[ Sun ] の記事一覧

2016.11.13

サルコペニア・フレイル研究会に参加しました

ハワイから帰還してわずか1か月半ですが
その間に体力医学会、肥満学会、
Asian Conference for Frailty and Sarcopenia
サルコペニアフレイル研究会と
なんと4回もシンポジウムで発表する機会がありました。
週末のほとんどは学会という状態でした。



サルコペニアフレイル研究会は今回が3回目の
新しい研究会で、来年度から学会になります。
当初から世話人を引き受けていて、研究会の運営にも
微力ながら携わらせていただいています。
今年度はAsian Conference for Frailty and Sarcopeniaと合体して
名古屋で開催されました。
今回はサルコペニア肥満の簡易評価法について発表いたしました。
サルコペニア肥満はまだ統一したコンセンサスがなく
基準があいまいなままです。
今後この研究会を通じて統一基準を検討していく必要があります。



シンポジウムは「サルコペニア関連骨格筋の全て」
というテーマで行われ、スポ健のSatoshi先生や
順天堂大学のMachida先生、国立健康栄養研究所の
Yamada先生と4名の発表が行われました。
他のシンポジウムや一般発表もそうですが
サルコペニアとフレイルをテーマとした研究ばかりで
また内容もかなりのハイレベルで、とても勉強になりました。
参加者は国際学会で300名、研究会で500で小規模ではありましたが
かなり白熱した議論が行われ参加者もとても満足されたのではないでしょうか。
今後は学会となりますので、さらに多くの会員を確保し
この分野を盛り上げていけるようにしたいと思います。
来年度は同志社大学今出川キャンパスで行われます。
奮ってご参加ください!

Good day!

sana

2016.11.06

ゼミ学生、追い込み期へ突入~Part2!

今回は、ippo先生に引き続き、sanaゼミも卒業論文の進捗状況をご報告いたします。
4回生は、12月15日の卒論提出締め切りに向けて
最後の追い込み体制に入りました。
1回生の基礎演習から始まったスポ健の小集団授業ですが
2回生、3回生と、様々な分野の教員とかかわりながら
最後の大学生活の集大成である卒業論文の提出を目指します。
進捗状況としては、緒言がおおむね書き終わり
そろそろメインの研究結果が出そろってきた状況です。



sanaゼミのこれまでの卒業生と今回の卒業生の研究テーマを含めると
生活習慣病、体力・身体活動量、身体組成(肥満・サルコペニア)、特定保健指導の
4分野に分かれています。
対象は子どもから大学生、中高齢者、肥満患者など様々です。
今回の4回生の卒論テーマも、改めてみると生活習慣病が1名、体力・身体活動量が1名、
特定保健指導が2名で、身体組成(肥満・サルコペニア)が8名と
圧倒的に身体組成(肥満・サルコペニア)が多い年となりました。
その年その年で傾向がとても変わります。
また今年はハワイでのサバティカルが半年間ありましたので
滋賀大学のHigashi先生にも大変お世話になりました。
いろんな先生方のご教授いただいたうえで卒業論文は完成していきます。



本日、O市役所の採用待ちをしていたY君が無事採択されたとの報告を受けましたので
sanaゼミ生の就職は、これで全員が決定しました。
ゼミ生の皆さん、就職活動お疲れ様でした!
それぞれ大変な思いをしてきたと思いますが、
みなさん就活のころからするとすっきりした顔をしています。
最後は残った単位をしっかりととって、卒業してもらいたいと思います。
もちろん、卒論は必修ですので、最後の大仕事となりますが
これからも社会に出てから語り続けられるような
満足のいく成果を上げてほしいと思います!

Good day!

sana

2016.10.30

運動処方特論(大学院)

スポーツ健康科学研究科博士課程前期は、
「研究力」「実践力」「リーダーシップ」「コーチング力」を
基本コンセプトとした教育・研究を実施しています。
総合的・学際的な教育・研究を展開するとともに、
身体運動科学領域とスポーツ人文社会科学領域の
2つの専門領域が設置されています。
入学定員は25名です。



私が担当している運動処方特論では、
疾病の予防改善のための運動処方を
エビデンスベースで作成しています。
EBM(Evidence-based medicine)は、科学的根拠に基づいた医療ですが
我々はEBE(Evidence-based exercise)を目指しています。
今年度の受講生は6名で、前半はそれぞれ担当する疾病を選択し
それぞれの予防改善のための運動処方について
海外文献を2本程度引用し、全員に説明しています。
今回選択された疾病は、腰痛、心疾患、肥満、糖尿病、高血圧、ロコモでした。
その後は、ケーススタディで同一の疾患の実際の運動プログラムを
すべて海外論文ベースで作成していきます。

