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2016.08.05

女子野球の普及

naoです

第一回全日本女子中学軟式野球大会を見学してきました。
7月29日から4日間、京都市(4会場)、宇治市(1会場)亀岡市(1会場)、城陽市(1会場)で開催されました。
全国都道府県の代表チーム(36チーム)が参加していました。
その城陽市会場で行われた試合を見学してきました。
驚いたことは、各選手の技術レベルが非常に高いことでした。
試合になるのかなという予想で応援に行ってきたのですが、上手いという一言です。
また野球をよく知っている選手ばかりでした。



特にピッチャーの投球フォームが美しく、ある選手の球を見ていますと、左投げサイドスローで男子選手でも打ちにくい変化球を投げているように感じました。

ルールも中学男子とは変わらずB号ボールを用いており、バッテリー間は18.44mとなっています。
試合を観戦していて感じたことは、女子選手はバッティング時に低めのボールを好んで振っているように思いました。
しかし、高めのボールについては、振り遅れる選手が多いように感じました。
これは、バットを振るために必要な上肢の筋力不足が影響しているのかもしれません。
バットスイング速度は男子より劣ることから、外野奥深くまで飛球することはほとんど見られませんでした。

スタンドで観戦している指導者の方に苦労話についてお話を伺ってみました。
女子は、男子と違って全身の筋力が劣ることから、投げ動作、打撃動作、走動作の習得に時間がかかるということでした。
また急激に投げ動作を行わせると、肩の障害が発生しやすくなることから、オーバートレーニングさせないことや練習後の関節周辺の筋肉等のケアが重要だといいます。
また、小学生時代にドッジボール等の大きなボールの投げ動作の機会が男子よりも少ないことから、下半身の踏み出しによるエネルギーを上手く使えない選手が多いそうです。
結果として、肩に負担がかかってしまう投げ方をするそうです。
そこで、肩の力を抜かせ下半身の踏み出しを意識させた遠投を行わせているそうです。



バッティングについては、叩き付けるよう教えても、遠くに飛ばそうという意識が働き、結果的にミスが増えるといいます。
また、インコースの打ち方が男子よりも苦手な選手が多く、腰を回転させるタイミングを教えることが難しいそうです。
できるだけ、「バットを短く持ち、ピッチャー返しをしなさい」と教えることが、最もイメージが伝わるのだと教えて頂きました。



指導者は、どうしても投手と捕手の育成に焦点をあてますが、点を取られないために一塁手の指導も重要だそうです。
三塁手や遊撃手が慌てず投げるためにも、一塁手の存在は大きいそうです。
「少しぐらい暴投しても大丈夫だよ」という安心感ですね。
これは、高校野球でも同じで、三番、四番を打つ選手が一塁手というふうに考えたら、大失敗するそうです。
お話を伺ったチームは、最も運動能力の高い選手を一塁手にしているそうです。

これまで「女子=ソフトボール」というイメージを持っていましたが、軟式野球も女子スポーツとして十分に普及できると感じました。
本当に、「中学女子投手の球をなめたらアカン」という印象でした。

また、宇治に近いこともあり、宇治の抹茶アイスを食べながらのお母さん方の暖かい応援を見ていると、子供たちに勝敗よりも野球を楽しんでほしいという親の願いを感じました。
試合に負けて戻ってきた子供たちに、「宇治茶をしっかり飲んで!抹茶アイスもしっかり食べて!着替えたら10円玉に行くよ?(平等院ですね)」という掛け声が最高でした。

2016.07.29

チーム内の様々な心

naoです

第98回全国高校野球選手権京都府大会準決勝の応援に行ってきました。
立命館宇治高校が準決勝まで残ったこともあり、久々に高校生らの熱い夏を感じてみようと思いました。
第一試合からほぼ満員で、小学生からお年寄りまで多くの方が暖かく応援していました。
私も高校生の応援席付近に席を確保し、高校生らの元気な応援の様子を観ていました。



まず、感じたことはベスト4に進むチームの部員の数です。
最低でも60名以上在籍しているように見えました。
野球人口が、サッカー人口に抜かれたとはいえ、まだまだ多い状況です。
しかし、メンバーが集まらなくて試合に出場できないチームもあると聞いています。

応援していて、チームにはいろいろな心があるなと感じました。
チームが強くなれば、部員の数も増え、そして沢山の心がチームに存在しているように見えます。
強豪校には、少なくとも六つの心があるように思います。


