[ 2012年09月 ] の記事一覧

2012.09.20

クレアチンリン酸って、何??

Hamaです。

 先週、有酸素能を評価するために利用する筋肉内のクレアチンリン酸の

お話をしました。


クレアチンリン酸は、クレアチンという化合物とリン酸が結合した物質です。

 クレアチンは
グリシンとアルギニンのグアニジノ基とS-アディシルメチオニンの

メチル基から生合成されます。
 
 その後、クレアチンキナーゼという酵素の働きによりアデノシン3リン酸(ATP

から、リン酸分子を1つ受け取り、クレアチンリン酸が合成されます。

 このクレアチンリン酸は、筋肉が収縮する時に必要なATPを再合成する時に、

自分の持っているリン酸1つをアデノシン二リン酸(ADP)に与えます。
 また、クレアチンは、運動中に失ったリン酸1つをATPからもらうことにより、

クレアチンリン酸に戻ることが出来るのです。この過程は、有酸素的に

進むのでしたね。

 現在では、筋収縮の直接的エネルギー源はATPだということがわかっていますが、

以前には、クレアチンリン酸が、直接的エネルギー源だと考えられていた時代も

あるほどです。

 

 クレアチンリン酸は、モル質量もATPの半分以下なので、細胞内でも
比較的移動しやすく、ATPの代わりにエネルギー源を運ぶのにも便利なようです。
この機構をクレアチンリン酸シャトルといいます。


【クレアチンの合成】


引用⇒リッピンコット シリーズ イラストレイテッド 生化学 丸善出版

【Hama】






















2012.09.19

「よい授業」をもとめて

こんにちは。ma34です。
moza先生も書いていらっしゃったように、
来週からいよいよ後期の授業が始まりますね。
夏の間にしたかったこと(いや、しなければならなかったこと)がまだまだ消化しきれていないことには目をつぶり・・・
授業準備もしなくてはいけませんね。

さて。
先日、とある中学校の公開授業研究会に参加してきました。
地域的にやや「しんどい」学校で
そのなかでも、先生方が生徒ひとりひとりと心を通わせようと努力され、
授業にいかに「参加」させるかを、常に考えていらっしゃる様子が印象的でした。

その学校では、いま注目を集めている「学びの共同体」を取り入れていました。
(詳しくは検索してみてください)





子どもたち同士のかかわりあい、学びあいを尊重し、
教師は子どもたちのそうした学びに耳を傾けることをまず大切にします。

一見、授業中につぶやいたり、隣同士やグループ内で何気ない話をしていたり、
「がやがや」しているように感じますが
よくよく聞いてみると、「ここ、なんでこうなってんねやろ?」「教えて?なんでなん?」といった
聞きあい、学びあいが起こっているのでした。

教師も、声を張り上げたり、教室を常に静かにさせようと頑張る姿はなく、
むしろ、静かなトーンで、語りかけるように話されていて
一斉授業のような形式のときも、一人ひとりと対話するように説明を行っていました。

大学の授業でも、小中高の授業でも、
熱心に(みえる)、ノートをたくさん書き(黒板をうつしているだけかも)、ワークシートもきれいに埋めている学生・生徒を「ちゃんと学んでいる」と錯覚しがちですが
(もちろん、熱心にしっかり学んでいる学生・生徒も多くいるのですが)

はたして本当に、「頭を働かせて」「考えて」いるのだろうか。

逆に、がやがやしていても、それは集中していないのではなくて
しっかり意見をもち、交流させるなかで学びを深めている、そういう時間があるのではないか・・・

むしろ、そういう時間や機会を作り出すことが、教師に求められているのだと思います。

そのためには、学びあいができる「場」と、魅力ある「教材」が必要なのだと改めて感じます。
ただのおしゃべりになってしまわないように、そこに教師の指導性があらわれるのです。