受講生は海外文献検索サイト(PubMed)を屈指して
関連する論文を集め、方法に記載されている運動処方の内容を精選し
自身のオリジナルの運動プログラムを作成します。
基礎的な理論だけではなく、大学院で身についた研究力を存分に生かし
ユニークで信頼できる運動プログラムになっています。
日本国民の運動参加はまだまだ少ないのが現状です。
画期的な運動処方プログラムの作成方法を開発していただき
日本の運動処方をリードする存在となってほしいです。


Good day!

sana

2016.10.23

健康運動指導士実習の振り返り授業

金木犀の香りが漂う季節となりました。
季節感があるというのはいいですね。
ハワイから戻るとつくづく感じます。

スポーツ健康科学部で取得できる健康運動指導士という資格は
昭和63年から厚生大臣の認定事業として、
生涯を通じた国民の健康づくりに寄与する目的で創設されましたが、
平成20年度からの特定健診・特定保健指導をきっかけに
全国のスポーツ系大学においても養成されるようになりました。
医療費の適正化は我が国の大きな課題の1つで
運動・身体活動支援を担う健康運動指導士への期待は
世界中でますます高まっています。



スポーツ健康科学部では3回生時にインターン科目としての
健康運動指導実習が必須となっています。
近隣のスポーツ施設や病院などに約1週間かけて現場実習を行います。
本年度は54名の参加者があり過去最大規模でした。
健康運動指導士としての就職先には病院や健康増進施設、
大手スポーツクラブなどがあり
sanaゼミでは毎年この資格を生かした企業や病院に就職しています。
また一度資格を保持しておくと、転職や再就職時にも
非常に役立つ資格となります。

実習は夏休み期間をかけて行い、この時期は
実習先から戻っての振り返り授業を行います。
はじめての現場実習ということもあり
はじめは不安げな表情をしていましたが
実習から戻ってくると、毎年ですが
学生の表情ががらりと変わるのがわかります。
振り返りで最も身についたスキルとしては
コミュニケーション能力をあげる学生がほとんどです。
一般の中高齢者を相手に普段受けている授業の成果を伝える
絶好のチャンスとなります。
実習でお世話になりました病院やスポーツクラブの関係者の皆様
ありがとうございました!

Good day!

sana

2016.10.16

オープンゼミDAYが開催されました

2回生のゼミ選択の時期がきました。
スポーツ健康科学部の小集団授業は、
1回生では基礎演習、2回生では研究入門、
3回生からは専門演習で、それぞれ
4つの専門分野に分かれてゼミを選択します。
4つのコースには、スポーツ科学、スポーツ教育、
スポーツマネジメントと健康運動科学コースがあります。



1回生の基礎演習では、高校生から大学生への転換を
教員と先輩学生とともにサポートしていきます。
2回生の研究入門では、4つのコースの研究方法の基礎を学ぶことで
自身の興味を発見し、ゼミ選択のきっかけを作ります。
専門演習では、4回生の最後に提出する卒業論文の作成に向けて
2年間、各専門分野の学びを深め、研究を進めていきます。
2回生のこの時期は来年度のゼミ選択を行うことになっています。
オープンゼミDAYは、スポーツ健康科学部の各教員とゼミ生が主催する
ゼミ紹介イベントで、2回生が興味のあるゼミの教室を見学します。



sanaゼミでは、3回生のゼミ生と一緒に研究室HPを使って
2回生の参加者に授業や研究内容についてお話ししました。
今回の参加者は17名でした。
毎年、11月にゼミの第一希望を提出し、選考が行われ
希望のゼミに入ることができなかった場合は、2回目の選考が行われます。
選考は、研究計画書や面接で行われますので、
事前に希望するゼミでやりたいことをまとめておく必要があります。
自身の将来にもかかわってきますので
希望するゼミに入れるように、自身の興味と研究内容を
しっかりと考える良い機会となっています。

Good day!

sana

2016.10.09

日本肥満学会でハワイでの研究を発表しました

第37回日本肥満学会が東京ファッションタウンで開催されました。
今回は2日目のシンポジウム7「骨格筋からみた肥満症の病態と治療」
にて「サルコペニア肥満の診断と体力及び生活習慣病発症リスク」をテーマに発表しました。