第一:レギュラーの心
このメンバーは1番から9番までの背番号を付けています。
[彼らの気持ちは、試合に出場でき楽しい。そして活躍をしたい。レギュラーとしてチームのために役割を果たしたい。という心だろうと思いました。]

第二:準レギュラーの心
ベンチには入っていますが、控えの選手です。10番から20番の背番号を付けています。
主にレギュラー選手のサポートに回っています。
例えばコーチャーボックスに入り、ランナーへ指示を出すなどの役割を担っている選手もいます。三塁コーチをする場合は、得点に関わる指示を出すことから、責任は重大です。
あるいは、2番手ピッチャーの球を練習場所でひたすら受けるキャッチャーは、勝つためにリリーフピッチャーの体調を整えるという大役を担っています。
[彼らの気持ちは、サポート役は重要だから精一杯頑張る。でも一瞬でも試合に出たい。といった心を持っているでしょう。]





第三:補欠の心A
もう少しで、ベンチ入り出来た選手。
21番目、22番目・・・とベンチ入りできる20名枠から外れてしまい、野球部のユニフォームは着ているけど、応援団の一員として観客席で応援しなければならない。
 [彼らの気持ちは、勝った時は、俺でもあの程度の活躍はできる。負けた時は、俺が出ていれば勝ったのに。と素直に応援できない妬みを持った自分と精一杯応援するといった自分と葛藤しているように思います。]

第四:補欠の心B
ベンチ入り選手と比べ技術や体力レベルでかなり劣っている選手。
公式戦では、完全に応援団の役割を担う。
[特にこの3年生の気持ちは、所詮俺たちは永久補欠。でも父母会の指示で両親が毎試合応援に動員され、本当に申し訳ないな~頑張ったのにチャンスすらもらえなかった。と思っている選手がいるように想像しました。]

第五:ボールボーイの心
審判にボールを届けたりする。
または、スタンドに飛び込んだファウルボールを回収する役割を担う。
[彼らの気持ちは、次は俺が試合に出る。ここで負けてはならない。と思っているのかな?]

第六:雑用係の心
試合応援ができないスタンド裏で、様々な役割を担っています。
例えば、チーム全員のバックを一か所に集め、その場所の見張り役をする仕事などがあります。
[彼らの気持ちは、試合も見させてもらえない。負けているのか?勝っているのか?もわからない。皆と一緒に応援したい~と不満を持っているように感じました。]



上記の六ケの気持ちは、私の勝手な想像ですが、少なくともベンチ選手と補欠選手の心は違います。
指導者は、そういった選手の心の違いを理解し対応しなければならないと思いました。

試合が終わって、負けたチームの応援席にいた教員だと思う方が、もっと応援すれば勝っていた!と補欠選手に言われた様子を見て、私は違うと思いました。
私も大学スポーツに関わっている者として、補欠選手に対して「皆の応援に元気をもらった。その皆の期待に応えることができず本当に申し訳ない・・・・・。」と補欠選手のベンチに入れない「悔しさ」、観客席で応援する「恥ずかしさ」いった気持ちに向き合うことが大切だと思いました。

[nao]

2016.07.22

ジュニアスポ-ツNO3(バドミントンの試合で学んだこと)


naoです

久々に、ジュニアスポ-ツの観戦に行っていきました(小学生の女子対象)。
これまで野球ばかり観ていましたが、今回はバドミントンの大会の様子を観てきました。
京都府南部の大会(女子の部)でコ-ト12面を使っており、試合を進行させる係員の場内放送がとても聞きやすく大変丁寧に運営されていました。

試合前、ご両親に甘えている子どもがいれば、緊張して固まっている子どもや、空きスペ-スで素振りを何度も繰り返し行っている子どもがいました。
その一人一人の雰囲気を見ていると、初めて試合に参加するのだろうな~という子どもさんがすぐ分かりました。
このような初めて参加する子どもに「勝ってこい!いいな~頑張れ!」というかけ声をかけてしまうと、子どもの緊張を和らぐどころか、さらに緊張させてしまうなと思いました。
野球などの球技と違い、一人でコ-トに出て行く勇気を必要とする競技だなと思いました。
また初めての試合で、会場での動き方が全く分からない低回生の子どもには、上級生が丁寧に対応しているところが素晴らしかったです。

