Hamaです。
先週、有酸素能を評価するために利用する筋肉内のクレアチンリン酸の
お話をしました。
クレアチンリン酸は、クレアチンという化合物とリン酸が結合した物質です。
クレアチンはグリシンとアルギニンのグアニジノ基とS-アディシルメチオニンの
メチル基から生合成されます。
その後、クレアチンキナーゼという酵素の働きによりアデノシン3リン酸(ATP)
から、リン酸分子を1つ受け取り、クレアチンリン酸が合成されます。
このクレアチンリン酸は、筋肉が収縮する時に必要なATPを再合成する時に、
自分の持っているリン酸1つをアデノシン二リン酸(ADP)に与えます。
また、クレアチンは、運動中に失ったリン酸1つをATPからもらうことにより、
クレアチンリン酸に戻ることが出来るのです。この過程は、有酸素的に
進むのでしたね。
現在では、筋収縮の直接的エネルギー源はATPだということがわかっていますが、
以前には、クレアチンリン酸が、直接的エネルギー源だと考えられていた時代も
あるほどです。
クレアチンリン酸は、モル質量もATPの半分以下なので、細胞内でも
比較的移動しやすく、ATPの代わりにエネルギー源を運ぶのにも便利なようです。
この機構をクレアチンリン酸シャトルといいます。
【クレアチンの合成】

引用⇒リッピンコット シリーズ イラストレイテッド 生化学 丸善出版
【Hama】