[ Sun ] の記事一覧

2018.01.14

森の幼稚園(その1)

今回はヨーロッパ生活における子どもの幼稚園を紹介したいと思います
。5歳になる息子はデンマークにいた時も現在のオランダでも現地の幼稚園に通っています。もちろん言葉はデンマーク語とオランダ語が中心となるため、コミニケーションはほとんど取れていない状態ですが(汗)、特にデンマークの幼稚園での生活は本人にとっても、とても楽しかったようです。

デンマークで生活を始めた際に子どもが通うことのできる幼稚園は、コペンハーゲン市内にも複数あったのですが、近隣ではなくあえて郊外の幼稚園に入園しました。この森の幼稚園(Institutionen Stockholmsgave Centrum)はデンマーク人にも大変人気なところだそうで、空きを待つ園児もいるほどだそうです。我々がデンマークに来た際には、たまたま空きがあったので入園が可能でした。

朝はコペンハーゲン内の決まった場所になんと大型の2階建てバスが子供達を迎えに行きます。8時半にピックアップされて郊外にある幼稚園に向かい、午後は15時半にバスがまたコペンハーゲンまで送ってくれます。



送迎場所になっている場所の建物には別に部屋が用意されており8時半より前に子供を預けたい保護者は先にその部屋に子供預けておいて出勤することもできますし、逆に15時半に迎えに来ることが難しい場合も17時くらいまでは同じ場所で子供たちが幼稚園から戻った後も少しの時間保育してくれます。

デンマークは大学等の教育については全て無料ですが、幼稚園に関しては有料です。ただ収入に応じて国から補助が出るため、結果的には日本の幼稚園に比べるとかなり割安になるのではないでしょうか。

僕自身が幼稚園を訪問できたのは、我々がオランダに立つ直前のご挨拶に伺った時のみでしたが、自然の中にある幼稚園は本当に素敵な環境でした。

satoshi



デンマークからオランダに移動する前に念願の「本場デンマークのレゴランド」を訪問することができました。子どもはもちろん楽しんでいましたが、大人が一番レゴランドの魅力にはまったような気がします。

2018.01.07

NUTRIM Symposium

今日はマーストリヒト大学の学科内でのシンポジウムがありました。School of Nutrition and Translational Research in Metabolism(NUTRIM)は設置されてから今年が25周年だそうです。そのため記念シンポジウムも行われましたが、中心となるのは大学院生の発表です。

まず最初に、大学院のコンセプトや運営状況について大学院課のコーディネーターから最初に説明がありました。博士課程の大学院生の研究活動がマーストリヒト大学の推進力の源であることをデータに基づいて話をされたのは印象的でした。

大学の博士課程における教育理念や、卒業生の就職先、なぜ今博士号の獲得が社会的に求められているのか、等についての話がありました。単に専門分野の研究力を養うだけでなく、コミニケーションスキルや創造力、チームワークやリーダーシップなど、立命館大学のスポーツ健康科学研究科でも推進している共通したスキルを大学院課程における教育目標として掲げているのは嬉しい驚きでした。

オランダでは社会的に経済に何かしら貢献している人口全体の約7%が博士号を有しているとのことです。ヨーロッパの中では決して高い数値ではないそうですが、それでも社会人の7%の人が博士というのはとても興味深いデータです。

ちなみにマーストリヒト大学の大学院における博士課程の在籍期間は平均4.5年だそうです。4年のプログラムですが、これは多くの院生が在籍中に就職が決まり、両立しながら修了を目指すことが理由だそうです。

今年は異なる分野から77のポスター発表が行われました。ポスターは2分間の口頭発表の後、3分間の質疑応答を審査員が順番に実施し、専門分野ごとにまとめられたポスターの中で優秀と判断されたポスターが午後の本審査で口頭発表する機会が与えられます。




午後の口頭発表は2枚ほどのスライドを使った発表ですが、こちらも質疑応答が行われ、最終的に優秀ポスターが表彰される、というシステムがとられています。これも博士後期課程の教育プログラムの一環として実施されています。