今回特に勉強したことは、大人と子どもの審判の融合でした。
テニスでは、セルフジャッジ(選手自身が自陣側を判定する)法を用いていますが、バドミントンの場合は複数の審判によって判定を行うそうです。
大会によって、審判の数が異なりますが、この大会においては、上級生の子どもが主審を担当し、センタ-ライン後ろの線審に大人が2名、サイドラインの線審に2名の子どもの合計5名の審判で試合が運営されていました。
地区大会なのに審判が多いな~と感じたのですが、特にセンタ-ライン後ろの大人の線審が、場合によっては試合を止めて、子どもらにルールを丁寧に指導している場面がありました。



試合では勝ち負けも大切ですが、それ以上に子どもたちに試合を通してルールを理解させ、こどもらと共同で試合運営を行っている家庭的な雰囲気を感じました。
さらに野球などに見られる、監督やコ-チの叱咤する声など全くなく、拍手と激励の声だけが体育館内を響かせていました。

いくつかの競技では、審判の誤審や態度など(行動規範)が話題になっていますが、今回観て感じたことは、バドミントン協会の方々は教育的役割を担っておられることでした。
試合の主審を無事終えた子どもに尋ねてみると、「試合中に審判として記録すべきスコア-シ-トの書き方が難しかったです」と教えてくれました。



バドミントン経験者の方は、ぜひ各地域で開催されるジュニア大会の審判ボランティを担ってあげてほしいと思いました。


2016.07.15

野外教育について考える


naoです

「スポ-ツ教育特殊講義」で野外教育について学生たちと議論しました。
教師になった場合、必ず野外教育の企画立案を担当することになりますので、学生らは真剣に取り組んでくれました。
1)どのような活動を想像するのか
2)野外教育で学ぶことは
3)指導者の役割
4)指導者として学んでおくべき知識
などのテーマで議論しました。
例えば、キャンプで学ぶ目的について語ったり、ディレクタ-になった場合どのような①役割を作り分担するのか、②必ず発生すると考えておくべき事故(安全管理)、③環境整備などについて意見を出し合いました。

特に対象によって、安全配慮の内容が異なってくることについて意見が出されました。
幼児や小学生低学年の場合、ホ-ムシックで泣きだす子どもの世話をどうするのか?などといった意見に対し、「俺には無理や~ 子どもが俺の日焼けした顔見たら怖がるわ~ 子どもの心理の勉強も必要や!」と課題を出し合っていました。

自然の中で行うキャンプ、スキ-(スノボ)、水泳を行う場合のリスクの想定は、資料で示されても無理だわ!教科書や講義よりも実践です!と学生たちは考えているようでした。


2週目の講義で、学生たちは「あなたが中学校1年生(草津市内)の担任になり、キャンプ実習(希望ヶ丘キャンプ場実施)の担当になりました。生徒・教員に配布する冊子(概要)を作成しなさい」という課題でグル-プワ-クを行いました。
パワ-ポイントでまとめられた発表を聞き、学生らがあまり考えなかった項目、自信持って示した項目などが6つの班とも共通しているなと思いました。



自信を持って発表していた項目は、夕食のところでした。
全ての班が、キャンプ定番のカレ-の作り方を丁寧に説明してくれました。
ところが、朝食は?昼食は?とメニュ-が出されていない班がありました。
ご飯とみそ汁だけは寂しいよなと。
ある班は、前日の夕食後の片付け時にご飯を炊いておき、朝食はリゾットです。
と時間的効率を考えている班もありました。



そして、生徒間交流プログラムでは、オリタ-経験者らが様々な遊びや軽スポ-ツを紹介してくれました。
希望ヶ丘は広大な敷地であることからオリエンテ-リングが活発に行われています。
それを生徒に経験させたいと提案する班もありました。
オリエンテ-リングは、キャンプ場や大きな公園だけで行うものではなく、街中(ビル街)でも行われています。
BKCキャンパス内で実施してもいいかもと思います。
何回か経験することで、キャンプ実習でのコ-スプランナ-を担うことは可能だと思います。

各班、もう少し考えてほしかったことは、キャンプファイヤ-のプログラムです。
中学1年生にとって、食事を作ること、仲間とテントで寝ることを経験することは大切ですが、仲間と交流するキャンプファイア-も重要なプログラムなのです。
このことをあまり重視していないようででした。
単に薪に火をつけて見ているだけのシナリオでは、せっかくの時間がもったいない。
火を使った感動の演出が必要なのです(火の神の出現)。
私を含め、受講者は、生徒らが笑ったり、涙したり、隣の仲間と手を繋いだりする演出法を勉強しなけれならないですね。

