[ Sun ] の記事一覧

2018.08.12

卒論への取り組み

前期の授業も終わり、学生にとっては長い夏休みが続いています。夏休み期間中は学部生と顔を合わせる機会は一気に減ります(大学院生は研究のために変わらず登校しています)。ただし、卒論に取り組む4回生とは頻回に連絡を取り、進捗状況などを確認しています。

卒論への取り組みはゼミによって様々ですが、スポーツ科学コースの私のゼミでは全員が独自の実験を行いデータを収集します。実験を行う場合、規模が大きい場合にはデータの収集に2-3ヶ月を要する場合もあります。そのため本心では「夏休みはゆっくり。。。卒論は後期から。。。」と言ってあげたいのですがそうもいかず、夏休み中に実験を行うことが増えています。

卒論を行う際には実験の計画段階から大学院生も関わっています。各学年上限12名のゼミ生の実験を効率よく行う上では大学院生の協力は欠かすことができず、本当に助けられています。同時に、大学院生は学部生を「指導」する機会を得る中で、大きく成長していきます。学生は普段は「学ぶ」側にいるわけですが、「教える」側も経験することで学びの効果が自体が大きくなる・・・これは学生を指導する中で強く感じることです。写真は実験データの解析で用いる統計ソフトを使い方を学ぶための勉強会での1シーンです。ここでも、大学院生が講師役を担当してくれました。



お盆休みが終わると、卒論への取り組みは一気に加速します。また、来月は大きな学会もあり、そのための準備も始まります。授業のない夏休み期間ではありますが、決して「休み」ではなく、大学では様々な取り組みが着実に進行をしています。

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2018.08.05

オープンキャンパス(2日目)

昨日、本日と2日間にわたりオープンキャンパスが開催されました。



記録的な暑さが続く中、多数の高校生や保護者がキャンパスにいらっしゃいました。スポーツ健康科学部においても2日間(午前、午後)にわたり、学部紹介、入試制度の紹介、模擬授業(座学、体験型)などを教職員が担当しました。また、現役のスポ健生もオープンキャンパスでは大活躍しています。例えば、インテグレーションコア内の施設案内は学生スタッフがすべて担当してくれています。毎年の光景ではありますが、その進行や説明は非常に洗練され、教員としても安心して任せています。また、保護者や高校生からの相談ブースも設置し、様々な面でオープンキャンパスを支えてくれました。学部で学ぶ現役のスポ健生ですので、教職員とは違った視点で学部の学びの特徴や魅力を高校生に伝えてくれています。高校生だった頃には自らがオープンキャンパスに参加をした学生スタッフもいるようです。現在は立場を変え、現役学生として学部の魅力を一生懸命語ってくれる・・・教員として本当に嬉しい光景です。



オープンキャンパスでは、私は2日目の午後に模擬授業を担当しています。2010年4月の学部設置後から数年間は、スポ健の最大の魅力(強み)として「最新の教育・研究設備」を挙げてきました。確かに、インテグレーションコア1階には筋肉量や脂肪量を定量できる「MRI」「DEXA」、スポーツ動作を解析するための「高速度カメラ」や「フォースプレート」、3階には室内で生活をする際のエネルギー消費量をきわめて精度よく測定できる「ヒューマンカロリーメータ」、室内の酸素濃度を減らした状態でのトレーニングが可能な「低酸素トレーニング室」など、きわめて高価な機器・設備が導入されています。当時は(現時点でもそうですが)、一つの学部にこれだけの機器・設備が設置されている大学は国内では少なく、これはまさに私達の学部の大きな「武器」でした。

一方で、「最新」の機器・設備もやがて「最新」ではなくなります。スポ健においても同様で、2010年4月に最新であった機器・設備も設置後8年以上が経過し、最新機種への交換や修理が必要となる時期に差し掛かっています。これに対して、この8年間にスポ健で学んだ学生は社会の様々な分野で力強く活躍をしています。また、学部・大学院におけるカリキュラム、学生支援の体制も醸成され、学生の夢の実現を後押しできるシステムが着実に整備されてきました。さらに、学部設置後から積極的に研究に取り組んだ成果として、学部・研究科に所属する教員だけでなく、大学院生の研究成果が国際的に注目されています。その他にも、他大学の大学院(博士課程)を修了した新進気鋭の若手研究者が新任教員や研究員という形で、新たに学部に加わっています。

