[ Fri ] の記事一覧

2018.11.30

Publish or Perish

またまた、金曜日ですね。みなさんお元気ですか。僕はあまり元気ではありません。なので今日はこれで失礼します。。。


といきたいところですが、まあこれも仕事なので頑張って書きます。しかし数人はいるであろうこのブログの読者のみなさんとシェアするべき話題は特にないので、今日は少し言語学のことを書きます。だからと言ってあんまりテクニカルな話をしても仕方ないので日々我々がどのように研究成果を発信しているかを書きたいと思います。大学の先生がいったいどういう生活をしているかの一部を知ってもらうことになるではないでしょうか。


大学の先生は、授業や授業に関する仕事(成績、授業の準備、宿題の添削など)に加えて会議を含めた様々な公務を日々していますが、やはり大学の先生は研究者なので、みんな自分の研究分野を日々勉強しています(たぶん)。僕は言語学者なので言語に関していろいろ勉強して論文を書いているのですが、その成果を発表する場の一つがジャーナル(論文雑誌)というわけです。言語学にはいろいろジャーナルがありまして、僕の専門では特に MIT が出版している Linguistic Inquiry やドイツの Springer Science+Business Media 社が出している Natural Language and Linguistic Theory が有名です。僕自身あともうちょっとで Linguistic Inquiry に載るぞというところまで言ったのですが、査読者の一人がどうしても僕のデータの文法性に納得できなかったらしくダメということになりました。言語学のデータは母語話者の内省によって判断されこのやり方は批判されることもあります。しかし、いろいろ詳細は割愛しますが方法論的に問題ないとされてきたし、データの判断が合わないからという理由だけで他のインパクトを無視して落とすというのはどうかと思いますけどね。とにかく1年くらい修正と再査読をしたのに、結局ダメになったのですごく腹が立ちましたが、まあちょっと統計を使ってデータの信ぴょう性を高めてもう一度出すことにしました。また長い道のりが待っていますが。。。


というわけで一流ジャーナルに通るっていうのはなかなか大変です。あと査読者に恵まれることも必要ですね。まあどの分野もそうかも知れませんが、大御所ってのはいるわけで、すご~く個人的な意見ですが「まあこの大御所の言ってることはたぶん間違ってるよね~」的な人でも一応気を遣って引用しながらやんわり論文の中で言及しないと落ちてしまうことが多い気がします。歳をとるって嫌なこともありますね、ははは。狭い業界ですからいくらブラインドレビューでも場合によっては査読のコメントを見れば「~やな!あの**野郎!(自粛 笑)」なんてことにもなりますし、僕自身も査読をしたことがありますが、誰が書いた論文かなんとなく見当がつくこともあり、これって結構バイアスがかかってしまうんじゃないかと思いますね。


こういうストレスだらけのジャーナルですが論文を出さないと研究者として終わってしまうし、業績がいろいろなところで響いてきます(就職とか)。Publish or perish とはよく言ったものです。一方で言語学には研究者同士が気軽に論文をシェアしあうことができるウェブサイトがあります。LingBuzz というサイトでノルウェーのトロムソ大学が管理しています。科学系の論文をシェアしあう arXiv というサイトがありますが、あれの言語学版ですね。つい先日僕も自分の博士論文をアップしましたが、まだちょっとしか経ってないので割とダウンロードされているようでびっくりしました。みなさんもダウンロードできるので良かったらどうぞ(笑)(今日の写真)。もちろん LingBuzz に載せても業績としては意味がありませんが、自分の研究を知ってもらうというのも重要ですので、このようなサイトがあるのは素晴らしいことだと思います。


それでは、でまた来週。 

2018.11.23

デリケートな話

こんばんは、いつも遅めの更新、嶋村です。今日は書くことが(いつものように)ないので、留学して良かったことを一つ書きたいと思います。


僕は前にも書いたようにアメリカの大学院に行きました。そこで色々な国の人と出会い、友達もできました。僕と同時にコネチカット大学の言語学科に入ったのは僕を含めて5人で、僕を除く他の人の国籍はアメリカ人、セルビア人、中国人、そして韓国人でした(今日の写真、ピンぼけですが真ん中が僕です。。。)。みんな仲良く一緒に勉強したりご飯に行ったりしました。特に僕は中国人のジャン君と仲が良く短い期間ですがルームメイトにもなってもらいました。一緒にご飯を作って、学科の友達を招いてちょっとしたパーティを開いたりしたこともあります。僕が日本に帰るときには学科の友達がみんなでお別れ会をしてくれてとても楽しかった思い出があります。


