2010.07.19

つながり

先週は日本全国猛烈な雨でした。ゲリラ豪雨とよばれるぐらい亜熱帯のスコールを彷彿とさせる激しい雨でした。多分にもれず、先週の水曜日に広島へ出張した際には大雨でした。新幹線も大幅に遅れてしまい、山陽新幹線も広島止まりとなってしまいました。



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同行していた【敦】先生からは、「先生の雨男パワーにはかないませんわ~!」とお褒め!?の言葉を賜りました。いずれにしましても約束時間から1時間遅れで到着しましたが、Dr.Will Jonen と無事会うことができ、インターンシップの打ち合わせをすることができました。話をしている折に、Dr.Jonenが乳酸の研究をしていて、うちの【Hassy】先生とUCバークレーで会ったことがあるとのこと。【Hassy】先生も記憶にあり、「ああ、Willは覚えていますよ!気の良い研究者ですよ!」とのこと。世の中狭いものですね。私もDr.Will Jonenは、オハイオ在住の友人の紹介でした。いずれにしてもネットワークも巡り巡ってつながっていることを感じます。

 

7/17()は、NS研究会がありました。この研究会発足には色々な経緯がありますが、そのうちの一つはMR導入に伴っての勉強会をしながら、世界的な研究を目指そう!というものでした。隣の滋賀医科大学には、MRの世界で非常に高名な犬伏先生がおられます。お顔だけは知っておりましたが、直接お話しをしたことはなかったのですが、無謀にも直接電話して、経緯をお話しして参加要請をさせて頂きました。犬伏先生からは二つ返事でOKを頂きました。以来、毎回ご参加頂いて、有益なコメントもらっています。今回は、ワールドカップでの日本の活躍を例にしながら、「個別の研究者が頑張るだけでなく、スポーツ健康科学部のみなさんは、チーム力、総合力で世界的な研究をして欲しい」と激励を頂きました。総合的・学際的な本学部の特徴を生かして、『チーム力』で世界のトップ・ジャーナルに載るような研究成果をだしていきたいと参加教員一同、再確認いたしました。 

0719-2.JPG0719-1.JPG  0719-3.JPG7/18(日)は、第5Athletic研究会があり、午前中は学生向けのセッションで、湯浅さん(トレーニング指導者)、陰田さん(アスレティックトレーナー)からスポーツ現場に関わる仕事(キャリア)についての紹介がありました(お二人とも水曜朝8時の『チームゼロ』に参加してもらっていますので、詳しいことは直接尋ねて下さい)。午後は、後藤一成先生の講演と本学スポーツ強化オフィース所属のアスレティックトレーナー、ストレングスコーチからの現場報告がありました。スポーツ健康科学部の一期生も多数参加して、熱心に質問をしており、この分野への強い関心を感じました。実は、この研究会のはじまりは、ストレングスコーチとして本学の卒業生である山田佳奈さんが着任してきて、私の研究室に勉強会に参加するようになったのがきっかけでした。勉強熱心な彼女に、「本学のスポーツ強化オフィースには、アスレティックトレーナー、ストレングスコーチが、衣笠、BKCのそれぞれのキャンパスに配置されているから、年に何回か全体集まっての研究会でもつくってみたら?」と勧めたところ、持ち前の組織力で、年2回の研究会を定期開催するようになりました。スポーツ健康科学部の学生、院生とも馴染みの研究会ですので、今後ともサポートしていきたいと考えています。先生方にもご協力をお願いすると思います(ちなみに昨年は【聡】先生に講演をお願いしました)。

 

先週は「つながり」を感じることの多い一週間でした。

【忠】

 

 

2010.07.18

岡山の高校訪問に行ってきました

関西では、梅雨明けかという天気ですが、
みなさん、いかがお過ごしですか。

私は、先週の水・木と、岡山県の高校訪問に
行ってきました。

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途中まで、忠先生と一緒だったのですが、
新幹線が止まるくらいの、大雨!でした ( ^ ^;;)

