学部の都合により、代打で登場させて頂きました「nao」です。
宜しくお願いいたします。
以前(3年前)に学生の頑張る活動と私自信のマラソンネタで情報を発信してきました。
今回は、新たな視点で情報を発信しようと思いましたが、やはり頑張る学生を紹介することが私の役割かなと思います。
ということで、今回はボート部の学生を紹介します。
体育会ボート部に所属する木戸ひかりさん(スポ健4回)と井関法子さん(経済4回)は、第97回全日本選手権大会で、軽量級女子舵手なしペア(LW2)で見事優勝しました。

木戸さんらが戦ったレ-スは、各選手が一本のオ-ルを持つ種目です(1本のオ-ルで漕ぐ競技をスイ-プ種目、2本のオールで漕ぐ競技をスカル種目と言います)。

木戸さんら二人は、
S(ストロ-ク):井関さん(右オ-ル、右ストロ-クサイド)
B(バウ):木戸さん(左オ-ル、左バウサイド)
という役割になっています。

二人で呼吸を合わせて漕ぐ種目です。
二人のタイミングが崩れれば、艇は真っすぐに進みません。
そのため漕ぐだけでなく、オールを動かすタイミングや呼吸を合わせるという高度なテクニックが求められる種目です。
しかし、波や風そして二人の僅かな疲労によるタイミングのずれから艇が真っすぐに進まない時があります。
そういった時のために、艇には舵が付いています。
その舵はワイヤ-で繋がっており、井関さんの右足に舵の操作器が取り付けられています。木戸さんが右側に寄っている時にストサイ強く!(ストロ-クサイド)、左に寄っている時にバウサイ強く!(バウサイド)と指示を出し、井関さんが漕ぎながら舵の向きを調整しています。
二人それぞれが、エンジン&航海士役とエンジン&操舵士役を担っているのです。
私が、最も興味あるのは彼女らの戦略です。
<スタ-トして500m 約2分>
〇100%に近い力で、無心で漕ぎます<但し先頭に必ず出ることが条件>
無心といっても、自分に語りかけるように漕ぐそうです。
ほら行け! どんどん行け! ええ感じやで!と語るそうです。
□ストロ-ク数は、38回/分
<500mから1000m 約2分>
〇リラックスして漕ぎます<絶対に先頭は譲りません>
一本大きく漕いで行こう!と木戸さんが指示を出します
大きく漕ぐというのは、オ-ルの移動距離を長くするという意味
気持ちは、95から98%の力の出し方
□ストロ-ク数は、34回/分
<1000mから1500m 約2分>
〇一番きつい区間(あと1000mも漕がなアカン!と感じる区間)
足が動かない!負けるな!漕げ!と自身の士気を高める声掛けを出します。
木戸・井関チ-ムの強さは、この区間において他チ-ムから抜かれないという戦略。
□ストロ-ク数34回/分
ストローク数は減るけど、大きく漕いでいるので、楽にはなりません。
<1500mから2000m 約2分>
〇どうにでもなれ!と辛さとの闘い(120%の力を出し切る区間)
木戸さんらは、え~ボ-ト部なの?と言いたくなるような優しい方ですが、オ-ルを握ると一変して闘志を前面に出す木戸さんらは、「死んでまえ!」「いてまえ!」「おんどりゃ-!」「何を負けてんね!ぼけ!」と自分自身の辛さや弱さに檄を飛ばすそうです。
時には、お互い「行で!行で!ほら行で!」と気合を入れ合うそうです。
ゴールすると、疲労困憊から頭の中が真っ白になるそうです。
しかし、優勝したことが分かると、頭の中の白色が大きな炎のような赤色に変化するそうです。
木戸さんは、優勝した瞬間に「ファイヤー!」と心の中で叫ぶそうです。
□ストロ-ク数 38回/分
腕ではなく、脚の伸展動作に集中。
たった7分半~8分の競技ですが、30分、40分と漕ぎ続けているような感覚になるそうです。
球技や陸上などと違ったメンタルマネジメントが求められるのですね。
特に、疲労から動かない体を労わる自己の弱い精神を奮い立たせる「技」が、ボート競技にはあるようです。
石山寺山頂から瀬田川を見下ろすと、優雅に漕いでいるように見えるボ-ト競技ですが、本当は自己の限界と闘う競技なんですね。
最後にボ-ト部合宿所(石山駅横の瀬田川北東側)にSDGsの14のマ-クが貼ってあります。
日頃の練習中から、瀬田川の環境を考え、藻の除去清掃や河川を流れるゴミの清掃を習慣にしているそうです。
