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2010.08.02

北から、南から

 7/24-26は、札幌で開催された第18回統合医療機能性食品国際会議に行ってきました。札幌までは、飛行機でした。関西は晴れていて、札幌も飛び立つ時の情報では曇りでしたが、到着時は案の定!?雨でした。同行の【聡】先生、【ippo】先生からも冷たい視線を頂きました。札幌の花火大会の日で、観客のかたもずぶ濡れのようでした。

 今回の上記の会議には本学から、スポーツ健康科学部の【聡】先生、生命科学部の西澤先生、木村先生の発表がありました。名前の通り、機能性食品(サプリメント)に関する国際会議で、14カ国から350名を越える参加者がありました。同時通訳(英語、中国語、韓国語、日本語)もあり、参加者は得意な言語で発表し、それを4つの言語で同時通訳されます。【聡】先生はもちろん英語で講演し、各国の研究者から研究内容、プレゼンも含めて注目を集めていました。研究の内容は、オリゴノール(ライチから抽出のポリフェノール)を摂取することで脂質代謝を亢進させる可能性がある、というものでした。今後もデータを積み上げて、研究成果としてしっかりとしたものにまとめていかれるでしょうから、今後も注目しておいて下さい。

 

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20100726-2.JPG 会議の合間を縫って、恵庭近くにある北海道ハイテクアスリートクラブの中村監督にインタビューさせてもらいに【ippo】先生と伺いました。ご存じのように、陸上の女子100m日本記録保持者の福島千里さんを指導されている先生です。屋内の130mの直線走路、トレーニング施設を備えたスポーツ施設には、随所に工夫と最新の機器が備えてありました。お話しの中で興味深かったのが、指導者は指導しすぎてはいけない、というお話しで、指導するときは簡潔に「一言だけ」を話すように心がけているとのこと。教えきるのではなく、選手が考える、創意工夫する余地を残して指導することを意識した考え方です。このインタビュー記事は、日本トレーニング科学会の機関誌『トレーニング科学』の連載「一流コーチに聞く」に掲載予定です。次号もしくは次々号を楽しみしておいて下さい。

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 桜島に傘のような雲がかかっているときは傘が必要のサイン

 残念ながら3日とも傘つき桜島しかみれませんでした。

 噴火直後の桜島、フェリーの上から、特別桟敷での花火見物

 

7/30-8/1は、第18回日本運動生理学会大会に参加のため鹿児島でした。今回も飛行機で、予め天気予報をしらべみると、鹿児島地方は、「雨なし」の様子。念のため、折りたたみ傘は持参、同行の【聡】先生と相談し、レンタカーも借りることに。到着のあと、天気は曇りがちながら持つような感じでしたが、高速に乗ったあたりからワイパーを最強にしなければならないほどの「ゲリラ豪雨」に遭遇!翌日、早朝のジョギングでは晴れていて安心していたら、窓を激しく叩く音で外を見ると、ビー玉ほどの「雹(ひょう)」が降って来る始末。あげくには、学会初日を終えて、桜島へ渡った途端に、「噴火」に遭遇。【moto】先生、曰く、「先生と同行していると空から降って来るも のは何でも観られますね!?」とお褒めの言葉を頂戴しました。さらに、隕石でも降って来るのを観ることができれば、などと考えてしまいました。

20100731-chiro.JPG20100731-sashimi.JPG 学会初日の夕食は、【Izumi】先生のご実家で、お母様の手料理をご馳走になりました。桜島の花火が正面にみえる「特別桟敷席」にて、豪華料理に舌鼓をうち、花火を堪能し、贅沢な夜を与えて頂きました。ありがとうございました。

  

 学会の方は、初日に【聡】先生がシンポジストして、2日目に【真】先生と私が2題続きの口頭発表を行いました。中高年のセラバンドを用いた筋力トレーニングの効果について、【真】先生が形態と機能、血液性状から報告、私がピンチングコントロールに関する効果を報告しました。詳細は【moto】先生の次のブログをご覧下さい。

 会場からもいくつも質問を受け、関心を持って発表を聞いてもらうことができました。また、この大会を通じて、立命館大学スポーツ健康科学部についての注目がされているのを強く感じました。