今回は、四つの高校を回って、進路指導部の先生方に、
スポーツ健康科学部の特長について、説明をさせて頂きました。

途中、倉敷にある 大原美術館 に寄ってきました。

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二年前にも、立ち寄ったのですが、
本当に素晴らしい絵がたくさん有って、
素晴らしい時間を過ごすことが出来ました ( ^ ^ )

私たちも、時代を超える新しいものを
常に創造していきたいと強く感じました。

それでは、また。失礼致します。
良い休日を。
               敦


 

2010.07.17

祭りのあるまち:祇園祭

GF1.JPG京のまちを彩る祇園祭は、今日、32基の山鉾が長刀鉾を先頭に、祇園囃子と"エンヤラヤー"の掛け声にのって、四条通、河原町通、御池通といった京都のメインストリートを巡行して、クライマックスを迎えます。

その日の夕方には、八坂神社の祭神を乗せた3基のみこしが、四条寺町の御旅所に向かう神幸祭があり、24日には、それらのみこしが御旅所から神社に戻る還幸祭が行われます。

 

以前、祇園祭の巡行は、私が生まれた1966年までは、豪華絢爛な鉾が多数巡行する「前祭(7月17日)」と、山のみの巡行で小規模な「後祭(7月24日)」との2回に分けて行われていたようです。

 

みなさんがご存じのように、時機を逸して、後悔の念を表す「後の祭り」という諺は、この祇園祭の「後祭」に由来するといわれています。そのほかにも、7月1日から1カ月間行われる祇園祭は、山鉾巡行が大一番ともいわれ、巡行以後、華やかさや見所がないことから、「後の祭り」という諺が使われるようになったという説もあるようです。

 

そもそも祇園祭は、平安時代前期の869年にまでさかのぼります。

京で疫病が流行し、その時、広大な庭園だった神泉苑に、当時の国の数にちなんで66本の鉾を立てて、祇園の神(スサノオノミコトら)を迎えて、災厄が取り除かれるように祈ったことが起源とされています。
970年から祇園祭は毎年、行われるようになり、1467年から10年間続いた応仁の乱で、祭りは、一旦途絶えてしまいましたが、1500年に町衆の手によって再興されました。

GF2.JPG左側の写真は、鶏鉾を飾るタペストリーです。

山鉾を彩るために欠かせないタペストリーは、当時、中国やペルシャ、ベルギーなどからもたらされたようです。これらの懸装品の豪華さゆえに、山鉾を飾る重要文化財が公道を巡行するため、山鉾は、"動く美術館"とも呼ばれています。

江戸時代にも火災に見舞われ、第二次世界大戦などを乗り越えて、祇園祭の伝統は、町衆の力によって現代まで守られています。

 

祇園祭は、京のまちの中心部で行われ、我々の目には、祇園祭の華やかさだけしか映りませんが、文化を保存し、伝統を守り抜くということは容易なことではありません。

 

日本を代表する文化人類学者の米山俊直先生が、祇園祭、またその祭りを彩る山鉾の美しさを支えるまちの文化と社会の在り方を、「祇園祭:都市人類学ことはじめ」(中公新書,1974年)という本にまとめていらっしゃいます。

この書の中には、伝統と文化の輝きを朽ち果てさせないために、様々な苦労をしている住民の様子がつぶさに描かれています。

 

35年以上の時を経てはいますが、この書を手掛かりに、画像を交えながら、"祭りのあるまち"の姿を少しご紹介したいと思います。

 

 

が...

今日は、日本スポーツ産業学会があり、実行委員の私は、ちょっと時間的に余裕がなく...

面白いテーマなので、必ずすぐにアップします。

こんばんは、大阪の町に投資してきます~

 

 

 

2010.07.16

大学院生の研究指導 -【聡】Lab. 始動!-

 豪雨が急にあったり、気温が急に上がったりとまだまだ梅雨が続いていますが、大学の前期の授業はいよいよ最終授業となっています。4月に入学してきたスポーツ健康科学部の第一期生の皆さんも大学の授業に慣れてきたのはないでしょうか?!

