[ Sun ] の記事一覧

2017.06.18

Zoological Museum

コペンハーゲン大学にあるZoological Museum(動物学博物館?)は大学内にある自然史博物館の一つで、脊椎動物、無脊椎動物(昆虫やクモ形類を除く)、および昆虫学の3つの異なる分野の生物に関わる展示が公開されています(有料ですが。。)

博物館はキャンパス内にあり、現在大学間での共同研究を協議しているコペンハーゲン大のDepartment of Nutrition, Exercise and Sportsの研究棟が隣にあります。


 

Zoological Museumには大学の所有する博物館とは思えない規模の展示品が並んでいました。博物館といっても実は生物学の調査・研究に向けた研究施設として機能しており、所属する研究員はコペンハーゲン大学の大学院における研究・教育にも関わっているそうです。


 


個人的には恐竜の骨格の展示が迫力あり印象深かったですが(骨の発掘に関する映像も展示の横で流していました)、施設内に様々な工夫があります。例えばマンモスの模型が展示されているところでは、寒々しい洞窟の上から垂れてくる滴でできた氷柱が本物で、子どもたちが触れるようにできていたり(水と冷凍装置を使って作っているんでしょうか)、ちょっとした休憩スペースにも写真のようなガイコツ()のシュールな展示品がおいてあったりして、各所に様々な工夫が感じられました。

 


Zoological Museumにはコペンハーゲン大学の生物学に対する情熱や研究力の高さを感じるエッセンスが沢山あるように思いました。

 

satoshi



2017.06.11

The Danish Railway Museum(オーデンセ: その2)

デンマークのオーデンセ駅の目の前に鉄道博物館(The Danish Railway Museum)があります。博物館はデンマークの国有鉄道であるDanish State Railways (DSR)によって運営されています。

 

https://www.jernbanemuseet.dk/en/

 

2回ほど行きましたが、2回目の訪問時は機関車トーマスのイベント中で大混雑でした。


博物館の中には歴史的な機関車や電車が展示されており、デンマークの鉄道の歴史を展示品をつうじて知ることができます。また屋外では実際に蒸気機関車に乗り(往復15分程度)近辺を移動することもできます。塗り絵や簡単な工作にトライできるスペースも準備されており、様々な年代の来訪者が楽しめる工夫がされていました。

 

施設内には休憩所や子どもが遊べるスペースもしっかり準備されており、家族連れが多く目につきます。

日本でいうプラレールのような遊び道具を自由に使って遊んでいますが(木製のものが多く、口に入れたりしても安全であ、監視員がいるわけでも無く、ただただ自由に子どもたちが想像力を働かせて遊んでいる雰囲気でした。

 

トーマス機関車の最後尾車両からの眺めも、子どもたちにとってはまんざらでもない様子でした。

 

 

satoshi

 

 

 

2017.06.04

オーデンセ(その1)

先日、デンマークの中央部にあるフェン島に行ってきました。フェン島にはオーデンセという街があります。オーデンセはデンマークから約100km離れた街ですが、特急列車に乗って1時間ちょっとで移動できます。

オーデンセにはUniversity of Southern Denmarkのキャンパスもあります。この大学はコペンハーゲン大との連携も強いことから、運動生理学の分野における研究も盛んです。


 

オーデンセはアンデルセン童話ので有名な童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセンの出身地としても知られています。



当日は曇り空が多くあいにくの天気でしたが、アンデルセンが育った街を見学してきました。落ち着いた街並みで、天候が悪かったせいもあるかもしれませんが、比較的静かでした。

 

オーデンセには公園も所々にあるのですが、自体重での筋トレする器機やクロストレーナーのようなエアロビの運動ができる機器などが自然の風景を損なうことの無いようにごく自然に設置されていました。日本でも最近は公園にシンプルな懸垂ができるような器機を見かけますが、特に日頃運動をしていない人にはハードルが高いように思います。

シンプルに使い方を図示して、簡単に見よう見まねで運動できる、設備が公園に設置されると運動への抵抗感も軽減するのかもしれません。

僕が写真を撮っている際にも何人かの方が実際に器機を使って運動していました。

 

satoshi

 


2017.05.28

沖縄からヨーテボリへ

先週末は久しぶりに日本に一時帰国し、沖縄で開催された日本栄養・食糧学会に参加してきました。学会誌の編集委員会の会議やランチョンセミナーと院生のポスター発表など、盛りだくさんだったので、沖縄の気候を楽しむ時間はありませんでした。。とても残念。

