2018.06.05

うれしい光景

少し前の週末、ごった返す駅構内でのできごとです。

私の前を歩く人たちにどことなく不思議な感じがしたので、
しばらくその後ろを歩いていました。

ご高齢のご婦人の周囲をなんとなく囲むように歩く、数名の高校生らしき男の子たち。
ほんの一瞬、「もしや、よからぬことをするのでは!」との思いが頭をよぎったのですが、
そういう雰囲気では一切なく、ごく自然に、楽し気に、会話をしながら歩いています。
でも、その歩調はとてもゆっくりと、そのご婦人のスピードにまるで合わせるかのようです。

その光景に惹きつけられ、そのまま彼らと同じ方向に歩きました。
ご婦人が改札を出て、待ち合わせの方と合流すると、高校生らしき男の子たちは、
別の方向へ歩き出しました。

そのとき、ピンときました!
彼らは、杖をついて歩くご婦人をそれとなくガードしながら歩いていたのです。

杖をついた小柄なご婦人は、誰かの体が少しでも当たれば、転倒してしまいます。
スマートフォンを見ながら歩いている人、イヤホンをつけて歩いている人が多く、
小柄な・杖をついて歩くご婦人に注意が向く人は多くありません。


これまで、サポートが必要な方をサポートする光景は何度も見てきましたが、
このような光景に出くわしたことがなく、気持ちが昂りました。

この機会を逃すまいと、彼らの後を追って、突撃インタビューをしました。
さっき私が見た光景について、ご婦人をガードしていたのではないか訊ねました。
私の突然の出現と質問にぎょっとした様子でしたが、答えてくれました。

彼らの通う高等学校のある先生が、次第に筋力が低下していく難病になったそうです。
2年間でみるみる筋力が低下し、歩くことも次第に難しくなっているそうです。
先生の歩行が難しくなるに伴い、先生の周囲には、先生を転倒から守る生徒の
クッションの壁ができ始めたそうです。「人間の肉壁」とも言っていました。

「『歩けるうちは自分の足で歩きたい』と言った先生のことばが頭に残っている」
と、彼らの一人が話してくれました。
また、別の子は、「先生は自分の足で歩きたいから、先回りした手伝いはしない」
と、話してくれました。

このような環境の中、駅構内で目の前にいたご婦人に対し、彼らは、自然に
自らがクッションのような壁となる歩行をしたようです。

「あんまり意識してないけど、まあそんな感じに勝手になるかなあ」
「別に急いでないし、ちょっとゆっくり歩くだけだから」

とても穏やかな気持ちになりました。
私は、障がいや特性、障がいや特性のあるひと、に関する講義を担当していますが、
その伝え方にいつも苦戦しています。講義だけでは、イメージに留まり、現実的な
こととして実感されにくく、とても行動変容にまでは届きません。

彼らとの出会いにより、「生の体験」や「接すること」には敵わないとの思いが
強くなり、私自身の無力さを禁じえませんが、同時に、さらなる工夫をしなければ
と、改めて気持ちが引き締まりました。



2018.06.04

産業技術総合研究所関西センター

 先週の火曜日に、BKCにある理工系4研究科(理工、情理、生命、薬)の先生方、事務職員の方とともに、産業技術総合研究所関西センターを訪問して参りました。

 産業技術総合研究所(産総研)は、全国に研究所がありますが、この関西センターは創設100周年を迎えるほどの長い歴史があります。ここで発明された技術が、世の中に実装されている製品もたくさんあります。

  

 上の写真にありますのは、日本で初めての燃料電池による自動車です。この研究センターで技術開発され、いまの燃料電池車の基礎をなしています。
 下記のミッションにあるように、「技術によって世の中を幸福に」というのが産総研の中心的な考えで、多くの研究者が新しい技術を開発に取り組んでいます。

  

 産総研と本学とは研究交流協定を既に結んでおり、その交流をより加速させようということで今回の訪問となりました。次回は、産総研の方からBKCを訪問していただき、大学院生も含めた交流を行う予定です。