さて、先日フランスで第一次世界大戦の終戦後 100 年を記念した式典がありました。そこでフランスのマクロン大統領は、近年世界中で見られるナショナリズム・国家主義の台頭に警鐘を鳴らしました。「自国の利益を優先してばかりいると、その国で最も大切な倫理的価値観が損なわれる」というのです。彼は「古い悪魔が目覚めつつある」とし、世界に多国間主義に立ち返ることを訴えたのです。日本ではどうでしょうか。日本でもいわゆるヘイトスピーチがあるということがニュースなどでしばしば報告されています。うちの大学でも結構好きな人がいる韓国の某歌手グループのメンバーが日本の歴史上重要な出来事を揶揄するような T シャツを着たというニュースがあり、波紋を広げているようです。現在の日本も第2次安倍政権になって以来、憲法の改正の議論を含めナショナリズムの色彩が強くなってきている気がします。


僕はこういう流れを評価する立場にないので、ナショナリズムの台頭がどういったことになるかはよくわかりませんが、自分の生活レベルに落として考えてみると京都という土地柄、外国からの観光客は多いし、まあマナーの悪い人もいますが、外国人に対して排他的な気分にはならないし、韓国人や中国人を含め色々な国の友達がいて今でもたまに会ったりするので、いわゆる「ネット右翼」的な思想には絶対になりません。もちろん領土や歴史の解釈に関する問題があるのは知っていますが、友達に会えばそんなこと気にならないし、先述のジャン君はあえてネタにしてブラックジョークにしていました。もちろんそれは人によるし、彼はアメリカに来る前はイギリスにいたので、国際感覚が優れているのかも知れません。


ただ言えるのは、外国に住んだ経験があったからあるいは外国の人と交流する機会に恵まれていたからこそこういう思想になったのかなとも思います。どうして今日はこんな話を書いているかというと、先日一人で居酒屋さんに行きました。そこにたまたまタイ人と台湾人の方がいて、ちょっとお話しすることになりました。二人とも日本語を学びに来ているということでしたが、英語が流暢だったので英語で話しました。それで、台湾の方とちょっと日本と台湾の歴史の話なって、僕が台湾に行った時の経験談をしたわけです。まあ、すごく狭い店だったんですが、店主がなんとなく僕らの話していることがわかったらしく「何も知らないのにそんなこと話すべきではない」と僕に言いました。「え~」って僕はなったわけですが、まあそこは「あはは」と適当なことを言ってやり過ごしたんですが、アメリカ時代はこういう話も友達と普通にしてたので、ちょっとびっくりしました。まあ居酒屋の店主の前提として僕が知らないままに適当なことを話しているみたいなことがあったみたいですが、まあ僕もこれまで生きてきてなんとなく知っているしアメリカに住んでいた時に色々聞いたし、思うところもあるわけですが、ここは日本だし京都だし(笑)波風立てないように帰ってきました。ただ単に狭い店で英語を話すなということかも知れません(笑)。でも、そういうことに関して議論するのっていい経験になるし、実際外国から来た人がどう思っているのかを知るのは大事だと思うんですよね。それで勉強にもなるし。。。「そういうことを話すには、きっちり勉強してから」とかいう感覚が大事なことを見えなくしているのではないかと思ってしまいました。もちろん専門家として話すには勉強しないとダメですけどね。けど、コミュニーケーションをとって分かり合えるように模索するとい行為は大事だし、お互い教え合いながら交流が広がっていけば、極端なナショナリズムやグローバリズムに対してもうちょっと冷静でいられるんじゃないですかね。まあ僕は日本も好きですけど、外国のことがどうでもいいなんて思いません。要は中庸を見いだすことが大事で、今の世界は(トランプ政権とか)色々極端に見えます。


という割とデリケートな話でした。ではでは。

2018.11.16

雑多な話

どうも、また金曜日が来ました。嶋村です。ブログを担当して、いや、させられてかなり時間が経ち、気づけば 8 ヶ月くらい毎週書いているんだなあと思うと、まあなんだかんだで自分としては頑張っていると思います。僕はブログをせっせと書くような性格ではないので、毎週欠かさないように書くのが結構しんどいですのですが、まあ何とか続いています。


