夏休み、多くの運動部やサークルが遅くまで活動しています。私が一番練習していると思うサークルの部員を紹介します。
バトン部の河上瑛君(1回生)です。毎日朝10時から夜の10時まで練習しています。12時間の練習をこなす河上君は、部員全員がバトンのことが大好きで、ご飯を食べる時間を忘れるほど練習できる仲間ばかりだといいます。
多くの人はバトンってマーチングの先頭で歩いている人を想像するでしょう。立命館のバトン部の活動は、そういった活動とは異なり、体育館や大きな舞台で演技を披露する活動をしています。ダンスと新体操と器械体操の床運動を組み合わせた演技構成で、さらに全員がバトンを回し、遠くに飛ばすといった10年以上経験して得られる高度な技を組み入れています。また新体操より演技する人数が多い(15名以上)のも特徴です。河上君は、バトンを回しながら2回転宙返りや4回転スピンもするそうです。
そういった、男性の力強さが女性のしなやかさをさらに引き出すことから、演技の中の迫力とあまりの美しさに見入ってしまいます。彼らの仲間は総勢16名で、現役学生12名(男性3名)とOB・OG4名(男性2名)だそうです。皆が日本のバトン界をリードするという高い意識を持つことから、世界大会で4年連続優勝するチームなのです(今年は震災の影響で世界大会への出場を自粛)。
この夏、アジア大会で金賞(トップ)を受賞し、JAPANカップで優勝し、また休むこともなく11月の関西大会向けて新しい演技を作ろうとしています。でも彼らはどの小さな大会にも全力で取り組みます。そういった姿勢が全国のバトンばかりでなく新体操やダンス界の人たちからも認められており、彼らの4分の演技を観るために全国から多くの人たちが集まるそうです。
河上君は、皆と相談しながら何度も何度も演技を繰り返しながら約4分の演技を作り上げていくことが最高に楽しいと語ってくれます。彼らには妥協はありません。世界一位だからこそ、練習時間も増え、最高の作品を作り上げているのだと思いました。
最後に彼らは芸術サークルだけど、体育会も彼らの情熱を学ぶべきかと思いました。私は河上君からいろいろお話を聞きましたが、芸術性を問うスポーツ種目も多いことからも、彼らの演技を作り上げる創造力や手法をもっと学部に取り込むべきだと勉強させて頂きました。
河上君には、ぜひ日本ばかりでなく世界を代表するバトンの指導者として活躍してほしいと願っています。
彼らの演技をぜひ観てほしいと思います。滋賀県のびわこホール(オペラや演劇をする日本を代表するホール)を2000名以上の観客で超満員にするほどのチームです。
【shine】