2011.09.20
[ 2011年09月 ] の記事一覧
2011.09.19
シンガポール出張
先週末に行われた体力医学会大会(山口県下関)では,本学部の先生方,院生,学部生を会わせると総勢37名の参加がありました.この詳細は,今週の【香】先生,【Hassy】先生のブログで紹介されるはずでので,そちらを楽しみにしてください.
また,本日は修士2回生の修士論文構想発表会が行われます.全員15分の持ち時間を使って,自らの修士論文を最終的にどこまで達成するのか,その具体的なこれまでの進捗と残り4ヶ月間の計画を発表します.はじめでの修士論文を出す教員にとっても緊張します.
さて,9月11日から14日までの期間,シンガポールに【聡】先生と出張してきました. 今回の出張は,アジアでの教育交流の可能性,ならびに研究ネットワークを構築するためのものです.訪問先は,National Institute of Education,Nanyang Technology University, Singapore Sports Institute の3カ所です.まず感じたのは,いずれの教育,研究機関でも雇用されているスタッフは世界中から集まってきていることです.シンガポールの人口は約600万人で,中国系約70%,マレー系20%,インド系10%,その他,という比率です.英語は公用語になっており,全ての国民が英語を話します.ですので,もちろん大学の講義は英語です.現在の大学進学率は,20%であり非常に競争が激しいと聞きました.
3つの教育・研究機関ともに,研究に力を入れていました.そのために海外から優秀な人材を集めています.シンガポールには日本人研究者が100名ほどいるようで非常に著名な先生から若手の優秀な研究者までいます.今回,コーディネイトしてもらった増田先生もそのような若手研究者の一人です.客員教授である田口先生のおられた京都大学で博士号を取得して,その後シンガポールで研究をして現在2年目です.増田先生は,学部をでたあと一度仕事に就いた後,「どうしても研究したい」ということで30歳前に博士課程に入ったそうです.その分,意欲高く,現在の研究に集中して研究成果をあげるべく頑張っておられます.
このような意欲的な人材を集め,そのための環境を十分に整えています.スポーツにおいても同様な「勢い」を感じました.Singapore Sports Instituteは,日本の体育協会,国立スポーツ科学センター,国立トレーニングセンターを兼ねたような組織です.対象のスポーツ種目は少数に特化して,その分,集中して強化を図っています.施設整備についても,2025年までの構想ができており,巨大スポーツ施設(競技場,スポーツ科学施設,トレーニング,スポーツ医学施設など)が建設されます.おそらく,今後も世界中から関連の人材を集めるでしょう.本学部・研究科の卒業生の進路の一つになってほしいと願っています.今回の訪問で,日本の大学で修士をでてそのあとオーストラリアで博士号と取った日本人の研究スタッフにも会いました.彼に続いてほしいものです.
このSingapore Sports Instituteのミッションは,「参加」「競技力向上」「スポーツ産業」の3つです.「参加」「競技力」は他の国でも共通にみられます.「スポーツ産業」をミッションに入れているのは新鮮に感じました.産業の少ないシンガポールにあって,スポーツ産業の振興を掲げているのは興味深いです.この産業振興のために,スポーツ科学の研究スタッフは,経営,テクノジーの分野の人々との交流が求められます.やはり「学際的な力」が必要になってきます.本学部の強みである学際性,総合性は,異分野交流にとっても産業振興にとっても強みになることを感じさせてくれました.
【忠】
今週『ちょっと,もっと,ほっと話』
今回のシンガポール滞在で宿泊先にしたのは,Furama City Center です.ここにサービスマネジメントインスティチュートを卒業した,竹田健二朗君が働いています.彼は在学中からホテルマンになることを固く決意し,卒業後にホテル業の専門学校へ行った後,このホテルで国際的なホテルマンの修行をしています.にこやかに,巧みな英語で接客している彼をみて頼もしく,嬉しくなりました.ホテルマンとしてさらに磨きをかけることを念頭において修行するようです.シンガポールに行く際には是非,彼のつとめるホテルをご利用してください.