 前期の授業の終了が近づくとともに、スポーツ健康科学研究科の大学院生の研究も徐々にですが、活発になってきました!

 

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私のブログの登場回数が最多の、【聡】先生の研究室では、高齢者の方々の筋力低下を改善・防止するための運動、セラバント運動の効果とそのメカニズムに関して研究されています。週に2日、130分間のセラバンド運動を実施(写真)すると、トレーニング前後の筋量の変化率が増大したという研究成果が出ています。さらに、動脈硬化リスクに対してのセラバンド運動効果を見るべく、【聡】先生の厳しい?優しい?指導の下、大学院生【M谷】君や【Koji】先生が血液中のホルモン測定を行っていました(写真)。今後の大学院生の真剣な研究ぶりにも是非、注目してください!

 来週からは、【MotoLab.の実験が始まりますので、ご紹介させていただきます。お楽しみに!

 

by Moto

 

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2010.07.15

新幹線が止まって再確認した日

新横浜~小田原の間で、強風のせいで竹が倒れた日がありました。駅に着いたとたん、「あ、何かあったんだ」という雰囲気が漂っていました。駅の構内はごった返していて、駅員さんはいろんな人の対応に追われていました。

 

この竹、よりにもよって、新幹線の下り側の線路だけを塞いだのでした。この悪天候が続いている中では、こういうことも起きやすいのでしょうけれど、その復旧作業を手がける方たちは本当に大変だと思います。

 

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左:新幹線、こんなにひっきりなしに動いているんですね。

右:改札口付近には、サラリーマンがたくさん。世の中、忙しく動いているんですね。 

 

竹を取り除いた後、通常のダイヤに戻るまでにも1時間はかかるという話だったので、少しだけ駅地下の「おみやげプラザ」をふらりふらりする時間ができました。おしゃべりの弾んだお店の人は、実は蔵元さんで、京都に外国人(どこの国の人でしょう?)の杜氏さんが日本酒を造っているそうです。興味津々です。もう少し早い時間だったら、この日、この杜氏さんに会うことができたみたいなのですが...またの機会に。こういう出会いがあったのも、変な話ですが、竹が倒れて新幹線が止まったおかげでした。

 

その後・・・こちらが予想していたよりは早く復旧してくれました。私たちの出張や生活時間は、鉄道にかなり依存しているんだと痛感した日でした。悪天候で、日が暮れた後の作業だったはずなのですが、現場の方々のすばやい復旧作業のおかげで、無事に草津まで帰りつくことができて本当に助かりました。

 

さてさて、最近気になっていること。サッカー預言のタコ、パウルくん。いったい、何で預言なんかやり始めたんでしょう?  

ippo

 

 

2010.07.14

かわゆか? かわどこ?

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川床をどう読むのか?

京都の風物詩と私が思い込んでいる川床。でも、この漢字、どう読むのかな。

私が、「かわどこ」と読んで会話をしているとN先生は、「かわゆかはね.........」と話を続ける。

N先生の話の内容は、まあ、他愛もないことだけど、どう読むのか。

ネットでみてみると、「かわどこ」が優勢に感じる。

 

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ある頁には、

「読み方は↑の方の仰せの通り「かわどこ」ですが、京都人は「川床」を「ゆか」と洒落ます。」

と書いてあった。そうか。地元の人は、

「川床」

「ゆか」

と読むのか。なかなか、オシャレだね。

ともあれ、今後のために(何のため?)、「ゆか」を楽しんできました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 智 】(201006 鴨川の 「ゆか」 にて) 

 

 

 

2010.07.13

「学部長と朝ごはん」実習、全日程終了!

