[ Sun ] の記事一覧

2017.08.27

エッシャーのだまし絵(オランダ・ハーグ、その3)

オランダの画家であるM.C.エッシャーの美術館(Escher in het paleis)に行ってきました。

http://www.escherinhetpaleis.nl/?lang=en

 


最近美術館ネタが多いと思われるかもしれませんが、実はそこまで美術館マニアではありません(汗)。ただ、このエッシャーのだまし絵は子どもの頃から大好きで、今回初めてその実物を鑑賞することができて感動しました。

 

この「滝」は皆さんもどこかで見たことがあるのではないでしょうか?

永遠に循環し続ける滝の水(笑)

水車に流れ落ちる水がまた滝まで戻ってくる様子を自然に描いたこの絵は、従来の遠近法の描写ではなく、背景の図や水の流れの描写で遠近感を引き起こしているそうです。何かよく分かりませんが、とにかくじっと見続けてしまいます。

 




館内はエッシャーの絵画だけでなく、エッシャーの生い立ちに関する資料や、トリックの映像や、ワークショップなど、子どもから大人までが楽しめる展示が沢山あり飽きさせない空間を創っています。

(上記のリンクから美術館の様子がご覧頂けます)

 

satoshi

 

2017.08.20

Zollverein Coal Mine(ドイツ・エッセン、その2)

ドイツのエッセンにヨーロッパスポーツ科学会議にて院生の発表が終わった後、エッセンにある、ツォルフェアアイン炭鉱遺跡は2001年にユネスコの世界遺産に登録されています。

https://www.zollverein.de/service/english-page

 


1986年までは2.4億トンの石炭が掘り出され、毎日8,000人の労働者が炭鉱地帯の地上と地下で働いていたそうです。現在は炭鉱の跡地に博物館も設置されており、エッセンの観光名所の一つになっています。


 

とにかくこの遺跡群の広いこと!とてもじゃないですが、半日では歩いて全てを見て回るのは無理でした。

 

 

博物館も以前、工場施設だったと思われる建物の中に建設されてますが、博物館に繋がるエスカレーターは石炭を運ぶ通路(?)だったのか、とてつもなく長い。。(上から見下ろしてみました)

 

 

博物館内に入るのは有料ですが、遺跡群の敷地内は自由に地域の住民が出入りしていて、犬の散歩をしていたり、バンドが野外でライブ演奏の練習をしていたり、複数の飲食店もありました。

イメージしていたユネスコ世界遺産とは少し異なる印象でしたが、地域と上手く融合している雰囲気が楽しかったです。

 

satoshi

 

2017.08.13

マウリッツハイス(オランダ・ハーグ、その2)

オランダのハーグを訪問した際に有名な美術館であるマウリッツイハイス美術館を訪問してきました。

https://www.mauritshuis.nl/nl-nl/bezoekinformatie-japans/



外観は大きな屋敷みたいです。地下から入りますが、真横の河川よりも低い位置に入り口があり、不思議な感覚に陥ります。

(川が氾濫したりしないのかな、と心配になるくらい)

 

広々とした部屋に絵画が展示されています。とても最先端だなと思ったのは、美術館内は無料でWi-Fiが繋がるのですが、美術館のアプリが配信されており、美術館内の案内から個々の展示物の詳細な説明まで全てがスマホのアプリ上で確認可能です。

絵画の説明は英語での音声ガイダンスもあります。通常は音声ガイダンスは有料で貸し出しているのが一般的かと思いますが、アプリ利用は全て無料でした。



作品リストから興味のある作品を見つけて、地図上でそれがどこに展示してあるかを確認できるので、時間が無い場合は興味のある作品だけをピックアップして鑑賞することもできます。

 



平日に訪問したからか、特に観光客でごった返している様子もなく、美術館内は比較的空いていました。オランダを代表する画家のレンブラントの「デュルプ博士の解剖学講義」やフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」も含め、多くの作品をじっくり自分のペースで楽しむことができるのがマウリッツイハイスの魅力の一つだと思います。

 

satoshi

 

2017.08.06

Midsummer’s Eve

デンマークでは夏で最も夜が短くなる夏至を盛大にお祝いします(北欧は特に冬の間、日があたる時間が極端に短くなるからでしょうか?)。

この日は街中でパーティーが深夜まで続きます。

 

(この日も研究所の皆さんは午後にはそわそわし出して、15時頃には皆いなくなりました。。)

 

この夏至のお祝いは”Sankt Hans (Saint John’s Eve)”と呼ばれており、1600年代から焚き火を起こしてそれを囲み、皆で食べて・飲んで・歌って祝ってきたそうです。コペンハーゲンの各地ではバンドが演奏をして、暗くなる前から焚き火が目につきました。


もともとは、ほうきに乗った魔女を焚き火で追い払う、という儀式から始まったそうで、実際に魔女の人形を焚き火の中で燃やしている風景も見かけられます。

 

 