2011.09.18
前期の成績発表と後期に向けた履修ガイダンスが行われました。
みなさん、いかがお過ごしですか。
立命館大学では、夏期休暇が終わりに近づき、
16日 (金) に、前期の成績発表と、
後期に向けての履修ガイダンスが開催されました。
午前に、一回生、午後に、二回生が参加したのですが、
久しぶりに見る学生が、大きく変化しているのを見て、
夏期休暇どんなふうに過ごしていたのか、
非常に興味深かったです。
成績発表の後、友達と一緒に
研究室を覗いてくれた学生もいて、
英語の勉強方法やら、卒業後の進路やら、
お勧めの映画やら、色々と、話をして、
帰って行きました。
たくさんの学生が戻ってきて、
改めて新学期が始まるのを感じた一日でした。
それでは、また。失礼致します。
敦
2011.09.17
レギュラー目指して頑張っています
今春のリーグ戦で、チームの不運なアクシデントから2部落ちした男子バレーボール部の現状を1回生の池田拓真(たくま)君に聞きました。
春はセンターポジションの攻撃力不足が敗因だったそうですが、夏を過ぎてようやく中央からの攻撃力が戻ってきたそうです。
ただ心配なことは、現在2試合を終え全勝(落としたセット0)していますが、簡単に勝つため1部リーグ時のような1点をもぎ取る緊迫感が全くないことだといいます。
「今秋は必ず全勝して1部復帰し、来春は必ず優勝します」と。
ところで始まったリーグ戦では、池田君はなんとかベンチに入っているものの、レギュラーにはまだまだ力が及ばないそうです。
ピンチサーバーとして、1セットにつき1回の出場に集中しているそうです。相手を崩して、いい流れを引き寄せることが池田君の役割です。試合にはミスや失敗は当然あります。
しかし1回のチャンスが巡ってこない池田君には失敗は許されないのです。心臓の音が聞こえるぐらいの緊張感があることでしょうが、この試練を乗り越え、レギュラーとして活躍してほしいと願っています。
学部の学びでは、まだ半期終わったばかりなので、大学の勉強に少し慣れたかなというところだそうです。でも、授業後に長積先生に声をかけてもらったりすることがとても嬉しいと。また先生方の笑えないジョークに、心の中で突っ込みをしているそうです・・(「うん、確かに・・」私のことかな・・・汗。)。
夢は、中学校の先生になって、バレーボールの普及に貢献したいそうです。勝ち負けよりも、正しいフォームを丁寧に指導できる教師になりたいそうです。現在中学校では、バレーボールやバスケットボールの指導者が不足しています。そのことから、よくない癖がついてしまう学生が多いそうです。池田君には、ぜひバレボールが楽しいと眼を輝かせてプレーする生徒を育ててほしいですね。
今回「小さなチャンスに全力で向かっています」と語ってくれた池田君が、めっちゃカッコイイなと思いながらお話を聞かせてもらいました。
【shine】
2011.09.16
息吹
Hassy@本日から下関で開催されている日本体力医学会に参加です。
昨年に引き続き、「発表するのに事前登録を忘れる」というA型らしからぬ失態をおかしてしまい(これまで人にA型でしょう?と言われたことはないですが)、情けなくも当日登録(登録料は勿論高くなります)です。。。来年はこんなことがないようにしないといけません。
今回立命館スポ健からは教員、院生、学生あわせて30名ほどが参加しています。私の発表は明日です。敦先生のブログにありました学部2回生藤江君の発表も明日です。
学会の詳細はまた次回に報告したいと思います。
その藤江君と同様、学部2回生の横川君が頑張っています。
「研究」は「新しい発見」を導いたり、「わかっていないことを明らかにする」ことですが、研究のなかで最も大切、かつ難しいと言っても過言ではない(と思っています)、『何がわかっていないのか、何を明らかにすることが「研究」となるのか、を見出すこと』が、彼はできているのです。そのためには、興味をもった事柄に関連する知見を、主として学術論文を読んで整理し、まだ未解明で、かつ、解明することが非常に意義深い重要な課題を見出す作業をしないといけません。
研究は人類共通ですので、勿論相手は世界です。毎日膨大な学術論文が世界中で公表されています。したがって、最新の知見を整理するには、英語で書かれた国際誌(学術論文)を読みこなしていかなくてはなりません。横川君は、時にはCellhttp://www.cell.com/などの超一流雑誌を「難しい」「難しい」と連呼しながらも読み、研究テーマ(これについては追々紹介したいと思います)の背景をまとめる作業をしてくれました。特に、私がこれまでに発表した知見を基盤としたテーマで、我々がそのテーマに挑む『道理』を自ら提示してきたことには感心しました。
2011.09.15
夢を追う同級生。
