やっと現地での滞在手続きが終わりました。すでに落ち着いて過ごしていましたが、気分的に少しは違うような気もします。
さて、日にちが経つのは早いものです。この時期、朝8時をすぎても、すっきりと夜が明けてはいません。調子が狂うなぁと思う日々です。
さて実は、10月9日はバレンシア州の祝日でした。1238年、アラゴン国王ハイメ1世が率いるキリスト教徒軍が、500年以上にわたって支配していたイスラム勢力に勝利し、そのハイメ1世王がバレンシアに入城したことを記念し今でもお祝いをしている日です。
この祝日が近づくほど、いろいろなイベントがあり、前々日からは、爆竹や花火ですごい音、煙、匂い、人だかり。祝日当日は午前0:00の花火に始まり、より一層パワーアップしたコンサート、パレード、伝統的な踊りで、街中がそれはそれはお祝い・お祭りムードいっぱいでした。すべてに歴史があり、人々の気持ちが表現されていると感じさせられる時間でした。
(伝統舞踊のこの女性、私に気づき…)。
(17時すぎから始まって3時間ほどに及ぶパレード。2時間見続けて、空腹に勝てず帰りました)。
パン屋さんやケーキ屋さんでは、今までにはなかったお菓子たちがショーウィンドーにお目見えし、スカーフも並びます。この9日は、(この歴史的な出来事にかかわりがあるそうですが)いわゆる”バレンタインのような”日で、男性が、女性のためにマサパン/マジパンという色とりどりのお菓子を、きれいなデザインのスカーフに包んでプレゼントするという日だからです。
マジパンで作られたお菓子たちは一口で入るほどの大きさで、2種類の大きなマジパンとのセットで売られていたりもします(この大きなパンにも歴史が絡み…いま所属している大学・研究所の人たちの説明で驚きの情報も…。味は…甘いっ!私は1切れで十分です)。

(地元では、モカドラーと呼ばれているマサパン:右の方にはスカーフ)
そして、今月12日は「イスパニアデー」。コロンブスの新大陸発見到達にちなみ、スペイン全土での祝日。
週末はいつも、(私が今いるところの)大学・研究所は完全閉鎖です。祝日は、もちろん閉鎖です。私がいつもぼーっと、すっとぼけているせいか、何度となく「大学に来ちゃだめだよ、入れないんだから」と、先生や院生、研究員の人たちに時折、念押しをされました。本当に親切な人たちです。
スペイン・バレンシアでは、時間をつくって楽しまないなんて過ごし方を間違ってるよ、という感覚(実際に言われます:「テレビで日本のことをやっていたから観たよ。どうして日本人は、あんなにストレスを抱えてまだ仕事をしているの?」「どうして海外まで出かけるのに、1週間しか休みを取らないの?」と冗談半分、本気半分で)。
何が正しいのかなどとは、国民性や個人の価値観もありますから言うことはできません。が、同じ時間でもこんな過ごし方があるんだと知ること、それを知った中で自分が一番幸せに過ごせるカタチを見つけた方がよいだろうなとは思います。
ちなみに、スペイン人はゆるりと休んでばかり…というわけではありません。大学人の生産性はかなりのものです。
【写真:祝日前の金曜・夜、いつもここにはない「オルチャータ」というバレンシア名物ドリンクのお店が登場。栄養補給とも聞きますがどうなんでしょうか。小さなカップ1杯、この日は無料。いよいよ私の順番が近づいてきた!ときの写真】
ippo