ただ、僕は割と自分の気分に行動が色々左右されるので、気分的に落ち込んだりイライラしたりする時は、こういうブログを書くっていうのが一番大変になります。こういう時は自分の好きなことをしたりお酒を飲んだりして気分転換をしなければいけません。というわけで、ちょっと走ってきます。


(ここからランニング後)

というわけで、走ってきました。13 キロを 1 時間くらいで。気分転換になったようななってないような。。。まあ走ってる最中って色々考え事をしてしまうので、あんまりでしたね。ちなみに今日は二条城で夜間の観覧できたようで、夜でも人が結構いて走りにくかったです。。。


さて、何を書こうかな。今週まで P2 や P4 の中間発表があったのですが、こういった気分で何か書くとロクなこと書かなさそうだし、感想を書くのはやめておきます(笑)。まあ頑張っている人もいたし、そうでない人もいました。P2 の一回生のみなさんは、後期から僕に担当が替わったので質疑応答などでしんどい思いをされたと思いますが、最終プレゼンもあんな感じで質問するので頑張ってくださいね。まあ僕も一応教員なのでダメなものはダメって言わないといけないんです。まあしかし学生時代は先生というものがどうも好きになれませんでしたが、今自分が大学とは言え教員になっているとはなかなか因果なものですね。


後は何だろうな。昨日ちょっと大学に用事があったのですが、娘が保育園をお休みしていたため一緒に行きました。途中バスの中でアンパンマンの歌を唄いだしたので恥ずかしかったです。そしてしっかり学生さんに見られてしまいました。なかなか自己主張の激しい娘で最近ちょっと手がかかって大変です。こっちも少し気が滅入ってきます。まあ頑張るしかないんですけどね。。。


う~ん、特に書くこともないな。何だろな~ まあこれまで結構頑張ってきたし、今週はこんな感じで勘弁してください。来週からまた頑張ります。

2018.11.09

秋になってきました

みなさん、こんにちは、嶋村です。11 月に入ったとはいうものの比較的暖かい日が続いているように感じます。しかし草木は徐々にその色を変えてきているようで、大学のイチョウの木も黄色く色づきました。なんかいつもと違う感じで始まりましたが、実は今日研究室に来た学生さんに「なんかネタない?」って聞いたところ、「秋になって紅葉(黄葉)が始まってますよ」ってことだったので、今日はこういう書き出しになりました。今日の写真はその学生さんにもらいました、U さん、ありがとう。女性はロマンティック。僕も昔は自然の移り変わり愛で、感傷的になっていたのかもしれませんが、今は忙しくてそんな余裕ありません。。。ちなみに、最近の学生さんはこういうことを「エモい」と言うようです。英語の emotional に由来するようで、「感情が動かされた状態」や「感情が高まって強く訴えかける心の動き」を表現するそうです (Wikipedia 調べ )。ちなみに「エモい」自体は最近の言葉ではなく、僕が学生時代からあったように思います。ただその時は、音楽のジャンルだったような気がします。まあロックの1ジャンルなんですが、僕は好きではありません(笑)。


さて、最近の忙しさの要因の一つに課題の添削があります。僕は割と課題にコメントをつける方なので、大量の課題を捌くのは大変です。じゃあ、サラッと見ればいいじゃないとなるのですが、書いてしまうんですよね。けどこれは生徒のためを思ってしっかり書いてあげようというよりは、「語彙・文法がおかしい!」、「証拠出せ!」、「論文をちゃんと引用しろ!」、「論理が全くわからん!」といった採点中のイライラを表象するものとして書くことが多いです(笑)。まあもちろん結果的にそのコメントを見て、質問に来てくれる学生さんもいるので、それはそれで役立ったいるのかもしれませんが、前に話した僕のアメリカ時代の先生よろしく、英語でワーって書いているので、質問に来ない人ってコメントの意図がわかっているのかいないのか、それとも単にコメントが無視されているのか謎ですね。結局教員も人ですから、学生に対してどういう気持ちで接するかで宿題の添削も変わってくるのではないかと思います。僕自身はとりあえず学生にしっかり学んで欲しいと思いっているので、(イライラして書いてるわけですが)コメントをしっかりつけています。まあ当然と言えば当然なんですが、さすがに全く進歩が見られない課題を受け取ると心が折れそうになる時がありますね。