 技術が急速に進歩する時代にあっては、連携による研究進展が必要になってきています。その意味でも双方の連携が深まり、より多くの成果が出て、世の中に貢献できるようになることが求められています。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
昨日、一昨日は、東京・中野で研究会に参加していました。

  

その中で、日本スピードスケート代表のストレングスコーチ・リートヴェルトさんのセミナーがありました。「アートとサイエンスの両方をもちバランス良く進める必要性」「データの実用的関連性の重要さ」の話に興味を持ちました。
【忠】

2018.06.03

ACSMが終了しました

本日はアメリカからのブログ更新です。5/29(火)からアメリカ・ミネアポリスにて開催されていたアメリカスポーツ医学会(ACSM)の学会大会が昨日終了しました。スポーツ健康科学部・研究科からも多数の教員・研究員、大学院生が参加をしました。また、研究発表数も多く、口頭発表やポスター発表の会場において「R」のマークが目立っていました。



ACSMのような大規模な学会になると、連日、数百の発表が行われ、その日の発表内容をチェックするだけでも一苦労です。以前は分厚い冊子でのプログラムが渡され、それを見ながら自分の聞きたい発表や会場を前日にチェックする・・・ということが通常の光景でした。一方で現在では、学会が配布するアプリをスマートフォンやタブレットに各自でダウンロードをした上で、アプリを用いて発表内容を確認するようになっています。この方法は数年前から導入されていたのですが、特に、今年度はアプリの使い勝手が大幅に改善されており、学会期間中は手放せない存在となりました。アプリではその日のセッションやセッションにおける発表者が表示されることに加えて、自分がチェックをいれた発表が「My Schedule」としてカレンダーに表示されます。そのため、その日の自分のスケジュール(何時何分からどの発表をどの会場で聴くのか?掲示されているポスターの番号など)を一目で把握することが可能です。また、発表内容に加えて会場の地図などもクリック一つで表示されますので、なかなかお目当ての教室を見つけられない私のような方向音痴にも優しいアプリです(笑)。国内学会では依然として冊子でのプログラムが一般的ですが、今後はACSMのようにプログラムの電子化が進むのではないかと予想しています。



当然のことながら、学会での発表言語は英語です。ネイティブスピーカーの英語は早く、瞬時に質問内容を理解して答えることは日本人にとって容易ではありません。その中でも、相手と向き合い自分の研究内容を頑張って伝えようとするスポ健の大学院生の姿を何度も目にすることができました。私自身が初めてACSMに参加をしたのは大学院博士課程後期課程1年次でした。それに対して、スポ健では博士課程前期課程であっても立派に発表する大学院生は決して珍しくありません。これには、各指導教員からの日々の研究指導や国際学会への参加の働きかけ、学部・大学院における英語授業の充実(大学院においても英語の授業は必修となります)、また、海外での学会参加に対する渡航費の補助など、国際的な研究活動に対する支援が充実していることが影響しているのでしょう。



さて、今回の学会で私が最も心配をしていたYくん(5/20、5/27のブログでも紹介)ですが、大会最終日の6/2(土)の「Thematic Poster Session: Altitude/Hypoxia:Training and Performane」で発表を行いました。緊張している様子が伝わってきましたが、最初の5分間のプレゼンでは研究内容や結果を上手に説明していました。その後の10分間の質疑応答は完璧!!とはいきませんでしたが、練習の成果は十分に発揮されていました。初めての国際学会ということを考えると、文句なしの合格点です。少なくても、私が彼と同じ年齢の頃にはこのレベルでの発表や質疑応答をすることは不可能でした(笑)。発表終了後に話をしたところ、「発表は終わりましたが、英語でのディスカッションの練習は今後も継続したいです。よろしくお願いします。」という嬉しい、力強い答えが返ってきました。