・・・と書きながら、それが難しいのですね。。。

正直にいうと、
「よい授業」とは?という問いについて、最近、実はよくわからなくなってしまっています。
勉強をしたり、授業を見れば見るほど、よくわからなくなっています。
(昔、院生のときは聞きかじった『理論』で武装をして、分かったつもりになっていたのです)

けれども、「よい授業とは?」という問いをこれからも追い求めていくなかで
少しずつ本質が見えてくるように、さらに勉強しつづけたいと思います。
そうすることでしか、この「スランプ」からは抜け出せないのではないかと思うのです。。。

後期の授業でも、ぜひ皆さんの「良い授業とは?」への意見を教えてくださいね。

ma34.

2012.09.18

研究活動

さて、大学も来週から後期授業が始まりますが、
そろそろ準備しなきゃね、という状態です。

そこで、今回は、少しネタを変えて。。。

さて、先週の水曜日・木曜日で、熊野本宮まで、
研究のヒアリングに行ってきました。

なぜ熊野かと言うと。。。
熊野ではウォーキングを中心としたスポーツ・ツーリズムで、
非常に有名なところだからです。

本当は、昨年の9月に訪問しようと思っていたのですが、
訪問の1週間ほど前に、台風で大きな被害を受けて、
訪問ができませんでした。
そこで、今年、訪問してきました。




熊野で行っているスポーツ・ツーリズムは、
「熊野で健康ラボ」が運営していて、
http://www.kumano-de-kenko.com/
↑こんなことをしています。

昨年度、この所長に話をお聞きすることはできて、
その中でクアハウスの運営も2012年4月からするよ、
という話はお聞きしていました。

ところが昨年の台風の被害を受けてから、まだまだ回復しきれていません。
今年は、ゲリラ豪雨で浸水の被害が多くありましたが、
残念ながら、報道されなくなると、すぐに被害が忘れ去られるのだな、
という印象も持ちました。

それはさておき、熊野で健康ラボでやっていることは、
熊野一帯が世界遺産に登録されたのを受けて、
ウォーキングで学び、森林浴で健康になる、というのがコンセプトです。
なかなか他ではできないことでもあり、
地域の資源を生かしたユニークな取り組みでもあることです。

ただ、作り上げるのには、企業家(アントレプレナー)として、
とてもがんばってきたようです。

そこで、思うのは、こんなプログラムをスポ健のOB・OGが積極的にやっていってほしいなぁ、
ということです。
地域を元気にして、しかも訪問する人を満足させることができる、
これは大きなことなので、内容は違っても、
別のことでチャレンジをしていってほしい、と思っています。

ではでは。

PS:ネタを変えてみましたが、いかがでしょうか。
先週、感想が欲しい、と書きましたが、まだ誰からも感想をもらっていません。。。
出張続きで大学にいないだけかもしれませんが。。。(笑

2012.09.17

学会のハシゴ

9/11-13 北海道の北翔大学で日本バイオメカニクス学会が開かれました。この時期の北海道にしては珍しく気温が高く、草津と変わらないほどでした。今回の大会は、アジアスポーツバイオメカニクスとの共催でもあり、アジア各地からも大勢の研究者が参加しており、北の大地で国際色豊かな会議となりました。

20120917-1.jpg 立命館大学スポーツ健康科学部ならびに大学院スポーツ健康科学研究科からも発表がありました。吉岡先生の「筋力余裕度」の装置開発、評価の検討は、これまで蓄積してきたデータを切れ味よく整理し、論理的かつ非常に分かりやすく、『余裕』をもった発表で会場の評判も非常に高かったです。院生の吉田君の「後方への方向転換走」に関する発表は、十分に準備をしたプレゼン資料を何度も繰り返し練習したことを伺わせる内容で、初めての学会発表とは思えない堂々としたものでした。大塚先生の「スタートダッシュのクリアランス」に関する発表は、フロアーとの白熱した議論となり、しっかりクリアーに回答していました。博士後期課程1回生の治郎丸君も「走速度と骨盤の動き」をポスターで発表しました。