 

【忠】

 

 

 

2010.08.01

夏のオープンキャンパス II

暑い日が続いていますが、
みなさん、いかがお過ごしですか。

昨日、Jin 先生が書かれていたように、
7/31 と 8/1 は、晴天の中、
オープンキャンパスが開催されました。

スポーツ健康科学部の説明に、
非常にたくさんの学生さんと保護者の方が
参加して下さいました。

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また、スポーツ健康科学部の学生さんも、
施設ツアーや、学生による説明会などで、
大活躍してくれました。

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(キャンパスツアー)


 

 

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(学生説明会)



 

この中から、来年度、我々と共に
学んでくれる学生さんが
現れることを期待しています。

それでは、また。失礼致します。
良い休日を
                 敦


 

2010.07.31

オープンキャンパスが開催されました!

7月31日と8月1日は、びわこ草津キャンパス、衣笠キャンパスにて、オープンキャンパスが開催されました。今日は、その1日目...

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出会いがある。発見がある。「絆」がある。+R

これが今回のオープンキャンパスのキャッチフレーズです。

35℃を超す猛暑日の中、200名を超す高校生諸君やその保護者の方々が本キャンパスに足を運んで下さいました。本当にありがとうございます。

 

私は、「人と組織と社会を動かすスポーツマネジメント」というタイトルで、模擬授業をさせてもらいました。

 

 

私の目をじっと見つめて、話に聞き入る高校生に圧倒されないように、 自分と組織(部活動や学校)の関係を2つの円で描いてもらう簡単なワークをしたり、緊張の面持ちで、微動だにせず、椅子に座っている高校生の興味を引くように、北京五輪直前に北京市内で放映されたコカコーラとペプシのCMを流したり...。

 

模擬授業が終わった後、一番前の座席で熱心に講義に耳を傾けてくれていた女子高生の方から、「全てのお話しが興味深く、本当におもしろいと思いました!」といってもらったときには、本当にホッとしました...。おつきあい、本当にありがとうございました...。

 

こんなオープンキャンパスを陰ながら支えてくれている人がいます。

OC2.JPGそれは、在学生で今度の春に入学する高校生諸君にとっては、先輩となる人たちです。

炎天下の中、えんじ色に"R"のマークがついたTシャツと帽子をかぶり、会場やプログラムの案内を保護者の方々や高校生に親切に説明してくれます。

キョロキョロする高校生や保護者の方々を見つけたら、自ら率先して声を掛けたり、キャンパス内を歩く人たちにさわやかな笑顔で、"こんにちは!"とあいさつをしたり...。

 

彼らは、ディズニーランドのキャストに優るとも劣らないオープンキャンパスの大切なナビゲーターです。

 

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左の写真は、私が「写真、撮ってもいい?」と声を掛けたら、さわやかな笑顔で、「こんな華奢なボクでもいいですか?」と屈託のない笑顔で接してくれた学生さんたちです。暑い最中、本当にご苦労さまでした...。

 

もちろん、スポーツ健康科学部の1回生諸君も学部の施設案内やキャンパスツアーで、高校生や保護者の方々を先導してくれました。

 

3年ほど前の秋頃に、仕事で衣笠キャンパスに訪れた際に、ちょうど、オープンキャンパスをしていたのですが、その時にもえんじ色にRマークのついたトレーナーを着た学生諸君が、オープンキャンパスに訪れた高校生や保護者の方々にさわやかな笑顔で、ハキハキと対応する姿を目にして、感心するとともに、いい経験をしているなぁという気持ちになりました。

 

 

相手の気持ちになって行動する、誰かをおもてなしするという行為は、この先の大学生活のみならず、社会人になっても必ず役立つ能力だと思います。それだけでなく、このような活動への参加は、"立命館"に対する愛校心、愛着心を醸成します。

 

在学生の諸君は、"ビジット・ボランティア"という制度があるので、この夏休み、地元の高校に戻って、ぜひ、立命館大学での学び、キャンパスライフ、そしてこの大学に入学して本当によかったという気持ちを、ぜひ母校の先生や後輩たちに伝えてきて下さい。

 

オープンキャンパスは、明日も1日、開催されます。

明日は、スポーツマネジメントコースのホープ、ippo先生とエースの【智】先生が模擬授業をされます!ippo先生、【智】先生、高校生や保護者の方々を、魅了して下さいね!