さて、次回のACSMは5/28-6/1(2019年)にかけてフロリダ州のオーランドでの開催です。学会大会は1年先ですが、発表に必要な演題登録の締切は11月上旬となる見通しです。帰国後は次回のACSMに向けての準備が始まります。





GOTO





2018.06.02

温泉入浴効果×スポーツ

2019年からいよいよ、日本で
大規模な国際的スポーツイベントが続きます。
その最初のイベントとして、アジア初の
ラグビーワールドカップ(2019RWC)が開催されます。
オリンピック・パラリンピック大会は
東京都を中心に試合が開催されますが、
2019RWCは、北海道から九州まで
日本全国12会場で試合が開催されます。

先日、2019RWCの関連調査として、
別府市観光戦略部をご訪問してきました。

別府市といえば、何よりも温泉、
そして、立命館アジア太平洋大学を思い浮かべるでしょうか。

今回ご訪問した主たる目的は、
スポーツキャンプ地としての
別府市の取り組みをお伺いすることです。

別府市は、2019RWCの公認キャンプ地に認定されており、
今年2月には、スーパーラグビーの日本チーム
「サンウルブズ」が合宿を行っています。

2018年3月22日付の読売新聞夕刊に
サンウルブズのリーチマイケル選手が気持ちよさそうに
別府温泉のお湯につかっている写真が掲載されました。

私の研究目的とは少し離れますが、
別府市では、温泉の入浴効果が
アスリートのパフォーマンス向上やリカバリーにも有効である
という研究を進めていらっしゃるようです。
実際、選手たちからの温泉に対する評価も高いようです。


残念ながら今回は短い滞在で、
温泉に入る機会には恵まれなかったのですが、
別府市観光戦略部にお伺いし、
心温まる時間を過ごすことができました。
別府市観光局戦略部文化国際化の皆様、ありがとうございました。
2019年の先を描きながら、
研究活動にも力を注ぎたいと思います。


写真は別府駅周辺と別府市役所の方々など
撮影:ゆ
写真の無断転載はご遠慮ください。



#2019RWC
#Beyond 2019
#ナンバー8≒別府八湯
#素晴らしい街と人との出会いに感謝
#次回は必ず温泉も


2018.06.01

中間発表が終わりました

更新が遅くなりました。すみません。嶋村です。

最近自分の研究・論文が忙しくて、完全にブログの更新を忘れていました。。。


さて今日は中間発表のこととそれに関して思ったことを書きたいと思います。2週間に渡って発表が行われましたが無事に終わりました。うまく発表できていたことろもあれば、そうでないところもありました。


失敗した人・グループは、やはり論理的・客観的な議論がきちんとできていませんでした(英語はさておき)。もちろん、こういった能力を伸ばすように指導するのが我々教員の仕事ですが、なかなかこれは大学に入ってすぐできるようになれるものではありません。僕の担当の学年は2回生なので、1回生の時からある程度は指導されてきていると思うのですが、やはり、大学以前に、どのような勉強・体験をしてきたかが、基礎的学力・論理的思考力の基盤として重要なのだと思います。


さて論文ってなんでしょう?友達からいろいろいい本を教えてもらったのですが、NHK出版の戸田山和久さんが書いた「論文の教室 レポートから卒論まで」というのがどうやら良さそうです。まだ読んでないので、僕もざっと読んでから紹介したいと思います。


ただ、中間発表を終えて僕が思ったところを書いておきたいと思います。今回はディベートでしたので、ある事柄に関して賛成派と反対派で議論することができるかが大事でした。まあなかなか難しいようですね。今日は2つの失敗例を挙げたいと思います(他にもありますが)。


失敗例1:土俵が同じでない

あることに関して、全く関係ない立場から賛成・反対するもの。

例えば、あることに対して経済の観点から賛成することもできるが、倫理的な観点から賛成できないというもの。これは論点が違うので、どうしようもありません。そういう別々の観点から議論してもいいですが、少なくともなぜ経済的に賛成する人は、倫理的に反対している人の指摘している問題点がどのように解決できるか(など)を示す必要があります。同様に、倫理的に反対する人は、経済的に賛成する人の議論を考慮しても看過することができない倫理的問題を指摘するなどして、自分たちの議論をサポートする必要があります。