これらの現状をふまえ、現時点でのスポ健の最大の魅力(強み)は「最新の教育・研究設備(モノ)」よりもむしろ「学部に関わる人(ヒト)」であると考えています。教員として、そして研究者として過ごす中で、学部の強みが「モノ」から「ヒト」へと変わってきたと感じる場面が多いのです。なお、オープンキャンパスの模擬授業では「トレーニング科学」の授業内容の一部を紹介するのですが、講義の最後では「私は現在、この学部の教員という立場です。けれども、他大学の教員であったとしても、立命館大学スポーツ健康科学部への入学を自信をもっておすすめします。」と伝えています。

3年前のオープンキャンパスにおいて印象的なことがありました。模擬授業を終えた後に、授業に参加をしていた親子が私の所にいらっしゃいました。神奈川県から参加されていたのですが、「オープンキャンパスを通して、学部の理念・カリキュラムや学生を育て輩出しようとする強い熱意と意志が伝わってきました」「トップアスリートを支える先端研究の取り組みと機会を知ることができました」という非常に嬉しいコメントを頂きました。その時に、じっと私の目を見て真剣に話を聞いてくれた彼の姿は今でも鮮明に覚えています。当時、高校3年生であったSくんは複数の候補の中から翌年スポ健に入学し、学部3回生となりました。1回生の頃からその活動に注目していましたが、正課と課外活動を両立させ、着実に成長しています。

昨日、本日のオープンキャンパスでご来校下さった方々に、スポ健の魅力(強み)が少しでも伝わっていることを期待しています。また、次年度以降にスポ健生となった彼ら・彼女らと再会する瞬間が訪れるかな・・そのようなことを考えながら2018年のオープンキャンパスを終えました。



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2018.07.29

卒業生からの嬉しいメッセージ

7月も終わりが近づいてきました。昨年度の学部や大学院の卒業・修了生も社会人となり3ヶ月以上が過ぎました。入社後は研修期間が続き、7月中旬頃から配属部署が決まるケースも多いようです。そのため、今月に入ってから卒業生数名から「配属先が決まりました!」という連絡を相次いでもらいました。メールの文章を読むと、「新たな環境で力強く前に進んでいる様子」「日々、悩みながらも目の前の仕事に頑張って取り組んでいる様子」などが目に浮かびます。

ある卒業生からもらったメールの中で「大学は自分の原点というか初心に帰れるような、大事な場所であるのでまた伺います。」という文章がありました。非常に嬉しいメッセージでした。2010年4月の学部設置から9年目に入っていますが、大学(インテグレーションコア)は多くの卒業生にとって「初心を思い出せる場所」「エネルギーをもらえる場所」なのかもしれません。卒業生が大学を訪れた際には、帰り際にはエネルギーを充填できるように笑顔で迎えたいと思います。逆に、卒業生・修了生には、社会人として感じたこと、経験したことを学部の後輩(現役のスポ健生)に伝えて欲しいと願っています。

前回のShino先生のブログで紹介があった通り、木曜日に大学院博士課程前期課程1回生を対象にした研究構想発表会が行われました。自分の研究を進める上で、専門性や分野の異なる教員・大学院生とディスカッションを行う機会は貴重です。当日は2つの会場にわかれてポスター発表を行ったのですが、至る所で良いディスカッションが行われており学会のような雰囲気でした。研究科に関わるメンバー全体が力を合わせて、それぞれの大学院生の研究力を高めていこうとする姿勢は、スポ健の伝統でもあり強みであると常々感じています。

ちなみに、7月末〜8月上旬にかけては「修士論文中間報告会(博士課程前期課程2回生対象)」「D1研究構想発表会(博士課程前期課程2回生対象)」「D2研究中間報告会(博士課程前期課程2回生対象)」「D3研究成果報告会(博士課程前期課程3回生以上対象)」と研究報告会のラッシュです(笑)。そしてはその後はオープンキャンパス、そして定期試験の採点(成績処理)とお盆前までは慌ただしい日々が続きそうです。