スポ-ツ教育のあるゼミでは、この夏休みにキャンプを経験するそうです。
私のゼミは、大学(BKC)からバイクで5分程度のロクハ公園のデーキャンプ場(かがやき通りス-パ-スタ-の裏手)で、流しうどん会を開催し、少しですが野外教育を経験しています。



2016.07.08

熱中症警報発令中


naoです。

6月下旬からの猛暑で、体調を崩している人がおられるのではないかと思います。
京滋地区は祇園祭の時が一年で最も蒸し暑いと言われていますが、今年はこの時期がかなり早くなっているように感じます。
総務省消防庁は、6月27日から7月3日までの1週間に、全国で2847人が熱中症で搬送され、6人が亡くなった報告しています。
搬送者数は昨年の5倍だったそうです。
滋賀でも35度を超える猛暑日が続き、25度を下回らない熱帯夜が続くことがつらいです。

私は、ジョギング時に意識的に水分摂取をこまめにしていますが、日曜日(3日)はジョギング中に頭痛が酷くなり、めまいと息切れを感じました。
いわゆる熱中症を引き起こしてしまいました。
最後まで走るか?それとも歩くか?と悩みましたが、「根性だ!」と言い聞かせ走ってしまいました。
自宅に戻り、スポ-ツ飲料水を大量に飲んだのですが、翌朝まで尿が出ない状態でした。
毎朝体重を測定しているのですが、3日の体重は前日よりも1.5㎏も減っており、さらに熱帯夜による寝不足の状態でした。
走っているとき、調子悪いな~と感じていたものの、まだまだ行けると無理をしました。
勇気ある撤退を早くするべきだったです。
運動中に水分をこまめに摂取していても、寝不足の状態では熱中症になる割合が増加するということです。
また急激な体重の減少は、体水分量が減った状態なので注意が必要です~。 
理解していても、対処法を飛ばしてしまったことが本当に恥ずかしいです。


ところで、各地で熱中症予防のための取り組みが行われています。
例えば、岐阜県多治見は夏の気温が高いことで有名ですが、市としては「熱中症予防声かけ」を推進しています。
また草津市では、科学的な評価法(日本体育協会推奨)を用いて熱中症警報を発令し、各学校や公共機関で注意喚起を行うよう指示しています。
立命館大学も草津市から指示を受け、学内には写真で示すような看板を立て、熱中症予防の推進を行っています。
以前は運動部の活動を中止して下さいという連絡も入ったと聞きます。
熱中症警報が出されるたびに練習を中止するというル-ルを作ってしまうと、本学体育会にとっては全く練習ができなくなり競技成績が低下してしまいます。
また同様の厳しい環境下での試合もあるので、選手たちは暑さに対応しなくてなりません。





そこで、各チ-ム独自で熱中症の予防対策をしています。例えば写真に見らえるよう体育館種目のバスケットボ-ル部は、体育館内で空気が通らないため、立っているだけで汗をかきます。
運動中1.5ℓ以上の水分を摂取しても、運動後には2㎏以上の体重の減少が見られる選手もいます。
そんなこともあり、選手らには自由に水分摂取を行わせています。
トレ-ナ-らは、体育館の隅々に置かれたペットボトルの水を補給することも仕事の一つです。





OICで活動する体育館種目のある選手は、急な頭痛と吐き気で前が見えなくなった~初めて熱中症を経験したそうです。
今年のように暑い時は、普段以上に水分摂取が重要ですと話してくれました。

立命館大学は、全国の大学の中で熱中症予防に取り組んだのは早かったと思います。
1984年から多くの運動部に水分摂取を積極的に行うことを指導していました。
まだ科学論文も少なく、どのような飲み方がいいのか皆で各体育会チ-ムの主務などと議論していました(トレ-ナ-というポジションが少なかった時代)。
ほとんどの体育会は30分間隔といった水分摂取の方法を用いていました。
体育会本部の勉強会で、好きな時に自由に飲んだ方が「がぶ飲み」は減り、パフォ-マンスは低下しないといった意見が出されていました。しかし、自由に飲む行為を認めるとチームの士気が低下するという意見も出されていました。
1995年には、NHKクロ-ズアップ現代で、アメリカンフットボ-ル部(パンサ-ズ)を事例に水分摂取の取り組みが紹介されました。