失敗例2:結局同じこと。。。

お互いが極端な事例にしか言及せず、中庸が見出せていない。

例えば、ある所与の行動 x を行うと健康になれるとします。しかし、それをやりすぎると逆に不健康になる。しかし、x を行わないとそれはそれで不健康になる。どうやらこの x には「運動」という値が良さそうですね。さて、この場合、どちらも「過ぎる」は良くありません。しかし「しなさ過ぎる」あるいは「し過ぎる」例を提示してお互いを批判しても意味がありません。結局、どちらの意見も「ほどほどにしましょう」となります。では、反対する人は「ほどほど」を達成するのが難しく、どうしても「し過ぎてしまう」ということを客観的に示さないと反対は出来ません。同様に賛成する人は「どうすればほどほどにできるのか?」に答えなければ、自分たちの議論をサポートできません。


まあ、どうやら自分のことに必死になり過ぎて(ここでは、自分の P の発表)、大きな視点が持てていないことにそもそもの問題があります。もう少し、余裕を持って準備をし、議論がフェアかどうかを確認する必要があります。究極的にはそういうフェアな議論ができるかどうかは、人として大切です。物事をきっちり考えられない人が思考停止し、くだらないあるいは理不尽な慣例に従い、大きな間違いに陥ることもあります。「勉強ができるからどうなんだ?」という議論もあるかも知れませんが、大学生の皆さんにはフェアな考え方・思考力を身につけて、自分できっちり判断できるようになって欲しいと最近特に思っています。それは英語ができるより大切だと思います。そうすれば、これから若い人が社会を担っていった時、もう少しマシになるのではないのかなと思います。なんちゃって。。。


さて、あんまり暗い話をしてもアレなんで、発表の写真を載せておきますね。写真を載せてもいいと言ってくれた学生さん、ありがとう。



では、また来週。

2018.05.31

平和ミュージアム見学


こんにちはshinoです。

昨日から雨ですね。
来週にも梅雨入りしそうです。
これからジメジメした鬱陶しい天気が続きますね。

さて、昨日、1回生の基礎演習の授業では、
3クラス合同で、立命館衣笠キャンパスにある平和ミュージアムへ課外授業に行ってきました。

朝から大雨で移動が大変でしたが、南草津や京都に集合し、みんなで電車とバスに乗っていきました。

授業では、まずはじめに、この課外学習をする意味をしっかり考えることができるよう、
ビデオ視聴とスタッフの方からのお話がありました。




全体での話が終了した後は、3クラスで分かれて見学を行いました。
私は担当しているHクラスとともに、
はじめに特別写真展示場の見学に行きました。
みんな、たくさんの写真と解説を熱心に見入ってました。
平和な日本では想像できないようなことが世界では今でも現実に起こっているということを知り、
いろいろなことを感じ、考えさせられたと思います。

その後、場所を移動し、戦争時の資料とともに、
戦争を体験された御高齢者の方々が、当時のことについて丁寧に解説していただきました。



やはり、実際の話を直接聞くのは全く違います。
教科書やテレビで流れる映像では、知ることができないこともたくさん教えていただきました。
学生たちも熱心に質問しながら話を聞いていました。

この課外授業は毎年行っているのですが、
学生たちは年々熱心に、話を聞く姿勢が良くなっているとのお言葉をいただきました。
それも毎年継続して来てくれているからで、
昨年経験した上回生がうまく引き継いでくれているのだと思います、と言っていただきました。
オリター、AAをはじめとした上回生が、自分たちが経験したことを、
後輩たちにうまく伝えてくれているんだと思います。