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2018.07.22

前期授業の終了

週末も猛暑が続いています。天気予報によると、あとしばらくはこの暑さが続くようです。。

昨日(7/21)は補講のために登校するスポ健生も多かったようです。これで前期の授業は終了、明日からは前期の定期試験が始まります。

私が担当している水曜日3限の「トレーニング科学」も全15回の授業を終了しました。最終回の授業では復習やまとめを行った上で、コメントシートを配布し全15回の授業への取り組みを自己評価してもらいました。ちなみに、「コメントシートには何を書いても成績に影響しない」「正直に冷静に自己評価をすること」を事前に説明しています。

今年度、授業に取り組む受講生の姿勢が素晴らしいと毎回感じていましたが、最後のコメントシートを読み改めて興味をもって熱心に学んでくれたことが理解できました。その中で多かったコメントが「先生が本気で授業をしているのが伝わってきたので、私も真剣に授業を受けることができました」というものです。これには背景があり、初回の授業(ガイダンス)の際に「皆さん(受講生)への約束」と題して「毎回、本気で授業をやります。手を抜きません。」と宣言しました(その他にも「見やすいスライドとレジュメ」など幾つかの約束をしました)。初回の授業でこのような宣言(約束)をする教員は少ないでしょうから、受講生の印象に強く残っていたようです。一方で、私からは受講生に「遅刻をしないこと」「私語をせず、90分間授業に集中すること」を求めましたが、今年度の受講生もこの約束をしっかりと守ってくれました。

良い授業は教員の力のみでは実現しません。授業を行う側(教員)と受ける側(学生)双方の前向きな姿勢が不可欠です。トレーニング科学は毎年、熱心な受講生に恵まれていますが、今年度は特に満足感と達成感に満ちた授業となりました。定期試験は25日(水)、受講生は配布したレジュメやそこに書かれたメモをもとに熱心に試験勉強に取り組んでいるという情報が届いています。試験まで残り僅かですが、「点数を取るためだけの勉強でなく、新しい学びを楽しみながら勉強する大人のスタイル」で試験に臨んでくれることを願っています。



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2018.07.15

研究から得られる力

連日の猛暑で、今日も地域によっては気温が40℃近くまで上昇する可能性があるということです。こまめな水分補給を忘れず、熱中症などに気をつけてお過ごし下さい。

さて、前期の授業も残り僅かです。今年度、3年生のゼミでは全員が協力をして一つの大きなテーマに関して実験を行っています。ゼミ生12名での共同作業となりますので、このチャレンジを開始した当初は、「中心となって活動するメンバー」と「一歩引いた形で十分に活躍ができないメンバー」に分かれてしまわないかと心配したのですが杞憂に過ぎませんでした。現時点では、12名が密に連携しながら自分の役割(仕事)を見つけ、効率よくかつ丁寧に実験を進めています。毎回、私や大学院生が立ち会っているのですが、サポートが必要となる場面が非常に少なく、自分達で考えながら課題を解決していこうとする姿に驚いています。前期の最終授業ではすべてのデータ収集が終了しますので、どのような結果が得られるか楽しみにしています。



学部生に負けず大学院生も研究を頑張っています。特に、博士課程前期課程の1年生は、7/26(木)の5時間目の授業(身体運動科学演習)時に研究計画の構想発表会を行います(そのためのポスターがインテグレーションコア1Fの廊下に掲示されています)。身体運動科学演習は「合同ゼミ」と呼ばれ、複数の研究室の教員や大学院生が合同で実施しています。毎回の授業において担当の大学院生は関連する先行研究を紹介したり、自身の研究計画を発表します。その都度、授業担当の専門の異なる複数の教員からの厳しい(?)質問に回答することが求められます。私も自分が大学院生だった頃に、バイオメカニクスを専門する研究室と合同での勉強会を行っていたですが、専門の異なる先生方や他研究室の先輩の前での発表は普段以上に緊張していたことを鮮明に覚えています。ただ、専門性の異なる方に対してプレゼンテーションを行うことで自らの研究に対する理解も深まり、確かな力をつけることが可能となります。

大学院はもちろんのこと、学部生においても研究に触れる機会の多い点がスポ健の特徴です。これらの取り組みを通して「研究を行う能力」が高められるだけでなく、「グループでプロジェクトを計画的に進行させる能力」「得られたデータを解析し、異なる専門性を有する他者に伝える能力」が自然と養われます。これらは教室で行う大人数の講義のみで高めることは難しく、まさに小集団の授業ならではの魅力です。数年後、社会に出た際に分野を問わずに活用できる「高度な社会人基礎力」を授業を通して身につけることができるように、教職員は様々な「仕掛け」を考えています。