 

 

 

2010.07.30

成長していく大学院生たち

 暑い日が続いていますが、スポーツ健康科学部の学生たちは前期試験の真っ最中!みんな頑張っています。もう少しで夏休みです。

 それとは裏腹に、スポーツ健康科学研究科の大学院生のみなさんは、実験真っ盛りです。【Moto】の大学院生【K村】君も実験を開始し始めました!!

 

 

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 【Moto】研究室では、生活習慣病、特に動脈硬化に対する運動効果に関する研究を行っています。今回は、あるサプリメントに対する動脈血管への影響やホルモンの変動を検討して、運動と併用することでより効果的にならないか?という研究を企業と連携して行っています。その研究の一部を院生【K村】君が先週から開始しています。

 実験というのは1人ではなかなかできるものではありません。同級生や多くの先生の力を借りて実施しています。今回も【Dr.隆文】先生、【聡】先生、【Koji】先生、大学院生【M谷】君【M嶋】君に手伝ってもらい実験を行いました。人の支えに感謝しつつ、いい結果が出るよう頑張りたいと思います。また、成長していく大学院生にも注目してあげてください!

 

by Moto

 

 

 

2010.07.29

ある日の出逢いと4か条

 先日、ある方のおはからいで、静岡酵母を開発した河村傳兵衛さんとお会いする機会に恵まれました。この方のおかげで静岡県の吟醸酒が全国から高い評価を受けることになったというくらい、カリスマ的な存在です。独特の雰囲気をお持ちだとうかがっていたので、少し緊張しながら、でも一度はお会いしたい方だったので楽しみに出かけてきました。

 

 

 もともとは、県の工業試験場にお勤めだったそうで、そこを定年退職された後もずっと吟醸酒の製造技術のコンサルタントをはじめ、甘柿(遠州特産の次郎柿)を使った食酢、微生物発酵茶(緑茶を用いて安全な微生物で発酵したお茶)の製造など、研究を重ねていらっしゃるエネルギッシュな方です。朝(?夜中)2時に起きて、お風呂に入り、朝食(?夜食)を摂り(食事は一日5食とか・・・もしかして冗談?)、テニスをして、仕事もする。筋肉質の体がご自慢で、グルコースの消費量を増して血糖値を正常に保つようにしているとか。

 

 

 この酵母と教え(技能)を100%守って造っているのは、今では数ある静岡の蔵元さんの中でも3つだけ。足利市のフラワーパークにある樹齢140年(重要文化財天然記念樹)の藤の花がすっかり弱りきっていたのに、"奇跡の藤"として元気に復活し、今では全国から多くのファンを集めるようになったのも、この蔵元さんからの酒粕を肥料にしたおかげとか。

 

 

 そんなお酒と人を造り続ける傳兵衛さん曰く、

 

大切なことは、

 

★ 一に、スポーツ。

★ 二に、バランスのよい食事。

★ 三に、自分の仕事をもつこと。

★ 四に、よきパートナーを得ること。

 

 

 この学部で勉強できることが、しっかり詰まった四か条を偶然にもいただいてきました!

 

 

(酵母の写真は持たないし、一升瓶の写真は・・・といろいろ考えた挙句、今回は写真なしのブログにしました)

 

ippo

 

 

 

 

2010.07.28

フジタプロジェクト

皆さん、フジタプロジェクトをご存じですか。

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藤田聡先生が高齢者の運動効果について、研究をされておられる(詳細は、藤田先生に直接お聞きください)。

運動教室を卒業された方が、自分たちで継続させたい、と考えられ、藤田先生に相談された(と思う)。

そのような動きを受け止め、行政にも働きかけ、高齢者が中心なったコミュニティを創っていくためには、人文・社会科学的な領域の研究成果を導入していく必要がある。

それで、藤田先生を中心に、長積先生、山浦先生、そして、大友が参画して進めているのが、フジタプロジェクトである。

 

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若手の先生、院生も関わっておられる。このフジタプロジェクトが、わが国の高齢者健康増進のための、一つのモデルになる予感がしている。

 

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【 智 】(写真上2枚 20100722 爽やかな藤田先生によるセラバンド教室・参加者は藤田先生のファンが多いんですよ! 