日本栄養食糧学会でのランチョンセミナーの講演を無事に終え、翌日の早朝の便で沖縄を発ち、スウェーデンのヨーテボリに入りました。ヨーテボリではExercise Metabolismと題した学会が開催されており、運動と代謝に関する沢山の研究発表や講演が行われていました。Cell Symposiaと題したシンポジウムの一つであるこの学会は、分子生物学の分野の学術雑誌では有名なCell MetabolismやCell Reportsなどを出版してるElsevier社が主催しています。

学会会場では本学会のシンポジストの一人でもあった、オランダのマーストリヒト大学のLuc van Loon先生と、オランダで実施予定の共同研究についての打ち合わせを行いました。マーストリヒト大でもヒトを対象とした運動・栄養に関わる臨床試験を実施したいと考えています。とても楽しいディスカッションができました。向こうでの生活もとても楽しみです。



さてExercise Metabolismの学会では博士後期課程のK君がポスター発表を行いました。レジスタンス運動が糖代謝を調節する分子メカニズムを解明する重要な研究データです。沢山の参加者とディスカッションをして大盛況だったようです。
ちなみに、ポスターの右下に張ってある×マークの札は、ポスターを写真に撮ってSNSで公開することを許可するかどうかの意思表示だそうです。SNSでシェアして良いよ、という発表者は裏側の○マークの札を掲げていました。最近は学会発表のデータがその日のうちにSNSで共有されるので、とても便利ですが、いろいろな問題もあるようで、この意思表示の札はその対策の一環でもあるようです。



学会二日目の晩は、シンポジウムの演者の方々と交流する夕食会が開かれました。何と水族館の中の一室で食事できるという貴重な機会を頂きました。食事も美味しかったですが、まるで海の中にいるような雰囲気での食事と研究に関するディスカッションはとても楽しい想い出になりました。


satoshi



ヨーテボリも全く街を見て回る余裕がなかったのですが、かろうじて晩に一枚だけ写真を撮りました(笑)




2017.05.21

Great Prayer Day

先週の木曜日、午後になると皆何故かそわそわしていつになく慌てて仕事してる感じ。
あれ?と思ったら、大学院生が”明日は休日だから明日は誰も来ないよ〜”と。

なるほど、皆午後になると落ち着きがないわけだ。
15時過ぎにはほとんどのスタッフが帰宅してしまい、し〜んと静まりかえってました。。
翌日の金曜日はデンマークは”Great Prayer Day"という休日で、イースターのお祝いをした日曜日から数えて4週目の金曜日にあたる日がこの休日になるようです。

せっかくの休日なので、何か街でイベントが行われることを期待してでかけましたが、、特に変わった様子はなく、いつもの観光客で賑わっている感じ。。

ということで、Church of Our Saviourという見晴らしの良さそうな展望台の見える教会のてっぺんまで初めて上がりました。まず最初は棟内の狭い階段を上っていくのですが、やっと外に出たと思うと、そこからまた階段。。




風が強く、また外側の通路はらせん状の階段で狭く、棟の外側を回るように上るのですが、吹き飛ばされそうでとても恐かったです。。






でも眺めは素晴らしかったので、とっとと写真を撮って、教会からでました。
上からの眺めはまた違ったコペンハーゲンの一面を見るようで気持ちよかった。

satoshi











2017.05.14

サンドイッチと論文

Institute of Sports Medicine Copenhagenでは、研究所のメンバーの学術論文が雑誌に掲載されると、その論文の筆頭著者がランチタイムにその発表された論文についてプレゼンをする習慣があります。筆頭著者が幹事となって参加者を募り、事前人数分のランチを注文します。

ランチさんのセミナーに参加するのは学生や教員だけではなく、秘書さんや事務員さんも招待されます。そのため、発表者は専門用語を使いすぎず、自分の研究内容が誰でも理解できるような分かりやすい発表をすることが求められます。


 

この写真はセミナーが始まる前で、この後に続々と参加者が増えて立ち見状態でした。


Dr. Michael Kjærは冗談で、「このランチの時に研究所に何人所属してるのかがよく分かる」と笑いながら言ってましたが、ほぼ全員参加しているようでした。

もちろん、無料ランチが振る舞われるので(費用は研究所持ち?)、参加者の数は増えるのですが、セミナーを通じてその研究者が行ってきた研究をスタッフ全員と共有し、しっかりとけじめをつけ次の研究に繋げることができる良いきっかけになっていると感じました。