<RecO 便り 13>
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5月からクラス単位で行われてきた朝ごはん実習も、先週の【聡】先生クラスで最終回。集合、準備、配膳ととてもスムーズで、私が資料のプリントであたふたしているうちに、全てが整えられていました。遅れてきた2人を含め、食欲旺盛。鮭の皮もしっかり食べられていました。
(写真;2枚とも【聡】先生提供)

 毎週水曜日は、2限が大学院生のスポーツ栄養学特論のため、この日の「ちゃんこ番」の院生2人、S君とK君がこの日のメニュー「夏野菜のカレー」の準備に入っていました。せっかくなので【聡】組は、それを見学しながら、RecOのキッチンスペースの使い方を実習。院生2人には自己紹介方々メニューの説明をお願いしました。
 この間S君はずっと玉葱のみじん切りをしていたので、キッチンスペースにいた私を含むほとんど全員、目が痛くなっていましたが、当のS君は、全く動じず刻み続けていました。この日の【聡】組の感想の中には「Sさんの目の強さに驚きました!」とのコメントも(笑)。
【聡】組の朝ごはん:ごはん わかめと油揚げの味噌汁貝割れ菜入り 鮭の西京焼プチトマトと貝割れ菜添え ほうれん草のごま和え、枝豆入りひじき煮、フルーツヨーグルト

 これで全クラスの実習終了! 各クラスから頂いた感想は、確認して各担当の先生方にお返ししますが、こちらの想像以上に、みんなとても楽しく、美味しく学べた様子。よかった、よかった。
 朝から学部長とちゃぶ台囲んでごはんを食べる授業・・・たぶん他ではないと思います。
 
 これから暑くなりますが、朝の食欲はコンディショニングの基本。RecOでの朝ごはんを毎日、はちょっと大変かも知れませんが、一つの基準にして、元気に夏を乗り切りましょう。

 【Izumi】 先生、奥井さんを始め立命館生協のみなさま、9回分の貴重な空間を一緒に作っていただき、ありがとうございました!
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【abc.】

 RecO では明日夕方から「青花スイーツコンテスト」が行われます。また、今月末のオープンキャンパスでは、予約制の「夏ばて防止」をテーマにした調理実演を開催! 詳しくはスポ健のHPのイベント案内でチェックしてくださいね。

 

2010.07.12

学部説明会の帰路

 梅雨もシーズン最後の猛威をふるっております。皆様におかれましてはくれぐれもご注意下さい。

 夏も本番となりました。受験生の皆さんにとっても大学選びにとって大事な時期となりました。昨日は、東京の体育進学センター主催の体育系大学説明会に行ってきました。昨年も同じ時期に、一期生を迎え入れるべく説明会に参加してきましたが、今年は昨年以上の反響があり、昨年の1.5倍の30名がブースで熱心に学部説明を聞いてくれました。次年度の入試では、センター方式も導入されることも大きなきっかけになっているようです。関東中心の方にとっては、関西は遠いイメージもありますが、オープンキャンパスを含めて、立命館大学スポーツ健康科学部の施設・設備、教員に触れて欲しいと願っています。そうすれば、本学部が目指す方向性が、他大学と違うことを皮膚感覚で感じてもらえると確信しています。受験生の皆さん、暑い夏をしっかり乗り越えて充実の夏にして下さいね。

 