1984年~1990年ぐらいまで、「運動中に水を飲めと指導していることは遺憾だ!根性があれば喉は乾かない!」と多くの体育会チ-ムのOBや監督が怒鳴っていました。
私は、その都度、怒っているOB会へ水分摂取の重要性を説明しに行ったことを懐かしく思います。
「軟弱な指導を推奨しているのは、お前か!」と何度も怒鳴られました(選手の方々は、もっと厳しいことを言われていましたから、彼らのためにもと頑張っていました)。
近年のスポ-ツ場面の死亡事故例を見ていますと、あれから30年も経過しているのに、まだ「根性があれば喉は乾かない」と信じている指導者もおられるのが残念ですね(立命館大学には、そのような方はいません)。

2016.07.01

高校野球の指導


naoです

高校野球の監督になることを夢見て、スポ-ツ健康科学部で勉強している学生は少なくはないと思います。
私のゼミでも1期生、2期生、3期生と必ず1~2名はいます。
すぐに監督になるのではなく、アシスタンスコ-チとして様々なことを学び監督になるための準備をしていきます。
そこで、今回はこの厳しい夢の切符をつかもうと頑張っている大学院生に話を聞いてみました。



金城岳野君は、立命館大学文学部からスポ-ツ健康科学部大学院博士前期課程<現在M2>に進学してきました。
土日になると、母校の立命館大学附属宇治高校の野球部の学生コ-チとして高校生を指導しています。
特にピッチャ-の体力トレ-ニング、スロ-イング技術、バッティリ-の戦略などを中心に指導を行っています。
選手を見ていると、小学校から野球を経験していても、下肢を使っていない投球動作であったりするため、戦略面の指導よりも体力や技術指導に多くの時間をかけているそうです。
短い距離のダッシュの繰り返しやレジスタンストレ-ニングによって、下半身の強化を図っているそうです。
ところが、地面を強く蹴るランニング動作が出来ていない生徒らが多く野球の走法を学ばせる課題があると言います。



また手や肘の投射時の位置が低いことから球威が低下するので、写真に示すような膝立ての姿勢をとらせたり腕と下肢の動きのタイミングを合わせるネットスロ-という練習方法を取り入れて投球フォ-ムの修正を行っているそうです。
これらピッチィング練習で大事なことは、軸足でしっかり地面を蹴るために、軸足の膝が速いタイミングで進行方向を向かないよう留意しているそうです。
その点を意識させることによって、投球時のステップ幅が広くなり、下肢のエネルギ-を上肢に上手く伝えることが出来て結果的にボール速度が高まってくるそうです。

金城君は、毎試合後バッテリ-に良かった点を褒めているそうです。
特に負けた試合では、良かった点を丁寧に評価した後、〇〇場面で投げた球は、何か意図があったのかと質問をするそうです。
すると、多くの選手は、「調子が悪かった」「球がいかなかった」といった言い訳が返ってくると言います。
言い訳が多いと、次の課題設定がし難いと言います。
また高校生の場合、インコ-スに思い切ってボ-ルを投げれないピッチャ-が多いそうです。
ボ-ルをバッタ-に当ててしまうといった怖さが先行してしまうそうです。
そのため、日頃の投球練習から、思い切って直球でインコ-スを投げたのちスライダ-を投げるといった配球を意識させておくことが非常に大切だと言います。

強豪校と勝負するには、バッティリ-間でピンチを乗り切る配球を意識した練習が重要だと言います。
練習試合後に撮影したピンチ場面の映像を抽出し見せながら意見交換させることで、バッテリ-間の配球の幅が広がってくるのではないかと考えているそうです。
バッテリ-が如何にピンチを乗り越えるのかといった戦略の指導法は監督の経験や勘に頼るところが大きいです。

しっかり投げれたと思ってもヒットになったり、得点されることも頻繁にあるため、ミ-ティングの成果をどのように示すのかが難しいと思います。
スポ-ツ健康科学部で学び、研究していることを現場の指導に積極的に取り入れている金城君から、「こんな練習しているのに成果が出ない。なぜなのかな?」という提案を積極的に示してもらうことが野球を科学するうえで重要だと思いました。