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2018.07.08

ヨーロッパスポーツ科学学会(ECSS)

7/4〜7/7の日程でアイルランドにおいて、ヨーロッパスポーツ科学会(ECSS)が開催されました。ECSSはスポーツ科学分野において最大規模の国際学会であり、スポ健からも多数の教員や大学院生が参加しています(私は残念ながら参加できず。。)。
http://ecss-congress.eu/2018/18/index.php


GOTO研究室からも博士課程前期課程2年のItoくん、Maruくんが参加し、口頭発表にチャレンジしてくれました。また、他研究室からも口頭発表に積極的にチャレンジしています(写真はItoくんおよび忠先生の研究室の博士課程前期課程2年Uenoくんの発表の様子です)。大学院生、特に、博士課程前期課程の大学院生が口頭発表に臨むことは他大学では一般的でないかもしれませんが、スポ健では珍しいことではありません。私も以前は、「博士課程前期課程の大学院生に国際学会での口頭発表は荷が重い」と考えていました。一方、最近数年間でこの考えは完全に変わり、現在では、国際学会での口頭発表は「事前に準備すれば十分に対応できる」「チャレンジすべき最高の舞台」と感じています。




大学院生が国際学会でチャレンジする様子は、学部生にも頻繁に紹介しています。その効果(?)でしょうか、「国際学会で発表をしたい」「先輩のように、自分の研究成果をスポ健から世界に発信したい」という目標を掲げる学部生も増えています。「最先端の施設・整備」「優れた教育・研究環境と高度な研究活動」「グローバルな視点」などスポ健の強みを活かし、学生が自ら一歩足を踏み出し海外での発表に挑戦をする姿は教員からみても頼もしい限りです。今後も彼ら・彼女らの挑戦を全力で支援したいと思います。

学会期間中、他大学の先生方からも「立命館頑張ってるよ!!」と写真を送っていただきました。その中の何枚かをアップします。




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2018.07.01

昨日は補講日でした

昨日(6/30)は統一補講日でした。前・後期の授業はそれぞれ全15回開講されますが、授業期間中の学会参加などもあり授業を休講にすることもあります。そのため、本学では統一補講日が予め設けられています。昨日は多くのスポ健生が補講のために登校したのではないでしょうか?補講日は普段の授業とはスケジュールが異なり、別の曜日に開講している講義を同一日に実施することもあります。写真は昨日の3限(トレーニング科学、通常は水曜日3限に授業)と4限(エクササイズプログラミング論、通常は月曜日4限に授業)における授業時のレジュメです。授業の間は10分、建物の移動もありましたので4限のレジュメも持参して3限の授業に向かいました(重かった。。。)。ちなみに、授業時のレジュメは中綴じ印刷をしていただいています。事前に教員ラウンジ内にある印刷室で製本をお願いするのですが、中綴じ印刷されたレジュメは見やすく綺麗です。レジュメ印刷や端末を使った出席管理など、授業を効率的に行う上での様々な支援に感謝しています。



補講日は、同一時限に授業が重複して出席できない学生のいることも十分に配慮する必要があります。そのため、授業の復習など補講日の授業を欠席しても定期試験にマイナスにならないように気をつけています。それでも貴重な土曜日に補講に出席してくれた学生への感謝の気持ちも込め、プラスの情報を提供できるように授業を準備します。昨日のトレーニング科学の授業はこれまでの総復習を行いましたが、これが非常に好評でした。出席も取りませんでしたが、授業後に回収したコミュニケーションペーパーを確認すると「補講に出席して良かったです」というコメントが多くあり安心をしました。また、「テスト頑張ります。A+取ります!」という力強い書き込みもみられました(テスト頑張ってね。問題は難しいですよ。)。前期授業もいよいよ終盤、学生の期待を上回る授業を実施しなければ・・・と再度気合いが入りました。

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2018.06.24

若手研究者海外挑戦プログラム

これまで何度か紹介した通り、スポーツ健康科学研究科では、多くの大学院生が国際学会での研究発表に積極的に取り組んでいます。また、英語での論文投稿にも比較的早い時期からチャレンジをします。研究の世界に国境はありませんので、グローバルな視点から研究活動を推進して欲しいと教職員も様々な面からその活動を支援しています。