結局、こういうことは最後は学生の手に委ねられるわけで、つまり学生自身がよくなりたいと思うかどうかなんですね。要は、学生が自分で「やるぞ!」と思って、その気持ちを切らさないようする以外なかなか方法がないので、学生のみなさんがご自身で自分のやる気のスイッチをオンにしてもらう必要があるわけですね(某塾の CM とは違い、自主性を重んじる大学では普通押してくれません。まあ最近はそうも言っていられない大学もありますが 笑)。けれど、惰性でここまで来ちゃったりするとスイッチが錆びついてなかなかオンに入らない人もいるようです。だからと言ってずっとオンな人は疲れるだろうし、そんな人といたらこっちも疲れますね。まあとりあえず、そんなスイッチが錆びついている人は、一日で(30 分とか)少しでいいから大学の授業以外で、勉強道具を広げて机に座ってみることをお勧めします。別に P の宿題でも他の授業の予習でも何かの資格の勉強でもなんでもいいです。一人で図書館に行って、一人で勉強する習慣をつけることです。もし乗り気じゃなかったら、座ってボーッと教材を眺めているだけでもいいです。ただしスマホは触らないこと。そうする時間をルーティーン化(なぜかスポ健には「ルーティーン」という言葉が好きな人が多いようです 笑)することで、徐々に習慣的に勉強するようになるではないかと思います。一度スイッチオンの仕方がわかると意外とオン・オフが簡単にできるようになります。僕は経済学部のダメ学生から言語学者になると決めた時、こんな感じで勉強する日々に戻りました。そして、言語学を勉強するにつれてたくさんの言語の不思議に出会うことができ、今でもその不思議に魅了されています。今の学生生活に改善の余地があると感じている方は、とりあえず定期的に机の前に勉強道具と一緒に座ってみてください。そして、疲れたら窓の外の紅葉した風景でも眺めてみては?


ではでは。

2018.11.02

AI と言語習得の話

どうも、嶋村です。遅くなってすみません。金曜日になりましたね。僕はいつも「ネタがない」と嘆いているわけですが、スポーツ健康科学部のブログに載せるような話題がないという非常に限られた狭義の意味での「ネタがない」でして、決して日々何もなく過ごしているわけではありません。なので、毎週何かは書いているわけです。そういうことで、今週も全くスポーツと健康に関係ないことを書きます。


以前研究には基礎と応用があるという話をしたと思います。基礎研究とはその研究が実際社会に役立つかどうかを考慮せず、研究者の興味の赴くままに研究するというもので、応用研究とは基礎研究で得られた知見を使ってその成果を社会に還元させていくような研究のことを言います。なんで、「~先生が、どこそこの会社と新しいサプリメント開発したらしいよ、すご~い!」ってなる場合は、その当該先生は応用研究で成果をあげたことになると思います。そのサプリメントを作る上で、それを構成する化学物質の研究があって然るべきですが、そういうのは基礎研究であることが多いと思います。基礎と応用、どちらが素晴らしいとか重要だとかではなくどちらの研究も必要ですが、バランス良くやることが大切ですね。ただ中には基礎研究の方が崇高だって思っている人が割といるかもしれません、個人的な意見ですが(笑)。


さて、そんな言語学の基礎研究・理論的側面ばかり研究している私ですが、僕がやっていることが世間に全く役立たないかというとそうでもないようです。今日うちの奥さんがたまたま見つけた記事によれば、MIT の研究者たちが、人工知能 (AI) があたかも人間の子供が学ぶように言語を習得する(可能性がある)モデルを開発したそうです。以下のリンクに詳しく書いてあります。


https://www.csail.mit.edu/news/machines-learn-language-more-kids-do


これまでの機械学習は統語と意味を解析するパーサー(解析機)を通してなされてきました。統語とは、大雑把に言って文法のことで、単語と単語がどのように結び付けられて文ができるかを規定する規則の総体を表します。これまでのパーサーは、それが利用する文(データ)にいちいちどのような統語構造を持っているか、そしてどのような意味を持っているかの注釈(アノテーション)を人がつけることによって学習が可能になっていました。ただ、この作業は膨大な時間がかかります。しかも人がつけるアノテーションは必ずしも正確というわけではなく、人によって違うということもあり、人が自然に言語を使う様を正しく反映していないこともあります。