研究所には海外からの研究者も数名いるので、発表は全て英語です。


 


ちなみに前回開かれたランチセミナーではDr. Kjærからシャンパンが振る舞われたそうですが、その際の研究は国際誌の「Science」に掲載されたそうです。インパクトファクター(その学術雑誌の論文が一定期間にどれくらい他の研究者から引用されたかなどで割り出す評価指標)の違いを、嫌みの無い形で認識させるうまい手段だな、と思いました。

 

今回発表した写真のDr. Mckeyは人体から採取した筋肉のサンプルから生化学的な解析を実施して、運動などによる筋肉の損傷の修復に線維芽細胞が重要であることを臨床試験で初めて報告しました。

この論文の詳細は以下のリンクからご覧になれます:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28369879

 

いつも皆が昼にランチを食べているスペースが、スクリーンが降りてくることでミーティングルームに早変わり。今回はランチとして、サンドイッチが提供されました(ただのサンドイッチと思って写真撮るの忘れたのですが、パンがめちゃくちゃ美味しくて、撮り忘れたのを食べた後で後悔。。)。

 

日本に帰ったら僕もこのランチセミナーを研究室で実施したいと思います。

 

satoshi


オフィスの窓から見える外の景色も、この窓だと様になりますね。

 


2017.05.07

Copenhagen Sakura Festival

コペンハーゲンも少しずつ暖かくはなってきましたが、相変わらず朝の通勤にはダウンが必要です。。

 

先週末はDr. Kjærに教えてもらったSakura festivalに行ってきました。今年は日本とデンマークが修好通商航海条約を締結してから150周年を迎え様々なイベントが開催されています。コペンハーゲンのデンマーク国立美術館では「ジャパノマニア展1875-1918」から始まり様々な記念年事業が開催されるそうです。先週末は今年度10回目となるCopenhagen Sakura Festivalが開催されていました。前回のブログでもお知らせしましたが、平均気温が日本よりかなり低いコペンハーゲンでも沢山の桜の花が至る所で目につきます。


 


Copenhagen Sakura FestivalLangelinie Parkで毎年この時期に開催されるイベントで、コペンハーゲン市や在デンマーク日本大使館がサポートして日本の文化を発信する行事として住民に親しまれています。アンデルセンのパンで有名なアンデルセングループの高木社長がLangelinie Parkに桜の木を200本も寄付したとか。

 

僕は息子と二人で出かけ、会場で配布されているらしい「お餅」を目指していったのですが、あまりの人だかりに、結局お目当てのものを見つけることもできず、ガッカリしながら会場を後にしました。


 


だいぶ桜の花も散ってきてますが、デンマークの建築物に桜が加わると、なんとも味わい深い風情が加わります。桜の木の下ではピクニックを楽しむ家族が沢山見かけられましたし、会場では三味線や太鼓、空手や合気道、柔道のデモンストレーションや、書道の体験など、日本の文化に触れる多くのイベントを実施していました。

 satoshi

 

2017.04.30

最初のプレゼンテーション

コペンハーゲンに住んでほぼ1ヶ月になりました。現在、お邪魔しているInstitute of Sports Medicine Copenhagen (コペンハーゲンスポーツ医学研究所;ISMC)はコペンハーゲン大学と提携するBispebjerg Hospital(ビスペビア病院)の中にあります。

 (ISMCの研究棟)

 

 

コペンハーゲン市内と違って緑が多く、とても気持ちの良い気分にしてくれる敷地です。

病院と行っても一つの建物に全てがまとまっているわけではなく、それぞれの専門医療が別々の棟で提供されているそうです。しかし、冬は寒いデンマークだけあって、全ての建物同士が何と地下で繋がっていて、寒い外気に触れることなく敷地内を移動できます。


 

 (Bispebjerg Hospitalの敷地)


今週は研究所のチームメンバーの前で、僕の研究について発表しました。

まだ研究所の皆さんと会話する機会が少なく、自分のデスクで黙々と仕事していることが多いので、自己紹介できる機会に恵まれたのはとても良かったです。

ただ、こちらに来て初めてのプレゼンテーションだったので、、久しぶりに緊張しました。

「少なくとも2回の笑いが取れるようにプレゼンしろ」、という忠先生の日頃の指示どおり、笑いをとる準備だけは怠らず、30分間のプレゼンでほとんど不発もなく5回は笑ってもらえたと思います。