 

写真中 20100609 藤田研究室にてフジタプロジェクトの立ち上げ。みんな、楽しそうでしょ? 

 

写真下 20100722 スポ健が誇るキムタクならぬキムテツ先生によるお話・後ろに立っているのは、藤田先生とウィンドミルが上手な院生・松谷君 )

 

 

 

2010.07.27

まかない飯の進歩。

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<RecO便り 15>
 前期授業最終日、大学院のスポーツ栄養学特論でのちゃんこ番による、まかない飯も最終回となりました。
 最後ということで、ちゃんこ番を4名に増員し、取り組んだメニューは「パエリア」。写真のように、ちゃぶ台の上のホットプレートいっぱいに、とんでもなく具だくさんのパエリアができあがりました。見た目も迫力ですが、できあがった時の芳醇なスパイスの香りは、ガラス越しにRecOの外を通り過ぎる全ての人の足を止め、ガラスの中の様子を覗かせていました。

P1020043.JPGのサムネール画像
 「見た目も、香りも最高! でも味は・・・だったりして!」と私が意地悪に言うと、ちゃんこ番の一人は「え〜! ここまで期待させて、それ最悪じゃないですかぁ。だったら逆の方がいいなぁ」と口では言っていましたがその表情には「まずいわけないでしょ!」という余裕が現れていました。

 さて、実際の味は、というと、ちょっと塩気は足りなかったものの、それぞれの具材の力に、【浜】先生からいただいた、プロバンスのハーブが絶妙に絡んだ、香りと同様に、芳醇なフランス風パエリア(?)になりました。付け合わせたオニオンスープも、作成過程ではかなり心配しましたが、こちらは【忠】先生からアメリカみやげにいただいたスパイスのおかげで、たまねぎの甘みを引き出したおいしいスープになりました。

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 2巡目に入り、ちゃんこ番は急成長を遂げました。できあがった、まかない飯が美味しくなった大きな要因は、急に技術が進歩したからでも、味付けがうまく出来るようになったからでもありません。計画的な仕込みと後片付けが少しずつできてきたからだと思います。

 先日参加した、大阪ガス主宰のセミナーでは、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが先日のサッカーワールドカップ等を例に「準備力」の重要性を語っていらっしゃいましたが、調理実習での「準備力」が、調理の計画、仕込み、そして後片付けです。

 今回はちゃんこ番2人で毎回約20食のまかない飯を作りました。そのため、栄養的視点からだけはなく、時間、人手、価格等の要素を考えてメニューを決め、実習室の器具を確認し、買い物、下準備という様々な準備が必要です。
 そして忘れてはならないのは、後片付けが、次への大切な準備であることです。食器を洗い、片付け、隅々までしっかり掃除をすることで、実習室の様子が把握でき、そして愛着がわき、丁寧な作業につながります。そしてそれが次の調理の効率を高めます。今回もこれが、料理の味に大きく影響してきたはずです。

 ちゃんこ番開始直後は、排水溝の生ゴミを遠目に眺めていた感のあった院生達ですが、2巡の目には、だいぶ積極的に片付けをこなし、中には掃除の楽しさに目覚た様子の院生も現れました。せっかくなので最終日には、ちゃんこ番以外の院生には、RecOの「プチ大掃除」をお願いしました。
 せっかくちょっとだけついてきたちゃんこ番の「準備力」、ここで終わらすのはあまりにもっていないなぁ、というのが、正直な感想。また、早々に何か企画しましょうね。

  企画、といえば、今週末のオープンキャンパスでは、事前予約制でRecOの料理教室が行われます!
 たくさんのご参加をお待ちしています。 予約は以下から。

 http://www.ritsumei.jp/event/detail_j/topics/6300/
 

 最後に、スポーツ栄養学特論を履修した14人の院生の皆さん、ごちそうさまでした!
 また、まかない飯を食べて支えて下さった先生方、ありがとうございました。 

【abc.】

  
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 先日、このブログでもご紹介のあった、先生方からお祝いにいただいた花束、驚くほど長く持ちました。特に百合はついていたつぼみが、あの強靱は花粉を覗かせながら、見事に全部力強く咲きました!(写真は最後1つ残った百合の花を、研究室のある物(!)上に鉢植え風に飾って楽しんでいたものです)。
 さすが強者揃いの先生方からいただいた花だなぁ、とずっと感心していました。
ありがとうございました。




 

2010.07.26

1年経ちました!