毎年の進捗報告を兼ねているので、ポスターによっては必ずしも結果・考察までまとまっておらず、今後の研究計画を示している場合もあります。しかしその内容に関わりなく、フリーディスカッションの時間は皆ポスターの前で熱心に同僚とディスカッションしていました。

内容としてはスポーツ栄養学から臨床栄養まで様々でとても幅広いですが、共通した認識としてはすべての研究結果を運動・栄養指導の現場に活かすというTranslational Research(橋渡し研究)に焦点をあてたシンポジウムになっています。

個人的にはとても興味深かったのは、学科が運営するシンポジウムとしては珍しく、この分野に貢献をしている世界でも有数の研究者を招待し表彰すると同時に記念シンポジウムを開催することです。
今回はNIH(アメリカ国立衛生研究所)で長年にわたりサルコペニア(加齢に伴う骨格筋量と筋機能の低下現象)の研究を実施しているDr.Luigi Ferrucciの講演でした。研究内容はもちろんですがサルコペニアの概念についての話やコホート研究の難しさなど、研究アプローチに関する話も大変参考になる貴重な講演でした。

http://www.mintonline.org/event-nutrim-symposium.pdf

全体として学内のシンポジウムというよりは、独立した学会の年次学会のようなレベルの高いイベントで大満足です。

satoshi

2017.12.31

修道院での口頭試問

先日博士課程の口頭試問を見学をする機会に恵まれました。
現在滞在しているマーストリヒト大学のSchool of Nutrition and Translational Research in Metabolism(NUTRIM)ではたくさんの博士課程の学生が所属しています。

今回は直接は関わりのない他の研究室の大学院生の口頭試問でしたが、博士課程修了までの手順は全学同じのようで、基本的に博士後期課程は4年で修了を想定したプログラムになっています。

口頭試問はメインキャンパス内にある教室棟で行われました。ここは以前は修道院だった建築物を改装したらしく、そのデザインに先ず目を奪われます(ブログ下の2枚目の画像)。

大学内の博士課程の口頭試問は全て同じ会場で実施されるそうで、毎週のように予定が詰まっている、とのことでした(特に金曜日は口頭試問の後にパーティーが続くので特に予約がぎっしり詰まっているとか)。

口頭試問の前に、院生は審査員の先生が迎えに来るまで控え室で待機します。この控え室、牢獄のような重々しい雰囲気のドアで閉ざされていますが、中は落書きでぎっしり!
これはこれまで過去の口頭試問を受けた院生が皆記念に名前と口頭試問の試験日を書き込んだ跡だそうです(写真左下・右下)。



口頭試問の流れとして、まずスライドを使った10分間程度の比較的短いプレゼンテーションを行います。その後なんと5人のOpponents(副査)から次々と質問が降りかけられます(写真左上・右上)。

それぞれの副査が約10分弱の質疑応答を行い1時間後に合図が出て完全にそこで審査が終了します。

今回の発表者の??は睡眠の乱れ(夜勤による時差ぼけなど)に関する研究を行っていて、睡眠が身体の代謝調節(血糖値の制御など)に及ぼす影響を調査していました。
(実際に被験者を外から光が全く入ってこない、時計もない部屋に数時間管理することで、昼間の晩の感覚を麻痺させるそうです。。)
個人的にはとても興味のあるトピックでかなり真剣に聞き入ってしまいました。

Opponentsからの質問内容は建設的で細かい基礎的な質問というよりは、より論理的に研究全体を総合的に思考することが求められるような質問が多かったです。
15分ほどして、審査の結果が報告され、何とその場で学位授与!プロセスが早い。
そしてその後はもちろんパーティーです。

口頭試問は午後に行われたのですが、実は数名のOpponnetsの先生方が講演するセミナーが同日の午前中に実施されました。フロリダ大学のKaryn Esser教授を含め、体内時計の分野のトップの研究者が講演するのですから、それは盛大なセミナーで、まさに学会のシンポジウムそのものの雰囲気でした。