ところが、新しく提案されたパーサーは、上述のようなアノテーション付きの言語データではなく、パーサーに説明付きのビデオを見せて、それを基に映像で流れている事象と説明文を関連させることによって言語を学んでいきます。そして、ある一定の学習期間の後、新しい文を与えられたパーサーはビデオなしで文の意味を正しく予測することになります。人の子供は、生まれた環境を観察することにより言語を学んでいきますから、新しいパーサーはこれに似た手法をとっているということになります。


さて、僕の専門は統語論と意味論で、特に後者は、形式意味論 (formal semantics) といって数学的な概念をたくさん使います。フレーゲ、デイヴィッドソン、タルスキ、クリプキなどの過去の偉大な数学者や哲学者の功績に多くを負っている形式意味論ですが、今お話ししているパーサーがビデオみて学習する際に利用する文は形式意味論的な表示がされているようです。記事によれば、The woman is picking up an apple という文は、λxy. woman x, pick_up x y, apple y と表示されているそうで、ラムダ表記を使って表現されています。ラムダ表記は チャーチという数学者が生み出した数学的道具で、言語学への応用はモンタギューという人によってなされました。まあ数学的には色々特徴があるようですが、数学者ではない僕にはチンプンカンプンです(笑)。重要なことはラムダ表記は数式から関数を簡単に作り出すことができるということです。ここで数式とは文字列でも構いません。例えば、「嶋村先生は(女優の)波瑠が好きだ」という文の意味を考えた時に、我々言語学者は文の意味の値を 1 (真)か 0 (偽)で判断します。例えば「嶋村先生は(女優の)波瑠が好きだ」が真であるのは、現実世界において僕が波瑠が好きな場合のみであり、実際そうなので真になります(笑)。さて、ラムダ表記がエライのはこのような文字列をラムダ抽象化により関数にできるということです。つまり、「λx. 嶋村先生は x が好きだ」という具合に、x の値を求めることになり真偽値を決めることができるのです。簡単に言うと、嶋村先生が好きなモノ(人や物)から命題(真か偽か判断できるもの)へ写像する関数(<e,t> と書きます)を作ることができます。例えば、x の値が「奥さん」なら真になる訳です。なので <e,t> 自体は僕の好きなモノの集合ということになります。


まあ、「今日は、マジでわけわからんぞ」ということになっている人が多いと思いますが(ってそんなに読まれているとは思わないけど)、何が言いたいかというと、形式意味論的な意味が機械学習で利用されているんだなあ~ってことです。形式意味論は非常に数学的ですので、プログラミング言語などとの親和性が高いのですが、このように AI の開発にも利用されているとは知らなかったのでちょっと記事を読んで嬉しくなりました。


ちなみに今日ブログに登場させてしまったうちの奥さんは、先日誕生日でした。僕は彼女が 23 歳の頃から一緒にいますが、そんな彼女も 32 歳です。いろいろ難ありの私ですが、いつも支えてもらっています。僕は一人で生きているわけではないのだと最近つくづく思います。末長く一緒にいられたらなあとも思います。まあ、ちょっとダラダラ書いてしまいましたが、人の叡智の可能性に思いを馳せつつ今日はこの辺で。

2018.10.26

レモネードスタンドの話

こんにちは、嶋村です。なんか最近「ブログ読んでますよ」とか「うちの親も読んでます」とわりと言われることが多いです。なんか適当なことは毎週書いているので申し訳ない気もしますが、「文章が読みやすい」とか「一番好き」と言ってくれる人もいるので書いている甲斐があったなという感じもします。ちなみにうちの親も読んでいるらしく、時々「いらんこと書きなや!」とか「あれはあかんで!」と怒られます。多分こういったことも「いらんこと」なのでしょうが、結局は僕の性格だし、「~は素晴らしいですね!」とか「みなさん、キラキラ輝いていて僕も感動しました!」なんて言葉は逆立ちしても出てこないので、これからもこういう感じでいきます。僕をブログ担当にしちゃったのがダメなんです(笑)。