褒めていただいて大変誇らしかったです。

見学する時間が少し短かったので残念でしたが、
1回生も今回の授業でいろいろ感じるものがあったと思います。
戦争とは何か、平和とは何か、なぜ立命館に平和ミュージアムがあるのか、
スポーツと、戦争、平和はいかに関係しているのか・・・・などなど、
1回生が何を感じてくれたのか、提出レポートを楽しみにしておきます。

この課外授業だけでなく、立命館での学生生活で得られたもの、感じたことを、
上下回生だけでなく、周りにいるいろいろな人たちにも伝えていって欲しいと思います。


2018.05.30

みんなで応援!!─硬式野球春季立同戦─

こんにちは。

プロスポーツビジネスを学ぶ私のゼミには、硬式野球部で関西学生野球連盟学生委員総務のカズキ、ラグビー部で体育会本部役員のトモ、アメリカンフットボール部マネージャーののミカさん、三人の体育会所属学生がいます。

彼ら、彼女たちは、自らがそれぞれの実践の場で頑張りながら、プロスポーツビジネスに、
自分たちが取り組む競技がさらに発展し、より多くの学生を励まし、
また応援してもらえるようになるヒントはないかと日々、勉強しています。

そんな私のゼミ生たちは、当然、みんなで彼らを応援しています。

それで、先日はゼミ生たちと関西学生野球春季リーグ戦、立命館大学 対 同志社大学の試合に立命館大学の応援に行ってきました。




立命館大学 対 同志社大学の試合は、私が立命館大学の学生であったもう40年ほども前から、
伝統の一戦、「立同戦」としてみんなから親しまれています。

本当は、私たちが応援に行った試合で立命館大学は優勝を決めるはずでしたが、
その前節の近畿大学戦で優勝を決めてしまいました。
ちょっと微妙な感じではあります。。(笑)

けど、みんなで大いに盛り上がりました。
なんと試合は、9回ウラ、6対5で逆転サヨナラ勝ち!!

熱い!!
みんなで我が大学の爽やかなスポーツを応援する・・・
グラウンドでプレイする選手たちは、私たちみんなの代表です!!
そして、彼らも、みんなに応援されて、日ごろの努力の成果を発揮する。
それが学生スポーツの醍醐味です。

学生スポーツにおける一つの事件が、学生スポーツの意義に疑問を投げかけたり、
議論を呼んでいますが、私たちが学生スポーツのあるべき姿を忘れることは決してありません。

ゼミ生のカズキは試合には出ていませんが、彼らのマネジメントでの努力があって、
この盛り上がりがあり、勝利があるのです。
また、多くの学生の応援が勝利を呼んだとも言えます。

立命館大学硬式野球部の神宮での大活躍をみんなで応援しています!!

またみんなでラグビーやアメリカンフットボールの応援に行くのが楽しみです!!







2018.05.29

変わりゆく地域

「地域」ということばからみなさんは、何を想像しますか?
地域ということばはよく耳にしますが、どこからどこまでを指すのか、ピンとこないままでいました。
でも、最近、自分の住んでいる、小さな村の中でのひととひととの関係が「地域」かなと思います。

私の住んでいる場所は、大阪市内から30分ほどにある、もとからそこに住んでいる「地のひと」と45年ほど前に新興住宅地として開発された「地でないひと」が暮らす小さな丁番地です。
町という範囲には、1丁と2丁がありますが、入り組んだ私道に囲まれた1丁の番地の中に30世帯ほどが暮らしています。

現在、私にとって実感できる「地域」は、この30世帯ほどが織りなすひととひととの関係、ひとの行為とひとの行為がつむぐ連鎖のようなものです。

私が中学生・高校生の時代には、この地域をとても煩わしいものと感じていました。
自治会活動が盛んで、様々な催しへの参加は義務で、あちこちの井戸端会議からは、その場にいない人の陰口が聞こえてくる。
また、そこでは、ヒエラルヒーが色濃い人間関係が展開されており、窮屈さを感じていました。