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 9/14-16は、【GOTO】先生のブログにありますように、岐阜で日本体力医学会が有りました。総勢40名を越える本学部・研究科の教員、院生、学部生が参加しました。ランチョンセミナーを含めて、一般発表にも数多く演題を出していました。中でも若手研究奨励賞に学部3回生の藤江君、大学院博士前期2回生の辻野君が選ばれました。対象者約450名9名が選出された中に2名も入っていました。おかげで「立命館、目立っているね~っ!」と他大学の研究者からも声をかけられました。学部・研究科開設3年目とは思えないほど、学会への活発な参加となっていますが、博士の学年進行に合わせて直線ではなく指数関数的に発表演題が増えるでしょう。

 

<<今週のちょっと、もっと、ほっとな話>>

今週の金曜日(9/21)は、日本トレーニング科学会の演題申し込みの締め切り日です。今年の1212日にびわこくさつキャンパスで開催します。多くの院生、学部生の参加を楽しみにしています。他大学の研究者、院生、学生との交流できる絶好の機会です。

http://www.ic.fc.ritsumei.ac.jp/trainingscience2012/

【忠】

 

 

 

2012.09.16

大学スポーツの応援と観戦

ロンドン・オリンピックとパラリンピック競技会が終わり、メダリストや代表選手達のテレビ出演も一段落ついたような感がします。身近な大学スポーツでは、後期開講を待たずして秋のリーグが始まっています。フットボール系競技の代表3つでは、アメリカンフットボールが9月2日の対同志社戦ですでに開始、ラグビーは10月7日の対摂南大学戦にむけて準備中、サッカーは9月16日の対びわこスポーツ大学戦で後期日程を開始します。また関西学生野球もすでに9月1日の対関西学院大戦から秋季リーグを開始しています。他の競技部においても同様な動きかと推察します。

 

 BKCジム2Fの第2アリーナでは、応援団チア・リーダー部のリズミカルでかん高い独特の掛け声、手拍子それに音楽が聞こえてきます。BKCの周囲を少しウォーク・ジョギングすればグリーン・スタジアムの練習フィールドでは、掛け声とともに「ガチッ」というヘルメットのかち合う音が響きます。また、「オウッ」というスクリミッジの反復に取り組むフォワードの気合、唸りも耳に入ります。スポーツ応援・観戦の季節だ、という気にさせられるのは私だけでしょうか。

 

 ロンドン・オリンピックやパラリンピック競技会に代表選手達が共通して賞賛していたことの1つは、「観戦者の応援の仕方」でした。もちろん自国選手の応援の時には特別な場合もありますが、「良いプレイ」には拍手・喝采、「不満な」あるいは「汚いプレイ」にはブーイングを、そして試合の流れ・リズムを考えた「盛り上げる応援」等々が、「勇気づけられた」と選手達の語っていた内容でした。大学スポーツといえば「応援合戦」というように、スポーツに接する「スタイル」をむしろ「不自由に」する「言葉の響きと実際内容」をもっているのではないかと、私はときどき感じます

 

 代表を送り出す母集団の一員として応援する気持ちと、そのスポーツのもつ「独特の面白さ」を味わおうとする考えは、一致する場合もあるし時として相反する場合もあります。フィールドで活動する選手達と気持ちを1つにするという意味で、「スタンドに肩を組んで立ち」「歌と動作で声援を送り続ける」スタイルは、「熱心なサポータ」としての共感を作り上げているように思えます。私には、野球もフットボールも同じようなスタイルに映ります。

 けれども他のいくつかの競技では異なった光景が見受けられます。テニスのようなラケット・スポーツでは、プレイ開始のサービスに先立つ「暫しの静寂」が求められます。ラリーの途中に声援や拍手を送る人はいません。同じネットを挟む競技でもバレーボールの場合には「優れた」レシーブやスパイクの出現などに一瞬歓声や拍手が現れますが、応援と観戦の流れを乱すことはなく、違和感はありません。