 今日は大勢の生徒の皆さんへ立命館大学スポーツ健康科学部のアピールをさせてもらいました。帰りの新幹線では、渇いたのどをいやすために東京駅で缶ビールを購入して、新幹線で飲みながら今日一日を振り返っていました。新横浜から乗り込んできた方が私のならびに座ってきたのですが、新人研修をうけているか、リクルートで活動中かとお見受けしたので、「研修のおかえりですか?」とお声掛けしたところ、横浜で小学校の採用試験を受けてきましたとのこと。地方国立大の教育学部で小学校課程を勉強されているようです。現在の小学校の採用状況などを伺いながら、当方がテキサスへ留学した時に、息子がお世話になった小学校の教育システムなどの話をしながら、教育についての懇談をさせてもらいました。お話しをしながら、非常に周囲への気配り、目配り、心配りのできる方との印象を強くもちました。例えば、座席をリクライニングさせるときに、後ろの方への声のかけ方、荷物を置くときの周囲への配慮など、「こういう方に教職について欲しい!」と思わず感じさせてくれました。極めつけは、通路を販売員が通ったときに、私の方をみて「お呼び止めしましょうか?」と私の手元の缶ビールが空いているのを既に見極めておられ、さらに追加するだろうと読みきって、声を掛けてくれました。思わず感服しました。是非ともこんな素敵な方を児童の指導に携わって欲しいと心より願っています。

 

 本学部の学生さんも教職に強い関心を持つ層が5割ほどいるようです。教職に関わる知識、理論とともに実践力、そして本学部の特徴である総合的・学際的な力と周囲への心配りができる素敵な学生に育てて、日本の力の源となる教育の現場で活躍して欲しい!と心から願っています。

 

 昨日は、意欲溢れる生徒のみなさん、素敵な教職を目指す学生さんに出会えて元気をもらいました。今週もしっかり頑張れそうです。

 

【忠】

 

 

2010.07.11

ATC 特別講演会が行われました

この一週間は、大雨が続いた地域も多いですが、
みなさん、いかがお過ごしですか?

先週の水曜日に、立命館大学卒業生で、
NATA (National Athletic Trainer's Association) が認定する
ATC (Athletic Trainer, Certified) の資格を取得するために
現在、アメリカに留学中の松野さんに来ていただいて、
特別講演会を開催しました

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講演中も、講演終了後も、たくさんの学生が質問をして、
大変活発な講演会になりました。

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ATC の資格を取るためにも、
大学できちんと英語を学ぶ事の重要性を
松野さんが繰り返し言われていたのが、
とても印象に残りました。
我々の学部を受験しようと考えてくれている学生さんは、
しっかりと英語を勉強して下さいね。

それでは、また。失礼致します。
良い休日を。
              敦

 

2010.07.10

日曜日は、参議院議員選挙です...:自治って何?

明日、日曜日は、参議院議員の通常選挙です。

といっても20歳に達していない1年生は、まだ選挙に行きたくても選挙権を持っていませんが...(笑)。

 

SE1.JPG民主党政権となって、友愛とCO2の削減を高らかに宣言したことに始まり、高速道路の無料化、子ども手当の支給、天下りの根絶、事業仕分けによる税金の無駄遣いの削減など、かなり国民の関心を引いた一方で、政治資金の不正問題や普天間基地移設問題などで首相が交代した後に、消費税の増税が浮上するなど、何かと話題に事欠きませんでした。

内閣・政党支持率が急落する中で、今回の参議院議員選挙は、政権政党の民主党にとっても正念場といえるでしょう。

 

 

しかしながら、国民の投票行動は冷ややかなようで、前回の"政権交代"がかかった衆議院議員選挙と比較して、今回の選挙は関心が低いのか、不在者投票数が激減しているというニュースが伝えられています。

 

学生諸君も
小・中・高校などで学級委員や生徒会長を選出する際に、"投票する"という行為を経験していることでしょうが、その時に、まさか、「誰に入れても一緒...」というような"いい加減な"態度で投票していないですよね?自分自身に与えられた「1票」という権利によって、クラスや学校の方針、または仕組みが代わるかもしれないわけですから、"権利"が与えられた我々には、"責任"がともなうという身の引き締まるような想いで投票に臨んでくれたことでしょう...。

 

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今年は、立命館学園の総長選挙の年でもあります。新しい総長選挙規程のもとに、我々教職員のみならず、学生の意思や声が反映される仕組みになり、選挙人に選出された人の投票行動が学園生活や将来の立命館学園の方向性を決める重要な年です。

 

1年生の皆さんは、基礎演習の授業やスポーツ健康科学会の設立に当たって、この立命館大学における"自治"の重要性と重みを少なからず、感じていることでしょうが、この"自治"ということについて、少しだけ考えてみたいと思います。

 

 

 




 

"自治(self-government)"とは、どのような意味なのでしょうか?

