皆様いかがお過ごしですか。
メリーランド州立大学カレッジパーク校では、
明日8/31から新学期が始まります。
新学期と言うことは、新入生が入学してくるので、
新入生に関するニュースを紹介したいと思います。
(http://www.diamondbackonline.com/news/article_ba6be7a4-bc50-11e4-b4ec-277ed207db3b.html)
アメリカでは、カレッジスポーツが非常に盛んで、莫大な金額が動いていることを
この項でも紹介しましたが、盛んすぎるが故の、弊害も生まれています。
その一つが、カレッジスポーツの学生が、活躍してプロになるために、
学業をおろそかにしてしまう場合があるという事です。
日本の大学でも、「文武両道」が謳われていますが、
なかなか実践するのは大変な事も多いと思います。
立命館大学は、取得単位の基準を下回ると、
試合に出られないというシステムを取っていますが、
このようなシステムが無く、学生がクラブ活動ばかりしている
大学もあるのではないでしょうか?
アメリカでも、この問題は非常に深刻になっており、
色々な対策が取られてきました。
メリーランド州立大学でも様々な対策が取られ、
Academic Support が一つのキーワードとなっています。
http://www.umterps.com/SportSelect.dbml?DB_OEM_ID=29700&SPID=120731&SPSID=716403&KEY=
アメリカの大学で、どのようなアカデミックサポートが
実践されているかを知るためには、以下の本がとても参考になります。
岩波ジュニア新書ですので、お近くの図書館に所蔵されていると思います。
「ライフスキル・フィットネス――自立のためのスポーツ教育」
吉田 良治 (著) 2013年 (岩波ジュニア新書) で書かれています。
ぜひスポーツ健康科学部で学びたいという学生やその保護者に読んでもらいたい一冊です。
(画像は、amazon.co.jp より引用)
今回提案された対策は、一番人気の高いアメフトとバスケットで、
新入生に学業を優先 (education first) させて、
一年生の間、試合の出場資格を停止 (ineligibility) 出来ないかという
アイデアが、Big Ten リーグで出ているというものです。
もしもこれが実現すると、新入生にとっては、学業優先にはなって
よりスムーズに学業に向かえると思いますが、
試合には出られませんので、モチベーションの低下が起こるかもしれません。
試合に出られないなら、Big Ten の大学には進学しないという学生も出てくるでしょうから、
その場合、他のリーグよりも、レベルが低くなるという可能性もあります。
それでもなおこのような対策が話し合われるという所に、アメリカの
カレッジスポーツの現状が垣間見える気がします。
現在、まだこの件は検討段階ですが、もしも実現した場合には、
当然上位団体の NCAA でも、実施されると思います。
この話がどうなるか注目したいと思います。
それでは、また。失礼いたします。
良い休日を
敦
<<街でよく見かける英語表現#45>>
英語では、学業優先は、"education first" と言います。
GPA (grade-point average) で、3.7以上を達成した「文武両道」の学生は、
"Distinguished Scholar Award" を受賞することが出来ます。
今年度は、23名の学生が受賞しました。
(http://www.umterps.com/ViewArticle.dbml?SPSID=716403&SPID=120731&DB_LANG=C&DB_OEM_ID=29700&ATCLID=210187351)
日本の大学でも、競技成績を表彰するだけでなく、
「文武両道」に努めた学生を表彰していく必要があるのではと思います。