サルコペニア肥満は筋量低下と肥満が合併した状態で
サルコペニアや肥満単独よりも生活習慣病発症リスクを高める可能性があります。
しかし、これまでの研究では、サルコペニア肥満が生活習慣病発症リスクを高める
という報告と関連性がみられないという報告があり見解が一致していません。
これは、サルコペニア肥満の評価方法が統一されておらず
診断基準にコンセンサスが得られていないことが原因と考えられます。
また、75歳以上の高齢者では肥満は死亡リスクに対してむしろプラスに影響する
オベシティパラドックスも確認されています。
つまり高齢者では太っているほうが長生きするということです。



今回、ハワイ大学との共同研究で行った研究結果においては
BMIで規定した肥満では死亡リスクとの関連性は見られませんでしたが
体脂肪率と腹囲で規定した肥満は、死亡リスクを減少させる
つまり、肥満の方が長生きするという結果でした。
これまでは、オベシティパラドックスの原因は高齢期の体重減少が
関係すると考えられていましたが、
今回の結果を見るとBMIで規定した肥満に関連性がみられなかったことから
オベシティパラドックスは体重減少が原因ではなく、
体脂肪そのものに死亡リスクを減少させる要因を持っている可能性が考えられます。

さらに、被験者をノーマル、サルコペニア、肥満、サルコペニア肥満の4群に分類し
死亡リスクを比較した場合、サルコペニアはどの肥満基準においても
死亡リスクを増加させましたが、サルコペニア肥満は腹囲で規定した場合のみ
有意に死亡リスクを増加させました。
この結果から、高齢者でサルコペニア肥満を評価する場合は、
肥満の評価指標として腹囲が最も重要であると考えられました。
この結果は、Journal of Gerontology Series Aに投稿する予定です。

Good day !

sana

2016.10.02

本年度も東海コホート測定が終了しました

帰国して1週間がたちましたが
まだ夕方になると眠たくなります。
時差がまだ残っているようです。

今週の月曜日から後期授業が始まり
久しぶりに3回生、4回生のゼミ生と会うことができました。
3回生はハワイでの研究発表と
学生の夏休みの活動に関して話を聞きました。



4回生は卒業論文提出まであと2か月少々となり
提出までの予定の確認と就職活動状況を確認しました。
公務員試験の結果待ちの学生を除いて
4回生のゼミ生全員の就職が決定しました。
本年度は、全日空CAや滋賀銀行、関西アーバン銀行、
その他、食品メーカー、商社、人材派遣等の会社に決まりました。
ハワイで過ごしているうちにしっかりと就職活動を進めていたようで
この半年間の間に急激に成長したように思えました。


大学院博士課程のIさんが主導する愛知県東海市を中心とした
高齢者の認知機能コホートが、この夏2年目を迎え
無事に測定を終了できました。
測定項目は、認知機能や生活活動調査、運動機能測定等です。
名古屋大学からも測定に来ていただき、共同で研究を進めています。



Iさんはサルコペニアと抑うつの関係について検討しています。
抑うつに対して筋肉量は高齢者ほど維持することが重要となる結果が出ています。
超音波測定も行っており、サルコペニア肥満も分類することができます。
学部4回生や前期課程の院生も測定に参加していただきました。
できるだけ長くこのコホートを続けたいと思っています。
Iさん、お疲れ様でした!

Good day!

sana

2016.09.25

無事帰国しました

クワキニ最終日に送迎会をしていただきました。
ココナッツケーキを準備していただき
お昼休みにいつものメンバーに集まりました。。
以前のブログで紹介させていただいたハワイ大学事務職員の
ジョージャンさんも9月に定年退職となるそうです。
写真では、前列の一番左の女性です。
ビザ申請から出国の最終手続きまで大変お世話になりました。



翌日の朝の飛行機で、無事帰国しました。
帰国日の23日は日本列島を台風が通過しており
成田空港は大雨でした。
その後、陸路で羽田空港へ向かい
羽田空港から関西空港へ。
一旦京都へ戻った翌日、
新幹線で岩手県盛岡市で開催されている第71回日本体力医学会の
会場に向かいました。



今回の発表はシンポジウム「サルコペニア・フレイルupdate」で
サルコペニア肥満の測定法についてお話しさせていただきました。
サルコペニア肥満は、いわゆるかくれ肥満のようなもので
痩せていて太っている状態です。
健康への悪影響については、まだ明らかにはなっていません。
今回は、ホノルルハートプログラムのコホート研究の一部を発表しました。
高齢者では肥満よりもやせの方が死亡リスクが高いという結果です。