2016.06.24

兵庫神鍋高原マラソン全国大会に参加しました


naoです

6月19日に、第36回兵庫神鍋高原マラソン大会が開催され、ハーフマラソンに参加してきました。
5㎞、10㎞、ハ-フマラソンの部、ファミリ-ジョギングの部が行われました。
集合場所は兵庫県立但馬ド-ムという立派な屋根付き土グランド(いい土です)で、どしゃぶりの雨でしたが、ゆったりと更衣ができました。



本大会は、ファミリ-ジョギングの部を設定しており、871名の幼児から小学校までの親子付れが参加していました。
その中には、乳母車に赤ちゃんを乗せて、小学生のお兄ちゃんと一緒にジョギングする親子もいました。
この部は、競争ではなく、親子で完走することが目的で、お父さんと手を繋いで走る子ども、お母さんの存在を忘れ一人でどんどん前の方に走ってしまう子どもや祖父母の方と一緒に走っている子どもたちの笑顔が一杯のイベントでした。



出発までの間、参加者の方々にお話を聞いてみると、ゼッケンを付けてゴ-ルする感動を子どもと一緒に味わいたいとか、自分が子どもの時に両親に連れてきてもらったことが嬉しかったので参加したというお話等を沢山聞かせて頂きました。
また、沢山のお土産が頂けるし、走った後の全て無料の「ニジマス釣り」「ニジマスの塩焼き」「但馬牛の焼肉(バーベキュ-)」「かき氷」「ふるふるみるくプリン」等のサービスを目当てにきたという親子づれもいました。
これら無料サ-ビスは参加者全員が頂けるのですが、ニジマスの塩焼きを両手に持って、かぶりついている子どもたちの笑顔がとても印象的でした。





朝5時に大阪の自宅を出てこられたご家族のお父さんは、「雨でしたけど、子どたちは初めて釣りをして、その場で焼いてくれるニジマスを食べれたことを大喜びしていますと。
今年は10㎞の部に出ましたけど、来年はハ-フマラソンに出ようかな~」と家族で健康イベントを楽しんでおられる様子でした。

この会場は、冬はスキ-場になる場所で、夏は様々なスポ-ツイベントが企画されています。
私はハ-フマラソンに参加してきましたが、約7㎞までを登り続け、3㎞を降ってくる10㎞コースを2周走る設定でした。
緑の中を必死に登るのですが、きつい場所では大勢の小学生らが「ワッショイ、ワッショイ」と応援してくれました。
そして中学校の生徒さんらが、給水、会場の準備や清掃でサポ-トしてくれました。

大会役員の中に、「おもてなし部」があって、サ-ビス係、朝市係、マス釣り係・・・・そしてバンザイ係、応援隊といったセクションで大勢の方々がボランティアとして私たちを迎えてくれました。
特に、走り終わったランナ-が、チア-の方とバンザイ!バンザイ!と自分の頑張りを褒めるコ-ナ-には、大勢のランナ-や子どもたちが列を作っていました(写真)。



私が最も感動したのは、大会前に送られてきたゼッケン引換証の中に写真の葉書が同封されていました。
この大会の魅力は、豊岡・神鍋の方々が地域を挙げて出迎えてくれるところでした。



雨が降らず前日の猛暑(34度)だったら、熱中症で厳しかったかもしれません。
赤のビブスを着た大勢の救護の方々や消防団の方々が見守ってくれていました。
カブトムシ体型の私にとって、7㎞の登りでのヘロヘロ感と急激な降りの膝の痛みは本当に厳しいのですが、来年も参加したくなる「おもてなしランクAAA(私の評価)」の大会でした。
でも一番良かったことは、ファミリ-ジョギングに参加するご両親の思いを聞けたことでした。

2016.06.17

体育会ボート部のコックスの役割

naoです

私は、20年ほど前にクラスの仲間らと立命レガッタ(ボ-ト主催の試乗大会)に参加してボ-ト競技の面白さを教えて頂きました。
それ以来、瀬田川で開催される朝日レガッタ(4月中旬)などへ応援に行くことを楽しみにしています。
長崎国体や和歌山国体(瀬田川開催)にも立命館の選手が大勢出場されていましたので応援に行ってきました。