 

 「共感や、感謝、支持の気持ちをあらわすとき、我々は笑顔で拍手する。」「相手に友好的な信号を送ろうとするとき、知らず知らずのうちに声を高くする。」 動物行動学や人間比較行動学の知見から、小林は上のように拍手や歓声の意味を説明しています(小林朋道『ヒトはなぜ拍手をするのか』新潮選書)。

標題の応援と観戦のことを考えることは、「する」だけでない「みる・語る」スポーツを考えることかもしれません。学校体育で教えることも大事ですが、それだけに留まらないスポーツの文化の広さや深まりをスポーツ教育の分野では考察や究明の対象範囲として考慮に入れる必要がある、と私は感じます。

すなわち、先の小林の指摘に加えて、いつ(試合やゲームの流れ)、何に対して(その競技の対戦者あるいはチームによって創り上げようと、努力を傾けあっているもので、攻撃・防御の目標群か?)、どのように評価・鑑賞の結果を表現するのか(拍手、笑顔、歓声、ブーイングなど)の関連を考えることが興味深いところだと思われます。

 

【善】

 

 

2012.09.15

岐阜に来ています(日本体力医学会)

大学の授業がない8月、9月は関連する幾つかの学会が開催されます。私も昨日から第67回日本体力医学会に参加しています。


昨年に引き続き、今年も立命館からは多数の教員、大学院生、学部生が参加しています(約40名??)。はい、チーム立命館よく目立っています!私の研究室からも大学院生5名(うち2名が発表)、学部生1名の6名が参加しています。私自身は大学院の博士課程に進学した25歳の時に初めて学会に参加しました。一方、今は、修士課程や何と学部の学生も積極的に参加しています。立派の一言です。


今日のお昼はランチョンセミナーを立命館大学が主催しました。「スポーツ健康科学分野の展望」というテーマで、本学部における研究施策や「スポーツ健康科学研究センター」での研究プロジェクトの取り組みを学部長のizumi先生が紹介され、その後、hassy先生の研究室でポストドクトラルフェローをされているH田先生が【脂肪分解の分子メカニズムに関する研究】というテーマで、現在取り組ま
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れている最新の知見を披露されました。その後私は、【代謝、内分泌応答を手がかりにしたトレーニング科学研究〜トレーニング、栄養、休養からのアプローチ〜】というテーマで話をさせていただきました。運動後のリカバリー中におけるコンプレッションウェア着用の効果や、運動に伴う食欲の変化に関する最新の研究結果を報告しました。特に後者については、先週データが揃ったばかりで、運動をすると食欲を促進させるホルモンである【グレリン】が低下し、それに伴い空腹感が軽減されるという内容です。これからまだ幾つかの研究が必要ですが、1日の中で適切なタイミングで適切な運動を実施することで、1日を通して食欲を抑えることができないか。。。。かなり大胆な発想をもっています。もし、これが現実になればぜひ私自身積極的に取り入れたいと思います(特に私は食欲旺盛で、我が家のエンゲル係数は凄いものがありますので・・・・)。


さて、学会も明日で最終日です。明日の午前中もスポ健からは大学院生や学部生が発表をします。特に、若手研究奨励賞にノミネートされている2名の学生の発表は楽しみです!