論文の中で定義づけするわけではないので(笑)、「自ら治める」というこの言葉を、緩やかに表現させてもらうならば、「自らが考え、自らが責任を持って行動すること」という意味といえるでしょうか...。もちろんこれは、自己責任のもとで、好きに振る舞えばいいということを意味しているのではありません。当然、我々は、社会の中で、社会を構成する一員として位置づく限りは、自らが責任を持って行動するといっても他者との関係を無視することなどあり得ません。

 

自治は、我々人間にだけ与えられた能力や本能ではなく、動物や植物の世界においても自治は存在することでしょう。ただ、動物や植物は、牙や棘、また毒や甲羅といったもので、自らの身を守ろうとしますが、我々人間は、他者や集団との関係の中で、互いに助け合い、互いに支え合い、そして分かち合って、自らの存在を守ってきました。時には競い合い、勝敗や優劣をつけることがあっても、それは、我々人間が進化を遂げるための、成長の糧やエネルギーとなっていたはずです。

 

つまり、我々人間にとっての自治とは、より豊かな生活を実現するために、我々自身が培った英知を結集させて、自分のために、また自分とともに生きる他者のために、そしてそのような人たちで構成される社会のために、自らが考え、責任を持って、助け合い、支え合い、理解し合い、認め合い、共生するための全ての行為といえるでしょう。

 

選挙の話題に戻りますが、20歳代から30歳代にかけての投票率は、どの選挙においても他の世代と比べて、顕著に低い傾向にあります。無関心ということが、投票行動を阻害する最も大きな要因ですが、「誰に入れても一緒だから...」や「どうせ誰がなっても一緒...」と社会の悪しき風潮に同化して、選挙を放棄する人が多いようです。

 

都合のいい"権利"ばかりを主張し、"責任"がともなう"義務"は果たさない...。そんな風潮が社会に蔓延したらどうなるでしょうか?社会を構成する一員としての責任や役割、また義務を果たさず、権利を主張するというのは、単なる身勝手にしか過ぎません。

 

選挙権を得た学生が、「誰に入れていいかわからないから、投票に行かない...」と話していたのを聞いて、「それならば、堂々と白票を投じたらいい」と話したことがあります。もちろん、候補者について情報を収集し、然るべき1票を投じることに越したことはありません。

ただ、「投票する」という行為を放棄するぐらいならば、自らに与えられた権利と、その権利を裏づける責任と義務を果たすために、白票でも投じる方がまだましでしょう。投票の中に「白票」の割合が増えるという事態が起これば、当然、政治家も考えるはずです。つまり、そのような自らの意思や行動を表すことによって、社会を変えるきっかけづくりをすることも可能だということです。

 

ただ、もっとやっかいなことに、権利を放棄したら、義務からも解放される...と思っている人もいるようで...。

社会を構成する一員として存在する時点で、我々には、何らかの役割や責任が付与されます。だからこそ、受動的ではなく、能動的に、また主体的に我々は生きようとするし、そのように生きようとするからこそ、人生は楽しいのにねぇ...。

 

自治は、"自律(autonomy)"という言葉とひじょうに関係が深いです。大切なのは、自立ではなく、「自律」です。「地方自治」という言葉や、「大学自治」という言葉がありますが、鍵を握っているのは、"自律"です。この言葉については、またの機会に考えましょう。

自治や自律は、私のようなものが語るよりも、優しげなメガネをかけて、髭を蓄えている【M.O】先生が適任でしょう!メガネに髭??ごっつい身体の先生ではなく、華奢な身体の先生の方...)

 

それでは、【M.O】先生、よろしくね!