そこで今回、ボ-ト部女子チ-ムの佐藤美月さん(スポ-ツ健康科学部2回生)にコックス(Coxswain)の魅力について教えて頂きました。
コックスとは、ボ-トの5人乗り、8人乗りの舵取りを担当する選手のことを言います。
ただ、舵を取るだけでなく、タイムマネジメント、レ-スの展開の指示、漕手選手へのアドバイスを担います。
檄を飛ばすことが最も重要なのですが、漕手に「体力の限界まで漕ぎ続けている私たちに、もっと漕げなんて言うなよ!」という気持ちにさせてしまっては、チ-ムワ-クが乱れブレ-ド(オール)が揃わなくなりペ-スが落ちてしまうこともあるので、選手の心理状態も把握しなければならない難しいポジションです。



例えば、ペ-スが落ちてきた時、「落とすな!」とは言わず、「ここはドライブして!」とか「足を踏ん張って行きましょう!」と指示するそうです。
試合を見ていると、写真判定をするような接戦しているこも頻繁にあります。
ゴール前などでは力を120%以上に爆発させて漕ぐために、ミーティングでレース展開や言葉の共通理解を十分にしておくそうです。



瀬田川のように時間帯によって大きな波が生じる試合会場があります。
この波や風によって、ボートが曲がってしまうこともしばしばあるそうです。
その時、舵を切ってボ-トの向きを変えるのですが、漕手選手に急激な波などの負荷をかけてしまうと、リズムが狂うことがあるので、ブレ-ドが水中から上がった時に舵を切るか、それとも水中に入った時に切るかは、選手の意見などを聞いて調整するそうです。
この点は、佐藤さんの研究課題だそうです。

スポ-ツ健康科学部はじめ学内では目立っていないのですが、女子チ-ムは第93回全日本選手権大会で女子エイト種目(最も華やかな種目)で2位という輝かしい成績を残しています。
この時のコックスを務めたのが佐藤さんです(写真 上段の左側)。



エイトではボートの船尾に座り選手の顔を見ながら指示をします。
でも、舵手付クォドプル(5人乗り)では、ボ-トの船首に座り選手の顔を見ずに指示を出し舵を取っています。
種目によって、コックスの座る位置が異なるところが興味深いですね。



最後にもう一つ苦労話を聞きました。
女子のコックスは体重を50kgにするということが決められているそうで、試合前に計量があるそうです。
佐藤さんは、50kg以下であることから、試合前に大量の水を飲んで50kgに合わしているそうです。
これも大変な苦労ですね。


「立命レガッタが秋に開催されます。有志やクラスの仲間で参加し、ボート競技の魅力を感じてみませんか~ ボート部員が安全に十分気を配り、精一杯 お・も・て・な・し をします」と村井彩貴さん(スポ-ツ健康科学部4回生 写真上段右側)からのアナウンスです。
村井さんの美声をお伝えできないのが本当に残念です。

2016.06.10

ジュニアコーチングNO2(審判の役割を考える)


naoです

少年野球の試合観戦に行っていきました。
子供たちの元気な声、監督の声、応援席からの父母の声が交じり合っています。
今回は、特に監督が選手にどのような声掛けをしていのかを調べてきました。
2試合を観戦し、4チ-ム分を集約してみました。



監督の声掛け(写真のチ-ムと異なります)
NO1:「しっかり」「しっかりしろ!」
NO2:「何?」「何をしてるんだ!」
NO3:「アカン(バカ・アホ)」
NO4:「走れ!」「トロトロするな!」
NO5:「声を出せ!」「気合を入れろ」

「上手にできた!」という褒め言葉は、上位5位に入ってきませんでした。
また、「頑張れ!」という言葉は6位に入るのですが、「何をしてるんだ~頑張らんか~」という叱咤の意味合いで使われていることが多いように感じました。

特に驚いたのは、2塁ランナ-がヒットで3塁ベースを越え、自分はどうしたらいいのか?とためらう動作をした時、「何をやってんだ!」という監督の怒鳴り声で慌てて3塁に戻ろうとした時、「違う!違う!」という新たな怒鳴り声によって混乱し、立ち止まりタッチアウト。
監督自身が明確な指示を出せていないのにもかかわらず、子どもがベンチにもどるなり、「何をしてるんだ!アホか!」と応援席にいる父母らの前で叱責するのです。
このことを、ゼミや授業で紹介すると、少年野球では当たり前の光景かもしれないと学生たちは教えてくれます。