閑話休題、先日いつものように二条城の周回路を走っていると、突然女の子(小学 3 か 4 年くらい)にチラシを渡されました。レモネードスタンドと書いてあったのですが、その女の子がいた目の前の家でレモネードが売られていました。レモネードスタンドってみなさんご存知ですか?レモネードスタンドというのは昔からアメリカで行われていて、家の前などにちょっとしたお店を出して子供達が自作のレモネードを販売します。いつから始まったのかは知りませんが、単なる小遣い稼ぎではなく、小さいうちから自分で考えてお店の経営をやりくりしてお金を稼ぐというのは、いかにもアメリカっぽいですね。


そんなレモネードスタンドですが、僕が二条城で出会ったのはチャリティーということでした。どんなチャリティーかというと、小児ガンや思春期世代のガンの撲滅を目指す募金でもともとはアメリカで小児ガンを患う女の子が始めたそうです。その女の子は1歳になる前にガンになり、4 歳か 5 歳で自分と同じ病気で苦しむ子供達のためにレモネードスタンドを始めました。その子自身は治療の副作用に苦しみながらもレモネードスタンドを続け、8 歳で亡くなったそうです。しかしこの活動は世界中に広まり今でも募金活動が続けらているそうです。


ということで、僕はランニング中たまたまそのレモネードスタンドの一つに出会ったわけです。結局ランニング中だったので、その時はレモネードを買えなかったのですが、家に帰ってシャワーを浴びて着替えてから散歩がてらに娘と一緒にレモネードスタンドに行って、一杯 100 円のレモネードを買いました。娘はレモネードを飲むのが初めてでしたが、とても喜んでいました。


さて、そのレモネードスタンドを始めた女の子が好きだった言葉があるそうです。それは、When life gives lemons, just make lemonade. というもので「もし人生がレモンのように酸っぱくたって、レモネードを作れば大丈夫」的な意味になります。lemon という単語は「酸っぱい」から転じて辛いことを表したりするんですが、「困難にあってもそれをポジティブなことに変えてやろう!」ということを言っています。


ちょうどタイミング的に僕もいろいろ上手くいってなくて最近落ち込んで疲弊していたので、「いいタイミングだな(苦笑)」と思っちゃいました。まあガンと戦っている子供達からすれば、僕の苦労なんてしょうもないかもしれないですね。僕も頑張ります。。。


というわけで、みなさんも辛い時は、When life gives lemons, just make lemonade. と心の中で言ってみるのもいいかも知れません。そしてレモネードスタンドを見かけたら、レモネードを買ってあげて下さい。


ちなみに、レモネードを買った後は、電車好きの娘に地下鉄に乗りたいと言われ岡崎公園まで行きました。そこで、ちょっとした催しがあって、車のペーパークラフトを作るコーナーがあったので娘と一緒に作って来ました。わりと楽しかったようです。なかなか手のかかる娘なのですが、今のところ健康に育ってくれて、ありがたいことです。小児ガンなどで苦しむ子供達がいなくなる世の中が早く来るといいですね。


では、また。


2018.10.19

専門英語の話

みなさん、こんにちは。またまた金曜日になってしまいました。嶋村です。


後期が始まり、毎年後期に僕は専門英語を担当しています。専門英語というのは、スポ健の専門分野に関する英語論文を読んで英語でディスカッションしたり、自分の研究に関して英語で発表したりする授業です。まあそういう内容なんで、僕一人では頼りないので、専門の先生がもう一人ついて下さり、後期はいつも僕と T 先生という布陣になっております。T 先生もアメリカで学位を取られたということで、英語も流暢だし、僕がいる必要があるのかよくわかりませんが、とりあえず素人なりに一生懸命付いて行こうとしている次第であります。


今週水曜日は学生さんによる論文レビューの発表がありました。ハンドアウトやスライドなどがしっかり用意されていてとても頑張っていました。質疑応答も英語なんですが、ちょっとした海外の大学院の授業みたいなって、僕はとりあえず英語だけは話せるのでしょうもない質問をして迷惑をかけただけかもしれません。