先週、オーストラリアでポスドクとして働くことになった同級生の壮行会がありました。いつか、自身のラボを持つことを目標にし、新しくできた研究室で筋の再生についての研究を進めていくとのこと。目標は私も同じで、院生時代、夜中まで研究しながら将来について話していた仲です。そんな同期の活躍は心から嬉しいと感じられます。集まったメンバーは、一般企業、大学、研究所、様々なところで働いています。お互いの職業柄か、研究、教育や指導についての話で盛り上がりました。「待つ」という指導がいかに難しいか、そんなことが話題の中心になりました。私たちが所属していた研究室は「放牧」だったので、研究課題を与えて指導することより、「自身が手がける研究なのだから、時間がかかっても自身で考えなさい」というような指導でした。基本的に自分から研究したい課題を持って行かない限り、何も強いられることがなかったのですが、指導者側もかなりの幅広い能力を要します。学生の頃も研究のOKをもらうのに大変でしたが、立場が変わると、学生が持って来る課題に対して、ゼロから一緒に勉強しなければならない場合もあることなど、学生時代とはまた違った議論になり、それぞれが目標に向かって前進していることがとても励みになりました。
そして翌日、びわこ成蹊スポーツ大学に行ってきました。大体大院の同級生、岩井雄史先生がいらっしゃって「100m全力疾走」の講習会をしています。岩井先生は、大阪体大の伊藤章先生の研究室出身です。現在も仕事のネタとして?マスターズの大会に出られているそうです。ジョギング教室やマラソン教室などは耳にすることが多いと思うのですが、「短距離走」の教室という試みは珍しいかもしれません。おもしろいことに「ゆっくり楽しく走る」ことが目的の場合、女性参加者が非常に多いのですが、「全力疾走!」となると男性の参加者の方が多く、かなり本格的でスパイクは当然、自身のスターティングブロック(スタブロ)を持っていらっしゃる方もいらっしゃいます。あくまでも「楽しく走る」というのがコンセプトの教室ですが、およそ35名中、30名近くが男性で、「楽しく=競う!」という様子がうかがえました。練習も真剣で、参加者の中にはマスターズの男子100m年代別記録をお持ちの方がいらっしゃいます。
スタートダッシュの練習まで本格的でした。私も学生時代を思い出し、ちょこっとやってみましたが、スタブロを見た瞬間、授業の苦い思い出!?がよみがえり...「苦手オーラ」が隠しきれなかったのか、参加者で記録保持者の方が、丁寧に教えてくださいました。。。
大学院の頃、岩井先生と800m対決?をしたことがあります。運動生理学か何かの授業で、短距離選手と長距離選手、中距離だったらどっちが速いか!?という議論になったのですが、そんな話題に夢中になっていたことがきっかけで、長距離の私と短距離の岩井くんで「・・・じゃあ、今日の夜、こっそり走ってみよっか?」と、部活が終った後のグランドで「ちょこっと、こっそり」。。。のはずが、お互いの持ちタイムでスタートをずらそうか...そんなことを話してたら、研究室の先輩がやってきて「そんなことせんでも、負けんやろ。」の一言で同時スタート。いきなり10m、20mと離され、追いついてきたものの1m差で負けてしまいました。。。また先輩に「なんでやねん!負けんなよ!」と叱られ、勝敗を競う予定ではなかったのに、結構ショックだったことを覚えています。(しかし、収穫もあり、50m走と1500m走の結果から速筋線維タイプか遅筋線維タイプか予測できる、という論文があり、実感できたような気がしました。当時、日本でバイオプシーをやった研究だったので、興味深く読んでいた論文でした。)その先輩は卒業後、京都の研究所にいらっしゃいましたが、数年前から、大体大に戻り、現在は中長距離のコーチをされていて、今だに、いろいろな場面で声をかけてくださったり、本当にありがたい限りです。
終了後のミーティング。みんな必ず一言ずつ、どんな些細なことでも、観察し、意見することにしているそうです。教育的で良いなあと思いました。お手伝いに来ていた短距離の学生さんから「一番楽しそうに走ってらっしゃいましたね〜」と声をかけていただきました。「走ることは大好きです!」
ミーティング後、岩井先生と800mの話題になり、懐かしくて2人で大笑いしました。「今やったら、確実に負けるわ」と弱気な岩井先生でした(^^;)
2011.09.14
学校保健と保健室
9月10日。大阪で、近畿の養護教諭の方々の学習交流集会があった。毎年この時期に、近畿圏各地域での地道な教育実践にもとづくレポートを持ち寄って活発な討論が行なわれるのがこの集会だ。5つの分科会が設定されていて、私が討論に参加したのは「保健室から共同の学校づくりへ」の分科会。
例年この分科会では、養護教諭実践が中心的に報告され討論がなされてきていて、前年まで継続された分科会討論の到達点を踏まえて、1.保健室からみえる子どもたちの実態を参加者が出し合い、共有すること 2. 子どもたちの「健康権」「学習権」を保障する保健室づくりや学校づくりの上で養護教諭に求められているものを明らかにすること 3.父母や地域や教職員の願いがどのようなところにあるのか明らかにすること、の「討論の柱」が準備されていた。
そうした討論を導き出すために報告されたのが、「保健室は子どもが"みえる""つながる"出発点」と題する、直接的に保健室の意義や価値といったものに迫ろうとするレポートだった。