監督の怒鳴り声(罵声)は、野球ばかりでなく、バスケットボ-ルやバレ-ボ-ルでも頻繁に見られます。
バスケットボールでは、「ボールから目を離すな」と子どもに指導しているのに、ミスした時「何で、そんなプレ-をするのか?え?分かっているのか?答えろ!」とゲ-ムの進行中に怒りと質問を投げかけ、選手がボ-ルから目を離させる行動を当然のように繰り返す指導者がいます。

私たちは、授業等でジュニア期には褒めることが必要だと伝えていますが、実際の指導現場では昔とほとんど変わっておらず、怒鳴ることが主軸で、点を取った時だけ喜んでいます。

指導者の態度や言葉遣いを誰が指導(注意)するのでしょうか?
例えば野球では、
○観衆を騒ぎたたせるようにあおってはいけない
○相手チームのプレーヤー、審判員、観衆に対して悪口を言ったり、暴言を吐いたりしてはいけない
○言葉や動作で相手投手のボークを誘ってはいけない
という過度の暴言や妨害行為に対して審判は退場を命じることができます。
でも、今回示した事例は、どれにも含みません。



子供たちは、試合を通してスポ-ツを楽しいと感じ、また頑張ろうと思います。
しかし、指導者から出される意味不明の言葉でタッチアウトになった選手は、試合終了後も母親から「お母さんは恥ずかしい!しっかり走りなさい!」と怒られ、目を真っ赤にしています。
おそらくこのチ-ムの指導者は、根性がある選手は、こんなことで泣かないと一蹴するのでしょう。

そこで提案ですが、審判はたとえ味方の選手でも怒鳴るばかりで、褒めない指導者には、ペナルティ-を科してもいいのではないかと思います。
空振り三振しても、「力一杯バット振った!思いっきりが良かった!」という褒め言葉を言える環境づくりが必要です。
そのために審判は、子どもたちが楽しめる「試合のプロジュ-サ-」として、指導者の言葉遣いを指導する新たな役割を担うべきだと思いました。
また、授業で意見を聞かせてください。

2016.06.03

2016年度 立命館大学&広島大学定期戦

naoです

5月28日(土曜日)に、男子・女子のバスケットボ-ル部が、広島大学との定期戦をBKCで開催致しました。
女子チ-ムの村井実稀さん(スポ-ツ健康科学部2回生)と男子チ-ムの宮川航くんの両主務が企画運営で汗をかいてくれました。



男子バスケットボ-ル部はBKC、女子バスケットボ-ル部は衣笠を活動拠点としており、両チ-ムともほとんど交流がありません。
毎年、この広島大学との定期戦の時だけ交流している状況です。
女子バスケットボ-ル部は、1987年頃に男子チームの元(故)橋本監督の支援で、同好会チームが体育会女子チームとして出発しました。
その教育プログラムの一つとして、1989年に男女共に広島大学と定期戦を開催することになったのです。
それ以降、毎年続いており、来年は広島大学で開催されます。
再来年は、衣笠キャンパスで開催する予定です。
関西に広島大学出身の指導者(教員)が多く、本学へ様々な視点(講習会や審判等)から本学へ指導して頂けることから、大切な交流戦として位置付けています。



試合後のレセプション(懇親会)では、4チ-ムの主将挨拶からはじまり、新人紹介などの情報交流が行われました。
特に、立命館大学女子チームは、自己紹介と様々な一発芸で場を盛り上げてくれました。
こういった場での一発芸は、笑いを取れなかった時の対応力が求められますが、女子チ-ムの選手たちは笑いを取れなかった時の表情や慌てぶりで簡単に拍手を得てしまうところが、各選手らの精神力の強さかな思いました。





立命館大学の各体育会は、同志社との戦い(立同戦)ばかりでなく、多くの大学と定期戦をはじめ交流試合を行っています。
将来、社会に巣立った時、あの時試合したな~、広島大学バスケットボ-ル部は礼儀正しいチ-ムだったな~という情報交換をしながらネットワ-クが広がります。
そこで監督やコ-チは、定期戦を単なる試合というより、社会人基礎力講座として位置付け、試合後の交流を深めるよう指導しています。

このようなイベントの積み重ねが伝統として位置づくのですが、今回少し残念なのは、レセプション時に広島大学の選手と全く交流しないで終わってしまう選手ら(男女チームとも)がいる点です。
その原因は、チームの指導者が、定期戦の意義や目標を丁寧に指導できていないところにあると思います。
特に下級生には、定期戦の重要性をしっかり教えておくべきですね(男子チーム部長の反省点です)。