 このスポーツ健康科学部のブログ開設から1年経ちました。昨年の727日にブログ「Rのたまご」がはじまり、スポーツ健康科学部ならびにスポーツ健康科学研究科の開設準備に奔走していた設置事務局の教職員の皆さんの協力を得て始まりました。立命館大学で新たに開設されるスポーツ健康科学部・同研究科が何を目指すのか? どんな施設・設備があるのか? 先生方の研究分野は? 入学するための方法は?など、入学案内、パンフレットでは伝えきれない、我々の考え、思い、方向性を気楽に読んでもらえる形式で配信しよう、ということで始まりました。

 今年の4月に一期生を迎え入れてからは、ブログ名を「あいコアの星」に改名し、また新しく来られた先生にもブログの書き手として加わって頂き、一期生の様子、教員の様子なども伝えながら展開しています。おかげで、受験生、学生、院生、教職員、保護者、校友など学内外からも多くの方に読んで頂いているようです。

 驚くべきことに、この1年間1日も欠けることなくブログが更新されています。『継続は力なり』といわれていますように、このブログの影響も少なくないようです。書き手の先生方には少々プレッシャーがかかるようですが、10年、20年、30年とたゆまず繋げていきます。今後も多くの方に、立命館大学スポーツ健康科学部・同研究科の情報を発信してきますので、引き続きご愛読のほどお願いします。

 

 さて、先週で授業も終わり、学生・院生はレポート提出、試験が始まりました。先生方は大型プロジェクトの実験、ならびにその準備、調査など、それぞれの研究スタイルでのアプローチを本格化させています。【聡】先生、【浜】先生を中心とした筋バイオプシーの予備実験も無事終了し、本格的な「筋研究拠点」を目指して順調なスタートがきれたようです。【moto】先生、【一成】先生も実験室を本格稼働させた実験に取り組んでいます。【哲】先生も前任校で行ってきたデータがインテグレーション・コアでも同じように取れるかどうかの検証のため、慎重に検討を重ねています。【成弘】先生は、自らの睡眠を削って、睡眠中のデータを取得しています。【hassy】先生、【香里】先生は、基礎医学実験のための準備が整い、細胞、組織の生化学的解析ができる状況になりました。【伸輔】先生は、スポーツパフォーマンス測定室の高速度ビデオカメラ、モーションキャプチュア(動作の自動取得システム)のソフトバージョンアップなど実験室の再セットアップを行ってもらっています。その他、ここにお名前の書ききれない先生も、夏季に実験、調査、論文執筆など精力的な取り組みを計画されています。大学教員にとって、夏休みは研究のかき入れ時です。夏を過ぎて、秋から春にかけてインテグレーション・コアから大きな研究成果がでることは間違いなしです。ご期待下さい。

 

 731日、81日は、BKCでもオープンキャンパスがあります。昨日の【敦】先生のページにありますように、今年のオープンキャンパスは、インテグレーション・コアをフル活用したイベントも盛りだくさんです。栄養調理実習室(RecO Studio)も使います。また、ミニ講義、実習もあります。『百聞は一見にしかず』です。是非、じかに来て、観て、聞いて、触れて、交わって本学のスポーツ健康科学部を体験下さい。そして、この学部の目指す

もの、他大学との違いなどを明確に認識して、本学部への入学動機をさらに高めてもらえれば嬉しいです。

 

【忠】

 

 

 

2010.07.25

7/31・8/1 に、オープンキャンパスが開催されます!

一学期も終わって、夏休みに入り、
みなさんいかがお過ごしですか?

今週末、7/31 (土) と 8/1 (日) は、
立命館大学オープンキャンパス が開催されます。

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スポーツ健康科学部でも、
学部紹介・模擬授業・研究体験・施設紹介・
在学生によるイベントなど、
様々な企画が執り行われます。
詳しくは、スポーツ健康科学部 HP の
スポーツ健康科学部の EVENT NEWS をご覧下さい!