GOTO

2012.09.14

「凌雲の志」再び~秋季リーグに備えて

 部長をしているアイスホッケー部の合宿の視察(正式には合宿成果の検証とも言える第13回大学アイスホッケー交流戦苫小牧大会)に行ってきました。部員は先月末からの合宿で各自の達成目標を果たしたのか、一段と精悍な顔つきになっていました。食事での会話ばかりでなく、食べる量にも力強さを感じさせられました。部員30名と彼らの活躍を支える小山主務をはじめとするマネージャー4名の所帯は、同じホテルに宿泊している他大学に比較したら決して大きくはないが、雰囲気には誇りと自主性に裏打ちされた明るさと伸びやかさを感じました。観戦できた日体大戦では、執念とねばり強さで、体型的なハンディ(機能的は?)を超えて勝つことができました。勿論8名いる本学部生も大健闘でした。  この成果を基に、22日から始まる関西インカレ・リーグ戦では是非4位以内に入り、全日本に進んで、立命館大学アイスホッケー部の名を高めてもらいたいと願っています。そのために必要なのが「自己管理」。勉学を中心とした体調管理をきちんとできなければ、上は望めないことは明らか。明確で具体的な目標設定と共に是非徹底してもらいたいと強く思っています。今、大学でプレーできることの幸せに感謝しつつ。(老ブロガー・ハル)



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2012.09.13

筋肉の有酸素能力の測定方法

 通常、有酸素能力と言えば、全身性の有酸素能力を指します。これは、心臓と肺の能力(心肺能力)の指標で、自転車エルゴメーター運動やトレッドミル運動(ベルトコンベアーのような上を走る運動)を用いて測定します。具体的には、自転車運動なら、軽い負荷から徐々にペダルの重さを重くしていって、出来なくなるところまで追い込みます。その際に、呼気ガス分析装置を用いて、呼吸器(肺)から取り入れることのできる酸素の量の最大値(最大酸素摂取量)を求めることにより、心肺能力を評価することができます。

 

 では、筋肉の有酸素能力を評価する場合にはどのようにして、測定するのでしょうか?筋肉は空気中から直接酸素を取り入れる訳ではないので、測定は難しそうですね。

 

 筋肉の有酸素能力を測ろうと思うと、直接筋肉に針を刺したり、血管の血流量や血管の中の酸素の量を直接測る方法もあります。ちょっと痛そうですね。

 

 私たちは、針を刺したりしないで、筋肉の有酸素能力を測る方法を用いています。その方法を説明していきます。測定装置としては、磁気共鳴分光法という装置(MRI装置とほぼ同じ)を使います。

 

 筋肉が収縮(運動)すると、酸素や糖質などを使いますし、筋肉の中のクレアチンリン酸という物質も減少します。このクレアチンリン酸は、一般には、無酸素的に分解(使われて)されて、アデノシン3リン酸(ATP)を作り出します。このATP(糖質や脂質からも作られますが)を用いて、筋肉は収縮するのです。

 

 その一方で、運動を終えると、クレアチンリン酸は、回復してきます。その回復には、実は酸素が不可欠なのです。そして、有酸素能力が高いと、このクレアチンリン酸は、早く回復します。例えば,トライアスロンの選手は、クレアチンリン酸の回復が早いですし、慢性的に体を動かさないと、その回復が遅れます。

 

 ですから、クレアチンリン酸の回復状態を測定することにより、針を刺したりしないでも筋肉の性質(有酸素能力)が分かるのです。

 

 皆さんも機会があれば、測定してみてください。

 

【今週の1 shot!!

筋肉の有酸素能力を測定できる磁気共鳴分光装置
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【Hama】




2012.09.12

映画「うまれる」をみました

おはようございます。ma34です。

日中はまだまだ暑いなあと感じるときもありますが、
朝晩はすっかり過ごしやすくなり、秋がやってきたのだなあと感じます。
スーパーの果物コーナーの香りを楽しみに
毎日買い物をしておりますが(笑)、
果物コーナーも、梨や巨峰が登場し、秋の香りに変わって来ました。

さて。
先週、自主映画上映会にて「うまれる」という映画をみてきました。
(写真、一番上のパンフレット。
 その他の本は、「いのち」に関して最近私が読んで面白かった本です。)

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映画「うまれる」には、生まれてくる新しい〈命〉、赤ちゃんをめぐって
それぞれの家族がそれぞれの思いを抱きながら、
何かを学び、挑戦し、壁にぶち当たり、克服し、新たな光を得ていく、
その姿が描かれていました。
(ドキュメンタリー映画ですので、彼らの生き方そのものが映し出されていますが、
 きっと映画には現れていない、もっともっと多くの思いや悲しみもあったかもしれません)