 プレゼンテーションでは自分のアメリカ留学での経験や、大学院・研究員生活について触れ、国ごとの教育・研究システムの違いなどを説明しました。もちろん、自分の研究についても時折触れながら、最後に立命館大学での取り組みと、今回の訪問で達成したいことを共有しました。

研究所の所長であるMichael Kajar先生にもとても良かったよ!院生たちにも良い刺激になった” と褒めてもらえたので、先ずはほっとしました。

今後の大学間での協定にも是非協力したい、とのお言葉も。本当に感謝です。

ただ、緊張のあまり、写真を撮るのを忘れました。。

 

コペンハーゲンは今年は異例の寒さのようで、昨日も帰宅時に雹が降ってくるくらい。日中も10度を超えることがありません。

でも、、何故か桜が咲いています。

今年は日本の桜を見ることができませんでしたが、まさかデンマークで桜が見れるとは、ちょっと驚きです。 

 satoshi


 

 

 

2017.04.23

自転車通勤

コペンハーゲン大での生活が始まりました。
 
アパートから大学まで自転車で約20分の距離です。
自転車?そうです、自転車通勤です。

 

コペンハーゲンの街を歩いていてまず最初に目につくのが自転車です。
多くの人が自転車で走り回っていて、通勤も自転車の人が多いです。自転車専用のレーンが車道と歩行の間に設置されてあり、専用のレーンなので車や歩行者を気にすることなく、自分のペースで走行できます。
 
デンマークのデータでは、一人が自転車で5マイル(約8km)走ると、約1.6kgの二酸化炭素の排出と10円の保険料の削減に繋がるそうです。
(Commuters Pedal to Work on Their Very Own Superhighway http://www.nytimes.com/2012/07/18/world/europe/in-denmark-pedaling-to-work-on-a-superhighway.html?smid=tw-share 最終検索日:2017418日)
 
しかし、実際のところ、環境問題や医療経済より別の理由がありそうです。
 
コペンハーゲンの町中では車やバスで移動するよりも自転車の方が圧倒的に早い、と実感しました。信号で止まることも少ないし、車のような渋滞がないので、スムーズに移動できます。
実際にグーグルマップで勤務先から自宅までのルートで所要時間を検索すると、車より自転車の方が早く着くと表示されます(そうです、デンマークのグーグルマップではナビの選択肢に”自転車”が出るんです!)


 
勤務先のスタッフもほとんど皆自転車で来てます(郊外から来る先生方は駅から病院まで自転車)。
ということで、僕も早速自転車を手に入れました。デンマークは物価(と税金)が高いので、自転車もとんでもなく高級品です。自転車屋さんを渡り歩いて、良い中古の自転車を見つけました。

自転車通勤についてはまた追加の報告をしたいと思います。

satoshi

先週添付できなかった、アパートから1分の景色の写真です。







 

2017.04.09

9月修了博士予備審査会

いよいよ桜が開花してきました。
今週末は滋賀・京都でも満開の知らせが届いています。
BKCキャンパスの正門の枝垂れ桜も満開となりました。

4月5日にsana研究室の小西さんの博士予備審査会が行われました。
主査は私で、副査はHassy先生とAb先生の3名で実施しました。
予備審査会は予定の1時間を少しオーバーしましたが、
先生方からは非常に貴重な、またより博士論文の内容を
高められることのできるご意見をいただきました。
今後は、各委員会の審議を経て、進められることとなります。
sana研究室からは第1号の博士ということで
無事に最後まで乗り切っていただきたいものです。



スポ健の博士の審査に際しては、関連分野に精通されている
外部招聘副査をお呼びすることが恒例となっております。
小西さんは管理栄養士の資格を持っており、現在国立健康栄養研究所で
勤務していることから、スポーツ栄養学の分野で著名な
高崎健康福祉大学の木村典先生にお願いする予定となっております。



木村先生とは以前の職場でご一緒したこともありますが
大変久しぶりにお会いします。
本審査は7月頃となるかと思いますが
よろしくお願いします。

今回で、1年間担当させていただきました
日曜日のブログを終了させていただきます。
半年間はハワイからお届けし、
後期では大学に戻って学部生・院生の話題を中心に
ご紹介させていただきました。

今年度は、海外サバティカル中のSatoshi先生にバトンタッチいたします。
またヨーロッパやアメリカからのホットな情報をぜひお楽しみください。
1年間、ありがとうございました!

Good day!

sana