火曜日1.2時限目、3回生と4回生の専門演習が始まった。4回生については、「基礎演習」「研究入門」そして昨年の「基礎演習」での「実績」を踏まえて、「卒業論文」作成という具体的で地道な研究作業が望まれる。3回生も、2年間の「学び」「研究活動」の到達度を踏まえながら、さらに「広い裾野から高み」を目指す上での研究作業の吟味が求められよう。
ところで、手元に『日本における中山間地域の活性化に関する地域マネジメント研究―経営学・マーケティング・ケアの視点から―』(全労済協会、2011/07)がある。私は、「中山間地域での"ケア"の問題を考えるー健康づくり支援の"教育的な営み"を拠り所としてー」と題して、健康づくりの分野から「へき地」を考えてみた。これは、「全労済奨学寄付金」による共同研究で、立命館大学経営学部・守屋貴司教授を研究代表とする「へき地」研究の一貫であった。
私の担当部分について言えば、成文化という一応の「成果」には至ったが、研究作業としては「頓挫」してしまった感のあるものだった。
「東日本大震災」のあった頃、私は丹後・伊根町にいた。前年秋の「京都教育研究集会」で実践報告のあった養護教諭の勤める中学校を視察していた。そして、翌日には、この養護教諭と地域で地道な教育実践をしてきている英語教諭との2人から、聴き取りの調査を予定していた。
私が「巨大津波」を知ったのは、資料収集のために立ち寄った伊根町役場であった。ロビーにあったテレビでは、津波に呑み込まれる宮城県・気仙沼が映し出されていた。私が生まれ育ったのは宮城県・石巻市。途轍もない衝撃が走った。3月12日の聴き取り調査は、何とか済ませたものの、研究作業の「まとめ」の段階にあって、調査資料の吟味と落ち着いた考察どころではなかった。元々が、「健康づくり支援の教育的な営み」を「へき地研究」と重ね合わせながらどこまで深めることが出来るのかと大きな課題ではあった。それが、「3.11を超えて」という課題ともなって押し寄せてくる。
4回生については、昨年後半から折に触れて「叱咤激励」を重ねてきた。しかし、それが実はわが身に向けられたものだったのかも知れないという思いに至っている。一方、3回生の専門演習はまだ始まったばかり。しかし、油断は禁物。何よりも、大きな課題を前にして「茫漠」たる思いを持つ事のないようなしっかりとした「準備」を進めて行かなければならない。 mm生