保健室は、「学校保健安全法」第7条で規定されていて、制度的に設置が保障されている。しかし、そのことが、本来もっている保健室の「役割・機能」を十分に果たすこととイコールではない。今回の報告者が3年間勤務した中学校では、長年にわたり保健室は閉鎖されていて、必要な応急処置などは職員室で対応していたし、現在もそうだと言う。レポートでは、異動した現任校でも「保健室閉鎖」がされていた状況を変革して再開室にまで至った経過が詳細に語られ、それにもとづく討論がなされた。
参加していた何人かの養護教諭から、自身の学校ではないけれども、子どもが通う中学校で「保健室閉鎖」の実態があることが語られた。同様のことは、全国の至るところで散見される。「保健室が開いている」ことが必ずしも「当たり前」なのではない。荒れて教室に留まれず、行き場を失った中学生たちにとっての「たまり場」としての保健室からは、本当に必要に迫られながら、行きたくても行けない中学生たちが排除されてしまう。「保健室閉鎖」は、そうした止むを得ない状況で現実のものとなる。
学校保健の中核に位置づくのが、養護教諭・保健室だ。学校における教職員との共同はもとより、地域・社会、家庭との「つながり」を図りながら、子どもたちの成長・発達に寄り添い、健康づくりの担い手として豊かな実践を地道に行なっているのが養護教諭であり、その拠り所となっているのが保健室だ。
教職に就き「学校保健の担い手」となるであろうスポーツ健康科学部の学生諸君にこそ考えて欲しい問題だ。 mm生
2011.09.13
うずら名人。
2011.09.12
第80回日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)
第80回日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)が、9/9-11まで、熊本県営陸上競技場で開催されました。今年は、アジア選手権、ユニバーシアード、世界選手権などの国際大会があり、これらの国際大会に参加していた学生選手たちも集っての学生日本一を決める大会でした。
今年の日本選手権2位、ユニバーシアード100m代表選手の小谷君が、2日目の100m決勝で見事に優勝しました! 優勝レースを目の前でみられて大興奮です。今回のブログは出張の関係で9月9日(大会2日目の途中)に書いています。現時点で、110mハードル三田君準決進出、200m堀江君が決勝進出、400mハードル小西君が決勝進出、4×100mリレーも決勝と先週紹介したように、スプリント実験で被験者になってくれた学生のトップスプリンターたちは絶好調で立命旋風を巻き起こしてくれています。O塚先生の予言通りになっています。中長距離では、800m石井君準決進出、1500m今崎君6位入賞、5000m決勝に田中君が出場します。
是非、来年のロンドンオリンピックに出場する選手がでてくれることを願っています。
全日本インカレは、個々の選手の活躍を支える各大学の部員たちの応援も大きな要素です。立命館大学の応援は、選手の活躍を十分に後押しするほどまとまりよく熱気に溢れています。大学対校戦である雰囲気を十分に発揮して、総合得点を少しでも稼げるように選手を鼓舞しています。個々のパフォーマンスだけでなく、インカレ独特の雰囲気をご存じない方には味わってもらいたいです。
またこの大会では、小学生、中学生の4×100mリレーの招待レースも行われていました。将来を担うアスリート育成を兼ねているようです。陸上競技のすばらしさを最高の舞台で経験できて未来の日本の陸上界をひっぱってくれる選手になってくれることでしょう。
今週の【ちょっと、ほっと、もっと話】
京都大学の神崎先生とスポーツ動作の共同研究をしています。その担当の院生の皆さんが、実験終了後に、スポーツパフォーマンス測定室を、掃除機、雑巾がけをして隅々まできれいに清掃してくれました。その姿を見て、非常に好もしく、嬉しく、清々しい気持ちになりました。指導教員の教育の賜です。見習わなければ、と思いました。
【忠】
2011.09.11
日本体力医学会大会で、ランチョンセミナー (9/17) 開催します
秋晴れの日が続いていますが、
みなさん、いかがお過ごしですか。
9/16 (金) 〜 9/18 (日) まで、山口県で開催される
第66回日本体力医学会 で、
9/17 (土) にランチョンセミナーが開催されます。
スポ健副学部長の 隆文先生 が司会で、聡先生が、
「高齢者の体力づくりと栄養摂取」というタイトルで、
発表されます。
また、樹義先生 や Moto 先生を始め、
スポ健の教員・大学院生も、この学会では多数研究発表を行いますが、
今回、学部二回生の F 君も、発表を行います。
(写真は、Moto 先生の指導の下、
遺伝子解析の実験を行っている、
F君です。)
彼以外にも、研究を始める学生が、
学部で増えてきたのは、とても頼もしい限りです。
スポ健に入学を希望している皆さんも、
ぜひ積極的に研究を行い、
スポーツ健康科学の発展に貢献していって下さい。
それでは、また。失礼致します。
敦