上記画像は以下より転載(8-4-2017)

http://www.roervig.dk/hvad-sker-der-i-roervig/sankt-hans-paa-roervig-havn-100-aars-jubilaeum/

(現在はもちろん燃やしているのは薪などですが、1617世紀にかけてwitchcraft(魔女の信仰)で捕らえられた1000名もの男女が焚き火で処刑されたとか。。)

 

デンマーク人は夏のピークである夏至の美しい夕暮れを鑑賞しながら家族で食べて・飲んでお祝いします。夏は晩の10時くらいまで明るいので、僕は普段は既に寝ている時間ですが、写真撮影のために夜更かししました(笑)

 

Satoshi

 

2017.07.30

Frederiksberg Hospitalでの実験

先日はコペンハーゲン大学で実施されている臨床実験の見学に行ってきました。いつも行っているBispebjerg Hospitalではなく、コペンハーゲンにある別の大きな病院であるFrederiksberg Hospitalです。

 

 

こちらで共同研究をしている医師の先生は肝臓にカテーテル(チューブ)を入れるという特殊な試技が可能で、加齢に伴う栄養障害のメカニズムの解明について、他の研究機関では実施が困難な実験を日々行っています。

 

Grithは現在Dr. Holmの研究室にいる博士課程の院生ですが、3人の可愛い子供達の母でもあります。3人目の産休から復帰して早速臨床実験を主導しています。

実験の詳細はまだ公開できませんが、高齢者を対象とした運動と栄養介入を用いて、加齢に伴う筋肉量と筋機能の低下を予防する手段を検討しています。

 

写真は被験者に食べてもらう朝食(主にたんぱく質で、代謝を測定するために安定同位体というアミノ酸が混合されています)、Grithが作りました。被験者の高齢者はまずい!って怒鳴ってましたけど(笑)。

この朝食を摂取する前後で、どれくらいの新しい筋肉が生成されるかを評価します。写真でお見せできないのが残念ですが、被験者の高齢男性は体の至る所にカテーテルが挿入されています。でも被験者さんは全く平気な様子でずっと本を読んでました。。

 

後日、Grithは研究所全体の早朝セミナーで現在進行中のプロジェクトについて発表しました。異なる専門分野からの鋭い質問は僕もう〜ん、、”と悩むほど。Grithは質疑応答も頑張ってこなしてました。

 

satoshi

2017.07.23

バイキング船博物館

先日はデンマークから電車にって西に40分ほど行った街、ロスキレにあるThe Viking Ship Museumに行ってきました。

 

http://www.vikingeskibsmuseet.dk/en/

 

バイキングと聴くと、海賊とか少し乱暴なイメージがあるかもしれませんが、実はデンマーク人にとってバイキングはとても身近な存在です。デンマークのどこに行っても、バイキングに関する博物館や砦、お墓など、何かしらバイキングの歴史が目につきます。

 

Viking Ship Museumには1000年以上前の実際に海に出ていたバイキング船が展示されています。この屋内の施設でバイキングの歴史を知ることができます。博物館は海に面していて、外の景色とマッチしてとてもきれいです。

 

また屋外では実際にバイキング船を制作しているところを見学したり、木材と工作道具を使って船を作り、水に浮かべて遊べる場所もあり、子どもたちが楽しめる施設になっています。

実際にバイキング船に乗って船を漕ぐ体験もできます。

(写真の船ではこの後実際に帆を張って風力で進んでました)

 

金槌や釘、ノコギリを使って子どもたちか自由気ままに工作してるのですが、スタッフは別に監視もしてなくて、親御さんが見守る中、自由気ままに好き勝手に遊んでました。ちょっと危なっかしいな、と思う反面、この自由なところもデンマークらいしいな、と感じました。


一番ムキにになって船作ってたのは僕も含めてお父さん連中でしたけど。。

 

satoshi

 

 

2017.07.16

Annual Congress of the European College of Sport Science

先週はドイツのエッセンで開催されていた第22回ヨーロッパスポーツ科学会議 (Annual Congress of the European College of Sport Science) に参加してきました。



エッセンはとても落ち着いた雰囲気の街で、繁華街を出るととても静かです。

学会会場に行く際に一枚写真を撮ってみました。



 

研究室からは、博士課程後期課程の鳥取伸彬さんが、

"EFFECT OF PLYOMETRIC TRAINING ON SPRINT

PERFORMANCE IN PREADOLESCENT BOYS"

というタイトルで口頭発表しました。

(口頭発表は写真撮影禁止のため、会場での個人撮影のみ。。)

また、同学会にて、博士課程前期課程の片本裕大さんが、

"EFFECT OF LONG-TERM RESISTANCE TRAINING AND PROTEIN SUPPLEMENTATION ON INTRAMYOCELLULAR

LIPID CONTENT IN HEALTHY YOUNG SUBJECTS"

というタイトルでポスター発表を行いました。

 

二人とも質疑応答では多少戸惑う瞬間もありましたが、堂々とした発表でした。

 

satoshi

 