我々のスポーツ健康科学研究科も学外から招聘副査をお招きしますが、そういった先生方に別の時間を割いて頂いて、学部・研究科全体に講演したして頂く、というのも将来的には面白いかも。

皆さん、どうぞよい新年をお迎えください。

satoshi

2017.12.24

クリスマスマーケット

これからクリスマスシーズンが始まりますがオランダ全土の至る所でクリスマスマーケットが展開されます。クリスマスマーケットはいわゆる出店が立ち並ぶマーケットで、もともとはドイツ発祥だそうですが、オランダでも各地で開催されています。

クリスマスマーケットでは洋服からクリスマスのオーナメント、デザート類を含む食品まで様々な物が売られています。日本のお祭りを少しイメージさせる雰囲気ですが、地元の人にとってクリスマスマーケットはこのシーズンには欠かせないイベントとなっているようです。

今住んでいるマーストリヒトのクリスマスマーケット(写真右下)もオランダのクリスマスマーケットのトップ10に入ります。

https://www.iamexpat.nl/lifestyle/lifestyle-news/top-christmas-markets-netherlands-2017

特にオランダでも有名で、ヨーロッパ全土から多くの観光客が訪れるのが、マーストリヒト駅から電車で15分ほどの距離にある隣町のファルケンブルフにあるGemeentegrotの洞窟内のクリスマスマーケットです。




マーストリヒトの洞窟も有名ですが、このファルケンブルフの洞窟も、もともとは建築材として用いられる石灰石(limestone)を採掘していた採石所跡です。
オランダは石造建築が多いことからもこういった採石跡としての洞窟が多く見受けられます。

戦時中は洞窟が避難場所としても利用されていたそうですが、クリスマスシーズンになると、この洞窟内がクリスマスマーケットで華やかに輝きます。マーストリヒトの洞窟も一度見学に行きましたが、その時は洞窟内がひんやりして暗く少し恐かったです。

ファルケンブルフの洞窟内のクリスマスマーケットで最も古くから開催されていて有名なのが、Gemeentegrotのマーケットです。Gemeentegrotの洞窟は眩しいくらい明るくて、暖かく活気に満ちていました。

焼きたてのワッフルも美味しかったな〜。

皆さん、Prettig Kerstmis! (メリークリスマス!)

satoshi

2017.12.17

シンタクラース

オランダには11月になるとシンタクラースがやってきます。そうです、サンタクロースではなく、”シンタクラース”です。シンタクラース(聖ニコラウス)は、赤いマントと冠、そして長い白い髭が特徴で、見た目はサンタクロースそっくりです。 


この聖人は、毎年11月中旬、「ピート」と呼ばれる大勢の従者をつれて、”蒸気船”に乗ってやってきます。オランダでは12月5日の晩にサンタクロースのように子供たちのお家に訪れて、プレゼントを置いて行くと信じられています。
(悪い子はスペインに連れてかれるそうです。。)

オランダ人に尋ねたところ、オランダ人の子どもは主にシンタクラースからプレゼントをもらうのが風習で、日本のようにサンタクロースからクリスマスにプレゼントをもらうことのほうが希なんだそうです。

見た目はサンタクロースそっくりですが、付き人のピーとを引き連れてくるところもサンタクロースと大きく異なる特徴です。多くの子供たちはこのピートに扮して、まるでハロウィーンのように着飾ってイベントに参加します。

11月18日の土曜日にマース川を渡ってシンタクラースがやってくるイベントには大勢の家族連れで、街は大賑わいでした。この日から12月5日(シンタクラースの誕生日)まで街の様々なところでイベントが繰り広げられます。

歌や踊り、子ども達とのゲームなど、イベントも様々です。この時期にスーパーで売られているクッキーのKruidnoten(クラウドノーテン)は茶色い小石のようなクッキーですが、シナモンやショウガの味付けが絶妙で結構食べ出すと癖になります。