大会2日目の発表後、恒例のスポ健NEXT-R懇親会が開催されました。
今回の参加者は39名で、年々参加者数も増えてきています。
教員と大学院生だけでなく、他大学の教員として移動させれた先生方や
卒業生の皆さんにも参加していただきました。
今回は東京のスポーツ科学センター長のK先生らも参加されました。
学内だけでなく関連研究所の先生方にもお越しいただき
有意義な意見交換がなされていました。



Good day!

sana

2016.09.18

マハロ!ハワイ

とうとう来週の22日に帰国することになりました。
あっという間の半年間でした。
お世話になった皆さま、誠にありがとうございました。
この場をお借りして、御礼申し上げます。
I appreciate evryone that I met in Hawaii.

本日は、クワキニ病院の研究室で隣の席のミスティを
紹介させていただきます。
ミスティは、カリフォルニアのペパーダイン大学出身で
教育老年学(Education Gerontrogy)を学ばれました。
日本ではなかなか耳にしない言葉ですが
高齢化の問題は世界中でかなり深刻で、
教育老年学は高齢者の生涯教育をサポートするために
エイジングと学びとの関連を探求する
新しい人文社会学系の学問領域です。
彼女は大学卒業後、UCLAの医学部のEducation Specialist
として働かれて、今はハワイ大学医学部の学生やレジデントに
生涯教育の研究サポートをされています。
おばあさんが沖縄県出身だそうです。



クワキニ病院では、100歳以上の高齢者の方がたくさん来られます。
ハワイでも高齢者の病院として知られています。
病院では様々な高齢者へのイベントが開催されていて
本日も1Fホールで、フラダンスのショーが行われていました。
高齢者の皆さんは、ベッドのままホールに来ることができます。
ホノルルハートプログラムは、1965年から始まって50年が経過しています。
ハワイの日系人を中心に、独自の生涯教育プログラムが
半世紀以上にわたって脈々と受け継がれています。



下の写真はハワイのモアナルア・ガーデンパークにある
この木なんの木で有名な「日立の樹」です。
この時期たくさんの花を咲かせていました。



Good day!

sana

2016.09.11

ハワイでの研究活動など

今回、ハワイ大学に来るきっかけとなったのは
私の友人で大阪産業大学のS先生から紹介していただいた
ウイルコックス先生にメールを送ったことです。
自身の研究歴とホノルルハートプログラム(HHP)でできそうな
研究計画を添えてコンタクトを取りました。
双子の先生のお兄さんで、弟さんは沖縄国際大学の教授をされています。
奥さんは日本人ということで、大変親切にしていただきました。
早速、ハワイ大学老年学科長のマサキ先生をご紹介いただき現在に至ります。



この半年でホノルルハートプログラム(HHP)のデータをもとに
1本の論文を完成させることができました。
タイトルは「サルコペニア肥満と総死亡リスクの関係(仮)」です。
被験者は、HHPの1991年~1993年に参加された2,309名の日系人の方々で、
当時の平均年齢は77.6歳でした。
それから2015年までの24年間の追跡調査となります。
まだ生存されている方がもいらっしゃいますが95.7%がすでに亡くなっています。
今回は、やせ、肥満、かくれ肥満の人の寿命の違いについて調査しました。
結果は、痩せの人が最も短命で、かくれ肥満ではなく
太っているだけの人が最も長生きという結果です。
これはオベシティ・パラドックスといわれていて
疫学研究ではよく見られることですが、これまでのところ
かくれ肥満との関係を観察した研究はほとんどありません。



データの解析は、ランディー先生が担当しました。
彼は中国人で、HPPでのデータ解析のテクニシャンです。
今回の研究でもっとも時間をかけて話し合った先生です。



8月からクワキニ病院にサバティカルで来られた小原先生にも大変お世話になりました。
こちらに来て、話ができる初めての日本人の先生で
プライベートでもお付き合いさせていただきました。
小原先生は九州大学医学部精神病態医学の講師で現在39歳です。
クワキニ病院では認知症をアウトカムとした研究をされる予定です。
大学では、日本でも有名な久山町スタディの研究室に所属されています。
長く疫学研究に携わっている先生ですので、この分野の知識が非常に豊富で
わからなかった疑問にもすぐに答えていただき、ありがとうございました。
また今後ともよろしくお願いします!

Good day!

sana