ぜひ、皆さんにもいつか見て欲しいと思いますので
中身を詳しくは語りませんが、

実の母親に虐待された経験をもつ女性が、
お腹に新たな生命を宿した時、
「こんな私に、ちゃんとした母親ができるのだろうか」と悩み苦しみながらも、
初めての出産を経験したとき、
自分の母親もこんなふうに命を賭けて、耐え切れないほどの痛みを経験し、
そして私自身を産んでくれたのだということを知り、
愛情がなければ、こんな苦しいことはできないだろう、
私も愛されていなかったわけではないのだ、と少し思えるようになってきた、と語っていました。

重い障害を持ってうまれた命。
いつその命の灯火が消えてしまうかわからないけれど、
家族は精一杯、今を生きていました。

私自身、新しい命を迎えられたことに感謝はしておりましたが、
改めてそのすばらしさを感じるとともに、
今を大切に生きること、をもう一度考えなければならないと思いました。


映画をみてから、「いのち」について色々と本を読んでいます。

命と健康のつながりという点では、「どのように食べるか、何を食べるか」。
私の場合、食物アレルギーの子がおりますので、そういう観点でも勉強したいのです。

そして、命と教育というつながりでは、
「いのちをいただく」ということをどのように教えるのか、
また自分自身の命が大切であるということをどのように教えるのか、
そんなことを勉強したいと思っています。

担当科目の内容にすぐは結びつきませんが、
いつか自分のなかでちゃんと整理できたとき、
授業のなかでもお話できればと思っています。

ma34.

2012.09.11

キャリアを考える(4)

はてさて、連載物が続きますが、
決してブログの新しいネタがないわけでなく、
なんとなく、書いておいた方が良いかなぁ、と思っているからです。

ネタだけで言うと。。。大学院生の話とか、出張の話とか、地域からの期待の話とか、
色々ありますが、とりあえず、それはそれ。

さて、前回の終わりに、次は「人に伝える」ということ、
と話をしたので、そのあたりから話をしていきます。

まず、コミュニケーション(communication)のことから話をしていきます。
当然、コミュニケーションとは、双方向性を持つものです。
元々はラテン語の"communis"であって、この意味は共有する(share)だったそうです。
つまり、AとBとで共有する、ということです。
ついでに言えば、言葉によるコミュニケーション以外にも、
様々な身体を含むメディアによってコミュニケーションは成立します。




さて、このままいくと、コミュニケーションの概説で終わりそうなので、
元々の伝える、に戻りたいと思います。

人間は、一人で生きているのではない、という話を前回しましたが、
そのつながりで生きるためにコミュニケーションを取る必要があります。

そしてコミュニケーションでは、
相手のことを理解すること、
自分を理解してもらうこと、
この二つのことが必要となります。

この両方の力を持っている人もいますが、
人によって得意・不得意があるのが、
聞く力、伝える力、の違いです。

そして、キャリアの中で、自分のキャリアを人に理解してもらうためには、
自分を相手に伝えなければなりません。
最初に話をしたと思いますが、
自分自身の生き方や興味関心、
ということとキャリアは関わってきます。

その時に、漠然とした言葉では相手に伝わらないですから、
具体的にどんな経験をしたのか、について伝えなければなりません。
また、相手は全く違う人生を歩んできていますので、
相手に理解されるように話を進めていく必要があります。

このことがけっこう大事なのですが、なかなかうまくできる人が少ない、
そういう点になっています。

ちょっと意識してみてくださいね。

それでは長くなってきたので、また来週。
続く、かな。。。

ではでは。

PS:この前久しぶりに見ています、という感想をもらいました。
見ている人がいて、良かった、と思って、書く気がますます増えました。
見ている人がいましたら、声をかけてくださいね。