大学でも12月5日までは至る所でクラウドノーテンが振る舞われます。ちょっと食べ過ぎたかな。。

長男が通っている現地の保育園では12月5日の朝はシンタクラースが登場するイベントがあり、ものすごい人だかりでした。同じ研究室の先生の娘さんも幼稚園に通っているのですが、前日4日の晩は興奮して眠れていなかったそうです。子ども達にとって、シンタクラースはとても大事なイベントです。

こういった異なる文化に触れることができるのも、ヨーロッパ生活の醍醐味ですね。

satoshi



2017.12.10

バーミンガム大学

イギリスのノッティンガムでの学会参加の後、電車で1時間半ほど移動してバーミンガムに来ました。ここバーミンガムはイギリスのウェスト・ ミッドランド州に位置しており、ロンドンに次ぐ2番目に大きな都市だそうですが、、、やはりロンドンに比べると、中央駅近辺の雰囲気は少しおとなしい感じがしました。ただ、現在急成長中の都市で人口もどんどん増加しているとか。

今年の10月までデンマークでお世話になっていたコペンハーゲン大学のLars Holm先生がこの秋よりバーミンガム大学の教授として栄転されました。現在、コペンハーゲンではその共同研究が進行中(主に大学院生が被験者のリクルートから実験までこなしてくれています)のため、研究の打ち合わせも兼ねてバーミンガム大学を訪問しました。



大学のキャンパスはとても広く、図書館そしてスポーツ施設も新設されたばかり。とても素晴らしい施設でした。Holm先生が所属するスポーツリハビリテーション学部も実験機器は一通りそろっていて、培養細胞を使った基礎から、ヒトを対象とした応用までの幅広い調査が可能です。現在コペンハーゲン大学でも共同研究が進行中ですが、ここバーミンガム大学でも、ヨーロッパと日本の中高年者を対象に調査を実施し、生活習慣の違いが骨格筋量や筋機能に及ぼす影響についての調査を行っていくことを計画しています。

バーミンガム大学は研究に力を入れており、国際的な交流を深めていくことを1つの目標として掲げています。我々の骨格筋の研究においても、Holm先生を含め、国際的に著名な研究者が複数所属しています。実は、立命館大学で僕のゼミ生だったN村君が、ここはバーミンガム大学で修士課程に所属しています。彼は来年度から博士課程にそのまま進学する予定です。現在N村君の指導教官であるDr. Leigh Breen先生は、以前立命館大学に客員教員として本学の大学院生に向けた夏期の集中講義を実施してくださった、マクマスター大学のStuart Phillips先生の教え子でもあります。色々な形で国際的な研究のつながりが構築されています。
スポ健の卒業生が国際的な研究者として活躍している姿を見ることができるのは、とても嬉しいです。
(嬉しすぎて写真を撮り忘れました)

satoshi

2017.12.03

ロビン・フッド

今週はノッティンガムで開催されていたBASES(The British Association of Sport and Exercise Sciences)カンファレンスに参加してきました。

ノッティンガムはイギリス中部にある街で、イメージしていたよりもずっと小さく静かな街並みでした。かの有名なロビン・フッド伝説でも有名な街です。

BASESのカンファレンスは、通常スポーツ科学(運動生理学やスポーツバイオメカニクス)が中心の学会のようですが、今年はFEPSAC(European Federation of Sport Psychology)と合同で開催されたため、トレーニング科学の中でも、スポーツ心理学に関連したトピックの発表が目に付きました。

スポーツ心理学のセッションでは、リオオリンピックでの選手に対する心理サポートの逸話や選手帯同における苦労話など、スポーツ指導の関係者はメモを取りながら熱心に聴き入っていました。

運動生理学の分野は発表のトピックがとても幅広く、アスリートに対するトレーニング方法の検討から一般の中高齢者に対するダイエット目的の運動処方の検討まで様々で、何を見に行くべきか迷うくらいでした。