私は、学部紹介と、研究体験 (8/1) を担当します。
みなさん、是非、友達と一緒に足を運んで、
スポーツ健康科学分野の最先端の研究に触れて下さい!

それでは、また。失礼致します。
良い休日を。
               敦


2010.07.24

国と地方自治体の顔となる政策

毎日、猛暑が続き、夜は熱帯夜...。ついつい、冷たいビールが飲みたくなる季節です。

 

さて、先週、"まつりのあるまち:祇園祭..."のトピックで、祭りを支える地域社会と住民の姿を、得意の?「続きを読む...」で書き記すはずだったのですが、仕事に忙殺されて、まだ続いていません...。

せっかく、このトピックに興味を持って頂いた方もいるので、この今日のブログの原稿を書き上げたら、7月17日の記事にまで遡って、得意の?(もうええか...)「続きを読む...」を編集したいと思います。

もう少しだけ、時間を下さい...。

 

さて、前置きが長くなりましたが...

SP1.JPG7月20日に文部科学省が、「スポーツ立国戦略」の原案を発表しました。2000年にスポーツ振興基本計画が策定されましたが、この基本計画のビジョンは、今年度までの10年間を見越したものでした。

 

今回のスポーツ立国戦略の原案は、次の10年間に国がどのようなスポーツ振興を図ろうとするのかという、いわば「国の方向性」を示したものといえます。このスポーツ立国戦略は原案であり、発表された7月20日から8月12日まで「熟議」という意見交換の期間に入ります。

 

戦略案については、以下に示す文部科学省のURLから入手することができますが、公表されている概要については、左上図にあるとおりです。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/07/1295841.htm

 

文部科学省が"スポーツ立国"という政策を打ち出したのは、今回が初めてではなく、2007年、そうまだ政権が交代する前の自民党政権時代に諮問機関から「スポーツ立国ニッポン」という答申が提出されています。この答申の副題が「国家戦略としてのトップスポーツ」というもので、自民党政権時代には、"競技力強化"に力が注がれようとしていたことがうかがえます。

 

政権が変われば政策も...ということは、子ども手当や事業仕分け、また高速道路の料金に関する方針などから鑑みても理解できると思いますが、民主党政権になって示された今回のスポーツ立国戦略の内容にも、自民党政権時代に打ち出された内容との違いが見受けられます。

 

今回の提案は、"スポーツ立国"のために、「1.ライフステージに応じたスポーツ機会の創造」「2.トップアスリートの育成・強化」「3.スポーツ界の連携による"好循環"の創出」「4.公平・公正なスポーツ界の実現」「5.社会全体でスポーツを支える基盤整備」といった5つの重点戦略が掲げられています。

重点戦略とはいうものの、政策の性質上、内容が総花的な感じになっているのは否めないのですが、1997年から一貫して文部科学省が力を注いできた「総合型地域スポーツクラブ」を活用し、スポーツ環境の整備を図って、"生涯スポーツ社会"を実現するということに重点が置かれているように感じ取れます。また今回のスポーツ立国戦略の中では、総合型地域スポーツクラブを基軸に、地域におけるスポーツ活動を、民主党が掲げる"新しい公共"によって実現するという点が強調されています。

 

総合型地域スポーツクラブとは何か?またこのクラブがどのような役割や期待が寄せられているのか、さらには、提案された内容が本当に国がめざす姿として掲げられている"新しいスポーツ文化の確立"に資するものとなっているのかという点は、また別の機会に改めて考えることにしたいと思います。

 

国や地方自治体の方向性を示す政策を策定することができるのは、行政組織にしかできません。いわば国や都市の"顔"となるこの政策の策定と意味について、少しだけ考えてみたいと思います。

 

 




 

 

SP2.JPGそもそも国や地方自治体のスポーツ政策は、1961年に公布された「スポーツ振興法」によって規定されたものです。左図は、スポーツ振興法の第1条から「計画の策定」が記される第4条までを示したものです。