さて、今回発表したお二人は三回生でしたが、とても感心させられました。僕が三回生の時は、まだ経済学部にいた時で、ひどい学生でした。。。 まあ結局経済学部は 6 年かけて卒業して言語学にスイッチするのですが、専門英語の受講生のみなさんのように早い段階で自分のやりたいことが見えているのは正直羨ましいですね。


僕が経済学部で得たのは、自分にとっては役に立たない経済学部の卒業証書としょうもない音楽と気取った小説から得た影響によるこのちょっと感じの悪い(笑)冷めた性格だけのような気がします。


僕としては、自分の失敗を通して今の大学生のみなさんに、特にいろいろ悩んでる人には自分の将来に自分の経験を伝えることで何かしらの希望をもてるようになってもらいたいと思ってます。トルーマン・カポーティは、「失敗は、成功を引き立たせるための調味料だ」と言ったらしいですが、まあそれは程度にもよりますね笑)

2018.10.12

学生インタビュー(その2)

こんばんは、金曜日担当の嶋村です。新学期が始まって忙しくしているわけですが、まあこれといってネタもないので、前回予告したように今日は学生インタビュー2回目ということで、4回生の佐藤美月さんのインタビューを載せたいと思います。彼女の学年は僕が2年前に立命館大学に来た時に初めて受け持った学年で、今でも何人かの学生さんとは交流があります。彼女もしばしば僕の研究室に来て、いろいろ楽しい話をしてくれるのですが、今回はブログのためにインタビューを受けてくれました。




1. 簡単な自己紹介(スポ健に来た経緯など)

スポーツ健康科学部4回生の佐藤美月です。体育会ボート部に所属しています。立命館大学のスポーツ健康科学部に入った理由は、高校からボート競技をやっていて大学でも競技を続けたいと考えていたのですが、自分は舵手をやっていてチームのリーダーとしての役割も果たしているので、リーダーシップに興味があり集団心理などリーダーシップに関する研究していらっしゃる先生がいるこの学部に入って学びたいと思ったからです。

また、立命館大学のボート部に入部してみんなと一緒に日本一を目指したいと思いました。


2. クラブをやっていて良かったこと

日本一の目標を達成できたことです。また、ボート部は寮生活なので、様々な考え方・価値観を持った人と毎日一緒に生活することになります。その中で最初は苦労したのですが、自分も次第に成長できて、今では相手のことを理解しようとするし、協調性も身についたと思います。こういった成長ができたことがよかったと思います。




3. 勉強とクラブの両立に関して

高校ではあまり勉強が得意ではなかったんですが、諦めずに友達や先生に積極的に質問して勉強したので、単位を取るのがそんなに苦ではありませんでした。また希望していたリーダーシップの勉強ができたので、競技にも繋がっていると思います。


4. 英語 P に関して

P はとても大変な授業でしたが、みんなの前でプレゼンする力を身につけることができたし、苦手な英語を克服するために先生も含めて周りの人に働きかけて教えてもらうことができたので良かったと思います。


5. 卒業後の展望

私は広告の制作会社に就職することが決まっているのですが、スポーツのメーカーとも仕事をすることになるので、スポーツ健康科学部で学んだことを活かしていきたいと思います。


6. スポ健を受験しようと考えている人たちへ、

基礎演習などの小規模クラスがあり友達もできやすく、先生もみんな話しやすいので、楽しく学ぶことができます。スポーツ推薦で入って勉強はあまり得意ではない人も、自分でしっかり周りに働きかけていけば大丈夫だと思います。


ということだそうです。彼女は、確かに英語は得意ではなかったのですが、何回も僕のところに質問にしに来て一生懸命勉強していたように思います。大学入学の経緯は人さまざまですが、自分の足りない部分を補うように努力することは大切です。特に大学は勉強するところですから、勉強しないと卒業できません。けど勉強が得意だ・できるというのが大事なのではなく、どのような経緯であれ大学に入学したんだから入学した以上は、卒業できるように努力するというのが大事です。


では、また。


2018.10.05

後期が始まりました。。。

みなさん、こんにちは。嶋村です。先週から後期が始まりましたが、僕は今週が 1 回目の授業でした。今学期は毎年レギュラーで持っていた 2 回生の授業に加えて、1 回生の授業も少し持たないといけなくなってしまいました。。。そういうわけでちょっと忙しくなりそうです。「お前は日頃からのんびりしてるんだから、もっと授業をしろ」という声も聞こえてきそうですが、まあ僕は僕でいろいろ忙しいんですよね。。。まあ、とにかく後期も頑張ります。