 

これに関連して、若手研究者の海外での研究活動(留学)を支援する制度も増えています。例えば、優れた若手研究者が採用される「日本学術振興会・特別研究員制度」においては、採用期間中の海外留学が可能です。さらに最近では、「若手研究者海外挑戦プログラム」という制度が新たに開始されました。この制度は、「大学院博士課程後期課程に在籍する大学院生が3ヶ月〜1年程度海外の研究者と共同して研究に従事する機会を提供する」ことを目的としています。留学に際しては、往復航空費、滞在費および研究活動費が支給されます。今回、この制度を活用して、私の研究室のSahiroさんがイギリスに3ヶ月間留学することになりました。


 



 

彼女はスポーツ健康科学部の1期生(20104月入学)で、学部在籍時は体育会ボート部に所属し活躍してきました。また、3回生からは私のゼミに所属し、その後、大学院に進学をしました。誰もが認める努力家で、日本学術振興会・特別研究員(DC2)への採用に加えて、国際誌にも多数の論文を発表しています。その他、今年度は民間の助成団体から2つの研究が研究助成を受けています(大学院生としては珍しいケースです)。博士課程後期課程での海外留学はかなり以前から計画し、そのための準備を続けてきました。今回状況が整い、留学が実現することになりました。

 

海外での研究活動には大きなチャレンジを伴います。研究活動だけでなく、日々の生活も勝手が日本とは異なります。ただしその中で逞しく研究活動に取り組むことで、国内での研究活動だけでは得られない貴重な経験をすることが可能です。また、「国際的に優れた研究成果がどのようにして創出されるのか?」このことを直接自分の目で確認することができる、これも大きなポイントです。

 

写真は、研究室でのミーティングにおいてSahiroさんが留学に向けた意気込みを語っている風景です(写真が暗くて申し訳ありません。。。)。隣でその姿をじっと見つめる博士課程前期課程1回生の後輩二人も印象的です。身近な先輩が海外で挑戦する姿を見ることで、数年後この二人が海外での研究活動に挑戦する瞬間が来るかもしれません。

 

Sahiroさん、海外での研究活動を存分に楽しんで来て下さいね。行ってらっしゃい!

 


 

2018.06.17

スポーツ健康科学セミナー

6/14(木)に「スポーツ健康科学セミナーⅠ(スポ健1回生が受講)」に参加してきました。この授業はIppo先生がご担当されており、毎回、3名の教員が自身の研究内容や所属コース(スポ健生は3回生から4つのコースの中のいずれかに所属します)の特徴などについて話をします。今回は、Sana先生、敦先生、そして私の3名が登壇しました。ちなみに、Sana先生は運動処方、敦先生は言語学、私はトレーニング科学と専門分野が異なります。


Sana先生からはサルコペニアの簡易評価法に関わる研究成果やハワイ大学で取り組まれたサルコペニア肥満別の生存曲線に関する貴重なデータが紹介されました。また、健康運動指導士の役割や資格を保有することでの強みに関しても、Sanaゼミの卒業生を例にあげて紹介されました。スポーツ健康科学部の進路と聞くと、一般には「スポーツメーカー」「体育の教員」をイメージされる方が多いかもしれませんが、健康運動指導士の資格を取得し病院で患者さんへの運動処方に活躍することも可能です。また、学部1期生で青年海外協力隊の活動としてコスタリカでの支援活動を行ったTomokoさんの活躍の様子も紹介されました。スポ健で学んだ学生が、卒業後に病院、スポーツクラブ、海外など多様な場所でその専門性を十分に活かしていることを改めて認識することができました。1回生の心にもこれらのメッセージが刻まれたものと思います。


敦先生からはご自身の専門分野である言語学(応用言語学)の研究内容や研究を開始したきっかけが紹介されました。特に、高校生の時に突然、英語が理解出来るようになった瞬間の経験談は面白く、1回生も前のめりになって話を聞いていました。また、スポ健での英語学習に関わりどの程度の学習時間が必要なのかを、学習時間と英語の成績との関係をグラフで示しながら説明されました。切れ味鋭いそのトークは受講生にも大好評で、ここでは書けないような内容も盛り込まれ「さすが敦先生」という内容でした(私にはマネはできません(笑))。