第4条第3項には、「都道府県及び市(特別区を含む)町村の教育委員会は、第1項(文部科学大臣は、スポーツの振興に関する基本的計画を定めるものとする)の基本計画を参しゃくして、その地方の実情に即したスポーツの振興に関する計画を定めるものとする」という内容が記されていますが、国ですら、この法律に則って、スポーツ振興計画を策定したのは、この法律が制定されてから40年もの時を経た2000年9月のことです。

それまでは、保健体育審議会の答申を国のスポーツ振興計画として代用し、それに基づいて各自治体で、様々な施策・方策が展開されてきました。

  

SP3.JPG左図に示したものは、以前、論文にまとめた結果なのですが、2000年9月に国が基本計画を策定した以後、1年後に都道府県単独のスポーツ振興計画を策定した自治体は、全体の4割程度であったのが、3年後には7割の自治体が独自のスポーツ振興計画を策定したということがわかります。その後、2006年の段階では、47都道府県中、41の自治体でスポーツ振興計画が策定されるに至りました。

 

ただ、市町村に目を向けてみると、地域間の格差はありますが、総合計画や教育基本計画の一部でスポーツ振興についてふれられている程度にしか過ぎず、市町村レベルでスポーツ振興計画を策定している地域の方が圧倒的に少ない傾向にあります。

 

私が15年間住んだ徳島県では、平成の大合併といわれる市町村合併前までは50市町村が存在しましたが、単独のスポーツ振興計画を策定している自治体は、1つしかありませんでした。しかもそれは、2000年に国が策定した以前に策定された計画です。合併後、徳島県の自治体数は半減しましたが、ようやく、最近になって三好市がスポーツ振興計画を策定しようとする動きがあるぐらいで、その他の自治体については、政策の策定に関して、関心が薄いようです。

 

政策が策定されていないにもかかわらず、スポーツ振興にはある一定の予算が付き、事業が執行されています。これって、おかしくないですか?

 

政策や方針が決まらないまま事業が執り行われるというのは、本末転倒で、事業は政策目的や目標を達成するための手段でしか過ぎないにもかかわらず、めざす方向が定まらないままその手段を講じられるというのは、違和感を感じてしまいます。政策が策定されないまま事業を実施している自治体の行為そのものを全否定するつもりはありませんが、「スポーツ振興」という方向性は定まっていたとしても、限られた資源は、効果的かつ効率的に向けられるべきというスタンスに立てば、やはり、望ましい状態とはいえないでしょう。

 

何も地方自治体、とりわけ、スポーツ行政を司る教育委員会をはじめとしたスポーツ振興部局にけんかを売っているようなことがいいたいのではなく、"行政組織にしかできない、また行政組織だからこそできる役割や機能"ということを考えれば、それは、やはり、"政策を策定する"ということに他ならないでしょう。しかもそれは、"まちの未来を切り開く"政策の策定です。

なぜならば、政策は、まちの顔、まちの誇り、つまり、"ホームタウン・プラウド(誇り高きまち・ふるさと)"を醸成し、まちの文化を象徴する存在となるからです。

 

確かにスポーツ振興法に記されるように、国の基本計画を参酌し、都道府県、市町村というように各自治体が政策の一貫性を担保しつつ、地域の実情に即した政策を策定して、スポーツ振興を進める必要があることは十分認識しています。しかしながら、これほど"地方分権社会"と叫ばれながら、都道府県が掲げる政策は、横並びの発想とも受け取れるような画一的な計画が多いのも事実です。

 

地方都市におけるスポーツ行政の実情は厳しく、公務員の人員削減や予算カットにともない、専任の担当者が確保できないという地域もたくさんあるようです。日常の煩雑な雑事や仕事に忙殺され...という状況は、理解できますが、やはり、「まちの顔」となる政策の策定とその実現は、行政職員にとって最も高い優先順位が置かれるべき仕事です。

 

"ビジョンなくして、意味ある事業はなし..."というところでしょうか...。

ただ、単に策定すればいいのかということではなく、策定される政策には、地域住民の想いや願いが託されるべきでしょう。意味ある行為には、行為者の主体性が不可欠です。

 

"must"ではなく、意思や願望という意味合いを含む"will"で各自治体の政策が策定されることを願ってやみません。