2017.07.09

Panorama Mesdag

今週は研究の打ち合わせでオランダに行ってきました。オランダで行う予定の臨床研究について研究プロトコルなどの調整です(オランダの研究については待った追ってご紹介します)。

 

レイデン大学を訪問ついでにハーグにあるPanorama Mesdagを訪問してきました。ハーグというと、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」やレンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」があるマウリッツハウス美術館が有名ですが、Panorama Mesdagには特殊な展示があります。ヘンドリック・ヴィレム・メスタグ(1831~1915年)はオランダ人画家で、風景画、とくに海の風景を多く描いています。

 

Panorama Mesdag1階は通常の美術館と同じく沢山の絵画が並んでいますが、2階に上ると、、砂丘の高台から景色を眺めるように360度ぐるっと風景画が描かれています。

 


www.pm360.nl

にアクセスすると、バーチャルリアリティのパノラマを体験することができます。(スマホで見ると実際に体の動きに合わせて画像が動きます!遠近感がすごくて、本当にその情景の中にいるような気分になります。 

心地よい、夏のビーチの熱気を感じる不思議な感覚でした。

 

Satoshi

 

 

特別展示では「ビーチでは何故人は自分を包みかくさず開放的になれるのか」をコンセプトにアーティストのTadao Cernの写真が展示されていました。ビーチで寝そべる様々な人。こちらも楽しかったです。

Tadao Cernってどう見ても忠夫さんとしか読めない。。(すみません)

 

 

2017.07.02

Statens Museum for Kunst (コペンハーゲン国立美術館)

先日は久しぶりに天気も良く、散歩がてらにStatens Museum for Kunst (コペンハーゲン国立美術館)に行ってきました。

美術館は3階建てで、外から見た大きさよりもフロアーマップはシンプルなのですが、部屋が細かく仕切られているので、うっかりすると迷いそう。



展示品はEuropean Art(13001800年)、Danish and Nordic Art17501900年)、French Art19001930年)、Danish and International Art1900年以降)など、様々ですがゆっくり見てると余裕で1日かかりそう。特別展示も時期を変えて公開されています。

 


興味深いと感じたのは、子どもを対象としたワークショップやイベントが豊富で、子供対象の館内ツアーや工房でのアートスクールや工作などが沢山提供されていることです。今日は版画の工作ができるイベントをやっていたので家族でトライしました。



写真も取り放題(でも三脚やセルカ棒はご遠慮ください、と記載あり)で、作品からは30cm(?)は離れてね、と比較的自由に作品を鑑賞することができるものありがたかったです。こういう環境がそろうと、絵心が全く無い自分も芸術にもっと興味持てたのかな、と思いました。


 

さて、近代アートのギャラリーには病室?の作品もあったり、アーティストのMark Leckeyは高速道路の橋(救急車が走り抜ける音まで聞こえました。写真撮り忘れたので興味のある方は以下のリンクからどうぞ)を再現していたり、とても楽しめました。

http://www.smk.dk/en/visit-the-museum/exhibitions/mark-leckey/

 

satoshi

 

2017.06.25

研究成果の報告会(Summer Meeting)

現在滞在中のInstitute of Sports Medicine Copenhagenは研究グループを4つに分けてそれぞれが独立した形で研究を進めています。

Dr. Lars Holmのグループは安定同位体トレーサー法(アミノ酸や糖などの特定の栄養素や物質にラベルを付けてその代謝を評価する手法、以下トレーサー法)を用いて筋肉の代謝を評価することを一番の強みとして研究しています。日本ではその侵襲性からトレーサー法を使った臨床研究はあまり行われていません。

僕自身も今回の滞在でトレーサー法を用いた研究をDr. Holmと共同で実施したいと考えています。

 

さて、先週は年に数回行うグループの報告会がありました。修士課程以上の院生が各々の研究状況について発表を行いディスカッションします。それぞれの専門分野の観点から色々質問しながら、改善できる点は改善し、今後の方針を決定します。熱心に発表を聴き、気の活発なディスカッションが交わされました。その白熱した状況にいると、自然と僕自身も質疑応答やディスカッションに自然に加わっていました。



また、僕は自分の研究室のデータを使いながらタンパク質の代謝について少し講義をさせてもらいました。その講義に対しても色々質問を受けるのが楽しかったです。


セミナーは朝から夕方まで続くので、ランチは皆で一緒に食べます。


 

印象に残っているのは、Dr. Holmが今後の論文の執筆予定をリストアップし、目標を明確に提示し、研究室内で共有していることです。論文のタイトルから著者全員の名前、論文名まで記載されているので、担当者にとってはかなりのプレッシャーです(笑)

 

報告会のあとは皆でコペンハーゲンのレストランで夕食を食べ、遅くまでまたディスカッション。


ほぼ三ヶ月でやっとチームの中に入れたかな、という感じです。

気がつくと、ホームページで、僕の名前と写真がグループに追加されてました。これはもっと仕事しないとマズいな(汗)

http://ismc.dk/research-groups/protein-turnover/

 

satoshi