムの構築に向けて』

を開催します。

是非ともご参加いただきますようお願い申し上げます。
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=352966【忠】

2017.10.12

今日は雨ですね。

こんにちは、shinoです。

今週序盤はいい天気が続いていましたが、本日は雨模様ですね。
まだ日中は暑さが残る日もありますが、徐々に秋らしくなってきました。

秋といえば、食欲の秋でもありますが、スポ健ではもちろん、スポーツの秋ですよね。

私はラグビーを中心にドクターとして携わっていますので、
ラグビー関係の話が多くなってしまうのですが、
それだけでなく、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップを成功させるためにも、
日本でのラグビー人気を上げなくてはいけません。

ということで、本日もラグビーの話です。

今、ラグビーはシーズン真っ盛りです。
これからお正月まで、プロ、社会人から大学、高校、中学に至るまで、
毎週、各地でラグビーの試合が開催されています。

このブログでもラグビーの試合のドクター(マッチドクター)として、
試合に参加している様子を報告してきましたが、
プロリーグだけでなく、大学学生リーグや高校の県大会まで、
いろいろなカテゴリーの試合にドクター(医務委員)として試合場に参加します。

トップ(プロ)リーグでは、怪我や脳震盪に対して国際基準に合わせたかなり厳密な評価を行い、
試合中でもすぐに対処できるようにしています。
大学、高校、中学においても、
プロほど厳密ではありませんし、全ての試合で行えるわけではありませんが、
怪我や脳震盪に対する速やかな対処を行えるよう、我々が医務委員として待機することが多いです。
だから、この時期の週末は、いろいろな試合に出向きます。

先週末もトップ(プロ・社会人)リーグで、マッチドクターをしてきました。
今回は奈良県天理市のグランドが試合会場でした。
奈良県もなかなかラグビーが盛んな都市です。
お正月にある高校ラグビー選手権大会や、関西学生リーグにも奈良県の学校が強豪校として出てしているので、何となく盛んなイメージはあるかと思います。

今回の試合会場はそれほど大きくないですが、お客さんも結構来ていただき、盛り上がっていましたよ。




奈良県ということもあって、試合会場は木々に囲まれており、気持ちのいい場所です。

私はマッチドクターとして参加していましたが、
今回、出番は全くありませんでした。
ということは、大きな怪我や脳震盪も発生せず、落ち着いていたということです。良かった。

これからスポーツが盛り上がってくるシーズンです。
皆さんも怪我無く、安全に楽しんで下さい。

2017.10.11

来年3月に向けて…地域が動く!

スペイン・バレンシアも秋色になりつつあります。
週末は、大学が完全閉鎖になりますので(週末は楽しもうよ~の精神なのでしょう)、あてもなく街中を歩いていると、ときどきおもしろいことに出会います。

この日最初に出会ったのは、ココ。いかにもスペイン!という光景です。

このおじさんと話をしていると、関係者が集まってきて道具を持たせてくれたり、パエジャの中にムール貝を入れる経験や写真撮影をしてくれたりと、親切てんこ盛りでした。

さらに話をしていると、建物の中に入れてくれました。その理由は、第2弾のムール貝を食べてみよ、と。ここバレンシアのムール貝は「クロチーナ(バレンシア語)」と呼ばれています。ちょっとしたブランド力があり、8月ころまでが旬だそうです。でもこのあたりは、近くに中央市場があるからか、秋口に入った時期でも出してくれることがあります。かなり小さめですが、中身の詰まった、味わいのあるクリーミーなムール貝でした。地域に、食材に、とても誇りを持っているようです。

てっきりバル/レストランか何かだと思って、「何時にこの店はオープンするのか?」とたずねたら、ちょっと来い!と。戸惑っていると…第3弾は、建物のさらに中に入れてもらうことができ、そこは、グループ内のFalla(火祭り:ファジャ)歴代女王たちの写真が飾ってある空間でした。つまり、ここはバルではなく、バレンシアで3月に盛大に行われる「火祭り」のためのグループ(街全体には、300以上400近く?のグループがあるそうですが、その一つ)の集会所だったようです。
(エプロンの文字Fallera:民族衣装を着た女性たちのことを言います)