その空気が、ここ5年くらいの間に、なんとなく変化し始めました。
あれこれとその理由を考えていたのですが、その大きな理由として、君臨していたボスのような存在の人が、そのようなポジションが、薄らいでいってるからです。村の若者がどんどん外に出ていき、10年前あたりから老齢化が加速しています。そのような環境の中、誰かがボスになり力をもったり、ボスの機嫌をうかがったり、違うボスをたてた別集団の組織化ができなくなったりしていったように思います。

すると…
ヒエラルヒーは崩れだし、だれもが同じ位置で、だれもが助け合う関係が出てきました。
助け合うというよりは、お互いがお互いを見守る・気にかけると言った方が適切かもしれません。

家の外を箒ではいているとき、買い物に行くために村の私道を歩くとき、どこかの家の雨戸が閉まっていれば、ちょっと気に留める。翌日も雨戸が閉まっていれば、「〇〇さんちの雨戸閉まったままだけど、旅行中かなんか?」と、道であった村のひとに聞いてみる。誰も知らなければ「いますか~」と声をかける。

老齢になり、車を運転しなくなったひとに「いつでも車を出すから、遠慮せず言ってくださいね」と声がかかる。

若い世代がちらほら戻り始め、あまり見られなくなった、子どもが外で走る回る、ミニだんじりを曳く楽し気な声が響くようになりました。そうすると、おじいちゃん、おばあちゃんも外に出てきて、その姿を眺めています。

こんなふうに、互いが互いを気にかける関係では、上下関係も、強いリーダーシップ性も、ヒエラルヒーも存在しなくなっているように思います。強い絆というものではなく、ゆる~く、でも繋がっている。そんな空気はとても心地よく、この5年ほどは、自分の住むこの村「地域」がどんどん好きになっています。

みなさんの「地域」は何を指しますか。そこではどんな変化が起こっていますか。


2018.05.28

365日晴れの街

 いよいよ気温、日差しともに夏に近づいてきました。

毎週水曜日は、会議のため朱雀キャンパスに行っております。水曜日以外にも行くことがありますが、いずれにしても朱雀キャンパスに行くときは数多くの会議に出ることになります。そのため、長時間、座りがちになってしまいます。
水曜日の常任理事会では、冒頭に3分間エクササイズ『アクティブ5』が導入されるようになり、座りがちの時間が多少緩和されるになりました。

それでも、全体としては身体活動が少なくなるので、「365日晴れの街」を歩くようにしています。これは、朱雀キャンパスの近くにある三条商店街の入り口に書いてあるキャッチコピーです。

  

約800mある商店街全体にアーケードがかかっており、日陰となり、風も良く通ります。もちろん、雨にかかることはないので、「365日晴れの街」と名付けられたのでしょう。

  

昔ながらの商店もあれば、新しいカフェ、総菜屋さん、居酒屋、スーパー、マンションなど色んなものが混在しています。修学旅行生、外国からの観光客、一般の買い物客などが入り交じって活気があります。是非、お近くまで来られたときは立ち寄ってみてください。

また、この三条商店街は、オリンピック金メダリストの野口みずき選手が、雨の日の練習に使ったことでも有名です。ランナーの皆さんは、雨の日の朝には、格好のトレーニングロードになるでしょう。

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>
先週の教授会のあと、スポーツ健康科学部の懇親会「あいコア会」が開催されました。関係する教職員、家族のみなさんに集まってもらいました。今回は、歓送迎会で異動になった職員の方にも来てもらいました。理工学部の事務長に異動されたM川さんの挨拶で、「家に帰ったようなほっとした感じになります」と話してもらいました。常々、「スポ健ファミリーは永遠です」と伝えていますが、一度われわれの関係者になった方(学生、院生、父母、校友、教職員など)は、家族、身内です。生涯にわたって家族のように付き合える仲間です。
【忠】