本学会では研究室の博士後期課程のとりっぴー君が小学生の疾走能力を身体組成や力学的観点から調査した結果をポスター発表しました。また、学会会場では現在ドイツに学外研究中のO塚先生にもお会いすることができました。
この学会でも立命館大学の名を知らしめた(?)ことと思います。

学会会場となっているカンファレンスセンターはノッティンガム大学の中にあります。ノッティンガム大は敷地がものすごく広くて、移動が大変でした。ノッティンガム大学は1881年にノッティンガム市内で初の市民大学として始まった由緒ある大学のようです。建築物も歴史を感じる佇まいで、ゆっくりとした時の流れを感じながらも厳かな雰囲気を感じる素敵なキャンパスでした。

学会2日目が終わったので、これから電車に乗ってバーミンガムに移動します。

satoshi

2017.11.26

ユヴァスキュラ大(その2)

共同研究先のユヴァスキュラ大学の先生の紹介で近所の小学校の見学に行ってきました。この学校は将来教員を目指す子供たちが集まる小学校だそうで、ユヴァスキュラ大学と協力しながらそれぞれの授業の中で教育力を育む内容が盛り込まれています。



当日は小学校5年生を対象とした英語の授業を見学させていただきました。今回の英語の授業はユヴァスキュラ大学の教育学部の将来英語の教師となる大学生(3年生)が模擬授業を行っていました今回はちょうどハロウィンが近いと言うことでハロウィンのテーマに沿ったいろいろな単語やハロウィンについての歴史などを英語で紹介したり、単語を皆で一緒に発音したり、単語に関するクイズに挑戦していました。

子ども達自らに考えさせて積極的に発言させる、という授業形態はもちろんですが、興味深かったのはiPadを用いた授業です。子ども達一人一人がそれぞれのiPadを使ってアプリにログインした後に質問に対してリアルタイムで答えを選択します。その場で正解が提示されて正解率のランキングがリアルタイムで表示されるので、かなり子ども達も真剣です。
クイズの内容は事前に授業で学習した単語についてなので、比較的記憶に残っている状態でゲームでおさらいをするようなイメージでしょうか。授業中は色々としゃべったりして集中力のない子どももいましたが、いざゲームになると突然集中力が上がります。



一緒に同行した神戸大学のS先生は子供たちと一緒に挑戦した結果なんと25人中11位でした(質問がフィンランド後で一部ハンデもありましたが)。

英語の授業の後は学内の施設の見学をしましたが、その案内をしてくれたのは小学校6年生の男女の二人。マニュアルをたまに見ながらも、説明は全て英語で、かつ質疑応答にもきちっと対応してくれました。将来の教育者を育てることを理念においている小学校ならではのとても興味深いプログラムだと感じました。



授業時間は45分で授業と授業の間に15分の休憩が入りますが、この寒さの中にも関わらず、休憩の時間帯はほとんどの子ども達が外で元気よく遊んでいました。フィンランドでは子ども達の活動量を増加させるキャンペーンを小中学校で大々的に実施しており、休み時間だけでなく、授業中も体を使って表現するなど、活動量を増やす術についていろいろな形で情報発信も行っていました。

学校での活動量の増加が子どもの集中力や学習能力を増加させる科学的な根拠を示すなど、単なる呼びかけに終わっていない部分もとても参考になります。日本でもこのようなやり方で子どもの活動量の増加が可能かどうかを試したいと思います。


satoshi

2017.11.19

ユヴァスキュラ大(その1)

先日、フィンランドのユヴァスキュラにあるユヴァスキュラ大学に訪問し、共同研究の打ち合わせをしてきました。
ユヴァスキュラ大学のLaakkonen先生はこれまで学会等で交流をしつつ、メールで共同研究について協議してきましたが、Laakkonen先生が今年度から研究費を獲得したため、具体的な共同研究の内容について情報交換しました。