3月の「火祭り」のときに張り子の人形を、各グループで制作し展示すると聞いています。それなどにかかる諸々の資金を集めるために、このような食事会でいろんな人をもてなす等、準備の一環というわけです。グループによって雰囲気はどうも違います。同じ土地でありながら、おもしろいです。

その翌日の日曜日。
街のなかを、それはそれは豪華なドレス・民族衣装を身にまとった女性たちが行進(見るからに高そう…実際かなり高いらしいです)。この行進も3月の火祭りに向けた準備の一環とのこと。それが【表紙の写真】です。きれいな公園に行くと、写真撮影のために来ている彼女たち数人にばったり出会えることもあります。

ラ・ロンハ・ラ・セダという世界遺産の建物もこのすぐ近くにあります。15世紀ころに建てられ、「絹の商品取引所」だったところです。中心街に行くと特に、絹などの手芸用品やドレスのお店もかなり多く立ち並んでいるのですが、これも火祭り、この女性たちの伝統衣装と関係しているのでしょう。地域の各種産業が、互いに密接に関連して成り立っているようです。

1つの出会いから、言葉や歴史・文化、食、産業、年間行事、人の生き方…まで広がっていきます。いつまでもこの土地には慣れること「なく」、見聞きしていきたいものです。

火祭り本番(私の想像をはるかに超えているよ、と言われていますが)の様子は、来年3月にまた、もう少し詳しく、正確に理解してお届けできればと思います。

ippo

2017.09.29

まるで光ったメロンだな!

Hitomiです。いよいよ後期が始まりましたね。
第1回目の授業は初めましての学生さんも多いので、こちらもドキドキです。

今日も無事に終わって安心しつつ、くたくたになって研究室に戻ってきたところ、事務室から「メロンを食べにいらしてください」の連絡が。
ナイスタイミング!



というわけで、事務さんや他の先生方と一緒に美味しくいただきました。やっぱ疲れた時に甘いものは格段ですね。
以前スポ健にいらした先生からのいただきものなのだそうで…、どうもありがとうございました。
(何気にタイトルも復活。まさかこのセリフを使える日が来るとは)

さて、後期が始まったということは杉浦ゼミも再スタートです。
うちはまだ卒論生がいないので他のゼミに比べたら危機感は低いかもしれませんが、後期は以下の2つを必ず成し遂げてしてもらいたいと思います。

①3人一班で1つの研究を行い、個人でレポートとしてまとめる。
②自分の卒論のテーマと仮説を決める。

ゼミナール大会の上位版と、来年度に向けた準備です。
断言しますが、結構大変です。頑張ってください。

また、長いようで短い大学生活、ゼミ・卒論だけではなく充実した日々を送ってほしいので、「ゼミ以外のことでもいいよ」を条件に、「2017年度後期の目標」をボードに書いてもらいました。




顔出しNGが一人いますが(笑)、十人十色の大学生活。どんな風に成長していくのか楽しみです。

期待しています。

Hitomi

2017.09.28

後期授業が始まりました。

こんにちは、shinoです。

今週から後期の授業が始まりました。
大学はまだ始まったばかりなので、夏休みの生活リズムが抜けきれず、なかなか大変だと思います。
皆さん、夏休みは有意義に過ごせましたでしょうか?

私が関わっているラグビー競技では、
8月末より日本のプロ、社会人の最高リーグであるトップリーグ2017-2018シーズンが開幕しています。

私は主にマッチドクターとして参加しています。
マッチドクターとは文字通り、試合に対して配属されるドクターで、
毎試合2名が各試合に割り当てられています。

先週末、大阪の万博記念競技場で行われたトップリーグの試合に
マッチドクターとして参加してきました。



以前にも書きましたが、マッチドクターとは、
チームドクターや、レフリーなどと連携し、
選手が安全にプレーすることができ、かつ、試合が円滑に進むように、
怪我の治療やサポートを行います。

ラグビー競技に携わるドクターにとって特徴的で、皆が一番気を使っていることは、
試合中に脳震盪の判定を速やかに行う必要があるということです。

マッチドクターは各試合2名配置されていますが、
そのうちの1名は、試合中はピッチ(コート)のすぐ横に待機して、自分の眼で試合を追いかけながら、
選手が倒れていないか、おかしな動きをしていないか、
などをチェックしていき、必要があればピッチ内に走っていきます。