さて今日は学生さんが研究室にお土産を持ってきてくれました。九州出身の学生さんで、彼女曰く「九州土産で一番好き」らしいです。「九十九島(くじゅうくしま)せんぺい」というお菓子で(「せんべい」ではないのがポイント)、いい感じの甘さでピーナッツが散りばめられており、パリパリとした食感でとても美味しかったです。彼女自身は大分の出身ですが、このお菓子は長崎県の佐世保の銘菓らしいです。ちなみに、彼女はボート部に所属しており来週か再来週のブログに学生インタビューという形で登場してもらおうと思っているのでお楽しみに。




まあ、こんな感じで今日は学生に何人か会って話しただけなんで、特にここに書くようなネタがもうないのですが、さっきメールをチェックすると応募していた 2019 年の 2 月に開催される京都マラソンの結果が届いていて、結果は当選でした。




2 回目のチャレンジで、前回参加した 2017 年は途中で足を痛めて走れなくなり後半はほとんど歩いてるのか走っているのかわからない状態でゴールという失態を演じたので、今回しっかり準備してリベンジしたいと思います。


ではでは。

2018.09.28

奈良の話

みなさん、こんにちは。金曜になりましたね。嶋村です。先週末は夏休み最後の週末だったわけですが、僕は家族で自分の実家に帰ってきました。自己紹介でも話しましたが、僕は奈良市出身です。実家はかつて平城京があった中にあり、実家から平城宮跡まですぐに行くことができます。どうでもいい話ですが、平城宮跡は 1998 年に世界遺産として登録されました。そしてその世界遺産の中を近鉄電車が走っています。なぜそういうことになったかはおそらくインターネットの方が詳しいかと思いますが、かいつまんで言うと線路が敷かれた 1914 年にはまだ田んぼで下に遺跡が眠っているということがわかっていなかったのです。後から重要な文化遺産があるとわかって、それ以来線路を移転するべきかどうか議論がありますが、今のところそのままになっています。ちなみに結構前のドラマですが、奈良を舞台にした「鹿男あをによし」というのがありました。最終回で、神の使い(かなんか)の鹿が近鉄電車に乗った主人公(玉木宏)に別れの一瞥をくれる場所が、平城宮跡です。ついでにもっとどうでもいい話をするとあのドラマで綾瀬はるかと玉木宏が行ったいい感じのレトロな居酒屋に僕はよく行っていました。。。


というとてもどうでもいい話で始まった今週のブログですが、さらに奈良の話を続けたいと思います。先週末、奈良では地元の食材を使った「シェフェスタ」というフードフェスティバルが開催されていました。僕は子供を自分の両親に預けて奥さんと二人で行ってきました。たくさんのレストランが出張していてミシュランガイドに掲載されたお店もあり、美味しそうなものばかりで目移りして大変でしたが、いろいろ食べることができとても楽しく過ごしました。ただ、結構お値段がするので、僕はお酒も飲むから結果的に結構な散財になってしまったなあ~という感じです。。。まあ、お祭りなんてそんなものですね。




フードフェスティバル自体は、海外の観光客の方々もたくさんいて非常に賑わっていました。場所は興福寺の近くだったんですが、興福寺の中ではコーヒーの催しも開かれていて奈良もいろいろあるんだなと思ったところです。昔から奈良は「大仏商法」といって商売っ気がないと言われてきましたが、最近は新しいホテルができたり新しいお店ができたり割と積極的に観光地としてのアピールをしているように思います。まあ僕は京都にしても奈良にしてももう少し落ち着いた感じが好きなのですが、インバウンド需要ということで観光立国として日本を目指す流れを受け、こういうのも仕方ないのかもしれないです。。。でも、とりあえず JR (特に嵐山までの嵯峨野線)はいつも混んでるし、京都の市バスはゴチャゴチャしているし僕が住んでいる京都の二条近辺はどんどんゲストハウスができるし、「も~ええかげんにしいや」と言いたいのも本音ですね。。。


読み返してみて、「うん、何の話やねん!」と突っ込みたくなりましが、まあ書いてしまったし特に今週はネタもないので(いつものように)、このままにしておきます。


では。