皆様いかがお過ごしですか。
メリーランド州立大学カレッジパーク校では、
ソメイヨシノは散ってしまったのですが、
八重桜が満開で、見る目を楽しませてくれています。
(写真は、物理学科の建物です)
今回は、私が現在聴講している Cognitive Neuroscience で
実施しているグループプロジェクトについてお伝えしたいと思います。
私は、「MEG (Magnetoencephalography; 脳磁図) を用いて
トルコ語の母音を、英語母語話者がどのように認識するかを検証する」
というグループに所属しています。
MEG は、脳の中で神経活動が行われた際に起こる
電気信号によって発生する磁場を計測する機械です。
左の写真は、測定位置の基準の三次元マッピングをしているところ、
右の写真が、MEG での測定風景です。
MEG は、神経活動に伴う磁場を測定しますので、
神経活動による血中の酸素濃度を測定する fMRI
(functional magnetic resonance imaging; 機能的磁気共鳴画像法) よりも、
(1) 時間解像度が圧倒的に良い点 (MEG は、ms単位、fMRI は s単位) と
(2) fMRIのように大きな音が出ないので、音を用いる実験がしやすいので、
心理言語学や神経言語学の研究では、非常に多く用いられるようになってきました。
ただMEG の問題点は、
(1) fMRI よりも空間解像度が低い (fMRI は、mm単位、MEG はcm 単位) という点と、
(2) 測定に必要な液体ヘリウムの年間の維持コストがかかるために、
(高価な液体ヘリウムを毎週!補充する必要があります、fMRI だと通常年に1回)
何より実験できる場所が限られているという事です。
正確には数えたことがないのですが、fMRI は、
スポ健も含めて日本で100機以上稼働していると思いますが、
MEG は、全世界でも50台ほどしかないと思います。
その内 7割程度がアメリカにあります。
そのためアメリカでは、MEG を用いた研究がかなり盛んに行われており、
メリーランド州立大学カレッジパーク校でも、
MEG による研究論文が、毎週のように発表されています。
(この辺のお金のかけ方は、アメリカは圧倒的に日本より凄いです。
できれば今後も何とかMEG を用いた研究を継続していきたいです・・・)
現在データの解析に苦戦している所ですので、
どんな結果が出るか全く分からないのですが、
優秀な学生達に混ざって (笑)
必死に解析したいと思います。
それでは、また。失礼いたします。
良い休日を
敦
<<街でよく見かける英語表現#28>>
大学の正門を入って道路を突き当たった所に、
大学のシンボルマークの "M" を花文字で描いている場所があります。
そこで学生達が、"HONK IF YOU'RE HAPPY" (幸せなら、警笛を鳴らして) と
プラカードを持っていました。こちらの人はノリが良いので、
ひっきりなしにそばを通ると鳴らしていました。