もう1人は、試合中はピッチと少し離れた場所で、ビデオを観てチェックしています。
例えば、選手が倒れていた場合、
なぜその選手が倒れたのか、何が起こったか、
などをビデオを巻き戻して繰り返し再生したり、スロー再生を見ながら確認していく作業をしています。

2名のマッチドクターは、各自の役割をこなし、無線でやり取りしながら、
脳震盪を中心に怪我を判定していくのです。

大体は、1試合の前半と後半でピッチサイドとビデオ確認を交代していきます。
私は今回は前半はピッチサイドで、後半はビデオで試合を観ていました。
この試合では、脳震盪や大きな怪我をした選手は出ませんでした。
良かったです。



国際試合では、このようにしてドクターが怪我に対して迅速に対応していくのが普通です。
日本でも2019年のワールドカップ開催を見据えて、
昨年度のトップリーグより導入されています。
毎試合後にドクター間で情報共有しながら、
より良い仕事ができるように日々努めています。

トップリーグは、CS放送のJ sportsで全試合放送されていますので、
試合を観る機会がありましたら、
選手が怪我をした時に、メディカルがどのように動いて対応しているかにも注目してみてください。

2017.09.27

スペインでのカンファレンス

現地に到着して数日後、所属のところで2日間にわたってカンファレンスが行われました。組織におけるwell-beingを促進するために、あるいは人的資本の発達に向けて、葛藤解決に至るには、といった様々なテーマが並びました。そこには、スポ健でも毎年行われている院生の研究報告会を兼ねたものでした。

朝9時、学部長・機構長からの挨拶。そのあと、なにか話が続くもののすべてスペイン語なので???の状態で過ごしていたら、いきなり自己紹介が始まりました。30分ほどかけてなごやかな雰囲気になったところで、いよいよ院生の発表へ。

一人の持ち時間30分。発表時間を区切ること(日本でよくある1鈴、2鈴…)はありません。でもほどよい時間で発表を終えると、担当教員(座長という名のもとで)3名からのコメントや質問が投げかけられます。1日目は、これが19時ころまで続きました。調査で各地に出かけている院生も多いようで、スカイプでの発表は当たり前(就職も、自分たちで国を越えて探し、飛び立っていくそうです)。

いいなと思ったのは、このカンファレンスの中で、他大学から関係領域の先生を招待して、1時間ほどの講演をはさんでいたところ。論の組み立てやプレゼンの仕方など、院生が(私も)自分の内容と比べながら聴けたと思います。
(マーストリヒト大学Ute Hülshegers先生の講演:いま話題のマインドフルネスとは、今起きている経験について、内的/外的に注意を向けることで、心の安寧を維持・向上していくこと。その理論と実践についての研究が紹介されました)。

私にとってのただ一つの問題点は、お腹がすきすぎたこと(こちらに来て、よくお腹がすいています)。14時からのランチ(街中では、この時間ころまで料理が出ない、出せないところも珍しくありません。でも15時をすぎた頃にはいったん多くのお店が閉まります)... これでもスペインでは「早め」のランチです。こちらのランチの開始時間はとにかく遅く、そして長い時間をかけます。ちなみに、この日のプログラムでは1時間半ほどとってあり、パエリアの麺バージョンを食べながら先生方と一緒に食べました。

このくらいスペインの人たちは、食事の時間を大切にしていますし、それぞれの人の "こだわり" がみえてくる場面でもあります。忙しい教員はここで食べながら情報交換をしていますが、昼間のこの時間(毎日10時半ころにコーヒーの時間があり、先生を中心に、あるいは院生や研究員の人たちと一緒に数人でカフェに出かけます)は、気分転換をして次の仕事へのエネルギーを蓄えるのに欠かせない大切なものだそうです。「これこそマインドフルネスの効果が得られるよ!」とのこと。

【表紙の写真】家の近くのカテドラル(サンタ・マリア大聖堂)の礼拝堂にあるステンドグラス。「最後の晩餐」で用いられた聖杯の可能性が高いとされているものが、このステンドグラスの下に!
他にも、この聖堂には魅力がたくさんです。すでに3回+α… 行きました。

ippo