Hassyです。
現在私はアムステルダムで開催されるヨーロッパスポーツ科学会議に向かっております。
今回は、敦先生のブログでも紹介されていたHassyゼミの4回生の44kawaさんが、昨年に引き続き発表します。
次週にまた、学会の様子をお伝えしたいと思います。
さて、先週に、博士人材リーダー養成講座
https://www.ritsumei.ac.jp/ru_gr/g-career/program/list/article.html/?id=42
に招聘された(株)ファーマフーズ代表取締役社長の金武祚氏のセミナーに、ポスドクの1wanakaさんと参加しました。
私たちと同じように、機能性食品の開発をされており、興味深かったためです。
金氏は1980年代前半に、私も研究留学していたカリフォルニア大学バークレー校(UCB)に留学しておられ、自己紹介のときにUCBの懐かしい話を交わさせていただきました。
氏は人生の折り返し地点を越えてから起業を決意され、仲間3人で「10年間は1日も仕事を休まずに頑張ろう!」との強い意志で頑張り、4年半で上場された経緯をお持ちです。
動物実験で、GABA(γ-アミノ酪酸)がストレス軽減作用を有することはわかっていたものの、その有効性をヒトで検証し、そのエビデンスを基にチョコなどと混合して、ストレス軽減食品の流通経路を開拓されたことが、会社を大きく発展させたようです。
その実験方法はユニークで、奈良県十津川村の谷瀬の吊り橋を渡る前にGABAを摂取すると、唾液で検出するストレスマーカーの増加が抑制されることが確認されたというものです。
(写真:十津川村観光協会HPより)
高所恐怖症の私の場合どう反応するか、一度試してみたいものです。
いや、すみません、やはり吊り橋は渡りたくないです。。。
現在は、「タマゴのチカラを科学する」ということで、鶏卵に秘められた有効性を顕在化させ、様々なサプリメントや化粧品に応用されています。
「牛乳」と「卵」はどちらもタンパク質が豊富で健康食品の代表例にも挙げられますが、決定的な違いは、卵は温めるとふ化してひよこが誕生する!こと。
温めて数日で血管がはりめぐらされ、骨が形成され、毛も生えて来る、、、そうした、当たり前のことで、常識ではあるけれど、じゃあ卵のどこにそうしたチカラがあるのか?
それを科学的に探究し、そこから様々な商品を開発されています。
氏の話で印象的だったのが「常識の盲点」です。
卵のふ化、常識的に見過ごしていたことも、どうして?と疑問に思い、実際に自分で確かめてみることで、誰も気付いていないことに気付くことが多い、ということです。
まさに「コロンブスの卵」です。
コロンブスのアメリカ大陸発見に対して「偶然でしょ?」との多くの妬みに対し、「誰かこの卵を立ててみてくれ」と促したが、誰も卵を立てれなかったという逸話があります。
(結局コロンブスは殻を少し破って立て、皆がずるいと指摘したことに対して「種明かしされると簡単なようだけど、最初に成し遂げるということは難しいことだ」と諭したということです)
それで金氏は「立春の卵」の話を紹介されました。
コロンブス以来、卵は立たないという常識に対して、「立春の日には卵が立つ!」というニュースが世界を席巻したわけです(主に中国とアメリカ)。科学者たちはその理由付けに躍起になるも、中谷宇吉郎先生が立春でなくても10分程頑張れば、誰だって卵を立てられることを論述されています。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001569/files/53208_49866.html
このように、実際にトライしてみると、常識だと思われた卵は立たないことも実は違っていたことが判明したわけです。
(ちなみに私は5分間頑張りましたが、不成功(涙))
知らないうちに色々な「思い込み」が私たちの周りにはあって、でも真実は異なる!
そうしたことが多くあるのでしょう。
科学の世界でも多くの盲点があるのかもしれません。
そうそう。
以前、あるTV番組でやっていましたが、卵をこのように力を込めて握っても割れないのです!握力に自信ありの方、お試しあれ。