私は最初に登壇したのですが、現在進めている研究(低酸素トレーニングに関する研究など)や企業との共同研究(連携)などを紹介しました。


今回、3名の教員ともに自身の研究内容に加えて、学部での学びを活かして活躍をしている卒業生数名を紹介しました。現学部生にとっては「学部での学びを通して自分がどの程度成長できるのか?」「自分の未来は明るいのか?」これは常に気になっていることでしょう。その点で、身近な先輩の活躍や奮闘ぶりは自らの将来(キャリア)を考える上で貴重な情報です。敦先生が紹介されたTatsukiくん(2018年3月卒業)はオランダに留学し、サッカーの現場で活躍できる理学療法士(physiotherapist)になるためのトレーニングを積んでいます。彼は私のゼミに所属していたのですが、ゼミに入る前から「卒業後、僕はオランダに行きます(「行きたい」ではなくて「行きます」と明言していた点がポイント)」と力強くその夢を語っていました。実際にそのための準備(オランダ語の勉強、奨学金の申請など)を行い、宣言通り現在、オランダで頑張っています。彼には「一人前になったら、エクササイズプログラミング論(私が担当する授業)の授業でゲストスピーカーとして話をしてね」とお願いしていますが、その瞬間がやってくることを楽しみにしています。


Tatsukiくんに代表されるように、「夢を夢で終わらせない」「夢を実現するためアクションを起こすことのできる学生」がスポ健にはたくさんいます。Tatsukiくんのような学生を少しでも増やすことができるように、今後も様々な方法で学生をサポートしていければと考えています。


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2018.06.10

就職活動も終盤です

就職活動のスケジュールは人により異なりますが、多くの学生は企業の説明会やエントリーシートの提出が解禁になった3月から本格的に活動を開始しています。また、経団連加盟の企業が6月から選考(面接などの採用選考)を開始していることもあり、4回生にとっては6月は勝負の時期でもあります。就職活動の状況は随時報告を受けていますが、企業から内々定をもらう学生も増えてきています。

またこの時期になると複数の企業から内々定を頂き、「どの企業を選ぶか」という新たな悩みを抱える学生も出てきます。内々定を待ち望んだ4月頃の状況から比べると贅沢な悩みかもしれませんが、実際にその企業で仕事をした経験のない学生にとって「最適な企業」を選ぶことは必ずしも容易ではありません。

学生からも相談を受けることも多いですが、その際には「仕事をする上で大切にしたいこと」や「仕事を通して実現したいこと」を本人に考えさせるようにします。また、自分を支える周りの人々から十分に意見を聞いた上で、「最終的には自分で決める」ことも重要です。

3月から就職活動を本格始動した学生にとっては4ヶ月目に突入し長期戦となっていますが、長かった就職活動もようやく終盤です。納得のできる形で就職活動を終えることができるよう応援しています。


さて、4回生は悩みが多い時期ですが、3回生は非常に元気です(悩みがないわけではないでしょうが)。

これまでブログでも紹介していますが、ゼミでの活動内容は多岐にわたり、大教室での授業とは大きく異なります。現在、私のゼミでは実験の手法を学ぶトレーニング(実験実習)の一つとして、全員が参加するプロジェクトの準備を進めています。私や大学院生が十分にサポートをするのですが、ゼミ生自身が研究計画の詳細を自分達で議論し、必要な情報(論文など)で調べることが求められます。写真はそれぞれのグループで考えた実験内容のプレゼンテーションの様子です。実験を行う際には「何を測定するか?」のみに目を向けがちですが、「測定前日や当日の食事内容をどのように規定するのか?」「当日、何時何分から何をするのか?(タイムテーブル)」など決めなければならないことは非常に多く、その中で研究実施の手順を学んでいきます。

また、グループでの活動となりますので、他者との協調性も養われていきます。さらに、グループ内の議論の経過(議事録)、資料や情報などはクラウドサービスを使って保管・共有していきますので、「情報を管理し、いつでもアクセスできるようにする」ための手順を身につけることにもなります。


3回生はあと2年弱で社会に出て仕事をするわけですが、一つ一つの活動が社会人として仕事をして仕事をする上での基礎力となります。このようなゼミ生の活動を見ていると、「私も学生の頃にこういった経験をしたかったなぁ」と羨ましくなってしまいます。3回生が初めて本格的に取り組む研究の様子、ブログ内でも良いタイミングで紹介できればと考えています。