2018.05.27

受講生からのコメント

5/29から開催のアメリカスポーツ医学会(ACSM)の学会大会が目前に迫ってきました。スポ健からも多くの教員や大学院生・学部生が参加をします(多くの人は明日、日本を出発するのではないでしょうか?)。さて、前回のブログでも登場したYくんですが、Thematic poster sessionに向けての大学での練習を無事に(?)終了しました。出発前最後の研究室のミーティングでは、本番で使用するポスターを用いて研究室のメンバーに対してプレゼンテーションや質疑応答の予行練習を行いました。この1ヶ月間、連日の実験やその他にやらなければならないこともあり限られた時間での練習でしたが、博士課程前期課程1年生として十分なレベルにまで達したと思います。大学院生には日頃から「計画的にしっかりと準備した上でスタート地点にたてば、仮に本番で上手くいかなかったとしても得られるものがある」と話をしています(もちろん上手くいけば大きな自信を得ることができます)。指導教員の立場として、計画的に準備をした上でスタート地点へと送り出すことができそうで安心しました。ちなみに当日は、博士課程後期課程3年生のKくんもThematic poster sessionにおいて発表をします。ただし彼は国際学会での発表経験も豊富、これまでの努力の積み重ねもあり余裕が感じられます。Yくんにとっても最高のお手本です。





学会での出張中は授業は休講となります。全15回(90分間×15回)の授業も中盤となり、水曜日3限開講の「トレーニング科学」は7週分の講義が終了しました。ブログ担当初回(4/22)にも書いたのですが、毎回の授業時に受講生が書くコミュニケーションペーパーを読む中で、熱心にコメントを書く学生や鋭くユニークな質問をする学生の名前を覚えるようになってきました。数行のみの簡単な感想の受講生から1枚びっちりとコメントを書く受講生まで様々ですが、毎週楽しく読ませてもらっています。特に私の場合には、「この部分の説明、わからなかったらコミュニケーションペーパーに書いてね!」と授業中にお願いすることも多いことから、説明が不十分であった箇所はしっかりと指摘をしてくれます(笑)。その場合、次週の授業の冒頭で追加の説明をしますので、私にとって毎週のコミュニケーションペーパーはいわば「通知表」のようなものです。ところで今回、トレーニング科学の毎回のコミュニケーションペーパーにおいて「ありがとうございました。今日の授業も面白かったです。」という書き出しをする受講生がいます。また、「スポ健に来て良かったと心から感じることのできる授業です」と書いてくれる受講生もいます。その他、教員志望のAさんは、「自分の夢とリンクしていて、すごく勉強になります」と書いてくれています。教員が授業をするのは当然のことですが、受講生からの毎回のコメントが90分間の授業を行う上での大きなエネルギーになっています。

さて、前回の授業終了後に印象的な出来事がありました。受講生の一人が私の所にきて「先生、今日悔しかったです」というのです。一瞬「???」となりましたが、話を聞くと授業の途中で居眠りをしてしまったということでした。また、彼の居眠り中に私が説明した内容をどうしても聞きたかったので、居眠りをしたことが悔しくてしょうがないというのです。大学で講義を担当してから約10年が経ちますが、なかなかこういう学生はいません(笑)。彼は普段から教室の最前列部分で熱心に受講してくれています。「居眠りをした学生が目を覚ました時、授業を聞き逃した!悔しい!と本気で感じられるような授業をしたい」・・・以前からこのように考えています。もちろん居眠りをしないことが一番ですが、彼の口調が本当に悔しそうだったので思わず笑ってしまいました。水曜日3限の「トレーニング科学」は次回はお休みとなりますが、6/6の授業から再度気合いを入れて、熱い90分間の授業を展開できればと思います。

最後の写真は実習形式(筋力トレーニング時の筋肉の活動レベルの評価)での授業の様子です。実習形式での授業は楽しく、皆が楽しみながら学んでいます。



さて、次週のブログはアメリカからの更新です。

GOTO