ユヴァスキュラ大学の研究施設はとても素晴らしく、スポ健の研究施設と同様に、細胞・遺伝子のレベルから臨床までの実験環境が整っています。研究内容も自然科学から社会科学の分野まで幅広い研究が行われています。
大学院生やポスドクなど様々な若手研究者たちが日々議論しながら研究を実施している姿はこちらにもエネルギーを与えてくれるかのような熱気を感じました。興味深かったのは高齢者を対象とした研究で、なんと300人以上もの地域住民を対象とした介入研究(トレーニングや栄養摂取に関する研究)を一気に進行させる大変大規模な実験が進行していました(我々の介入研究と比較してほぼ3倍以上の規模)。

データも膨大なので、様々な専門分野の先生方がそれぞれ分担しながらデータを収集しています。測定にも同時に20〜30人の学生が関わるらしく、その連携も素晴らしいものでした。
Laakkonen先生は特に中高年女性を対象として性ステロイドホルモンと健康に関する研究を行っています。今後は性ステロイドホルモンの代謝の観点からフィンランドと日本の二国間の比較を行うだけでなく、動物モデルも用いて遺伝子レベルでの観点からも探索を行う予定です。



フィンランドを訪問した10月末の時点では既に雪が降っていました。訪問期間の最終日には朝はマイナス3度で、道路はもちろん池の水もうっすらと氷が張っていました。もちろん室内は暖房が効いているのでそこまで寒さは気にならずに済みました。



滞在期間中はフィンランドで人気のあるスポーツであるアイスホッケーの観戦に行くことができました。プロチームの対戦はとても刺激的で、フィンランド訪問の良い思い出になりました。

satoshi

2017.11.12

マーストリヒトの名物

今回はオランダの名物(食べ物)をご紹介したいと思います。

新しい街に来ると、最初に行くのがスーパーマーケット。そこで食べ慣れている食品が手に入るかどうかのチェックは、そこでの生活基盤を築く上でとても重要です。

オランダはデンマークと同様、酪農が盛んですので、乳製品は豊富で比較的安く手には入ります。特にチーズは様々な種類が取りそろえられていますが、僕はチーズの種類が分からないので、どれが美味しいのか分からず恐くて手が出せません。。(たまに強烈な臭いのチーズもあるので。。)

オランダ、マーストリヒトの名物はフラーイと呼ばれるフルーツパイです。
幾つか種類がありますが、最も人気なのはアップル味(まさにアップルパイ)。
パン屋さんやカフェでも食べれますが、僕がお世話になっているマーストリヒト大学のSchool of Nutrition and Translational Research in Metabolismでは、毎月院生の誕生日のお祝いをするのに、ランチルーム(休憩室?)で皆で一緒にフラーイを食べます。
コーヒーと一緒に頂くフラーイは最高です!




また、とても興味深いのは街で観光客や地元の人が常に食べているのがフリッツと呼ばれるフライドポテトです。アメリカンなイメージがありますが、もともとはベルギーが発祥の地だそうです。
地元の人たちには気軽なスナック菓子(?)として親しまれています。またアメリカのようにフライドポテトをケチャップで食べることはせず、マヨネーズをつけて食べるのが特徴です。

地元料理でのお勧めはZoervleisと呼ばれる馬肉のシチューです(下の写真の右側)。少し甘めですが、寒い晩に食べると体の芯まで温まります。馬肉の代わりに牛肉で提供するレストランもあるようです。
最初に食べた時はやはりフライドポテト付いてました。もちろん、マヨネーズ付(笑)。





しかし全体的にどれを見ても地元料理はカロリーが高めなような気がします。

国ごとの肥満率を比べてみると、オランダの肥満率は10%を超えていて、肥満率3%程度の日本に比べると高めです。

オランダもデンマークと同様に自転車の利用を推奨しており身体活動量は他国と比べると高いと推測されますが、やはり食生活の影響は大きいですね。

satoshi